第一楽章
なよなよした新参者なんかほっといちゃってさぁ,ボクちんと一緒に破壊を
楽しんじゃおうよ!14番目の世界の真実?それは14番目の「戦い」の真実でしょうが!
なんというミスプリ!・・・・・・・・・・・・ツマンナーイ!!!
14番目の戦い・・・それは誰と誰が戦う世界なのか!誰にも分かりはしない!そして
カオスに召喚されたボクちんは破壊を楽しむだけ・・・ああ,満たされてゆくー!
一応説明しておきますけど,14番目の戦いの物語は,知られざる物語・・・とかいうのを
完全に無視していますからネ?だから此処にはデスペラードカオスなんて余計な
存在なんていない!せめてボクちんと同じ世界から召喚されるオモチャがもう一人いれば
もっと壊しがいがあったのに~.オマケに前作と同じく6番目の幻想の物語をパクリ
やがって・・・.ボクちんの可愛いお人形を守るのは,悪い子でもオイオイヨでもなく
たった一人だって決まっているんだよ!そしてそいつをブッ壊しちゃうのは勿論ボクちん
なのだぁ!!!
まぁ,愚痴はこれくらいにして,ボクちんの破壊の旅を続けましょう・・・.
あれれ?そう言えばボクちんの可愛いお人形はどこへ行ったのかなぁ?混沌の女神に召喚
されたのは根暗のポーンといい子ぶりのナイトだけじゃないはず・・・.あぁ,そっかぁ,
思い出した思い出したボクちんらと同じく秩序の男神・ルフェインのシドに召喚されたん
だね,きっと!やっぱり私の元に帰って来るべきなんだよ,ボクちんの可愛いお人形,
ティナは!
まずはお人形探し~.どこへ行ったのかなぁ?試しに聖域にでも訪れてみますか~!
ふふふふーんふんふんふんふっふーん!
おんやぁ,あれは・・・ぎょ!
混沌の女神と秩序の男神と,フーリエがいる・・・.
はは~ん,さては真の次元の狭間にいるゴルベーザに色々と話しかけているのでしょう.
そこは邦畿の白砂宮だとか,神竜の成れの果てだとか・・・.お取り込み中すみませんが
ちょっくらお邪魔しますよ~.
さて,あの三人をどうしてやりましょうか.
ゼーンブ破壊する?それとも・・・?まっ,とりあえず様子を見ておきましょうか.
第二楽章
「ゴルベーザ,早く次元の狭間の深奥へ行くのです.
そうしないと神竜の浄化が始まってしまう・・・」
「それはそなたにとって良くない出来事なのか?」
「そうです.折角再会したのに―」
混沌の女神は秩序の男神に抱かれ,フーリエを2人で抱いている・・・.はーん,うるわしの
家族愛ってヤツですかぁ~,すぐ後ろにいるボクちんの存在に気付いてないとは・・・.
….
シンジラレナーイ!罰としてこの3人をカス以下の以下にしちゃいましょう.召喚される
前の世界で得たばっかの三闘神で・・・.黒コゲだじょー!!!燃えカスになってしまえ!!!
瞬間,三闘神から放たれた雷撃が,3人をあっという間に"燃えカス"にしてしまった.
あっは,なんて惨めで脆いオ・モ・チ・ャ☆不意打ち成功?!
ボクちんイカすぅ!・・・・・・ん?なんですかあのショボくれた光は.
その光の元はケフカに近付き,言った.
「パパとママのイミテーションを作っておいて良かった・・・思わず殺されるところだった」
「ぎょ?!お前は,さっき黒コゲにしたはずのフーリエ!」
「そろそろ気付いて欲しいなぁ,6番目の幻想の探求者さん」
「はて・・・なーんのことでしょ?」
「気付いていないのか・・・.でもいきなり燃えカスにするのは酷いなぁ.僕だってあれくらい
の雷撃・・・」
フーリエが魔導の言葉を唱えると,ケフカに雷撃が落とされた.爆風による霧が晴れてゆくと,
ケフカは無傷だったのが分かった.
「なに?!」
「残念でしたぁー!三闘神の真ん中にいると,魔導の力は打ち消されるのでした!
お気付きになられませんでしたか?・・・まぁ,新参の新参の新参の・・・新参どころか,
オリジナルキャラのお前には分からないでしょう.なぜなら!フーリエ,お前は!お前も
イミテーションだからだぁ!」
「そう考えたか・・・,じゃあ気付いているはず」
「フーリエ,お前がこの14番目の戦いでいろーんなかたちで現われること・・・でしょうね,
きっと.ある時は脳手術を受けている姿で.またある時は女神と男神との家族揃ってとんずら
するところ.そしてまた今正しく偽りのパパ,ママに囲まれているところ.どれが本物で
どれが偽者か・・・ボクちんが解き明かしてやろう!三闘神よ!今度こそあのオリキャラの
カスに死を与えるのだ!!!」
「三闘神の秘密,喋った事に後悔するんだな.半幻想跳躍,マジックポット!『ものまね』
発動ッ!これで僕も三闘神のバリアの中に・・・」
… … …
「またまた残念でしたぁー!三闘神のバリアの中に入れるのは,ある程度魔導の力が注入
されていないとダメなんですよ,フッフッフッ・・・カス以下の以下が!マジックポットは
頂いて・・・と.このフーリエの残りカスちゃんは・・・
しばらくカッパにでもなっていなさい!」
あーぁ満たされて行く・・・幻想跳躍マニアのフーリエを倒したボクちん.すごいでしょう?
えらいでしょう?脳手術を受けたり,家族を持っていたり
(さっき言い忘れちゃったぁ.ゴメンなさいね),
パンデモニウムからどこかへ逃げ出すところだったり,さっきのところだったり・・・.
いろーんなフーリエがいますねぇ,本当に・・・.全くもう,クサ~い.面倒クサ~い.
第三楽章
フーリエを倒しちゃったボクちん.聖域にはボクちんの可愛いお人形もいないし,
もう用はないんで~,さっさと元いた大陸に戻りましょうか.
… … …
未だになよなよしているですかぁ~?さぁ元気出して,ボクちんと一緒に破壊を
楽しんじゃおうよ!
…この光景・・・散々なこの光景を見てキミはなんだい,まだ破壊とか言えるのかい?
一面の焼け野原,生死が定かではない幻獣,魔導アーマー・オメガの哀れな姿を見ても,
まだキミは絶望に堕ち込むことなく楽しそうに「破壊」だなんて言えるのかい?!
そう怒らなくてもいいでしょう.ところで決めたんですか,本当に探求者を弔う死神として
生きる事をさぁ~?まぁ,無理でしょうねぇ,素直に死を受け入れてこの世界から
消えちゃいなよ,クジャ君,元々お前はそういう定めの存在なんだし.
僕は・・・生きたい・・・けれど,こんな残酷な風景を見せられたら,誰だって絶望するに
決まっているよ!真の死神を演じろというのかい・・・?この死の世界で?
オーッホッホ!死のない破壊など面白くもなんともない!よし,決めちゃいましたよ!
気弱でなかなか決心のつかない軟弱者はボクちんに操られてしまいなさい!出でよ,
あやつりの輪!これをー,額に巻きつけてー,
そこでケフカはボソッと,
12回目の戦いでボクちんのお人形の術を解いたこと,許してないからな
と言ったのだった.
フン,何の抵抗も無しにあやつりの輪をつけられやがって・・・あー,おもちくない・・・
そうケフカが言った時だった.ケフカの頭を後ろから何か硬いもので殴打した娘がいた.
いったーーーい!誰ですか,ボクちんの頭を殴ったのは!・・・お前は・・・・・・ティナ!
どうして味方のボクちんを殴った?!
味方とかそういうのじゃない・・・.ただ私は,もう人が苦しむ姿を見たくないだけ・・・.
苦しむ?だけどコイツは・・・クジャは・・・何の抵抗も無しにカンタンにあやつりの輪を
つけさせてくれたじょ?
あなた・・・この人の心の中の叫び声が聞こえないの?!
聞こえないなぁ.そんなことより,クィーンとビショップは連れてきましたか?お前の
役目はそれだけ.ミッションコンプリート!したらボクちんと元の世界に帰りましょ,ネ?
あなた・・・フーリエはどうしたの?私が聖域に探しに行っても,見当たらなかった・・・.
フーリエ?彼ならボクちんが消しズミにしてあげましたよ.
なんて酷い事を・・・それで尚この人に苦しみを与えるなんて・・・許せない!
ティナは自分が出せるだけの魔力を使って,クジャのあやつりの輪を解いた.
ぎょ?!今それを解いたら・・・!!!
クジャは,
僕が操られるだって?そんなことがあるわけないだろう?あるはずがないんだよ!ハハハ…
14番目の戦いで役にも立てない少女と道化は・・・元の世界へ帰るがいい!
トランスしたクジャは,時空魔導アルテマで,彼女らを元いた世界へ真・幻想跳躍させた
のであった.・・・一方その頃,クイーン・アルティミシアとビショップ・暗闇の雲は,
ティナの導きで,かの大陸へ足を踏み入れたのだった・・・.
第四楽章
真・幻想跳躍アルテマで,私達は元の世界へ帰されることとなった.私が滅したフーリエは,
今頃どうしていることだろう.私が推測する限りでは,彼は今頃,クジャの手によって蘇り,
14番目の戦いの中で懲りずにカオスの者共と問答や,解答編を紡いでゆく事だろう.
…解答編か.私はこの物語の中で一体どんな「答え」を導くことが出来たと言うのだろうか.
今はただ,それが気がかりだった.私が支配しようとしたクジャは,果たして本当に,ディア
ボロス・ゴルベーザに仕え,世界を探求する者の弔いをする死神になったのだろうか?大体
それは「死神」と呼べる存在なのか?
ともかく,クジャは「生きたい」と願っていた.造形師フーリエも,家族を持っていた.
私は,彼らの行為に何の意味も見出せずにいる.死ぬと分かっていて,何故生きようとする.
滅ぶと分かっていて,何故作る.死ねば全ては無になってしまうのに.そう,死ねば何も
残らないのだ.それならばいっそ死の世界を作り,何も生まれない,作れないようにしたほう
が良いのではないか,なぁ「壊れた私」よ・・・.
むゥー,またしてもボクちんの頭の中で声がする・・・.
これは・・・なんですかね,イッタイ.
全てを破壊して,死の世界を作るのだ.
聞いたことがある声なのですが・・・思い出せない・・・オモイダセナイ・・・オモイダセ
ナイ・・・.まぁいいや,妖精さんの声だと思えば!ナンチャッテ!
そーれにしてもクジャ君は大変素晴らしい事をしてくれましたネェー.途中でお人形とはぐれ
てしまいましたが,まぁじきに此処へやってくるでしょう,このガレキの塔の最上部に.
彼女達を迎える言葉を一生懸命考えなくっちゃなぁ・・・.あ~あ,面倒クサ~イ.
「壊れた私」は,これから来るであろう12人の勇士達を丁重に迎える準備をし始めたのだった.
私,ケフカ・パラッツォは,精神の均衡が崩れている.それは今までの「壊れた私」の発言・
行動から分かると思う.だがもう一方で,「壊れていない私」が,心の中にだが内在している
のだ.・・・壊れていない私は・・・魔導研究所主任のシドに,魔導の力を注がれつつも,
精神の均衡を保とうとしていた.
魔導の力が精神に甚大な影響を及ぼす事は,注入実験以前から知られていた事だ.魔導
ビーカーの中の幻獣から,ビーカーに浸された液体を吸い取ることで得られる魔導の力は,人
間には強すぎて,実際に行われた初期の頃の注入実験では,何人もの被験者を次々に
廃人にしてしまった程なのだ.
魔導の力を注入する技術が段々と改善されるなか,実験に携わる人間達は次第に魔導の力を
畏怖し始め,研究所から離れていく者もいた.だが,当時の魔導の研究は極秘段階だったので,
離れてゆく者達は捕らえられ,口封じの為後日処刑された.
魔導注入の技術が実験毎に向上し,完成度が高くなったとささやかれ始めた頃と同時に,軍は
魔導の研究とは別個の,一人の魔導戦士を育てる研究を本格的に始めた.生まれながらにして
魔導の力を有する少女.彼女を兵器として扱うかどうか,軍の上層部でモメたことがあった
そうだが,最終的にはその少女―ティナ・ブランフォード―を兵器として戦地へと投入する
ことを決めた.
魔導の研究では,ようやく本格的に魔導の力を注入する対象が決まるまでに至り,そして
選ばれたのが帝国の宰相であった私と,軍研究所主任であるシドが実の孫のように可愛がって
いた子どもであった.私は始めは何故その子どもを"対象"にするのかひどく疑問に思っていた.
抗議もした.だが,シドは,子どもの頃から魔導の力を注入すると精神の乱れが皆無である事
を理由に・・・その子ど・・・いや,少女セリス・シェールを私に近付けさせないようにして
いた.その時の私はというと,ちょうど精神が壊れ始める直前であった.
何故私が"対象"に選ばれたのかも理解できずにいた.実を言うと,私はシドの事をよく思って
いなかったのだ.それは,向こうも同じだったようで,精神が壊れてしまった後の私の事をも
嫌っていたようだ.その時にシドがよく口にしていた言葉があったそうだ.なんでも,「私の
幻想跳躍が崩れたのはあいつのせいだ」・・・とか何とか.
話は戻るが,私の精神が壊れる寸前に,私は自分の核となる部分―思想,哲学,人格など―を
心の中に押し込んだのだ.脳の中身と引き換えに.私は抗いたかった.そうして出来た
"壊れていない私"は,狂ってしまったケフカ・パラッツォの心の中で生きている.だが,
いくら心の中に避難しようとも,実際のケフカが行った残虐行為に目を背けることが出来る
はずもなく,ただただ心を傷めるばかりであった.
そうしていく内に,心の中の私も病んでゆき,終いには,世の中の全てに絶望するように
なり,先刻のような思いを浮かべるようになったのだった.
命・・・夢・・・希望・・・どこから来て,どこへ行く?あるのはただ「死」のみだ.
ケフカが作った世界で,尚更そういう思いを抱くようになった私は,最早終焉へと向かうのみ
だ・・・.カオスをこえ終末が近付く・・・.ケフカの元に集った12人の勇士達に対して,
彼は言う.
「ようこそ諸君.皆さん必ず来ると思って,ふさわしい言葉を一生懸命考えていましたよ」
…以前帝国があった頃の話は,別個に語られるべきであろう.
それまではさらばだ,観測者達よ.
最終更新:2011年09月16日 14:50