まだ世界が再誕して間もない頃のこと

混沌とした地上を治めるため 天界の者達は

一人の男をそこへ送った


男は14人の僕を引き連れ 天より地上に降臨すると

直ちにその僕達に こう言ったという

「お前達の能力を以ってして 国を作りあげよ」と

かくしてそれまで混沌としていた地上に 秩序がもたらされた

14人の僕が それぞれの国を作り 王となったのである


14ヶ国の王たちは 地上の生命と慣れ親しんでいくうち

天界より来た証である 背中に生えた翼を失ってしまった

その代わりに得たものは かつて自分たちの主であったその男への

謀反気 であった


ある日のこと 14ヶ国の王たちは主への 忠誠心を捨てると

一人は剣を 一人は槍を 一人は斧を などを持ち 主であった

その男を呼び出し 彼を 「我々を天界人でなくした者」と

誅殺したのである


… … …


これを不憫に思った天界の者たちは

何の能力を持たないその男に 死した生命の記憶を

永遠に受け継がせる流れの一環としての能力を与え 彼を「死人」として

死後の世界の王とした


その男の名を「ジェイド」と呼ぶ

彼の肉体は カオス神殿の地下深くに 封印されている

ジェイドの姿を見た者は この世には誰もいない

全ては 主への忠誠を破った 14人の僕の思いから始まったもの

地上の生命は託された 主への忠誠心を決して破ってはいけないことを

… … …

死後の世界 冥界 の王となったジェイドは

数多の死した生命の記憶を 一度預かり受け

冥界の果てに在する 大水晶石にその記憶を保存し

冥界の肥やしにした


肥やされた冥界から その記憶は 大水晶石の力によって 地上へ戻り

また新たな生命の種を送られることになる


この一連のループは ジェイドにより「魂の循環」と呼ばれ

その循環を担う大水晶石こそが 後のクリスタル伝説の発端となる


冥界の果ての果て 地上より遥か深く

原初の母星・ ガイアの中心核に在する大水晶石は 冥界王ジェイドの力により

今尚 輝き続けている

数多の生命の記憶を受け継がせるために







最終更新:2012年10月28日 18:38