涼宮ハルヒの空鍋

part14-878◆Ftc6.YoghEさんの作品です。

同職人さんの黒井ななこの恋心リンクしている部分が見受けられますので、先に読んでおく事をオススメします。



何よキョンのやつ! 私以外の女の子にばっかり話してっ!

キョン「お~い泉」
こなた「やあキョンキョン。何?」
キョン「お前から借りたゲームで詰まった所があるんだが」
こなた「家に行くから教えてあげるよ」

キョン「お~いかがみ」
かがみ「あ、キョンくん。どうしたの?」
キョン「宿題のことで」
かがみ「まったく、授業中寝てるからよ。仕方ないわね、教えてあげるわ」

キョン「お~いつかさ」
つかさ「なぁにキョンくん?」
キョン「カエル落としたぞ」
つかさ「わぁ~ありがと~」

キョン「お~い高良さ~ん」
みゆき「何ですかキョンさん?」
キョン「荷物多いな、手伝うよ」
みゆき「すみませんいつも手伝っていただいて」

キョン「お~い小早川」
ゆたか「キョン先輩、何ですか?」
キョン「ちらっと見た時顔色が優れなさそうだったからな。大丈夫か」
ゆたか「はいっ。気遣ってくれてうれしいです」

キョン「お~い岩崎」
みなみ「あ……先輩」
キョン「今保健室から出てきたが具合悪いのか?」
みなみ「だ、大丈夫です。プリントを出しに行った……だけですから」

キョン「お~い長門」
長門「……何?」
キョン「いやお前が廊下にいるのが珍しくてな。どこ行くんだ?」
長門「……図書室。……一緒に、行く?」

キョン「お~い朝比奈さ~ん」
みくる「あ、キョンくん。どうしたんですか?」
キョン「いえ、何でもありません」
みくる「………………」

キョン「お~い黒井先生~」
黒井「何やキョン。てかお~いて自分」
キョン「すみません遠くだったもので。それより首にかかってるのって」
黒井「あ、き、気づいたんか? いやぁ恥ずかしいなぁ」

ん? あれはハルヒか? 何だって鍋持って部室に? また鍋でもやる気か……。
キョン「お~いハルヒ」
ハルヒ「…………」


キョン「ハルヒ? ってお前何空の鍋混ぜてるんだよっ!?」
ハルヒ「何言ってるのキョン。こんなに美味しそうじゃない」
キョン「ハルヒそれ鍋ちゃう、空鍋や」
ハルヒ「キョン、さっきから何言ってるの?」
キョン「ん? 古泉から電話か」
古泉『もしもし』
キョン「何だ? こっちはハルヒが壊れて大変なんだ」
古泉『そのことです。閉鎖空間が現れました』
キョン「なんだとっ! じゃ、じゃあ今のハルヒが……」
古泉『ええそうです。今までにない規模です』
キョン「そ、それであいつは倒せたのか?」
古泉『いえ。この強さ、とてもじゃありませんが無理です』
キョン「じゃあどうするんだ?」
古泉『ここはあなたがお姫様を現実に目覚めさせるしかありません。今度ばかりは冗談で言ってるわけではないです』
キョン「ま、また俺にアレをしろっていうのか?」
古泉『はっきり言ってそうです。これは機関としてではなく一個人としてお願いします』
キョン「どういうことだ?」
古泉『あなたも涼宮さんがこのままで良いとは思っていないでしょう?」
キョン「………」
古泉『最善かつ最速の方法です。お願いします。そろそろ戻らないといけません。では』
キョン「お、おい古泉」
ハルヒ「何? 古泉くんから? 美味しい鍋があるって教えてあげればいいのに」
キョン「ハルヒ……」
ハルヒ「待っててね、もうすぐできるから」
キョン「……ハルヒ、こっちを向け」
ハルヒ「何よ、今忙しいのよ」
キョン「いいからっ」
ハルヒ「うわっ!? な、何するのよ、痛いじゃない」
キョン「………」


俺は深呼吸してハルヒに顔を近づけた。何だってこいつはいつもいつも俺にこんな役割を押し付けるのか。
そして俺とハルヒの唇は重なった。
ハルヒ「っ!?」
本当にこれでいいんだろうな古泉。もし駄目だった時は恨むからな。
ハルヒ「な、何すんのよっ!」
キョン「キスだ」
ハルヒ「口に出して言うなっ!」
キョン「お前が聞いてきたんだ」
ハルヒ「ぅぅ……。ま、まあいいわ。キ、キキキ、キスなんて初めてだし経験しておきたかったし」
まぁ初めてじゃないんだがな。
ハルヒ「わ、私の初めてを奪っておいてただで済むと思ってるんじゃないでしょうねっ!」
ビンタの一つや二つは覚悟の上だ。今度SOS団の集まりがあった時は古泉におごらせねえと気がすまん。
ハルヒ「いいわ、目を閉じなさい」
俺は目を閉じただけじゃなく歯もくいしばったね。グーでくるとは思わないが。


少しあって、焦らして不安を煽ってるのかと思った瞬間、耳元でちゅっと音がした。
キョン「?」
ハルヒ「お、お礼よお礼! 百聞は一見に如かず! 経験は何にも勝るのよっ!」
キョン「はあ」
どうやらハルヒは俺の頬にキスをしたらしい。
ハルヒ「でもこれだけじゃ済まさないんだからねっ! 最低十回はあんたのおごりなんだからっ!」
叫ぶとハルヒは部室から出て行った……。おい、この鍋誰が片付けるんだよ。っていうか今気づいたがコンロすらねえじゃねえか。
俺はため息を吐いてどっと椅子に腰掛けた。
キョン「また古泉からか」
古泉『ありがとうございます。あなたのおかげで世界が救われました』
キョン「んな宗教じみた礼なんぞいらん」
古泉『叩かれましたか?』
キョン「いや。ただ今後最低十回は俺のおごりらしいぞ」
古泉『そうですか。領収書を貰ってください。機関が負担します』
キョン「そうでなけりゃやってられん」
古泉『お疲れ様でした。では』
静かになった部室で俺は寝た。ああもう夢であってほしいっ!!!

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最終更新:2007年07月31日 13:27
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