エクスプローダーとは、前クミール・アルカ(1994年末ごろ~1996年)の頃から発達した意思や可能などのモダリティを表す古アルカ(1991年7月19日~2001年7月19日)の品詞の一つである。動詞の後ろに配置するところが助動詞と異なるところである。

前期アルカの時代にはモダリティを表す機能がなかったが、1994年末ごろの第二改定によって抽象語が増え、動詞の後ろに「意思」や「可能」を表す内容語を付属することでモダリティを表す方法が作られた。これがエクスプローダーの始まりである。、最初のエクスプローダーは可能を表わす[en]だった。その次は希望を表わす[lan]であり、その次はエクスプローダーと違って動詞に前置されていた禁止を表わす[na]であった。[na]はそれまでは動詞に前置されていたが、他のエクスプローダーの影響から影響を受けて後置されるようになっていったのである。但し、否定の[jan]だけは前置されたままであった。尚、エクスプローダーはこの後急速に増えだし、最大時では100 種にも上ることがあった。

前ソーン・アルカ(1998年2月26日~1998年5月30日)の時代になると、動詞とエクスプローダーの間に無音の字を挟み、動詞とエクスプローダーの境界を明確にした。こうしないと動詞とエクスプローダーが複合語になっていると勘違いされるためである。中期までは複合語が少なかったが、後期に入ると複合語の数が増えたため、このような必要性が生まれてきたのである。尚、この無音の字は後に制アルカ(2001年7月19日~2008年1月19日)で動詞と時相詞を繋ぐ動詞媒介辞として生き続けることになる。但し、その字形は別である。

アルシェソーンが分裂していた後ソーン・アルカ(1998年5月30日~2000年5月9日)の時代になると、エクスプローダーが減少し始め、最大時100種以上あったエクスプローダーは80程度にまで減少した。一方、ソーン側のアルカ・エ・ソーンではエクスプローダーは廃止され副詞に統合された。両団体が統合されて出来たメル・アルカでも、エクスプローダーは廃止され副詞に統合されることになった。

エクスプローダー一覧

ここでは、『アルカ』p229~231にあるエクスプローダーを挙げる。
恐らくカタカナ表記なのは『赤アンクノット』のものを使ったゆえだろう。
男と女で読み方が異なったようだ。
制アルカでいえば、純時相詞・法時相詞・形副詞・接続詞・文末純詞に分かれるものが一括で使用されていたようである。

男読み 女・子読み
f・50: マル ラン・イィ :希望
m・50: :禁止
d・50: フゥ フゥ :仮定
g・50: パァ :妥当(強)、~したほうがよいぞ
p・50: :命令
b・50: エン エン :能力可能
t・51: ヌン :依頼
k・51: ノン :疑問
x・51: ノンノ ノンノ :反語
s・51: ユン :比況
n・51: ナム ナムゥ :自発
v・51: ロン :推量、だろう
f・51: ソン :完了、~し終わった
m・51: :勧誘、弱命令
d・51: ジュ チュ :受身
g・51: ボル フォル :条件、~すると
p・51: :断定、強調
b・51: ルン :習慣、したもんだ
t・52: ヒュ ヒュー :恩行、~てくれた
k・52: ヘク ヘクゥ :授与、~てあげる
x・52: ジン :譲歩、~した方が良い
s・52: チュ チュウ :必要、~する必要がある
n・52: テム :祈願、~てくれますように
v・52: パァム :勇気、思い切ってする
f・52: ヒョ ヒョム :当然、すべきだ
m・52: イィ :目算、見たものの推量
d・52: マノ マム :邪推、~するのではなかろうか
g・52: :音推、聞いたものの推量
p・52: テット :関推、関わるものの推量
b・52: クゥ :食推、食べたものの推量
t・53: トン :匂推、匂ったものの推量
k・53: リャ リャア :触推、触ったものの推量
x・53: :意志、しようぞ
s・53: ヱェ :私益、~させる
n・53: :打推、関推の弱否定としかつかわれない
v・53: ペン :後悔、すべきだったのに
f・53: ティ ティー :親愛、
m・53: ララ ルル :詠嘆、~だなぁ
d・53: ナム ナム・ナン :敬愛
g・53: ミン :愛情
p・53: ビュ ビュウ :必然、どうしても~する
b・53: イホ イーホ :確認
t・54: エミ エミィ :野卑、~しやがる
k・54: ムム ムン :避決、かもしれない
x・54: ヲォ :例示、~すると
s・54: ルゥ :絶対、必ず~する
n・54: ピナ ピィナ :約束、約束だから~する
v・54: :欲望、したいからする
f・54: ヴィ(古) ウィ(古) :男性、男らしく~する
m・54: ミ(古) ミン(古) :女性、女らしく~する
d・54: ヂュ(古) チュン(古) :欲望、助平にも~する
g・54: ウ(古) ウゥ(古) :遺憾、遺憾にも~する
p・54: ミュ(古) ミュウ(古) :珍しくも~な
b・54: ヌ(古) ヌゥ(古) :陳腐、陳腐にも~する
t・55: モロ(古) モロロ(古) :愚行、愚かにも~する
k・55: ヒュロ(古) ヒュロロ(古) :堅行、堅くも~する
x・55: ジョ ショ :怨恨、よくも~してくれたな
s・55: セ(古) セェ(古) :即行、早くも~する
n・55: プ・フ フア :許可、~してもよい
v・55: プゥ :良行、~すればよい
f・55: ファ ファ :義務
m・55: ニュ ニュゥ :異性、つけてもいいし、つけなくてもよい
d・55: ユーマ ユーマ :人間、つけるべき
g・55: :反復、何度も、繰り返し~する
p・55: ルド ルドォ :価値、価値があって~する
b・55: クム クムゥ :同属、同属同士
t・56: キョ キョン :役柄、~として~する
k・56: ニョ・ニ(古) ニョン(古)・ニー(古) :優行、~してあげる
x・56: ハァ :後祭、~してしまった
s・56: ミソ ミッソ :試行、~してみる
n・56: ケタ ケッタ :行行、~していく
v・56: ケコ ケッコ :行来、~してくる
f・56: ヒィ :為行、~のためにする
m・56: ビョ(古) ヒョ(古) :行度、~する度に~する
d・56: ―タ ―ノ :丁寧
g・56: ヒュ ヒュゥ :高位
p・56: モン :低位
b・56: シン :容易、~しやすい
t・57: ヒュゥ ヒュン :優越、~しやすい
k・57: ゴォ・コン :欲求、~して
x・57: シャ シャン :経験
s・57: カァ :難航、~しづらい
n・57: セレ セン :感謝、~してもらう
v・57: キム :開始、~し始める
f・57: モン :中断、~しかける
m・57: ジン :強調
d・57: :確推
g・57: :警告
p・57: トォ :終了

『アルカ』p237より。別窓に出したほうが探しやすい。

参考文献

セレン=アルバザード"『アルカ』"
アルカの部屋 > アルカ 14|fav|zan
初代アルカ(1980)~2003/10/15当時の中期制アルカまでの歴史
最終更新:2008年04月20日 13:20
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