今私がどこにいるかって言うと・・キョン君の家なの。
何でそんなの所にいるかっていうのは、察してちょうだい
すごい緊張しちゃって上手く説明できないのよ。だって男の子の家に行って
しかも部屋で二人っきりよ?もうどうしたらいいかわかんなくて・・
キョン「すまんな、何にもなくて」
かがみ「べ、別にいいよ? これから何するとか、あ、その何じゃなくて、その何て言うか・・」
キョン「どうしたかがみ、支離滅裂だが」
かがみ「そ、そうかな? そんなことないよ」
キョン「ならいいが。ジュースはないんだが麦茶かなんかでいいか?」
かがみ「うん」
ダメだ緊張しちゃって上手く喋れない。しかも私今すごい事言ってなかった?
とりあえずキョン君はお茶を取りにいったみたいだから言うわね
私達は今付き合ってる。私が告白して、キョン君が返事をくれて。一般的な高校生の普通な恋愛よ
それに至るまでは一般的な高校生とは大分違ってたけど・・
そういうわけで今私は学校の帰りにキョン君の家によってるわけなの。
まぁ普通の高校生のカップルが彼氏の家に行くなんて普通よね? うん間違ってないわ!
でもこの後何するの? そんな経験ないから私わかんないわよ。でもよくある恋愛物の話だと・・
キョン「どうした? 考え事か?」
かがみ「わぁ! ううん何でもない、何でもないのよ・・それよりこれからどうするの?」
キョン「それが特にすることはないんだよな。かがみが俺の家に来たいっていうからこうしてるんだが」
かがみ「まぁそうなんだけど・・じゃあさ、キョン君」
キョン「なんだかがみ・・そんな色っぽい顔して」
かがみ「・・こいういうのってほら、することって一つじゃない?」
キョン「かがみ・・」
かがみ「キョン君・・」
バンッ!
キョンの妹「キョンくーん! ハサミ貸してーってあれぇ? 知らない人がいるー」
キョン「バッ! お前!」
かがみ「キャッ! え? 誰?」
キョンの妹「てへへー私はキョン君の妹だよ! お姉ちゃん誰?」
かがみ「キョン君の妹? あ、ああそうなの・・私は柊かがみ。キョン君の・・その・・」
キョンの妹「え! もしかして彼女? うわーすごいキョン君! ねぇ遊んで遊んでー!」
キョン「さ、出てけ!」
キョンの妹「いやーお姉ちゃんと遊ぶー!」
キョン「お前ってやつは人がせっかくいい感じだったってのに!」
かがみ「いいのよキョン君。・・妹ちゃん遊ぼっか」
キョン「だってかがみ・・まぁお前がそう言うなら・・」
キョンの妹「わーい!」
そうよ、いきなりあんな事しようとするから罰があたったのよ。今日はもう何にもしない!
それから私は妹ちゃんとゲームしたり宿題見てやったりして過ごした。
いくら妹がいる身とはいえ、年も性格も全く違う妹を相手に遊ぶのは大変だった
こんな元気な子が毎日側についてたら体力もたないわ。つかさで良かったー
キョン「すまんな、妹の相手させちゃって」
かがみ「ううん、いいの! 楽しかったしね」
私を家の前まで送ってくれる時にこんな事を話してた。辺りはもう暗くなっていた。
キョン「次来たときにはあいつを隔離させとかなければいけないな」
かがみ「あはは、そうね。次はちゃんと二人っきりがいいね」
キョン「そうだな・・それよりもかがみ。本当にあのことはお前一人でいいのか?やはり俺もいった方が・・」
かがみ「・・その事だけは二人で話したいの。だからキョン君は待ってて」
キョン「わかった。お前に任せるよ」
かがみ「うん。あ、そろそろ私行くね。じゃあねキョン君。また明日!」
キョン「ああ。次はジュースも用意しとくぞ」
そういって私達はわかれた。今日は結局何もできなかったなー。でも次があるわよ
それよりも私にはしなきゃいけない事があるの。それは私達の事をハルヒに伝える事。
ハルヒはキョン君の事が好きだった。私もキョン君の事が好きだった。お互いにその事を知ってた。
でも私は告白してキョン君と付き合う事になった。ハルヒの知らないところで・・
逆の立場だったらどう思うだろう。私の知らない所でハルヒとキョン君が付き合ってたら
そう思うと怖くて、言い出せなかった。でもいつかは言わなきゃいけないの・・
こなた「うう、遂にやったねかがみ! ここまで応援してきた甲斐があったよ」
つかさ「おめでとーお姉ちゃん。いいなー私も彼氏ほしいなー」
みゆき「おめでとうございます。本当に羨ましい限りです」
あの3人は私の告白を聞いてそういった。心から喜んでくれた。
みくる「私は見守る事しかできません。あなたはあなたの思うように行動してください。」
古泉「僕にはもう止められないというわけですか。ですがあなた達ならきっと大丈夫なのでしょう」
長門「あなた達を・・信じる」
あの3人は私の告白を聞いてそう答えた。みんなどこかハルヒの事を心配してた
ハルヒを通して私達を見てた。それがさらに私を不安にさせた。
私はもうハルヒの力の事をしってる。たぶん私がこの事を言えば何かがおきる・・
それをみんなは心配してるの・・でも私はハルヒを信じてる。だから言うの
かがみ「ハルヒ。今日の放課後、二人で話せる?」
ハルヒ「何よ改まって・・別にいいわよ」
かがみ「そう。じゃあ放課後駅近くの公園にきて」
ハルヒ「何でよ? 部室とかじゃだめなの?」
かがみ「どうしても二人っきりで話したいの」
ハルヒ「・・いいわ、じゃあ放課後公園ね」
キョン君の家に行った次の日の朝、学校でそう伝えた。何でだろ?
何で私は公園になんて誘っちゃったんだろ。教室とかで話せば・・私がバカだった。
放課後私は公園に向かった。ハルヒは部室によってから来るっていってたからまだ来てなかった。
この公園に来るのも3回目か・・どっちも非日常的な状況だったけどね。ハルヒとキョン君達に会ってから
ホント変な事ばっかりあったなぁ。何て考えてるうちに向こうから歩いてきた、ハルヒが。
ハルヒ「こんな所に呼び出して一体なんなの?」
かがみ「私ね、ハルヒに言わなきゃいけないことがあるの」
ハルヒ「・・・何よ」
かがみ「私、キョン君と付き合ってるの」
正直すぐに殴られるか世界が変わっちゃうかと思ってた。でもハルヒは真剣な目でこちらを向いたままだった
ハルヒ「何よそれ・・今更なんなの?」
かがみ「え?」
ハルヒ「あんた今まで私が気づいてないと思ってたの?」
かがみ「じ、じゃあ」
ハルヒ「そうよ気づいてたわよ。あんた達の様子見てたらわかるわよ! 露骨にいちゃいちゃして」
かがみ「そんなつもりは・・」
ハルヒ「それで今更私達付き合ってるのって何? 自慢でもしたいわけ?」
かがみ「違う! 私はただハルヒにこの事をちゃんと言おうと思ったから・・」
ハルヒ「じゃあ何でこんなに言うのが遅いのよ! あんた私がどんな気持ちであんた達を見てたか知ってる?」
かがみ「・・・」
ハルヒ「ふじゃけんじゃないわよ。私だって本当は・・」
かがみ「ごめん、ごめんハルヒ・・・え、泣いてるの?」
ハルヒ「うるさい! 泣いてなんかないわよ、バカ!」
かがみ「ハルヒ!」
ハルヒは振り返って走り出した。私はその後の光景を一生忘れない
ハルヒの目は涙を隠す腕で塞がれていた。ハルヒはそれを気にせず走っている
私は目で追うことしかできなかった。かける言葉がなかったから・・
走りさっていくハルヒ、その姿がどんどん遠くなっていって、公園を出たところで
ハルヒは宙を舞った。
理解できなかった。何が起こったのか。私はただ立ちつくすことしか出来なかった
周りが慌ただしくなってから、私は意識を取り戻した。ハルヒは今、車に轢かれたんだ
かがみ「・・・っ!」
声が出ない、ハルヒって叫びたいのに。足が動かない、ハルヒの所に行きたいのに。
膝が震えて私はその場に座り込んだ。何してるのよ! こんなことしてる場合じゃないのよ
早くハルヒの所にいかなくちゃ。いかなくちゃ!
ピーポーピーポー!
耳をつんざくようなサイレンが近づいてくる。公園の入り口は人で溢れかえってる。
ここからじゃハルヒは見えない。私は這うようにゆっくりゆっくりそこに近づいた
赤く染められた、人の形をした何かがちょうど救急車に乗せられ、運ばれて行くところだった
いや・・いや・・こんなの嘘よ、嘘よ、嘘よ!
かがみ「ハルヒー!」
「・・み・・かがみ!」
かがみ「・・キョン君・・」
キョン「何があったんだ! 何でハルヒが・・」
あれ、ここはどこ・・? 病院? 何であたしこんな所に・・全然記憶がない
確か私は公園にいて、ハルヒと・・ハルヒ?
かがみ「ハルヒ! ハルヒはどこ?」
キョン「今集中治療室で治療中だ。なぁかがみ一体何があったんだ、長門からハルヒが車に轢かれた
って聞いて来てみたんだが・・どうしてこんなことに」
かがみ「集中治療室・・私だ、私のせいだ。私がハルヒを・・いやあああああああああ」
キョン「おいかがみ、しっかりしろ!」
古泉「大変な事になりました。閉鎖空間があちらこちらで出現しています」
キョン「古泉・・それは一体どういうことだ」
古泉「涼宮さんが大変危険な状態にあるということです」
キョン「このままいくとどうなるんだ」
古泉「はっきりいって僕にもわかりません」
私が、私があんな所に誘ったから。あんな事いったからハルヒは・・
周りを見るとSOS団のみんながいた。
長門「・・戻る」
キョン「何だって?」
長門「世界が改変される」
キョン「どういうことだ」
長門「世界が4年前の改変前に戻る」
キョン「まさか・・ハルヒの力がなくなるからか」
長門「そう」
キョン「ちょっと待て、世界が元に戻っちまったらかがみは」
長門「彼女が本来いるべき世界に帰る」
キョン「な・・かがみ・・」
かがみ「キョン君・・」
キョン君が近づいてくる。そのキョン君の手が私の手に触れようとした時
突然のフラッシュバック。またあの立ちくらみの強烈なやつが襲ってきた。
待って! まだ私は帰りたくない。いやだ! ハルヒ、キョン君!
かがみ「っ痛ー! ここは・・学校?」
ここがどこだか確認する前にある異変に気がづいた。記憶が改竄されてる・・
ここは兵庫県じゃない、埼玉県よ。それに私の通ってた高校は北高なんかじゃない
陵桜学園で3年C組・・担任も岡部じゃなくて桜庭先生。もちろんキョン君とハルヒなんかいなくて
日下部や峰岸がいる。私がこの世界の住人といえる記憶が一気に湧き出てきた。
そうだ、私はここで、この見覚えのある学校に通っていたんだ・・
かがみ「ホントに世界が変わっちゃった・・前の時みたいに・・」
前の時? そうよ私は前、長門さんの力によって世界が変わった時に元の世界に帰れたじゃない
きっと今回もそうよ。帰れるわ! あの時は確か坂の下の光陽園学院に・・・ってないよ、あるわけないそんな学校
ここは北高じゃない。今回は状況が違いすぎる。あの時みたいに中途半端な改変じゃないんだわ。
どうしよう、どうしよう。戻んなきゃ! 私はまだ・・ねぇハルヒ、無事よね?
でも世界が元の世界に戻った。ハルヒの力が無くなったってことはつまり・・
いや、そんなの信じたくない、信じないわ! 待っててハルヒ、キョン君。すぐ帰るから
つかさ「お姉ちゃんどこー?」
かがみ「え、つかさ? 私を捜してるの?」
つかさ「お姉ちゃーん?」
かがみ「だから何よ! 何の用?」
つかさ「本当どこいっちゃったんだろ・・」
かがみ「おいおーい目の前にいますけど?」
こなた「おーいつかさ! かがみ見つかった?」
つかさ「ううん、学校に来てみたけどやっぱりいない・・」
かがみ「こなたまで・・何あんた達私が見えてないの?」
こなた「そっかーどこいったんだろかがみ・・つかさ次行くよ!」
つかさ「うん」
何? どういうこと? 私の姿が見えてない・・声も聞こえてない。どうして?
世界が元に戻ったんじゃないの? 記憶だって戻ったし・・
「その問いには僕がお応えしましょう」
かがみ「こ、古泉君?」
最終更新:2007年11月04日 23:56