「こんな所に飛ばされるとはな」

石造りの神殿の中、1人の書き手がため息をついた。
ここは地図に記された、D-6の海底神殿という場所らしい。
窓の外を見てみれば、一面水だらけである様子が確認できる。
池の水は、窓を乗り越え、室内に侵入することはない。
それも窓にはガラスなどなく、完全な吹き抜けになっているにもかかわらずだ。

(どんなからくりを使っているんだ?)

理屈は不明だが、この神殿の中には、水が入らないようにする仕掛けが施されているらしい。
といっても、そこを気にしたところで、どうとなるわけでもないか。
そう考え、黒いコートを羽織った書き手は、ひとまず追及するのをやめた。

「………」

男の名は灼熱の英雄王。
その名の通り、英雄セフィロスの姿を取った書き手。
リリカルなのはクロス作品バトルロワイアルにて、投下数ナンバーワンを誇った書き手である。

「それにしても、本当にこんなことが起こるとは」

先ほどの広間の出来事を思い出す。
書き手ロワというもの自体は、何度か読んだこともあった。
3rdでは、自分自身の分身が、ロワに参加している姿も見た。
それでも、所詮は絵空事と思っていたのだが、まさかそれが現実に起こって、自分が巻き込まれることになるとは。

(俺に何をやらせたい)

英雄王は考える。
この殺し合いの主催者は、一体何を考えて、自分をここに連れてきたのかと。
完結を迎えたロワとはいえ、なのはロワはハードルの高さから、それほどメジャーなロワとはなり得なかった。
わざわざそんなロワから書き手を連れてきて、一体何を期待しているというのだ。

(……考え込んでいても仕方がないか)

とはいえ、いつまでも黙っているわけにもいかない。
どうするかは特に決めていないが、少なくともこの書き手ロワから、脱出したいのは確かだ。
ロワのセオリーを考えれば、こういう思わせぶりな地形には、何らかのヒントが隠されているはず。
銀髪と黒コートを翻し、英雄王は神殿を調べるべく、石造りの床を歩き始めた。
それが、なのはロワを締めくくった最終回書き手の、新たに歩むプロローグだった。


【一日目・深夜/D-6 神殿】

【灼熱の英雄王(◆Vj6e1anjAc)@なのはロワ】
【状態】健康
【外見】セフィロス@ファイナルファンタジーⅦ
【装備】
【持物】基本支給品、不明支給品1~3
【思考】
1:とりあえず神殿内を調べる

078:死亡フラグといえばカレーだと思った ◆時系列順に読む 080:真夜中のお茶会へようこそ
078:死亡フラグといえばカレーだと思った ◆投下順に読む 080:真夜中のお茶会へようこそ
灼熱の英雄王

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最終更新:2013年05月09日 19:38