――-ここはどこだ……?
「…………」
夜を思わせるような黒が眼前に広がる。
今は夜だったか……いや、覚えていない。
気が付いたら、ここに存在していた。
俺の周囲には老若男女問わず、様々な人がいる。
よく目を凝らしてみれば、野球選手のようなユニフォームを着た者。
アニメや漫画に出てきそうな可愛らしい服を着た者。
……中には明らかに人ではない者だっていた。
……まるでコスプレパーティーだな……
―――いや、こんな光景には既視感に似た何かを感じていた。
恐らく、ここにいる奴らの何人かは感じていたことだろうよ。
そう考えている俺の口元にも真紅のスカーフに藤色の忍装束。
新安価ロワと言うロワの書き手紹介で『ストライダーマグロ』なんて渾名を付けられたからこんな恰好なのか?
……ロワ? これは……いや、まさかな……
もしや、パロロワ書き手なら一度は耳にしたことがある……
あと少しで――――始まる。
そんな予感はしていた。
『ようこそ! 書き手バトルロワイアル4thのOP会場へ!!』
スピーカーから流れる声。
主催者、もしくは……進行係か?
声を加工しているのか……声だけでは性別の判断は付かない。
『私、今回
オープニングの進行役を務めさせてもらう『読み手』と申します
―――何人か、気付いているかもしれませんが……』
『これから、貴方達には最後の一人になるまで殺し合いをしてもらいます』
一瞬、周囲が静まり返った。
ほんの一瞬だけ。
「 ふ ざ け る な 」
その時、一人の男が啖呵を切った……嫌な予感がする。
声がした方向に視線を向ける。そこには一人の青年がいた。
見た目も背格好も普通。しかし、どことなく誤解されそうな雰囲気を纏った男だった。
『貴方は確かテラカオスバトルロワイアルの◆6/WWxs901s氏。
かの有名な誤解王さん……いえ、もうその名で呼ぶ人も少ないでしょうね。
……テラカオスバトルロワイアルも衰退しましたからね』
「うるせぇ!! カオスロワで書いてる奴もいるのにそんなこと言うんじゃねぇ!!
俺達書き手は読み手のために書き手をやってるんじゃねぇ……俺たちは……!」
『うるさいのは―――そちらです』
――――ボン。
軽い破裂音。
◆6/WWxs901s氏に付いていた首輪が爆発したのだ。
……これがみせしめって奴か……
「――――――――――っ!?」
「きゃああああああああああああああ!!!!」
「…………………」
「ほう……なるほどな」
その光景を見た周囲の書き手たちの反応は様々。
絶叫する者、まだこの場が殺し合いの地だと理解できていない者。
まるでこの殺し合いが開かれるのを待っていたかのようににやける者。
俺と同じようにその周囲の者を観察する者。
『今、ご覧に頂いたように……
皆さんもご存じ――いや、最近は『首輪』が無いロワもありましたね……まあいいでしょう。
シンプルな方がいいと思いまして、貴方達を拘束するために『首輪』を付けさせてもらいました』
みせしめの首輪がオープニングで爆発する。
パロロワにおける一種に様式美をした後に、『読み手』は淡々とルールを説明していく。
『細かいルールは……ルールは常に更新していくものだ!!』
……全開だ。
恐らく、このロワでは制限などあってないようなモノであろう。
毎回思うが、パロロワでチートな参加者を、どうやって殺し合いの場に連れてくるんだろうか?
俺はそんなことをふと考えていた。
『最後になったが、存分に戦い、存分に狂い、そして、存分に抗え!』
ここで説明は終わりになった。
すると、周りに居た奴らの姿が光に包まれて一つ、また一つと消えていく。
恐らくは主催者が持つ不思議パワーやらなんやらで会場に飛ばされているのだろう。
「これが真のバトルロワイアルのオープニングって奴か……」
そして、参加者全員が会場の各地に飛ばされたであった。
この時、俺はワープって奴を人生で初めて体験した。
【◆6/WWxs901s@テラカオスバトルロワイアル 死亡】
【主催―――――現在の所、不明】
――書き手バトルロワイアル4th 開幕――
最終更新:2013年04月07日 17:50