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右へ逸れすぎているぞ ―――アエネーイス第五歌162行

はじめに

 気象学の基礎知識を充分に試す60分がやって来た.誰だって,これまでの勉学の成果を幸先よく進めたいものだ.以下に,メモ程度の知識の断片を書き留めておこう.試験開始まで,あと何分だろうか? それまでの参考になれば幸いである.

大気の構造

 学科一般知識で最初のほうで必ずと言ってよいほど出題される分野である.幸先よく進めたいならば,手こずらず答えていきたい箇所である.

惑星と地球の大気

 地球の大気組成は頭に入れて置く必要がある.まず,地球型惑星と木星型惑星と分けて惑星を分類しよう.その上で,地球型惑星をさらに金星と火星,地球との違いを示すことできればよい.二酸化炭素の比率はいくらか?
 地球の46億年の歴史を大気で振り返ることができるようになればもっと良い.原始地球から現在の地球まで,大気組成はどう変化してきたか?
 もちろん現在の地球の大気組成も知っておかなくてはならない.温室効果気体と関連付けて覚えておきたいところである.

大気の鉛直構造

 対流圏,成層圏,中間圏,熱圏の特徴をよくおさえておこう.高度が上がるにつれ気温はどう変化するか?どんな気体がどれくらいの比率であるか?どんな現象が主に起こるか?

大気の熱力学

 気象予報士を目指すのなら,温位&相当温位といった気象学で現れる保存量は,もう一生ものの付き合いであると私は思う.ゆえに,それらの定義はもちろんのこと,どういうときになにが保存されるのか,きちんと理解しなければならない.

大気の熱力学[基礎編]

~なにが保存されるか~
 「保存される」とは,「変化しない」ということである.
 相対湿度,露点温度,混合比,温位,相当温位といった熱力学に関する諸量がある.例えば未飽和空気隗が断熱変化したらなにが保存されるか?

大気の熱力学[応用編]

~実技試験で活かされるエマグラムの知識~
 未飽和空気隗を下層から上層へ持ち上げる操作を行なおう.そうする時に,どんなルールで空気隗は温度が変化したり,凝結するか?
 実技では,エマグラムを見て雲頂高度を答えさせる問題がよくある.熱力学をしっかり学んでいないとそういった問いには答えられない.

 静力学平衡は,中緯度の総観スケールの気象擾乱を扱ううえでよい近似が成り立つゆえに,よく使う式である.
 (1) ΔP/Δz=-ρg (静力学平衡)
 (2) P=ρRT    (気体の状態方程式)
静力学平衡はなにとなにが釣り合った状態を指すか?

降水過程

 大気の熱力学ともつながる降水過程.
球の表面積や体積の公式と円柱の体積の公式はおさえておこう.終端速度や,併合過程に関する計算問題でよく使うからである.
 雲のできかたをおさえておこう.

大気における放射

 放射過程で特に重要な物理法則を記す.
~ウィーンの変位則~
 (3) λ[μm]=2897/T[K]
~ステファン・ボルツマンの法則~
 (4) I=σT^4
~(補)高度角α~
 (5) sinα=sinΦsinδ+cosΦcosδcosh
 注・・・Φ 緯度
     δ 赤緯
     h 時角 15°×(地方時-12)で求められる
 これらを応用して常日頃問題に慣れることが大事である.

大気の力学

 気象学・気象予報で一番重要な箇所である.ゆえに,しっかりと準備しておきたい.特に地衡風平衡の式は大事すぎる.

地衡風平衡~気圧傾度力とコリオリの力とのつりあい

 地衡風平衡は,水平気圧傾度力PGFとコリオリの力COLが釣り合った(平衡した)状態のことを指す.
 (6) PGF=COL
それぞれの力は,それぞれ次のように書き下せる.
 (7) PGF=(1/ρ)×ΔP/Δn n:水平距離
 (7)' PGF=ΔΦ/Δn  Φ=g×Z:ジオポテンシャル
 (8) COL=f×Vg f:2Ωsinφ(コリオリパラメタ) 
よって地衡風Vgは次のように書ける.
 (9) Vg=(1/f)×(ΔΦ/Δn)

温度風~風向順転か風向逆転か~

 実技試験では,ある地点の温度移流を問うことが非常に多い.その際に仮定されるのが地衡風平衡である.そして地衡風が上層にかけてどのように変化するかということを調べるのに役立つのが温度風である.
 温度風は大きさではなく,その「向き」が非常に大事であるが,温度風の定義にはベクトル解析でいうとところの「外積」が入ってきているので,はじめのうちでは直観では理解しにくいかもしれない.
 しかし右ねじの法則で簡単に解ける.
 フレミングの法則では右指の人差し指,中指,親指にかけて「電・磁・力」と習った方がおられるかもしれない.
 温度風の場合は,人差し指,中指,親指にかけて「高度・温度勾配・温度風」である.
 高度は,北半球の場合は上向きであり,温度勾配は低温から高温にかけ向かう向きである.
 以上のことを納得すれば,温度勾配が分かれば,上層にかけて地衡風がどの方向に変化しているか分かる.逆に,上層にかけ地衡風がある方向に変化しているか分かれば,温度勾配が分かるのである.

その他風について

傾度風平衡とは,水平気圧傾度力PGFとコリオリの力COLと遠心力CENとがつりあった状態のことを指す.
 (10) PGF+COL+CEN=0
それぞれを書き下すと,
 (11) ΔΦ/Δn+f×V+V^2/R=0
となる.このうち,第一項は(9)式よりf×Vgと書ける.(11)に代入し,式を変形すると,
 (12) Vg/V=1+V/(f×R)
となる.ここでRは曲率を表し,北半球では,低気圧の場合は反時計周りなのでR>0,高気圧の場合は時計回りなのでR<0である.また(12)の右辺第二項はロスビー数であり,系が地衡風平衡で記述できるか目安を与える無次元数となっている.
 低気圧の場合Vg/V>1となり地衡風はVで表せる傾度風より大きく,高気圧の場合Vg/V<1となり地衡風は傾度風より小さい,という結果が出る.

渦度について


気象現象


大規模な大気の運動


中小規模の大気の運動


成層圏・中間圏内の大規模運動


気候の変動


気象業務法その他気象業務に関する法規



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最終更新:2020年01月20日 20:55