D語の格
D語は能格言語(能格・絶対格言語)である。それに対し、我々が普段馴染みのある日本語や英語は主格言語(主格・対格言語)に分類される。細かい説明は面倒なので
Wikipediaへの別窓リンクを見てくれ。
D語では、基本的には全ての格を接尾辞で表示する。ただし、絶対格と能格だけは格を示す接尾辞が省略される場合がある。絶対格ならば動詞部分の直前、能格ならば動詞部分の直後に位置した場合である。
つまり、“絶対格+動詞+能格”の順に並んだ場合のみ、絶対格・能格は格表示を伴わずにそれと判断されうる。逆に云えば、接尾辞で格を明示しさえすればいくらでも倒置は可能だという事でもある。
ただし、一つ注意事項がある。動詞の直前の格非表示名詞は必ず絶対格であると考えて差し支え無いが、動詞の直後はあるいは能格ではないかもしれない……少なくとも日本語話者の感覚としては。
これはつまり、表層格としては能格であっても深層格としては何か別の格の代替格として能格が置かれているだけだと考えた方が自然な訳ができる場合が少なくない、ということを意味する。
例)PeN awake-ka ibu. …… 彼 泳-過去 海 …… 彼は海で泳いだ。
例えば上の例文で、ibu(海)を律儀に能格と解すると「海は彼を泳がせた」と訳すべきことになってしまう。これは日本語話者としては極めて詩的な表現であると感じられるであろう。
なお、このibu(海)が本当にibu-ba(海で)の代替であるのか、それとも「海は彼を泳がせた」的表現がD語話者の感覚としては一般的なものに過ぎないだけであるのかは、私の知ったことではない(笑)
-ze 絶対格
-no 能格
-zo 属格 (~の)
-yo 与格 (~に)
-ba 場所格 (~で)
~ 他にも色々要るだろうが、工事中につき一旦ここまで ~
最終更新:2009年01月15日 22:54