leiyu /// / レイユ、待望期 \
sid:
leiyu。
ソーンのvatleiyuを短縮したもの。vatleiyuはvat+leiyu。vatは到着。leiyuは歓待で、laap(望む)と関連有。vatleiyuは到着を待つという意味だが、これは
転生期に転生する
アシェットの
ランティスたちを待つという意味である。
アルティス教では
転生期に
ランティスが転生することになっている。そして
転生期の前の時代である待望期が
ランティスの転生を待望する時代であることからこの名がついた \ [
kirs ] \ レイユ、待望期。
シオンの後、
転生期の前の時代。ちょうど西暦二千年から二千百年ほどの地球に相当する世界である。この時代の
アトラスはまだ転生期ほど発展しておらず、
アンスもない。犯罪も多く、問題も山積みである。この時代に痛みを伴う多くの改革を行ったことによって
アトラスは再進歩を遂げ、滅亡を免れて次世代である
転生期に入っていく。この時代に街や法や経済の整備がされ、今までにはなかった着想による改革がなされていった。そうして
転生期に向かった。待望期の後半は特に社会全体の秩序化を目指した痛みを伴う改革が多い \ この時代には自由が叫ばれ、むやみに認められていった。その結果、社会に混沌が訪れた。自由を開放したせいで安全に生きる自由が束縛された。安全な社会の維持を目指した結果、自由を制限することによって逆に守るべき自由を守るという着想が生まれ、徹底されていった。すっかり無視されていた常識や道理が再び叫ばれるようになり、それを元に社会を秩序化した。道徳によって悪の自由と善の自由を規定し、悪の自由を規制することによって善の自由を守るようになった。人々の生活はそれまでより不自由になったが、その反面安全になった \ ギャンブルの完全撲滅。麻薬取締り強化。タバコの麻薬指定化。少年法の撤廃。精神障害者の監視義務。幹線道路を除く全ての店舗の夜間営業禁止。夜間の出歩き禁止。酔っ払い、ホームレス、不良少年少女の取り締まり。労働所を設置し、取り締まりを受けた者をそこで働かせるシステムの開始。環境法の徹底。また、殆どの法の量刑を強化した。このほかにも枚挙に暇がない \ 非
アティーリの観点で見ると、レイユは団体
アシェットが現在の地球の状態に対して抱く問題を解決した世界であるといえる。レイユの前期に
アトラスが孕んでいた問題は現在の地球と酷似している。どこの世界も同じといえばそれまでだが、レイユと現代の地球が酷似しているのは興味深い。レイユの後期に何が起こり、どういう問題解決を経てアトラスが無事転生期に辿りついたかということは地球にとって非常に参考になることであり、ただの異世界の問題と見るべきではない \ レイユは現代の地球に生きる団体
アシェットの
ランティスたちにとっては想像しやすい世界である。ゆえに小説を書く際はこの時代が舞台であることが多い。
転生期や
シオンも決して少なくはないが、現実面、この時代が一番書きやすいのは事実である \
アルバザードの文化はレイユと
インジンでは異なる。たとえばレイユにはまだ
アンスがない。街づくりも異なる点がある。また、一口にレイユといっても前期、中期、後期に分かれ、それぞれの時代で文化が異なる。ゆえにアルカの文献に出てくる文化的資料は常にいつの時代のものであるかに注意しなければならない \ たとえば日常会話を集めた文献などは現実の
ランティスのためにある。
アルカを日常会話として実際に使うのは現代を生きるランティスだからである。だが、そのランティスとて地球の特定の国における日常生活を前提とした文例集など必要としない。ランティスは地球に生きながらもアトラスのレイユに当たる世界で生きることを想定した文例集を必要とする。これは折衷案ともいえよう。現代の地球に生きるから現代の会話が必要でありながら、地球の特定の国の日常生活の表現には依存しない。ランティスはそれぞれの文化圏で生きているため、統一的なものが作れないからである。かといって統一しないものを人数分作れば互いに言えない文例が出てくることになって日常会話にならなくなる。そこでランティスはレイユで生きることを想定した統一的な文例集を望む。これは非常に折衷的である \
最終更新:2007年05月19日 14:51