ながされて藍蘭島エロパロSS

 

 

 

『寝取られて』 第21話

 

 

 

 

 

 

 

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 ちかげさんが挙動不審と言ってもいい足取りでウロウロと道を外れては立ち止まり、しきりに黒く細長い薄板のようなものを顔の前にかざしているのを見かけたのは、麗(うら)らかな陽差しの昼日中、村を流れ抜ける川の沿道であった。その板は木製というにはあまりに無機質すぎていて、何より光沢があった。また外界から流れ着いた物かな、とボクは当たりを付けつながら近づき声をかけた。

「こんにちはちかげさん」

「あら……行人さんじゃないですか、ごきげんようですの。今日も見廻りですの?」

「ええ、まあ」

「さすがは精が出ますの」

と、顔をほころばせたちかげさんに、なぜかボクはちょっと気圧されたような動揺を覚えた。近頃村の女の子たちからよく受ける印象である。彼女たちの笑顔が眩しいというか、物腰が堂々としてきたというか──大人らしくなった、とでも言えばいいんだろうか。ボクには何とも判断が難しく、はっきり断言できないけれども、ただ、どことなく……彼女たちを遠く感じてしまう寂寥のような、虚しさに似た感覚が会話中に胸をよぎることもある。

「代役とはいえ任された仕事ですからね。疎かには出来ませんよ」

「からあげ様はあまりこちらにお戻りになりませんの?」と、ちかげさんは小首を傾げた。「そんなに東の森で忙しくしてるんでしょうか」

「自分がやってみて初めて分かったけど、この島の治安維持も案外楽じゃないですからね」と、ボクは軽い溜め息まじりに言った。「基本的には平和なんですが、その代わりに喧嘩やおかしな事件が日常茶飯事だし、それらの解決はけっこう骨が折れますよ。きっとからあげさんも東の森で苦労してるんじゃないかな」

「北や東の森は血気盛んな荒くれ者が多いですしねえ。ナルホドナルホド」

「ところで……さっきから気になってたんですが、それは一体……?」

と、ボクはちかげさんが手に持っている黒くピカピカした板片を指さした。

 ちかげさんはもの柔らかな微笑みを浮かべ、小板を差し出して見せた。その硬質さや加工は明らかに木製でもなければこの村で作られたものでもなく、まるでつい最近に外界の最先端工場で作られたばかりのような真新しさがあった。

「よくぞ聞いてくれましたの!」と、パアアッと顔を輝かせるちかげさん。「実はこないだ浜で見つけまして。凄いですのよ、こんなちっちゃな板っぺらで写真はおろか動きのある撮像も可能ですの。しかも、白黒反転じゃなくそのままの景色を。それに、撮った画をすぐに確認できますし、まるで魔法の道具みたいですの」

 海にはボクらが想像する以上の人工ゴミが漂っているらしく、藍蘭島に打ち上げられる本土からの漂着物は意外と多い──この好奇心旺盛な眼鏡少女が蒐集に熱を入れ揚げて住居である洋館の一室まるごとを保管庫にしてしまうぐらいに。家政婦のぱな子さんは家にゴミが溜まっていくとぼやいてるようだが、海岸美化に貢献している一面もあるので、たしなめるほどの悪癖とも言えなかった。

 板が黒いのは裏面だけで、リンゴのマークと「iPhone」と白抜きされていた。やけにスタイリッシュだと感じる。表は携帯電話──いや、まるでパソコン画面のような電子ディスプレイであった。明らかに電力で光色を放っている。色鮮やかでパソコンそのもののようだ。画面を埋め尽くすように角が丸い四角の絵文字アイコンが整列していて、その下に「時計」「カレンダー」「写真」「カメラ」「ビデオ」などなど書かれてあった。ボタンが無いのでどうすればいいのだろうと思ったら、ディスプレイに直接指を触れて操作するらしい。

「白い紙箱の中に蔵(しま)ってありまして、その箱ごとさらに大きな金属製の鞄の中に保存されてましたから、今までのと違ってキズ一つもなく状態は極めて良好。漆を塗ったようにツヤツヤしてて綺麗ですわね。他にも計算機になったり覚え書きを保存したり……色々とできるようですの。残念ながら私には全ては理解できませんが……」

「アイ、フォン……ひょっとして、これって……ケータイ……なのかな……?」

 なぜそう考えたかというと、Phoneという言葉だけでなく、画面の一番下に「電話」と「メール」のアイコンがあったからだ。それにちょうど手に収まるサイズでもある。

「でもボタンがない……携帯電話ならある筈だけど……いや、もしかして」

 ピンときたボクは指で電話アイコンを触ってみた。案の定、明らかに昔の電話の受話器のマークが出ている画面に移り、やはり一番下にあった「キーパッド」というのを押すと、0から9と*#のボタンが表示された。

「へえー、ボタン要らずか」ボクは感嘆の吐息をついた。「やっぱりこれケータイなんだ……ううん、これはもうボクの知ってるケータイじゃないな、その上位って感じ。最近のってすごい進化してるんだなあ……」

 ボクが家出した頃には確か二つ折りでボタンが沢山付いているのが主流だった筈だけれど、考えてみればこの島に来てからもう二年近くになる。その間により進んだ新製品が世に現れていても不思議ではないだろう。

 試しに実家──にかけるのは躊躇いがあったので時報にしてみたが、当然のように無音でまったく繋がる気配がなかった。マップと書かれたアイコンもあったので押してみたが、これもやはり壊れているように全面真っ青になるだけだった。ウェブブラウザらしきソフトも〈インターネットに接続できません〉という表示。まあ予想していたけれども。

「なるほど、これで撮影でもしてたんですか?」と、早々に諦めたボクはアイフォンをちかげさんに返しながら言った。

「そうですの。私、写真を撮るのも好きでして。以前から趣味で縫った衣装をゆきのちゃんとかに着せて撮影会したりしてますのよ」

「ああ、そういえばすずも昔やらされたことがあるって……」

 何年か前に次から次へと新しい服に着せ替えられて夜更けまで解放されず、ゆきのともども大変な目に遭ったという話を以前に聞いたことがある。アイランド号が渡欧したのは明治維新、既に銀塩カメラがある時代だ。

「フフフ、家にあるのは骨董品の重くて大きい写真機ですけどね。これを手に入れてからはさらに撮影熱が高まりましたの、ホラ」

 ちかげさんが見せてくれたのは好奇心のままにシャッターを押しまくったとすぐに分かるとりとめもない写真群のスライドショーだった。昼夜を問わない村のあちこちの様子、日の丸構図の富士山、西一帯を巡って撮っただろう色々な自然風景、村人や動物たちのポートレイトなどなど。日常の一場面を切り取ったり、仕事をしながら不思議そうな表情でこちらを見ている村の皆んな、ぎこちない笑顔やポーズを決めている女の子たち。ケータイサイズでこんな閲覧機能まであるのかと感心しながら眺めていると、その中にはすずやあやねの姿もあった。どちらも他の人たちと似たり寄ったりのきょとんとした表情をして写っている。撮られた皆が皆、ちかげさんが何をしているのかいまいちよく理解できていないのだろう。

「ここ一月ぐらいずっと触りっぱなしですの。最近ようやくカメラとして使いこなせるようになってきて。色んなものを撮りましたわ──そう、色んなのをね。ウフフフフ……」

 また顔先に戻したアイフォンの画面を見つめつつしきりにタッチしながら喋っていたちかげさんだったが、最後の台詞は上目遣いにボクを見て意味深な微笑を浮かべながらであった。

 彼女のその視線の意味が分からず、ボクはちょっと引き気味になりながら、

「そ、そうなんですか……」

と、答えるのが精一杯だった。

「もっと見てみます? 何百枚も記録できるから、他にもまだまだ沢山ありますの。すずちゃんとあやねさんの写真や動く画も、それはもう……いっぱい♥」

「すずと……あやねの……?」

「ええ♪」ちかげさんの笑みの量が増えて満面に広がる。「大変素晴らしいのが……撮れてますの。……フフッ…………♥」

「は、はあ……じゃァ──」

 言い終わる前に言葉を飲み込むボク。正直見てみたいという誘惑はかなり湧き上がった──が、これでは何だかすずとあやねに特別な感情を抱いているからと受け取られそうで、それが羞恥の急ブレーキを踏み込み、喉まで出掛かっていた同意の返事を萎えさせてしまった。ちかげさんの何か裏がありそうな笑みに困惑を覚えたというのもある。知的探究心が勝る彼女に限って悪戯目的の愉快的犯行はないだろう(というのが行人のちかげに対する人物評)が、すずの昔話を思い出し、ちかげ当人は至って真面目でも二人が奇妙奇天烈な衣装を着せられて変なポーズでも取らされていたり、後で本人たちと顔を合わせづらくなるような恥ずかしい決定的瞬間を撮られている写真などを想像し、

「──あはははは、や、やっぱ遠慮しときます」

と、首と手を同時に横に振ってしまった。

「えー、つまんないですのー。せっかく良いモノが撮れたのに」不満げな表情になるちかげさんだったが、すぐに柔らかい笑みに戻った。目を細めながら、「……ところで、すずちゃんは一緒じゃないですの?  というか……最近、二人でいるところをあんまり見かけませんのね?」

「あー……」ボクは誤魔化すように頭を掻いた。我ながらまるで言い訳しているみたいなばつの悪さをどこか感じながら。「ボクが西の見廻りを頼まれて以来、仕事が別々になっちゃいましたからね……行動も別になるのが当たり前になっちゃって。すずはすずで何でも屋の仕事がありますから」

「あらそうですの、フフ……じゃあ、すずちゃんは……今日はどこに?」

 ちかげさんはやけにニコニコと上機嫌そうに問うてくる。

「えーっと、確か、みちるさんの赤ちゃんの子守りって言ってたかな。だから、オババの屋敷だと思いますよ」

「なるほど。そう──でしたわね」

「あれ? 知ってたんですか?」

「ええ、まあ。『伽番』と『召番』の割当表を作るのは私の役目ですから」

「とぎ……めし……ばん……?」

 ボクはその単語にいやな響きを感じたが、ちかげさんの言葉は無情に続く。

「ウフフ……今は日替わりの当番制にしてるんですの。あの方は来るもの何人でも拒まずですが、躰は一つですし、全員が好き勝手に毎日押し掛けてたらさすがに大変ですの。それに皆んなの仕事も疎かになりますし。これはもうちゃんと順番を決めたほうがいいだろうと……ぱん太郎様のお相手や身の回りの世話係♥」

「…………」

 聞かなければよかった──という後悔は遅かった。当番の話はオババからも聞いた事がある。頭の良いちかげさんが割り振っているのは納得できるが……。

 こうして以前と変わりないように見えるちかげさんも、ぱん太郎の存在がしっかりと刻み込まれているのだ。半月ほど前にも、借りていた推理小説を返しに洋館に出向いた時、何回も呼び鈴を鳴らしてやっとしずかさんが出て来てくれたのだが、「ちかげさんなら自室にいるわよ♥」と、何だか妙に息が騰がり肌が上気していて艶っぽく見える彼女に教えられて一人で部屋前まで行ってみると、わずかに開いたドアから女の嬌声が漏れ聞こえて来た。まさかと思ってこっそり覗き見てみると、予想通り、真向かいの窓際に横付けされたシングルベッドでちかげさんがぱん太郎に抱かれていたのだ。ベッドからはみ出しながら寝そべる全裸のぱん太郎の上にはだけたシャツ一枚のちかげさんが跨り、快楽に蕩けた表情で腰を上下や前後に動かしていた。

 ちかげさんがぱん太郎とセックスしている場面を見てしまうのはこの時が二度目だった。最初はさらに前、やはり洋館へ向かう途中で通り抜ける林の中で青姦しているところを。林道からかろうじて見える場所で、樹幹に手をついて立ちバックでヤッており、既に二人の足元には大量の白濁の水溜りが出来上がっていた。調子付いて盛んに腰をぶつけるぱん太郎に、すっかり発情したちかげさんは蕩けた嬌声を上げながら、スゴイですの、スゴイですのとうわ言のように連呼していた。あの時よりもさらにエロチックさが増しているように感じられた。

 何にせよ、二度の目撃など氷山の一角のようにちかげさんもぱん太郎と男女の関係を重ねているだろうことは、この二人も馴れた雰囲気でセックスしているところからも容易に推察できた。

 ボクが覗いている事など気付く様子もなく二人は熱っぽく視線を絡め合い、ギシギシと盛大にベッドを鳴らしながら昼日中の情事に耽溺していた。

 どうして年頃の女子の肌はこんなにも目が吸い寄せられてしまうんだろうと思うほどちかげさんの裸体は白く滑らかで瑞々しかった。ちかげさんだけではなく、まち、あやね、しのぶ、梅梅……りんやゆきの、みちるさん、そしてすずも……。

 本来ならセックスしてはいけない年齢の少女をぱん太郎は抱いているのだ。窓からの逆光で透き通ったシャツにちかげさんの程よい大きさの乳房のシルエットが浮かび、ピンと勃った乳首まで見え隠れしていて、何もかもが若々しいと同時に艶かしく、ドキッとしてしまった記憶がある。

 どうしようかと困惑している中、ぱん太郎に跨ったちかげさんの腰振りがエスカレートし、「ああん♥、太くて長くて、気持ち好いですの、とっても気持ち好い♥ もうイッちゃいますの♥!」「ボクも、ボクもイクのん♥」と、二人は派手な喘ぎ声の声量を抑えることもせずラストスパートに入り、すぐに一緒に逝った。最期にちかげさんは股間を押し付けるように腰を回したかと思うと、そのまま後ろに倒れてしまいそうなほど仰け反って全身をビクビクと震わせ、ぱん太郎はそんな彼女のからだを掴んで支えながら射精の力が籠もった腰をわずかに浮かせて──。

 部屋外にいるボクからでもはっきり見て取れるほど恍惚感に満たされた絶頂をちかげさんは迎えていた。密着した股間部からゴボゴボと溢れ出してくる白濁の体液。紛うことなくちかげさんの膣内で──いや、膣奥まで到達したぱん太郎の巨根は彼女の子宮に直接精子を浴びせかけているのだと容易に想像できた。あの消防車の放水のような物凄い射精で──。

「ああ……♥ ! だめですの……♥! あぁ……♥!」

と、うわ言のような嬉声を漏らすちかげさんは、アクメに達しながらも自分の胎内で弾け続ける獰猛なペニスと射精の感触を存分に味わっている様子で、いつも眼鏡の奥で理知の光を湛えている瞳には嬉悦の涙と色慾しか浮かんでいなかった。

 この二人もまるで恋人のような親密具合であった。なんだかんだでぱん太郎と関係している女子たちが実際に抱かれている場面をほぼ全員分見かけてしまっているわけだが、誰も彼もが嫌々やっている様子はまるでなく、ぱん太郎に対して拒絶感や複雑な感情など持ち合わせていないようだった。そう……皆んな、アイツとの情事になるとまるで人が変わってしまうのだ。いや、変えられてしまったと言うべきか……。それとも女性の本性もこうなのだろうか──男もセックスとなると目の色が変わるようだし、女性もそうなのかもしれない。確かに生命の根幹に関わる生殖欲は本能に備わっているものだけれども……。

 とにかく、消極的な子は一人としていない。まるでメスになるというか……皆んな快楽に屈し、あの途方もなくデカく逞しいペニスと精力的なセックスに服従してしまっているみたいだった。そんなに──そんなにもこの島の女性たちは肉体的、性的な意味で男という存在を欲しているのか。ボクのよく見知った女の子たちが普段見せない態度で夢中でアイツとセックスし、アイツの愛撫を悦び、アイツのペニスを愛おしんで善がり狂い、唾液たっぷりのディープキスを交わし、昂奮のままにからだを触り合い、濃厚なザーメンをこれでもかというぐらい膣内で放たれ子宮に注がれるのを厭わない──

 そう、まるで、夢の中のすずとぱん太郎のように…………。

 夢の中のすずもぱん太郎と一つになりながら本気で感じまくり、うっとりと口づけを交わし、あの豊かな美乳をアイツの自由に揉まれ、何度も膣奥種付けされて悦びまくって──と、この時、ボクは常態化しつつあるいつもの思考脱線に気付き、慌てて頭を振って振り払った。この思考の流れが悪い癖になろうとしているのは重々承知していて、あんな夢の内容を何度も反芻し続けるなんてしちゃいけないと自分を叱咤しているのだが、すずがぱん太郎と子作りセックスをしているなどという──しかも夢とは思えないほどの生々しさ、親密さで──あまりに衝撃的な内容は、隙を見ては意識の監獄を簡単に抜け出して顔を覗かせてしまうのだ。

 ぱん太郎は射精後も繋がったままちかげさんを抱えてベッドを降りると、床に膝をつき彼女をベッドにもたれかからせての後背位に移り、今度は自分が激しく腰を振り始めた。二人のセックスはたちまち動物の交尾のような遠慮のない浅ましさを帯び、ちかげさんはアイツの巨根で突きまくられて絶息しそうなぐらい喘ぎ乱れ、知性を感じさせなくなるほど悦び狂った。全身を震わせて悶え、乱暴に乳房を揉みしだかれても、ぱん太郎の巨体でのしかかられるようにして激しくピストンされても、卑猥な言葉を紡ぎながら許容の悦びを発するだけ。

 そうして再び胎奥にアイツの子種を放たれ、床一面に白濁の湖沼が形成されるほど長い“種付けの時間”に二人は溶け込み、「ちかげちゃんもボクの子を孕んでね♥」「あぁぁ……♥! はいぃ……私も……私も……♥ ぱん太郎様の赤ちゃん……孕みますのぉぉ……♥!」とちかげさんも誓わされながら爛れた生殖快楽に没頭していたので、もう無理と諦めてボクは踵を返して帰ったのだった。本は日を改めて返却した。

 ……………………。

「ぱん太郎様のおチ──ゴホン、取り合いが起こることもありましたからね。今日の“お相手”はみちるさんの番ということで、すずちゃんが彼女の赤ちゃんの子守を引き受けている──と、行人さんの今のお話から類推した次第ですの」

「ふ、ふーん…………」

 これ以上アイツに関する不愉快さを味わいたくなかったボクは、話題を変えるために少し前の会話で不思議に思ったことを訊くことにした。

「……それよりさっき、一月って言ってたけど……そんなに使い続けてるんですか?」と、アイフォンを指さす。「よくバッテリーがもちますね」

「ばってりー……? ああ、電池のことですね」

 さすがにちかげさんの理解は早かった。彼女は冷蔵庫やテレビ、炊飯器などといった電化製品も拾っていて、以前それらについて質問されたので、電気の存在を教えるついでにモーターの原理や仕組みに関しても軽く話したのだが、それだけで実際に冷蔵庫などを動かすための発電機を作ってしまったことがあるらしい。実に多芸多能な才女であった。

「電気という力がないとゴミ同然というのは不便な一面もありますわね。でもコレと一緒に太陽光で発電できる道具が入ってまして、おかげで毎日のように使えてますの」

「へえーそんなものも……至れり尽くせりですね」

 一瞬、とっくの昔に電池切れしたボクのケータイも──と頭によぎったが、仮に使えるようになっても圏外なのは変わらないのだから充電したって意味が無いとすぐに気付く。

「本当に外界の文明の進歩は驚くばかりですの」

「そうですね……特に電気は人類の生活を一変させたと言っても過言ではないですから。夜でも昼間のように明るく出来たり、」ボクはアイフォンに目を落としながら言葉を続ける。「電気機器の動力にして、こんな小さな機械でも高度な仕事をさせられるようになったり」

「製本技術も随分と発達してますし、羨ましい限りですの。一度は行ってみたいものですの」

 複雑な海流に阻まれて外界と完全隔離されている絶海の孤島・藍蘭島は、はるばる欧州へ長い船旅をしてまで当時の最新技術や知識などを祖国に持ち帰る使命を帯びた人々が脱出を諦めて定住することを選んだほどである。帰郷できず使命を果たせないと判った時の彼らの気持ちは如何許(いかばかり)であっただろうか。行きたくとも行けないのはちかげさんも重々承知した上での羨望だろう。

 それでボクはふと思い出した。

「そうだ。また今度、書庫を使わせて貰ってもいいですか?」

「書庫? ああ……」ちかげさんも思い当たったように微笑んだまま頷く。「構いませんの。いつでもいらしてください、大歓迎ですの♥」

 ──ぱん太郎とただならぬ仲になった村の女の子たちだが、だからといってその分ボクに対して冷たくなるということはなく、相変わらずのように親身に暖かく接してくれる。善良で情が厚い人たちばかりなのである。むしろボクの方が気後れして一歩引いているような感覚があるのは、自分自身苦々しいほど解っていた。先程ちかげさんの笑顔に抱いた感情もそうだろうし、極力表に出さず今までのように努めるのが精一杯だった。

「でも……一体なにを調べてますの? 行人さんたらちっとも教えてくれないし、様子を見に行っても読んでる本を隠しちゃいますし。そろそろ種明かししてくださいの♥」

「い、いや、まあ…………」と、ボクは髪を掻き掻き言葉を濁した。「今はまだ……話せる時が来たら…………」

 少し前に郷愁の念に強く駆られ、その時に空からのアプローチはどうだろうかと思い付いたことがあった。それ以降、ちかげさんの家で飛空関連の書物がないかと度々漁っているのだが、見つけても借り出すことはせず、書庫の片隅に置かれてある小さな机で日が暮れるまでこっそり読み進めていた。今さらになってまた島を抜ける算段を立てていると知られるのは気まずかったし、何よりすずに悟られたくなかったからだ。すずの家はワンフロアなので気付かれないようにするのは難しかった。何の本読んでるの、と訊かれれば返答に窮する。

 それにまだまだ迷いがあって心が定まっていなかった。脱島すればすずを悲しませることになるだろう──と、思う。彼女は父親に次いで母親も失踪してからは、とんかつが現れるまで集落から離れた岬の家で孤独に生活していたという。人前でこそ気丈に振る舞うが、寂しがりの部分があるのは見ていてわかる。何でも屋をしながら毎日多くの村人たちと触れ合っているのはその裏返しなのかもしれなかった。よく鈍感と言われるボクでもそれに気付くほど長い間、彼女と一緒に暮らしているのだ。もし、ボクが同じようにすずの元から去ってしまったら──。

 それはとても贖(あがな)い難い重い罪のような気がした。

 それに──ボクが居なくなったら、ぱん太郎の毒牙がすずへも食い込むだろう。アイツならきっとそうする。

 それが一番の……一番重い問題なのだ。

 ボクという障害が無くなったら最後、誰阻むものなくぱん太郎はすずにも迫るに違いない。

 すずは拒むだろうか。拒めるだろうか。

 いや──拒む理由があるだろうか。

 ボクが去ってしまえば、この島に人間の男はアイツしかいなくなるのだ。周りは皆んなほとんど全員と言っていいほどアイツとよろしくやっている。ボクには理解できないことだが、アイツは子作りという大義名分の下、村の女性の誰とセックスしても罪に問われないでいる。寂しがりのすずは仲間はずれにされたくないと、自分もぱん太郎と男女の仲になる……。他の娘(こ)たちと同じくねちっこいセックスで感じさせられて、イカせられて、アイツの巨根に馴染むまで開発されて……そして、遠慮なく中出しされまくる……。すずの子宮はアイツの精子で一杯にされて、終いにはぱん太郎の虜にされてしまうだろう──他の娘たちのように。悪夢の通りに。

 この藍蘭島では、そうする時間がたっぷりとあるのだ…………。

 いつしかアイツの上辺だけの甘い言葉や求愛を信じて身も心も許すようになってしまい、離れなられなくなるほどアイツを身近に感じるような濃密なセックスをするようになって、アイツと気心を通じ合わせ、やがて正式に夫婦となってアイツの子供を何人も産むすず──

(くそ……そ……そんなこと…………!)

 その想像に対する厭わしさや言い知れない不安は帰郷の欲求以上の烈しさで胸じゅうをムカムカモヤモヤさせる。それにアイツの魔の手からすずを守るとも誓った筈だ。

 ──だけれども、今の村に居づらいのも確かで。

 そういう意味において、飛空手段についての模索や勉強は進めつつも実行に移すか否か逡巡が尽きることはなかった。まだ一ミリも前進せず足踏みしている段階だったのだ。

「──それよりすみません、いつも長く居座ってて」

「それは全然構いません、またお夕食も用意しますの。ですが……すずちゃんは心配しませんの?」

「ああ、大丈夫です。ちかげさん家を訪ねる時は、前もって言っておいてありますから」

「そうでしたか……フフ♥」

「?」

 無断で帰宅が遅くなるのは迷惑をかけるため、調べ物をする日は予めすずに告げている。前回の時も、「ごめん、ちょっとちかげさん家で用があるから今日は遅くなるよ」と申し訳なく言うと、すずは、

「そうなの? ううん、気にしないで。行人、遅くなる時はこうして言ってくれるから、私も合わせられるし。ちょっと長めに……おシゴト出来るの♥」

と、明るく了承してくれた。ボクはその笑顔と気遣いにいつも感謝しているのだった。ただ、この時はボクの方が帰りが早かったが。外はすっかり暗くなっているのに家にとんかつしかいなかったので、あれっと思っているとすずも帰って来て、「ごめんね、いつもよりお仕事頑張ってたら遅くなっちゃった。あ~疲れた♥」と、理由を説明してくれた。確かにいい仕事をした後の心地良い疲労感のようなとろんとした充実顔をしていたので、先にお風呂を勧めると、「うん、そうさせてもらうね♥」と、やはり疲れているのかフワフワした足腰で、だが上機嫌そうに脱衣場へ入っていった。その時、なんだか栗の花のような匂いを嗅いだような気がしたが、どこから漂って来たのかは分からなかった。

 ──なにも日本まで飛べるほどのものは必要ないのだ。渦潮水域を飛び越えられるぐらいでいい。そうしたら着水し、後は黒潮を探して乗って行けないかと。だけど航空力学などは高校以上の高等学問だし、動力や燃料、材料、製作などといったハード的な問題もある。難関は無数にあった。

 飛行機を一から作るのは現実的でない中、ピンと来たのは気球だった。熱気球ならボクでも手が届きそうだ。球皮は布か和紙を厚く張り、ゴンドラ部分はボートにする。短時間浮遊するだけでいいなら球皮の大きさや耐久性はある程度犠牲にできるかもしれないし、燃料も必要最小限で済むだろう。

 運良く気球に関しての本を見つけ出したので読んでみたが、日本では普通サイズの球皮で体積2000立方メートル前後、膨らませると高さ20mほどになり、それだと約500kgぐらいを浮かせられるらしい。

 ボート、水食糧、バーナーと燃料、その他の荷物とボク自身。一人乗りのボートは意外と軽いし、黒潮に乗れずもし太平洋に流されてしまう最悪のケースを想定してボク以外の荷物はほぼ全て水食糧というぐらい積んだとしても、全部合わせてもさすがに500kgオーバーになるとは思えなかった。

 最大の問題は球皮の素材と作業スペースだった。

 小舟とはいえ木製の細長い物体を吊るすことになるため、その重量とバランスを維持できるほどの大きさにするのは勿論だが、それだけの球皮を作る大量の材料を確保できるだろうかという不安がある。どこかで売ってるものを買えば済むという話ではないのだ。布にしても紙にしても入り用な分を村で手作りしているだけなので、気球一つまるまる作れる程の余剰があるとは思えない。それにバーナーの火で延焼させないための防火処理をどうするのか。

 また、結局のところ、開けた平坦地が少ないこの島で気球のような大物を見つからないように製作するのも土台無理な話だろう。本当に実行に移すのならば、材料集めの段階から何をするのか明らかにしてしまって、力になってくれそうな人の協力を取り付けた方が良いかもしれない。

 そして、仮に気球を作り上げて飛ばすことにも成功し渦潮を越えることができたとしても、着水が非常に難儀しそうだった。波立つ海面に無事に降りられるだろうか。さらにそこをクリアしてもまだ油断できない。球皮を迅速に切り離さないと引っ張られて転覆してしまう可能性が高い。ボート程度だったら引っくり返っても復元できるかもしれないが、積荷が海の藻屑となってしまうだろう。

 ──このようにちょっと考えただけでも問題が山積しているが、それでも飛行機よりはよほどハードルが低いのは確かだった。

「じゃあ、まだ見廻りが残ってるので……明日にでも伺いますね」

「わかりました、お待ちしてますの」

 そうして手を振り合いながらちかげさんと別れたボクは再び道を歩き始めた。まだまだ日は高く、今日の見廻りコースは五分の一も消化しきれていない。

(すずは今頃、みちるさんの赤ちゃんをあやしたりしてるのかな……)

 そう言えば、子守りの仕事が増えたというすずは夜に家で赤ん坊の話題を出すことが多くなった。要は赤ちゃんが可愛いというわけだが、こないだなど適当に相槌を打ちながら聞いているうちに、「……私も……欲しくなってきちゃったな……」とポツリと呟いたことがあって、内心慌てふためいたものだ。何とも言えない顔つきでボクをジッと見るものだから目を合わせていられず、「あっ! ふ、風呂入り直そうかな」などと誤魔化して風呂場に逃げ込んでしまった。湯船に浸かりながらやれやれと溜め息を付いていると、戸越しに脱衣所から、「ねえ、行人……久しぶりに……一緒に入ってもいいかな?」というすずの声がしたので、ボクはまた慌てふためいてしまい、「えっ、だっ、だめ、だめだよ!」と、振り返ってみれば些か強(こわ)すぎる調子で断ってしまった。しばらくして、「……じゃあ、今日はしのぶちゃんのところで寝てくるね」という声と共にすずの気配は戸の前から離れていった。しのぶの家は目と鼻の先にあるので、まさかとは思ったが虫の音も静まった夜更けにそっと様子を見に行くと、月明かり差し込む薄暗い屋内に二つの盛り上がった蒲団があり、掛け蒲団からすずとしのぶらしい髪型をした頭が出ていた。ホッとしながらもボクは何を疑っているんだと自分を責め苛みながら引き返した記憶がある。

 青く晴れ渡る空はどこまでも長閑な陽気に包まれていた。歩いているだけでじっとりと汗が浮かぶ躰にたまに森の梢を鳴らしながら吹いてくる風が当たるのが心地良く、それだけで嫌な気分を忘れてしまう。絶好の外出日和。仕事中だと忘れないよう努めないといけないほどだった。藍蘭島の温和な気候と包容力のある濃密な自然は、ぱん太郎の存在と悪夢によって陰鬱に陥りがちなボクの心をどれだけ癒やしてくれているだろうか。すずともどもこの島に対しても感謝の念を抱かずにはいられない。

(いくら返答し難いことを言われたからってコソコソ逃げちゃうなんて男らしくないよね……それがすずの機嫌を悪くしちゃったのかも。こないだの海水浴以来、生活的な用事以外で一緒に出掛けたことあったっけ? また……すずを誘ってどこか出掛けようかな……)

 そんなことを考えながらボクは森の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2

 

 少年の後ろ姿が木々の向こうに消えるまで微笑みを湛え続けながら見送っていたちかげは、表情を変えないまま手元のアイフォンに目を降ろした。

「行人さんったら……この期に及んでまだ呑気に構えてますの…………♥」

 写真からホーム画面に戻って「ビデオ」というアイコンを押すと、動画の表示がズラッと縦に並び、その真ん中あたりの1つををちかげはつついた。

 途端、

『にゃあんっ、ああっ、ああっ、にゃああんっ♥!』

と、いきなり女の嬌声が奏でられ出すと共に、ベッドとおぼしき白シーツの海の中で巨漢の男が一人の美しい少女と横臥位でセックスしている動画が再生され始めたのだ。

 全裸の男に対して少女は着衣のままで、太ももまで達する乳白色のオーバーニーソックスを履いた脚の片方を持ち上げられてハメられていた。藍色の上着は帯を解かれてたわわに実った乳房がこぼれ落ちるように露出しており、白いスカートはまくり上げられてパンティーの股部をずらされ挿入されていた。少女の淫裂に出入りしている肉棒の巨(おお)きさは驚くほどであったが、それを繰り返し根元まで突き入れられているというのに少女の喘ぎ声やからだの様子からは苦痛などまったく感じられず、むしろ理性を溶かすほどの悦楽が与えられているようで、アンアン、アンアンと嬉しそうな媚声が尽きることがなかった。よく見れば彼女の胎内を往復している肉棒もテラテラと眩しく光っており、よほど多量の愛液にまみれているのだろうと──つまりは少女が感じまくっている無二の証拠だと容易に推測できた。

「ふふ、危なかったですの。さっき渡した時、行人さんがこれに気付いてたら……どうなっていたんでしょうね……?」

 

 ぱん太郎に犯されているのは、長い栗色の髪の毛を青リボンで結んだ顔もからだも美しい少女。

 

 ──すず。

 

 ちかげはゾクゾクしたものが背筋を走るのをおぼえた。無論、行人がこんなものを見たら最後、すずとの生活は破局を迎えるだろう──ぱん太郎はバレたらバレたで別に構わないと言っているが。行人に知られないようにしているのは、島での生活に不自由な彼の世話をすずが続けたいからという理由だけだ、と……。

(確かに……一人になっちゃったら、行人さんも可哀想ですからね……)

 すずとぱん太郎がだいぶ前から性的な関係を結んでいて、今や彼女の方からぱん太郎の元へ通い、行人の事など忘れたかのように種付けセックスを繰り返しているのを、少年の耳に届かないよう村人たちが配慮しているのはそういう意味合いもある。

 映像から流れる音声で目立つのはすずの喘ぎだけではなく、背後から男が腰を打ち付けるパンパンパンという軽快な音、それに合わせてベッドもギシギシと騒がしかった。また、男の肉棒がすずの秘洞を往来するズプズプ、グチュグチュという水っぽい摩擦音までもがはっきりと収録されていた。それだけ間近から撮っているのだ。撮影場所はぱん太郎の屋敷の“愛の巣”である。すずもこの「ヤリ部屋」でぱん太郎の好き放題に弄ばれる女の一人になっている。行人にとって特別な少女は、とっくにぱん太郎の精液処理肉便器になっているのである。

 広角画面の両端に結合部とすずの顔どちらも映るギリギリのところまでカメラは近付いており、溢れる愛汁でぬらぬらと淫靡に光る二人の結合部分、首から上を真っ赤にして身悶え喘いでいるすず、その引き締まった細い腰と豊かな乳房の若さ溢れる裸体、プックリと膨らんだ桜色の乳首──そして何よりも彼女の秘裂に繰り返し激しく打ち込まれる逞しい肉塊の迫力ある出入りの様子がまざまざと映し出されていた。

『じゃあいきなりだけど、駆けつけ一発いくね♥』

 すずを中心に映っている画面に男の顔は収まりきっていなかったが、筋肉が脂肪に包まれた太い体やフレーム外から聞こえる男の声はぱん太郎以外の何者でもない。行人でなければ人間の男はぱん太郎しかいないのだ。その口調は楽しげであった。肥え太った果物のように丸々と膨らんだ玉袋がすずの陰唇や太ももの裏にベチベチと当たるほど肉棒が深く突き入れられ始め、

『にゃあんっダメェッ♥! そこッ、深くてッ♥、ダメェ♥! にゃあッ♥、ああ~ッ♥!』

と、すずはたまらない様子で仰け反りながら悲鳴のような大きな淫声を張り上げる。その声音も、だめだめと言いながら期待感と歓迎心に満ち溢れているのがはっきり聞き取れるほどだ。すずがこんな声を出すのを行人は知らないだろう。セックスが何なのか──そしてその快楽をすずがとっくに味わい尽くしているのを知らないだろう。ぱん太郎の精子がすずの膣や子宮の隅々まで行き渡っているのを知らないだろう……。

『来たばかりなのに、すずちゃんったらもうこんなにオマンコ濡らしちゃって♥ どれだけぱん太郎様とヤリたかったんですの?』

 画面の外で興奮気味に喋る、もう一人別の誰かがいる──この動画を撮っているちかげ本人の声である。

『とってもステキですの、すずちゃんの表情♥』

 アップで映し出されたすずの顔は快楽と生殖の本能に蕩けていると言う他なかった。発情し紅潮した頬。涙の雫を湛えた双眸がキラキラ輝きながらも笑み緩んだ口元は赤い舌が覗くほどだらしなく半開きになり、抜群の美少女であることも相まってたまらない色気を醸し出していた。これもまた行人にせたこともない顔であった。行人のことなど考えもしていない表情。

『だって、だってぇ……♥ 我慢できなかったんだもん……♥』

『ウフフ、可愛い……すずちゃんがぱん太郎様の赤ちゃん仕込まれちゃう瞬間、しっかりと記念撮影してあげますの♥』

(自分の声が聞けるって何だか不思議ですの)

 それにしても、すずがぱん太郎と交わっている動画をこうして目の当たりにしても、これだけセックスに蕩けた顔つきを見ても、まさかこの子が……という信じられない気持ちがまだ心のどこかにある。それはちかげだけでなく他の娘たちも同様だった。だが、ぱん太郎の再来後に女にされた第一号すずだったらしい。ぱん太郎を村に受け入れることとなった会合の帰りに出くわし、その場で抱かれたというのだ。セックスはおろか異性交遊もよくわかっていないすずが自発的に判断したとは到底思えなかったが、許可が降りた以上、ぱん太郎は悪事を働いたわけではなくなっていた。すずもぱん太郎を咎めることはなかった。

 その時までセックスのセの字も知らなかったウブな少女が愛撫を受けて段々おかしな気持ちにされてゆき、性的昂奮を覚えるようになるまで丹念にアソコをほぐされて、星々が瞬く静かな夜家で待つ行人に声が届きかねない距離のところでぱん太郎に貫かれ、すずは大人になったという。ぱん太郎はなるべくすずに苦痛を与えないようゆるゆると何時間も繋がっていて、何とか巨根に膣が慣れた頃から本格的な子作り運動になり、青リボンの少女は膣奥に何発もぱん太郎の精子を注がれ、初めてなのに絶頂すら体験して──。

 以降、ぱん太郎との関係が深まるにつれてセックスがどんどん気持ち好くなってゆき、ぱん太郎の“愛”を感じるようになっていったそうだ。

 またカメラが動き、すずとぱん太郎が繋がっている局部にズームアップした。少女の愛液でぬめり光る極太の赤黒肉棒がその鉄柱のような肉体美を見せる度に、対照的な色鮮やかさのマン肉が引っ張られてめくられる様までもが確認できる。すずは連日長時間に渡って抱かれる事が頻繁にあって、ぱん太郎の巨根を梅梅よりもハメられ、また中出しされ、その肌も精液を幾重にも塗り込められていると言われているが、そのくせアソコはほとんど黒ずんでおらず、乳首同様に未だ処女のように綺麗な桜色で皆から羨ましがられていた。そればかりでなく、豊満な胸、細く引き締まった腰、艶やかな肌──どこもかしこも完璧な少女なのである。

『ボクとすずちゃんが愛し合ってるところ、よく撮れてる?』

『ええ、それはもうばっちりと♥』

『後でも見れるんだっけ、それ? 行人クンに見せたらどういう反応するんだろうね、すずちゃんがこうしてボクと子作りしてるとこ♥』

『ああっ、見せちゃダメなのぉ♥』首を振るすずだが、素に戻る様子はない。

『のっ──オッ、締まる、締まる♥!! のお、出るッ!!!!』

 その瞬間、腰を打ち付けながら喋っていたぱん太郎の躰が固まり、グッと腰をくっつけたまま動きが止まる。小刻みに震える躰、厚い陰唇を大きく割り広げて根元まで深々と突き刺さる男根。

 すずの胎内へ──子宮へぱん太郎の子種が注がれる放精が始まったのだ。

『──ック──ゥンン~~~~~ッッ♥♥!!!!』

 アイフォンからすずの歓喜の悲鳴が周囲に振り撒かれる──森の中に入っていった行人の耳まで届くことはないだろうが。

 凄まじいまでの勢いのあるぱん太郎の射精はお腹の奥底に当たっているのがはっきり分かるほどで、ドクドクドク、ドクドクドク! と、太鼓を打ち鳴らしているような衝撃がからだじゅうに広がるのだ。自分が種付けられている瞬間がはっきりと分かるのだ。ぱん太郎は抱いている女のからだをがっちりと掴んで離さず、オマンコの奥まで届かせた極太肉棒を最後のひと噴きまで抜かない。ちかげももう何度も経験しているからからだの芯から理解できるが、頂点を極めた多幸感と快感が綯い交ぜになったような──それはもうたまらない感覚になるのだ。

 ちかげは動画を見つめる目を細め、

「行人さん……いいんですか? すずちゃんはもう……ここまでぱん太郎様のモノにされちゃってますの…………♥」

と、頬を紅潮させながら呟いた。ちかげを含め村の女たちの間には行人への同情心がある。あれだけ仲睦まじかったすずと行人──いや、今でもその関係は良好だ。行人がすずに家族以上の気持ちを抱いているのは傍目にも明らかだった。そのすずがこうして別の男と愛し合うようになっただけでなく、子作りのために子種をタップリ注がれ、しかもそれをすず本人が容認しているのだ。行人の立つ瀬はないだろう。

 ぱん太郎に膣内射精されるすずの腰回りには、妊娠に対する不安や恐怖などといった悪感情を帯びた様子は一切なく、それどころか孕まし種付けをしっかりと受け止める気満々であった。きっとナカでも注がれている精液を漏らすまいとばかりにギュウギュウ締め付けているに違いない。行人ではない、他の男の精液を──。

 だが、ぱん太郎は自業自得と言う。二人がお互いへの想いを胸に秘めているのは明白で、機会は毎日あったのに、行人は告白もしなければアピールもしない、同棲しているのに一線も越えなかった。だったら奪って何が悪い、というわけだ。行人が恋敵のいない環境に甘んじて友達以上恋人未満のぬるま湯に呑気に入り浸っている間に、人間の男となって現れたぱん太郎は熱湯をさっと潜(くぐ)るようにすずをモノにした。正当な理由と実力、そして行動力を示したのだから誰にも文句は言わせない、とぱん太郎は放言する。でもそれはそれで一理あるとちかげは思ったし、他の者たちも同様の意見だったり村の大事だからと誰も何も反駁しなかった。

 かくして、すずまでもが泥沼に沈み込むようにぱん太郎との肉慾セックスに嵌ってゆき、一人の愛人と化して屋敷へ足繁く通い始めた事実は、村ぐるみで庇われることとなった。ちかげが組んでいる予定表にもすずの名前は書き記され、その日に必ず彼女はやって来る。すずが伽番として日を跨いで一晩じゅうぱん太郎に抱かれる時は皆で口裏を合わせているのだ。子守がごまかす理由として使い易いのでよく用いられる。梅梅やみちるなどがぱん太郎と楽しんでいる間、すずが泊りがけで子供の面倒を見ている──と行人が思い込んでいるその実、ぱん太郎と濃密なセックスをして種付けられいるのはすずなのだ……。

 子作り前提での膣内射精し放題の甘く蕩けたセックスを、すずとぱん太郎が。

 行人の目が届くことのない屋敷の中で二人きりの時間を長く楽しむぱん太郎とすず。すずはぱん太郎の子種をこれでもかというぐらい仕込まれ、数え切れないほど逝かされ、心もからだも芯まで白濁に蕩け落ちる…………。

 行人の知らない所でどんなにすずがぱん太郎との愛慾に溺れ、さらなる深みにどこまでも嵌っていこうが、何も知らないままでいられるのならそれが一番波風立たない状態──というわけだ。

 アイフォンでは、今まさに生殖中のすずとぱん太郎がずうっと映されていた。根元まで極太肉棒を突き入れて種付け射精するぱん太郎と、子宮まで達しているだろう彼の孕まし棒をしっかり咥え込みながらその子種を受け取っているすずの幸せに満ちた痴態。行人は正視できるだろうか、こんなすずの姿を……。

 完全に気を許したオスとメスの関係になっていた。ごく自然に二人の体勢と様子は子作りする男女のそれになり、射精の間隔に合わせて両者の下半身が震える。結合部の隙間からドロドロと溢れ出す特濃の白濁汁──すずとぱん太郎が子種の受け渡しを行っている決定的な証拠。

 カメラがさらに寄っていって結合部分が画面一杯に映される。スカートとパンティーが邪魔をしていたが、射精の脈動か膣収縮か、すずの下腹部が痙攣しているところまではっきり判別できた。両者とも陰毛を綺麗に剃り上げている。もともと体毛の薄い村娘たちであったが、密着具合が増すのが気に入ったぱん太郎がアソコをツルツルにするよう命じていて、まちやみちるが楽に脱毛処理できる膏薬をせっせと作っていた。すずも嬉々として従い、ちかげもこの頃は手入れを欠かさないでいる。

『にゃあぁん……あぁン……♥! うぅン……ぱん太郎様の……赤ちゃんの……素が……中で……いっぱい、出てるう…………♥!』

 うっとりと美しく蕩け奏でられるすずの嬉悦声。行人が聞いたら絶望の奈落に叩き落とされるだろう淫悦の調べ。

 画面端で刻まれている記録時間が射精が始まった頃から1分を過ぎても、尚、ぱん太郎の精液注入は終わる気配を見せなかった。今なお行人に想われ、大事にされている少女の子宮に徹底的に送り込まれる別の男の子種。すずの切ない鳴き声も途切れることがなく、途中から体位が変わり、寝バックですずの尻を押し潰すように種付けを続ける。結合部が隠れて画面には見えなくなったが、すずの悩惑ぶりと歓喜の声音はより深まり、二人はもう生殖以外物を考えていないような惚けた表情でいっそう下半身を密着させ、幸せそうに鳴き合い、両者の重なった脚の間には白濁海嘯が広がってゆくのだった。

「ああ、もう……ぱん太郎様ったら……♥ なんでこんなに……たくさん出せるんですの……♥?」

と、ちかげも顔を赤くしながら秘所に手を当てて内股でモジモジし、潤いを帯びた瞳でそうひとりごちる。彼女自身も存分に味わっているぱん太郎の膣内射精の記憶が、アソコをズクズク、ズクズクと切なく疼かせた。蕩けるほど抱かれた末に絶頂と同時にこれほどの射精を味わってしまったら、たとえすずでも心が変わってしまうのだろう。あの気持ち好さはとても言葉に出来ない。男性の精子は陰嚢で生産されるらしいが、いくらぱん太郎の玉袋が鞠のように巨大とはいえ、毎日毎回これだけの量を放てるとは信じられないほどだった。

 もう三ヶ月ほど前にもなるだろうか。ぱん太郎を村に受け入れる事を決めた集いがあってから半月ほど経ち、早くも関係した娘たちの口から性交の感動体験が広まり始めた頃のことであった。いつものように何かめぼしいものが打ち上げられてないかと村の砂浜を行ったり来たりしているちかげの元に、ぱん太郎がふらっと現れて何をしているのと声をかけてきたのだ。その流れで一緒に波打ち際を歩きながら自己紹介などしているうちに、ぱん太郎は、「あそこにでも座って話さない?」と、浜の終端にある地磯を親指で差した。ちかげはちらと後ろを振り向いた。逆側には岬があり、その上に一軒の平屋が窺える。行人も住んでいるすずの家──ただ、何となく気になったのだ。

 断る理由もないのでぱん太郎に着いて行って磯場へ入り、腰掛けるのにちょうどいい小岩がゴロゴロしている場所で会話を続けた。その時間帯は海風も弱く波も穏やかであった。

 しばらく言葉を交わしただけで、これまでの印象とまるで違い、ぱん太郎は驚くほど話しやすい人物になっているのをちかげは感じた。しかし考えてみれば、東のぬしの個人的な事柄についてはほとんど何も知らない。それは村の女たちも同じだろう。そのうち話題は子作りについてとなり、「どう? 興味あるなら、試しにやってみる?」と、なんでもない風に軽く誘われた。正直言って興味はかなりあった。一足早く大人になった他の女子たちへの軽い羨望もあったし、性への好奇心は胸奥で色濃く燻っていた。なので、ぱん太郎の言葉に釣り上げられるように、「え、ええ、是非やってみたいですの」と、半ば引き込まれながら返答してしまったのだ。こうしてちかげもぱん太郎にからだを差し出す許可を与えてしまったのである。

 ぱん太郎の膝の上に乗せられてキスをされながら丹念な愛撫を受け、アソコもたっぷりほぐされた後、奇妙な花の花粉を嗅がされるとからだがカッと熱くなって昂奮が増し、自分でも驚くほどアソコがジュンジュンと潤った。自分で弄ったことなどほとんどないのに、ぱん太郎の太い指を抜き差しされると痺れたように気持ち好く、後から後から愛液が溢れて太ももまで濡らした。あの花は一体何だろうと考えようとしても、その頃にはもう既に頭が真っ白になるほど喘ぎ悶えていた。何もかもが衝撃的な初めての経験。ある種の感動すら抱いた。それほどぱん太郎にからだを触られたり弄られたり舐められたり、舌を絡め合うような口づけなどなど、今までまったく知らない気持ち好さの世界であった──奇妙な花のせいでもあるようだったが。

 小一時間ほどの愛撫ですっかり発情してしまったちかげは、黒いオーバーニーソックスと靴以外全て脱がされて岩場の壁に手をつき、ぱん太郎と裸同士になって立ちバックで貫かれた。ぱん太郎の極太剛直はまだ閉じていると言っていいほど狭いちかげの中を割り裂くようにぬ"ぐぬ"ぐっと入っていった。

 ぱん太郎と一つになった瞬間、ちかげの悲鳴は遠くぽつんと見える岬の家まで届いたかどうか…………。

 棍棒のような肉厚剛根が奥を小突くまで往来するというのに、昂奮の方が遥かに勝っていて痛みは思ったほど感じなかった。ただ息苦しさが半端なく、呼吸が止まりそうになるのを堪えるだけで精一杯だった記憶がちかげにはある。だが、ぱん太郎は余裕をもってゆっくりと動き、時には止まって優しい言葉を囁いたり愛でる手つきで愛撫したり、途中から岩に腰掛けて対面座位になって彼女が楽になるようにも図らった。そうして数十分も繋がっていると心身ともに落ち着いてきて息苦しさも和らぎ、ぱん太郎を迎えるアソコは溶けるように熱くジンジンと甘い痺れが強まり、ちかげは再び喘ぐようになっていた。

 一時間以上は繋がっていただろうか。頃合いを見ての膣内射精──その時だけ、ぱん太郎はまたちかげを立たせて激しく突き、立ちバックで膣奥に子種を注ぎ込んだのだった。その頃にはちかげはもう正体をなくすほど悶えていて、アソコは愛液でビショビショ、ぱん太郎の為すがままであった。下半身も胎内も溶け落ちてしまいそうなほど熱く、崩折れないようになけなしの力を脚に籠めるのが精一杯であった。

 ひとたび中出しが始まるとそれは得体の知れない更なる快感を生じ、耳に入れていた通り我を忘れるほどたまらなく気持ち好かったのを鮮烈に覚えている。射精中のぱん太郎はそれまでの激しさが嘘のようにほとんど動かなくなるのに、男根自体が意思を持ったように胎内でドクンドクンと力勁く弾け、腹の底に痛みの伴わない石を当てられているような重い衝撃が響き続けるのだ。膣の中で精液を噴射されているのがはっきりと分かるのだ。弾着の圧感が消えて心地好い痺れが全身に広がる頃には次の弾が当たっている。それが何度も何度も何度も何度も続き、じっとしていると胎内に溜まった精液の熱さや重みまで感じられてくる。とても言葉にできない程たまらない気持ちだった。他の女たちもぱん太郎の射精中にまるで動けず、子宮に種付けされるがままだと言うのも理解できた。快感が勝っているためかセックスの昂奮のためか、妊娠してしまうという強迫感もあまり湧かなかった──もともとその意識は薄いのだが。それどころか、射精を感じているうちにいっそう気が変になってくるのだ。快楽と本能で掻き乱される頭、心、体。オマンコが歓喜している──とでも言うのだろうか。その歓喜の奔流に逆らうことが出来ず、流されるがままであった。この時、ちかげのオマンコは射ち込まれている精液を少しでも逃すまいと極太肉棒をギュウギュウ締め上げていたと、後でぱん太郎に聞かされものだ。

 結局、長い長い射精の最後のひと噴きが終わっても、さらに何分も繋がったまま余韻に浸っていて、気付くと再びぱん太郎が動いていて二回戦が始まっていたのだった。立て続けに抜かず五発注がれたところで全身ガクガクと力が入らなくなって立っていられなくなり、お姫様だっこをされて道案内しながら家まで送って貰った。途中、館近くの林でもう三発胎奥に放たれ、泊まって貰って夜も種付けされまくって浴びせられまくって──からだの中外はおろか頭の芯まで精液浸しにされたような気分であった。

 その日を境に館へも来るようになったぱん太郎に何度も抱かれ──いつの間にか母のしずかもぱん太郎と懇意の仲になっていて、何度目かの訪館からは二人一緒に抱かれることもあった──、慣れてくると抽送も一層気持ち好いものになっていったが、中で出されるのはそれとはまだ違う次元の快楽だった。そうして何度も中出しを繰り返される間に甘い痺れがからだの隅々にまで浸透しきって、まるで別人になったかのように痛みや苦しみの一切を忘れてただただ声を上げて快楽に漬かるようになっており、その享楽の度合いは筆舌に尽くし難いほどであった。頭が真っ白になって何も考えられず、全身から力が抜け、それでいて無意識に喘ぎ声を発しながら射精中の肉棒を出来る限り締め付け、正常位なら太い胴体を両脚で出来る限り挟み、気付くとぱん太郎の子種の放出を貪欲に迎えている自分がいた。

 ──この映像のすずのように。

 気付けばぱん太郎に完全屈服し、途方もない恍惚に包まれて子作りの体勢を取っている自分がいるのだ。

 もう一人の──仄かに想っていた筈の男の存在など忘れて──。

 母親たちが語るところによると、確かに中で出されるのは気持ち好いものだが、ぱん太郎のそれはまるで別物らしい。あの“花”といい麻薬めいている、と。普通の男はまずこれほど出せず、出たとしても最初の数回だけで、連続でやっていると量も勢いも減るのだそうで、また射精時に脈打っているのは分かる時もあるが、中で出された精液の感触などはよく分からないという。それに男は射精する度に疲弊する生き物で、よほど体力充溢している場合でもなければ十回も二十回も出来るものではなく、一度放っただけで終わったり、女が満足する前に疲れて止めてしまう事も多いのだそうだ。あまつさえ連日連夜何人もの女とまぐわい終日何十発も力勁く放出し、それでいて女も満足させることを忘れず、尚、平然としている男など、オババでも聞いたことがないそうだ。

 アイフォンで再生されている動画の中のぱん太郎も数分経ってようやく射精が終わったようで、ひと息ついて脱力し、白濁キャンディーと化した肉棒をヌップリと引き抜いてうつ伏せに寝ているすずのからだから離れた。青リボンの少女の衣服はほとんど腰に集まって全裸に近い状態にまでなっていた。その股間は桶一杯の糊をぶちまけられたような有様で、秘裂や尻穴はおろか腰から背中まで精液にまみれており、パンティーはグチョグチョ、スカートやオーバーニーソックスも白濁で穢されていた。だが、当の少女はまるで慣れっこのように気にする素振りもなく、幸せそうな惚け顔で痙攣しながらぐったりとしている。まさに行人に対する遠慮などもはや一片すら無くした、完膚なきまでの生殖絶頂交尾であった。

 濃白クリームのような孕まし汁がゴポゴポと溢れ出る局部がズームアップされ、

『ウフフ、またこんなに……♥ ぱん太郎様ったらホント、すずちゃんにも容赦ありませんの……♥』

と、淫らな昂奮と感嘆の吐息が混ざったちかげの声がする。

(こんなのを味わっちゃったら、すずちゃんでも昔には戻れませんの……♥)

『行人クンがまだ何も気付かずにすずちゃんと仲良く暮らしてると思うと、出る量も違うんだよねえ♥ すずちゃんのオマンコもすっごい締め付けてきて気持ち好くてたまらないしさ、孕ませたくて仕方なくなる♥』

 ぱん太郎がそう言いながらすずの形佳い尻を撫でると、まだ快感が引いていない少女の喉が甘く囀り、最近さらに女らしいむっちりとした印象が出てきたからだがピクピクと震えた。

『それにしても、キミがこんな夜中にいきなり来るなんて、ちょっとビックリしたよ。初めてじゃないかな?』

 美少女の尻を撫で回しながらぱん太郎がそう問いかけると、

『んっ♥……ごめんなさい……どうしても……ぱん太郎様に会いたくなって…………♥』充足感を帯びた鼻にかかった声ですずは謝った。

『ボクは嬉しいけど』

 ぱん太郎の顔がカメラの方に向いた。ちかげはそれが撮影者である自分に目線を送ったものであることを覚えている。

『ああ、構いませんの。ゆきのちゃんはへばっちゃってますし、私も後を追いそうでしたから、むしろ助かりましたの♥』

と、間近から彼女の声だけが聞こえた。

 そう、この時はちかげとゆきのが「伽番」として屋敷に詰めていたのだが、午前中から二人揃って何度も気を失うほど愛されまくっていたため、すずが訪れて来た夜半にはゆきのは疲れ果てて眠ってしまっており、一人で相手をしていたちかげも腰から下の感覚がほとんど無いまま責め立てられていた。召番の娘は今日はどうしても用事があるからと残念がりながらも既に帰宅してしまっていて、ぱん太郎を独り占めできる嬉しさの反面、体力がもつかどうか密かに心配していたのだ。

(一番年下のゆきのちゃんと体力勝負がニガテな私のこんびは考え直した方がいいかもしれませんの♥)

『でも、行人クンの方は大丈夫なの? こんな時間に家を空けたらさすがに怪しまれない?』

 映像の中でそう問われた青リボンの少女が上体をひねり、まだとろんとしている顔をぱん太郎に向け、微笑みを浮かべた。

『大丈夫だと思う……しのぶちゃん家に泊まってることにしてあるから……。なんか、変わり身? の術の応用とか何とか……それに──』淋しげな目になるすず。『きっと……行人……何も気付かないよ…………』

『そっか。しのぶちゃんにも後でご褒美上げないとね。……んじゃ、今夜は行人クンなんて忘れて、朝までボクと子作りしようね。すずちゃん♥』

 ぱん太郎はニンマリと笑いながらそう言うとすずを抱き起こして膝の上に乗せ、その唇を塞いだ。すぐ傍で撮られていることなど忘れたように二人は情熱的な口づけを交わし、いやらしい手つきで互いのからだをまさぐる。

『あの砂浜の夜を思い出すね♥』

『うん……♥』

と、行人が見たら発狂しそうなほど仲睦まじいキスとペッティングは時を忘れるほど長く続いた。

 やがて、すずは涎まみれになった口を離し、

『……ぱん太郎様、大好き…………♥』

と、恋する眼差しで頬を染めながら相手を見つめてそう呟くと、同時に妖艶さの片鱗を感じさせるような笑みを見せ、男の股間でギラギラとはち切れんばかりに勃っている剛毅な逸物を愛おしそうに撫でた。先程の行為の淫液がまだ乾いていない肉棒の先端からは既に次弾の先走り汁がピュッピュッと噴き出しており、陰嚢の丸々とした膨らみ具合もあれだけ出したばかりとは思えないぐらいだ。

『あの時みたいに……私をぱん太郎様の精液まみれの……いやらしい肉人形にして……♥』

『のふふふふふ』心底楽しそうに下卑た笑みを浮かべるぱん太郎。『ボクのチンポのことしか考えられないような人形にしちゃうからね。キミの中から行人クンの存在なんか完全に追い出して、ボクとセックスするだけの人形にしちゃうよ♥』

『うん♥』嬉しそうに即答しながら頷くすず。『ぱん太郎様のことだけしか考えないから……♥』

『ボクに孕まされることだけね♥』

『うん…………♥!』

 こうしてすずは優しく押し倒されて愛の営みが再開し、オーバーニーソックスを残して着衣をすべて剥ぎ取られ、その美しい肢体を画面に存分に晒しながらぱん太郎の好きなように弄ばれた。行人にはとても見せられない痴態を披露する映像がまだまだ続いた。顔にも背中にも濃厚な白濁液を二度も三度もぶっかけられ、すずは完全にぱん太郎の性慾を処理する肉人形となっていた。ちかげも夢中になってアイフォンを寄せて撮影したものだ。が、ぱん太郎の上に跨って激しく腰を振っていた精液まみれのすずがぱん太郎様すごい、すごい、おかしくなっちゃう、おかしくなっちゃう、と悦び悶え叫んでいる最中に、突如ぶつ切りに動画は終わった。撮影中に電池が切れてしまったのだ。

 ただ、以降も一緒にいたちかげは知っている。この後もすずとぱん太郎は体位を変えつつ汗と淫汁まみれになって濃密に交わり続け、すずの方からも積極的に動きながら何度も何度も同時絶頂中出し種付けが繰り返されたことを。今でも行人と寄り添って暮らしている少女は、少年には見せたこともない淫乱ぶりでぱん太郎と愛し合い、その種付ける気満々の子宮密着子作り射精を受け止め続けたことを。そうこうしているうちに十分休んだちかげと目を覚ましたゆきのも戦線復帰し、しばらくして道に迷いながらも必死に屋敷までやって来たしのぶも加わり、四人で夜通しぱん太郎に奉仕し、あるいは好き放題に犯されたのだ。

 四人はぱん太郎の逞しい巨根を取り囲み、競うように全員で舐めしゃぶったり、開発された雌穴の奥に数え切れないほど中出しされ、また全身に熱い白濁をぶっかけられながら、弾けるような四つの若いからだは成熟した大人に負けないほど逝き狂った。

 近頃、ぱん太郎は尻穴調教にも手を出しており、この時のちかげ達も種付けセックスだけでなく、深夜の露天風呂で温泉浣腸された後、アナル用のビーズやバイブで尻穴を丹念にほじくり回されて喘ぎまくった。これらの淫具もアイフォンと同様に箱ごと浜辺の砂に埋もれていたのをちかげに拾われ、男根を模した形状の物が数多く入っていたことからもしかしてと察した彼女がぱん太郎の元へ持ち込んだという経緯がある。ちなみに届けたその場でちかげは最初の被験者として前の穴も後ろの穴も淫具を突っ込まれ、すぐに要領を掴んだぱん太郎によって何度も逝かされたものだ。以降、バイブやローターなどが新たな性玩具として登場し、ぱん太郎は後ろの穴にも興味を持ち始めたというわけであった。

 現在では村の女たち全員が尻穴拡張開発中だった。まだぱん太郎の巨根を後ろで迎え入れられる女はいなかったが、誰が最初に捧げることが出来るか、肛門をほぐしたり、より太いアナル淫具に挑戦するなど、行人が知ったら唖然としてしまうだろう競争を女たちは皆しており、その中には当然のようにすずもいた。女たちが尻穴もぱん太郎に捧げる日が来るのも遠くないだろうと言われている。

 ともあれ、すずはこの晩も十発以上ものぱん太郎の精子を子宮に注ぎ込まれ、その都度全身を激しく震わせながら深いアクメに達し、尻穴調教も悦びまくり、行人の存在などひと欠片すらも心に残りそうにないほどにぱん太郎の愛をなみなみと注がれたのであった。そうして、しのぶと共にぱん太郎の子種を満たしに満たした下腹を大事そうにさすりながら朝帰りした。この頃では膣内をあまり奥まで洗わず、子宮付近にぱん太郎の精子を溜め込んだまま行人と暮らすのが常態化しつつあるそうで、「だって、ぱん太郎様がそうしろって言うから……♥ ぱん太郎様の精液ってうんと濃いから、いつまでもお腹の奥に残ってる感覚があるの。行人と一緒にいる時もぱん太郎様を感じちゃって……♥ ¥でも、漏れないようにするのはアソコを締める訓練にもなるし……ぱん太郎様の赤ちゃんの種がお腹の中にあると思うと、なんだか気分が良くなるんだ♥」と、すずは嬉しげに語っていたものだ。本人は自覚していないようだったが、他の娘同様少年に淡い恋慕を抱いていた青リボンの少女は、もうすっかりぱん太郎にからだの芯まで毒され、罪悪感など抱いていない表情であった。

「まあ、他人のことは言えませんけどね……」と、どことなく寂しげに独りごちるちかげ。「私も……以前は行人さんに…………でも────」

 行人に対する思慕を押しのけるようにぱん太郎との濃密なセックスの記憶がちかげの脳裏に鮮烈に蘇る。途端、

「あっ……♥!」

と、ちかげは喘ぎにも似た色っぽい吐息を漏らし、そのからだをゾクゾクと震わせた。先程のようにまた脚が内股気味になる。ぱん太郎とのセックスを思い出すと、瞬く間にアソコがジュンジュンと疼き、腰が奮え、嬉悦を帯びた痺れがからだ中に走るのだ。その一瞬、性的快感以外何も考えられなくなり、ぱん太郎のあの逞しい巨根でアソコの奥まで突き回され、掻き回され、あるいは溶岩のような特濃精液を膣奥でドクドクドクドクと際限なく放たれる本能の快楽──それだけで全身が支配され、頭の中もすべて占められてしまう。時には立っていられなくなるほどだった。最近では夜寝る前に、ぱん太郎のデカマラ代わりに太めのバイブを使って自分を慰めているぐらいだ。寝室で憚ることなく下半身を大股に開き、「ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁ♥」と名前を呼びながら、彼にのしかかられてメチャクチャに犯される想像をして自慰行為に耽るのだ。

(本当……すずちゃんがどうこうなんて言えないですの…………♥)

 今から屋敷へ行きたい──そんな衝動が心に強く生じる。またぱん太郎に可愛がって貰いたい。このすずのように骨抜きになるまで虐め抜いて貰いたい。

 何度も中出し種付けされたって構わないから…………!

 無上の桃源郷へ誘(いざな)ってくれる男──だが、残念ながら今日はちかげの出番ではなかった。とは言え、一日に何人もの女が自分の番を消化するので、十日も待たずに回ってくる。「召番」も仕事が済めば遠慮なく交歓の中へ参加できるので、誰しもが最低でも週に一、二度はぱん太郎に抱かれる機会が訪れるのだ。それが為に普段はぱな子に任せきりの家事も屋敷では悪戦苦闘ながら務めて少しでも慣れようとしている。ちかげが次に屋敷へ詰める日は数日後であった。それを思い出し、何とかそぞろになった気を静める。

「ふう…………さて、お次は♥」

 ちかげはアイフォン画面をタップして一覧に戻ると、続けてすぐ下にある動画を再生させた。

 

 

                                 

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 再生されはじめた動画内にまず出てきたのは、まだ明るい空の下、真新しい青々しさが映える竹垣をぐるっと巡らせただだっ広い外湯であった。一度に何十人と浸かれるほど大きな池型の温泉に湯を流し落とすのは、岩登りができそうなぐらいうず高く積まれた段瀑の岩山。洗い場には腰掛けや風呂桶がずらりと並び、奥まった場所に植えられた草木は落ち着いた風情を醸し出している。旅館の大浴場だとしてもおかしくない本格的な造りが映像画面狭しとその趣を誇っていた。しかし、ここは旅館でも何でもなく、ぱん太郎のために作られたと言っていい私邸の風呂場なのだ。

 洗い場が横パンされていた時、もう一つの岩山が聳(そび)えるが如き人間の背中が映っていた。言わずと知れたぱん太郎であった。逆回しのようにカメラがその後ろ姿まで戻って捉え、画面が揺れ出したかと思うと、段々とその躰が大きくなり始める。歩み寄っているらしかった。ぱん太郎は風呂場の床に胡座を掻いて何かしているようで、その横からカメラが回り込むと、突如として彼の目の前で小ぶりの尻を高く掲げながら四つん這いになっている全裸の少女が現れた。ぱん太郎の巨体に遮られていたのだ。

 奇妙な光景であった。「あっ……あっ……♥」と、微かにからだを震わせている少女の肛門から透明な輪っかが飛び出していて、ぱん太郎はそこに指を掛け、今まさに引き抜こうとしていた。二人の周囲には湯を張った風呂桶や浣腸用のバイブやビーズ、ローターやローション等々が散らばっており、肛門調教の真っ最中なのがひと目で判った。

『の? ちかげちゃんじゃん♪』

 気付いたぱん太郎が動かそうとしていた手を止め、カメラに振り返って機嫌の良い声を出すと、『はあい、ですの♥』というちかげの明るい返事も聞こえてくる。

 四つん這いの少女も気付き、肩越しに顔を向けた。

 

 ──あやねであった。

 

 風呂場だからだろう、白リボンをほどいて長く艶やかな黒髪を姉や母のようにおろし、肛門を弄られている刺激で顔が惚けたように歪んでいたが──紛れもなく海龍神社の次女であった。

 ちかげとさほど変わらない肉付きの細身なからだであったが、膝を立ててツンと掲げている尻肉は薄付きながらもプリプリとしており、太ももと合わせて女特有の男を誘う丸みがある。排泄穴へ異物を挿し込まれているというのに、恍惚とした表情でからだを震わせ微かな喘ぎを繰り返している様は、明らかにそちらでも快感を得ているようであった。

『ち、ちかげじゃない…………また……それ……?』

と、あやねはいつもの威勢が消えた声で多少気恥ずかしそうに問いかけた。彼女もまたカメラという存在をあまりよく理解出来ていないので、羞恥の色を浮かべたのは陰部を曝け出しているから──ではなく、拒んでいた筈のぱん太郎とこんな事をしているところを見られた、そんな意味でのバツの悪さであろう。

 ちかげやあやねを含め、大半の娘たちは裸体を他人に見られても恥ずかしいという感覚が湧かないのは相変わらずだ。局部を曝け出しても恥ずかしがって反射的に隠そうとするのはりんと梅梅ぐらいなものであった。もっとも、ぱん太郎に染められて以来、その両者大胆になりつつあるが……。

『もうあやねさんもお尻の調教ですの?』

『まーね。一番出遅れてる分、色々とやらないとね♥』

 あやねの尻穴に挿入されているのは光沢のある透き通ったアナルビーズで、ぱん太郎が手首から先だけ軽く前後に動かすと、それだけでも決して小さくない球体があやねの尻穴を拡げながら現れ、幾つも繋がった様を見せながら出入りを繰り返した。

『あっ……おっ……おおっ……♥!』と、あやねのからだがビクン、ビクンとうねるように弾み、堪えきれないような嬉悦を発する。『だ、だめぇ……おっ……おぉっ……ぁおンっ……♥!』

 ローションかそれとも彼女の腸液か、あるいはそれらが入り混じったものか──アナルビーズも尻穴の周辺もヌルヌルとした液体がまとわりついていて、出入りの度にプチュ、プチュと汁気のある淫音が鳴る。

 始めは大量の淫具の中に混ざっていた外界のローションが肛門の潤滑液として使われていたが、それが空になるとオババ口伝の通和散なるものを作って用いるようになった。江戸時代ではこれが最上のぬめり薬と言われていたらしく、唾液と混ぜると程よい粘り気の液体になる。オババの言によると主に男色で用いられたそうだが、巨根の挿入に気を遣っているぱん太郎は前の穴でやる時でも取り出すことがあった。

『はぁ、はぁ……こんな……ので……』頬を真っ赤に染め息を乱しながら声を震わすあやね。『ほ、本当に……女らしく……なれるの…………?』

『きっとなれますの♪』

と答えたのは、画面外で撮影中のちかげであった。

『私の観察したところ、ぱん太郎様とセックスした女性は皆んな、前と比べて肌や髪もツヤツヤイキイキ、色気も出て来て女に磨きが掛かってますの。あやねさんも随分と綺麗になってきてますよ♥』

 カメラがズームアップし、見習い巫女の細いからだや長い黒髪を舐めるように映し出す。長袖長裾の巫女服で年じゅう覆い隠されている肌は農耕や漁業などに従事している村娘たちより随分と白くきめ細やかであり、それでいて妙齢らしい瑞々しい張りに満ち溢れていた。その華奢なからだからほのかに匂う女香は成熟した大人ほど色濃く嗅ぎ取れるものではないものの、風呂場の湯気でまとわりついた水滴の光沢が生み出す艶かしさだけでは説明はつかなさそうであった。

 ぱん太郎に抱かれた女は皆美しくなっている──何もちかげの言葉はあやねを騙そうとして口に出たわけではなく、村の女たちを観察している彼女の正直な感想であった。母親たちはどこか解放されたかのように明るく笑うようになったし、娘たちも皆、行人が現れた時とはまた違った方向に溌剌とし、ただでさえ健康的な若い肢体は以前よりハリツヤが目立ち、年頃もあって輝き弾けるようであった。

 母親たちが言うには男の体液が肌に付いたままだとシワシワになったりかぶれたりと良いことはないのだが、どういうわけかぱん太郎の精液はまるで極上の美容薬のように肌や髪に滋味と潤いを与えるらしい。また、喉に絡み付くほど濃いので飲み下すのは大変だったが、普通の精液と違い果汁のような甘みがあって味自体はそう嫌なものではなく、しかも胃に収めると活力が湧いて来る。膣内(なか)に注がれれば長時間アソコの奥にその温かさを感じられ、腰回りは充実するし、何だか心身共に良い心地になってくる──。

 だから女たちはぱん太郎にぶっかけられたり全身塗りたくられても嫌がらないどころか嬉しがる側面もあった。中出しを悦ぶのはまた別の意味も加わっているが。

『そ、そうかしら……?』

 綺麗と言われたあやねは若干嬉しげに呟くと、それ以上疑問を差し挟まなくなり、ぱん太郎が抜き差しするアナルビーズの刺激に意識が戻って、『おっ……おっ……おぉっ……♥!』と、また喉を震わせるだけになった。

 ぱん太郎に尻穴をほじくられて感じているあやねの姿。そんな動画を眺めながら、

「これでとうとう……村にいる全員がぱん太郎様のモノになっちゃいましたわね……」

と、ちかげは感慨深げに独りごちた。

 唯一の手付かずであったあやねさえもがぱん太郎と肉体関係になって屋敷に出入りするようになったのはつい最近のことだが、瞬く間に女たちの間に知れ渡った。女を磨いて行人様を振り向かせるのよ、などという建前で見栄を張るところがあやねらしくはあったが、だから中出し禁止の約束を交わしていて行人様一筋は変わらない、などという話は誰も信じなかった。

 

 何故ならば、あやねもまた、ぱん太郎に抱かれる度にたっぷりと種付けされまくっているから──。

 

 ダメダメと首を振るのも途中までで、ぱん太郎に愛されまくってすっかり蕩けてしまうとそれ以上拒めず、快感に流されるままに頷いてしまい、そうするとぱん太郎はもう遠慮なくあやねの膣内(なか)で子種を放ち始めるのだ。

 だが、あやねは怒ったり悲しんだりするどころか、快楽に染まった頭からは昂奮が引かないまま理性を取り戻せず、ぱん太郎の種付け射精の気持ち好さにからだを震わせ、抑え切れない性悦の声を上げ続けるのだ。

 アソコも奥までヌレヌレ、まだ経験が浅いはずなのにぱん太郎の巨根をすんなりと奥まで受け入れ、精子を全て搾り取らんとばかりにギュウギュウ締め付けてくるらしい。何発繰り返されてもぱん太郎と共に絶頂を味わい、生殖快楽が生み出す幸福感に囚われてゆくばかりであった。「あやねちゃん出すよ、ボクと赤ちゃん作ろーね♥」などと言いながら腰を打ち付けるぱん太郎に、「ダメェ、もう、それだけはダメェよぉ……♥」と返す声に力はまったく籠もっておらず、ぱん太郎がからだを押さえ付けなくとも逃げることなく中出しへの抽送を受け止めてしまい、言葉以外に嫌がっている証拠は微塵もなかった。濃密な情事から解放される頃には毎回何十発も胎内に注がれていて、しかも皆との差を埋めるという名目でぱん太郎は頻繁に彼女を呼び付けたり会いに行っているらしいので、今やすず同様にあやねの膣奥も子宮も常に夥しい量のぱん太郎の子種が溜まっているというわけであった。

 ちかげが蔵書の中から見つけた参考資料によると、精子サイズの世界では最終地点である卵巣への旅程は途方もない距離に相当し、通常であれば卵子まで辿り着ける精子は数えるほどらしい。が、(ぱん太郎様は精子も並とは思えませんの……)と、ちかげは思えてしまう。あやねやすずの子宮内でも行人など知るものかと大量のぱん太郎の精子がひしめき合っていて、二人の卵子をひとたび見つけたら最後、群れをなして襲いかかっているに違いない──と、想像してしまうのだ。

 それに大人たちの話ではセックス時の女の気分や体調も影響し、心身共に男を受け入れる姿勢が整っていればいるほど妊娠しやすくなるそうだ。ただ、女がそんな状態になるためには男側の努力も必要だそうで、そういう意味で言えばぱん太郎は「類稀なほど優秀で勤勉」らしい。

 それでもあやねはまだ平素は勝ち気な態度を取るので、その強がりがいつまでもつのかしら……などど女たちは談笑の花を咲かせている。

 ともあれかくもあれ、これで村の外で暮らしていたり遠出をしている等の理由でまだ接触していない女以外は一人残らずぱん太郎と関係を結んだこととなった。行人の見知っている藍蘭島の女性たちは皆……そう、皆だ。少女から人妻まで妙齢の全員がぱん太郎の極太肉棒の味を覚えたのである。

 

 二、三十人はいる彼女らの誰と行人が出会ったとしても。

 例外なくもう一人の男とセックスしている女としか。

 行人は顔を合わせなくなったのだ。

 

 口でしてあげるだけ、挿入はダメ、中出しはダメ……などと途中までで踏み止まっている例はない。行人に恋していた少女たちも、行方不明とはいえ夫がいる身の人妻たちも、避妊などしない中出しセックスをぱん太郎と繰り返しており、膣内射精された回数は全員が三桁に達しているのであった。

 この二人だけはぱん太郎の餌食になっていない──と、行人が清純を信じているすずとあやねでさえ……いや、この二人こそ、むしろここ最近では他の誰よりもぱん太郎と肌を重ね、そのセックスの心地好い余韻が消えない日はない有り様である。あやねもこのところ集中的に抱かれているおかげであっという間に中出しされた回数が百を越え、絶頂を覚えた回数は大小問わなければそれ以上になっている。

 同棲しているすずは勿論のこと、近頃は何かと行人と会う機会を作っているらしいあやねも、それ以上にぱん太郎と会っており、少年と過ごしている時、アソコには常にぱん太郎とのセックスの甘い痺れと大量の精液が残っているのだ。すずもあやねも少年の傍らにいて上の口で楽しく語らっている間、下の口は中出しされたぱん太郎の精液が漏れ出ないようキュッと締められていて、すずの膣内もあやねの膣内も雪山のように一面白濁がこびりついた状態になっていて、ぱん太郎の体液を絶えず吸収し、子袋の入り口はぱん太郎の精子の侵入を許し、子宮内を占領する無数の子種は一匹として目の前の少年のものはなく、さらにその奥にある卵管では────

 

 ──これが……今の行人とすず達の真の現状であった。

 

 ちかげもつい先日、来月分の当番表を貼り出しに屋敷へ行った時に、いつものように“愛の巣”から正体を失っているような大きな嬉声が聴こえて来るので覗いてみると、ぱん太郎に可愛がられていたのはその日の伽番ではなくあやねだった──という一場面があった。彼女が訪れた時点で既にあやねは快楽に敗北した蕩け顔と乱れた痴態を晒している最中で、ダメェダメェ赤ちゃんは行人様となどという言葉は上辺だけ、女泣かせの巨根でさんざんに気持ち好く突きまくられた末に腰を密着されて深々と挿し込まれると、意中の少年への想いは何処へやら、喉奥から演技ではない淫らな調べを発しながら同時絶頂し、真っ赤に蕩け切った表情でぱん太郎の膣内射精を感じまくっていたのだ。

 ぱん太郎はぱん太郎で、「キミだけ仲間外れにしたくないんだ、ボクと子作りする覚悟決めなよ♥」などと囁きながらあやねを調略していて、血相変えた行人が木刀振りかざして救いに来るでもなし、こうなってしまってはもう抗えるものではなかった。二人きりの濃密な交わりの中、ぱん太郎はあやねをじっくりと責め上げてゆき、十分に感じさせてからの中出し種付けと絶頂後の甘い後戯が繰り返されるうちにあやねの否定的な言葉も理性と共に快楽の大海に溶け失せ、メスの表情が深く刻まれて態度も従順になり、上に跨ってと言われればその通りにして自分から腰を振り、四つん這いになれと言われればすぐにそうして後ろから責められて歓喜の声を上げる。そうした末に中出しされている間、「ほら、ボクの子種注がれるの感じて♥」と言われると、「ああっ、ああっ、凄いぃ……♥ いっ、いっぱい……オクで……出てる……♥ 熱いぃ……灼けちゃうぅ…………♥」と、紅潮した顔で恍惚に浸りながらその意識が下腹に籠められる──

 傍目にはあやねも……もうすっかりぱん太郎に呑み込まれていた。

 この一見粗野で底の浅そうな大男は女も満足させることを忘れず、時間など気にせずに十二分な前戯や後戯をするし、乱暴な腰振りに見えてその実、痛みになるぐらいの激しさにならないよう女の様子を見守りつつ挿入の深さや速さにも配慮している。身の丈二メートルはある巨漢だが、少女たちの小柄なからだを扱うのももうすっかり慣れっこのようだった。その上で容赦がないのだ。底なしの精力と自慢の体力がそれを可能にしていた。

 あやねはからだの前も後ろもぶっかけられて塗りたくられ、再戦の合間には二人の体液まみれになった肉棒を夢中で舐めしゃぶり、舌を絡めた濃厚なキスも何度もしていた。そして、正常位で見つめ合いながら「出すよ、中に出すよ」とぱん太郎がラストスパートに入ると、すっかり夢中になっているあやねは喘ぎまくるままに意識せず男の首と胴に両手両脚を絡ませ、絶頂の歓喜に包まれながらぱん太郎の膣内射精を迎え入れたのだ。その下半身の交わりだけ切り取って見れば、もう、ぱん太郎との子作りを容認、いや嬉々として欲している──。

 だが、その淫蕩極まりない姿は何もあやねだけが特別というわけではなかった。女たちが通った道、今の全員の姿なのだ。あやね以外の行人と特に仲良い娘たちも負けず劣らず、この“愛の巣”で行人には見せられないほどの痴態を晒し、これでもかというぐらいぱん太郎の子種を注がれ、並の男とのセックスでは味わえないほどの快楽をからだとこころの芯まで刻み込まれているのだ。

 ちかげは召番の中にその日の伽番の娘も見つけ、ぱん太郎の言い付けで急遽変わったことを確認すると、彼女たちとひとしきり雑談してからあやねの名も加えた表を書き改め、壁に貼り直した。そして、帰る間際にまたこっそり覗くと、いよいよぱん太郎とあやねの交尾は燃え上がっていて、全身淫液でぬるぬるになった二人はベッドの横で壁に手をつき立ちバックをしているところであった。

「ほら、ほら、キミの方からおねだりしないと。もう中で出してあげないよ♥ だいじょうぶさ、必ず妊娠するとは限らないんだから♥」

 わざとらしくゆっくりと、だが深く長く抜き差しするぱん太郎に、あやねは喘ぎながらじれったそうに腰を揺すっていたが、

「あっ、あっ、そ、そうねっ♥ お姉ぇ様も、お母様も、すずもぉ……まだだしぃ……♥!」と、惚けた声で言葉を紡ぐあやね。「ええ、ええ、な、中で出していいからあ♥──はっ、はぁん、あぁん♥ 早く、早く来てぇ……♥!」

 それを聞いてニタニタとした笑みを顔に貼り付けるぱん太郎だったが、

「『ぱん太郎様、私のナカに貴方の子種を注いで、私にもぱん太郎様の赤ちゃん種付けして』って言わないとダーメ♥」

と、意地悪くそう告げて腰を止めた。黙っていても中出しするくせに、こうしてわざわざ言葉にさせるのが彼の嗜好の1つであった。はっきりと口に出させることで、より意識に刷り込ませる意図があるらしい。

 様々な体液と淫熱でぐちゃぐちゃになったあやねは振り仰ぎ、その顔が恍惚の淵に滑り落ちるように歪んだ。

 ──躊躇ったのは、1秒もあっただろうか。

 

「──ぱ、ぱん太郎様ぁ♥ 私のナカに……貴方の子種を注いで……♥! わ、わ、私にも……貴方の赤ちゃん…………種付けてえぇッッ♥♥!!」

 

 なだらかな乳丘の頂でさんざん弄ばれてピンピンに勃った乳首を震わせながら、自分と繋がっている男を見つめ上げた白リボンの少女は確かにそう口にしたのだった。

「よく言えました♥」朗らかに言うぱん太郎。「行人クンとじゃなくて……ボクと赤ちゃん作ろうねえ♥」

 ぱん太郎はあやねの腰をしっかりと掴んで本格的な抽送を始め、パンパンパンパンと肉がぶつかり合う音、そしてあやねの大きな嬌声が“愛の巣”に高々と鳴り響いた。「あ"ッ♥! あ"ッ♥! あ"ッ♥! あ"ッ♥! い”ぐう♥! い"ぐうッ♥!」と、あやねは悦落の言葉を放ちながら白濁まみれの全身を激しく震わせ、ぱん太郎が「孕めッ!」と叫びながら腰を密着させると、二人は同時に歓喜の頂点に達した。容赦のない種付け突き入れ。壁に挟まれるように押し上げられたあやねはつま先立ちになり、「ああっ……♥ ああぁぁ……♥! 熱ぅいぃぃ……♥!! 溶けちゃうぅ……いぐううぅぅ…………♥♥!!」と、あられもない声を上げながら悶えまくる。母や姉がそうであったように、逞しい雄肉で女陰の最奥までみっちりと征服され、子宮に先端を直接当てられてあの火山噴火のような吐精と脈動を味わっているのだ。生殖本能の嬉悦に勁(つよ)く震える二人の肉体。足元にドロドロと落ちる白濁の濃厚さと夥しさたるや、少女の淡い恋心など溶かし沈めて覆い隠すに十分な質と量であった──。

 こうやってぱん太郎は行人の目の届かない所で、少年に恋する娘たちを一人ひとり、想像を絶する淫情と肉慾に狂わせて堕としてきたのだ。尋常ではない程の絶倫ぶりのぱん太郎に対して、異性のいない特異な環境で性愛自体に免疫なく育った娘たちは、驚くほど容易にセックスの虜となっていった。特に“九人”は──すず達は重点的に開発調教され、戻れないほど深い牝の悦びを教え込まれ、彼女たちの子宮にはぱん太郎の精子がなみなみと注がれている──。

 いつの間にか帰ることを忘れたちかげだけでなく召番の娘たちも周りで一緒に覗いており、皆な一様に耳の下まで真っ赤にして発情した吐息を漏らし、たまらないといった表情でへたり込みながら下着の中に手を入れ、淫蜜溢れるアソコを弄くっていた。

 この後、あやねが逝き過ぎてとうとうへばった間に全員まとめてぱん太郎に手招ねかれ、ちかげ達は欣喜しながら黒光りする極太肉棒めがけて群がっていったのだった……。

 …………。

 ……………………。

 動画の中で尻穴を淫具で弄くり回され、顔を真っ赤にして快感に悶えているあやね。その蕩けた表情に、(これ、もうけっこうほぐされちゃってるトコロですかねえ♥)とちかげは推察した。撮影当時も同じことを考えたのを覚えている。そしてそれは当たっていた。

『それっ♥』

『~~~~~~~ッッッッ♥♥♥♥!!!!!!!!』

 その瞬間、あやねの全身の肌がビリビリと震え、これでもかというぐらい仰け反る。声にならない声が露天風呂じゅうに響き渡った。

 それまで一定のテンポで抜き差しされていたアナルビーズが不意にズルルルルッと引っこ抜かれたのだ。数十センチはある数珠つなぎの透明な棒の全容が初めて画面内に晒される。

『──♥♥、──♥♥、──♥♥……!!』

 惚け切ったあやねの表情、まるで脈打つようにビクンビクンと弾ける桃尻。

「うわぁ…………♥」

 動画を見ているちかげまでもが思わず尻穴がムズムズしてくるほどの快感の発露だった。彼女にも同じ経験がある。充分に菊門をほぐされてアナルビーズの動きを感じている状態から一気に引き抜かれると、鋭くも途方もない稲妻のような快感がゾクゾクゾクッと背骨を裂かんばかりに貫いて脳天から手足の指先まで痺れ走り、それが収まるのと引き換えに便秘が直った時の排便感のような得も言えぬ至福感が湧き上がってきて全身が満たされるのだ。頭は完全に真っ白になり、その解放感に浸っていることしか出来ない。クリトリスやオマンコの絶頂にも劣らない快感であった。

 長大な異物を吐き出したあやねの肛門はポッカリと開き、淫汁にまみれながらヒクヒクと蠢いていた。十分に洗浄していたのか汚物などひとかけらも見当たらず、色素沈殿もまったく無いため汚らしさなど微塵も感じない美しい菊座と濡れ具合であった。

 ぱん太郎はニヤニヤと笑みを浮かべてその様子を一瞥すると、すぐ傍にある桶の中にアナルビーズを仕舞い、入れ替わりに薬包紙を抓み取って開き黄色い粉末をサーッと口に入れた。通和散であった。わずかの間モゴモゴと頬を動かしていたかと思うと、両手の上にタラーッとやけに伸びる涎──ではなく、微かに黄ばんだ粘液が垂れ落ちる。それを巨大な肉根に満遍なく塗りつけた。

 あやねの腰を掴むと亀頭の先っぽを惚けたように開いている尻穴にあてがい、挿入しようとする。

 途端、

『あッ痛あっ!! 痛! 痛い!』

と、あやねの悲痛な叫びが辺りに響いた。演技ではなく本気で痛がっている声。

『の……さすがのあやねちゃんでもまだ無理か』

 そう言ったぱん太郎はさほど残念がりもせずにすぐさま腰を引き、それでホッとしたように弛緩したあやねの臀部を優しげに撫でる。

『安心して、本当に痛い時は絶対にしないからさ♥』

『え、ええ……』

『お尻の穴はオマンコほど拡がりませんし、こればかりは気長に開発していくしかないですね。ぱん太郎様のオチンチンが並の大きさなら入ったかもしれないですけど……♥』

『デカチンだとこういう時困るね。まだ誰も入らないし……ま、キミ達のカラダの方が大事、ちかげちゃんの言うとおり気長にやるよ』

 そう言うと、ぱん太郎はまだヒクヒクとしていて閉じ切らない肛門の下に手を移し、厚ぼったい大陰唇を拡げて秘裂の中を覗いた。

『んじゃ、代わりにまたコッチを使わせて貰おうかな♥』

『んんっ……♥』と、あやねは甘い吐息を漏らして尻をわずかに揺らした。

 肉貝を開いた途端、まだ充分な粘り気のある白濁がコポリ、コポリと秘穴から溢れ出し、真下に垂れ落ち始める。

『あら……こんなにたくさん♥』

 歓びにも似たちかげの声がして、カメラは白糸の滝と化したあやねの秘部を大写しにした。クリームのような濃白色。まだ少年に気付かれていない少女の膣内にどれだけの精子が詰まっているのだろうか。

 ぱん太郎はさらに左右に大陰唇の肉を大きく押し拡げる。広がった肉庭にカメラがズームアップすると、秘肉の収縮に合わせてゴポリ、ゴポリと濃い乳白色の体液が何個も塊を作りながら出て来るところが申し分ない鮮明さで映った。

『午前中だけで十発ぐらいヤッた結果がこれでーす♥』と、ぱん太郎の愉快そうな声がする。『あやねちゃんのオマンコもとっても締まり良くて気持ち好いからさ。奥までみっちり突き入れて、あやねちゃんの子宮にボクの精子をたっぷりゴクゴク飲ませたよ♥』

『だ、出し過ぎなのよ……♥ いつもぉ…………♥』

 今度はあやねがからだを震わせながら咎めるように言うのが映された。彼女が股の下に手を入れて落水を遮ると、あっという間にその掌は濃密な白濁で溢れ返り、指の間から幾筋にも分かれて零れ落ちてゆく。それほどの量であった。

『こんなに……濃いの……中で……たくさん出してぇ…………♥』そう言うわりには、己の胎内にあった子種汁を見つめるあやねの眼はトロンとしている。『本当に……赤ちゃんが出来ちゃったら……どうするつもりなのよ…………♥』

『あれ、忘れたの? ボクはキミ達に子供を授ける使命があってこんなコトしてるんだよ。子供は天からの授かり物って言うじゃない。赤ちゃんが出来たら有り難く産む。そして育てる。それだけでしょ? それよりも──』

 ぱん太郎は事も無げにそう答えると、きしめんのような白濁を垂らし続ける秘裂に中指を突っ込んでグチュグチュと掻き回した。粘ついた卑猥な水音が盛んに立ち、さらに大量の粘液が溢れ出て来る。

『あっ、ああっ、ああっ……♥!』

『ボクの言い付けは守ってるかな? せっかく中で出してあげたボクの子種、ちゃんと溜めたままにしてる? ボクのせーえきをオマンコから吸収することも綺麗になる秘訣、だから中で出してるってのもあるんだよ。食事と同じ。食べた物は吐き戻さないでしょ? 行人クンとでえとする時だって洗っちゃダメなんだからね♥』

 オマンコから吸収云々というのはちかげの入れ知恵であった。本土の書物を読んでいた時、膣や腸からお酒を摂取して酔っ払うなどという話が載っていたのだが、だったら精液も吸収されている筈ですの、とちかげは連想したのだ。中出しされまくっている女たちはぱん太郎の体液をたっぷりとカラダに吸収しているわけだ。膣内の形も肉棒に合わせて変わるというし、この村の女たち全員のオマンコが名実共にぱん太郎の存在に染められた穴に作り変えられていっているということになる。

 そう、まだ行人に信じられているすずもあやねも──。

『し、してるわっ♥ あ、あっ、ああっ♥』秘肉を太い指でほじくられて嬉悦を抑え切れないあやね。『行人様と一緒にいる時も……ああっ……お、お腹の奥に貴方の精液の重みや温かさが残ってて……アソコがジンジン疼くし…………行人様に集中できないんだからぁ…………ああッ♥』

『のふふ……それは嬉しいね♥ 行人クンといる時もボクのことを考えちゃったりするの?』

 あやねは黙って目を逸らしたままであったが、頬を染めながらコクリと小さく頷く顔は、可愛らしさと艶やかさが同居したような魅力溢れる表情であった。胸の平たさ以外は垂涎ものと言っていい美しく整った容姿といい、あやねまでこんな姿をぱん太郎に晒しているのを行人が知ったら何と思うだろうか──

『ますます嬉しいね♥』

 そう言うとぱん太郎は指の出し入れを続けながらあやねの全身を撫でたりキスの雨を降らせたりと、四つん這いにさせたまま愛撫を始めた。『あっ、あっ、あぁっ♥』と甘い声で囀るあやね。美しい曲線を描く臀部を甘やかに震わせ、双眸は快楽に煙(けぶ)り、ぱん太郎の愛撫を感じてただ喘ぐだけになるのにあまり時間はかからなかった。

 この動画を撮った時点で、あやねはぱん太郎と肉体交歓するようになってまだ一ヶ月経っていない、とちかげは記憶している。それでもこうしてセックスしている二人の動画は目に余るほどの淫猥さを感じさせた。口では何と言おうが、あやねもそれだけぱん太郎から深い影響を受けている──まだ行人を狙っていると言いながらぱん太郎の子作り種付けを感じまくっているのだから、考えるまでもないかもしれないが。

『あやねちゃんももう、ボクに種付けて欲しいってハッキリ言ってるもんねえ。ボクとしてはそれに応えて中出しせずにはいられないよ♥』

『あ、あ、そ、それはあっ……ああっ……あ、貴方が……そう……言わせてるからでぇ…………♥』

『言っとくけど本心だからね。あやねちゃんにボクの子供を産んで貰いたいんだ。行人クンと違って覚悟を決めてるよ。その気持ちに偽りはないからね』

 口説くようにそう言うとぱん太郎は愛撫を止めてあやねの真後ろに回って両膝をつき、『いくよ♥』と、真っ赤に膨れ上がって我慢汁を溢れさせる亀頭を同じく淫液がたらたらとこぼれる濡れぼそった紅色の秘裂に押し当てた。

『……ッ♥!』

 挿入前から子供を作ると宣言され、実際に精力漲る孕まし棒が生殖器の入り口に触れたというのに、あやねはからだをビクリと弾ませだけで、悲鳴を上げたり怖気づいたり逃げる素振りなど一切無かった。むしろ、その淫棒がもたらすだろう快楽に期待を燻らせる眼の色──

 そんなあやねの様子に目を細め余裕の笑みを浮かべたぱん太郎がグッと腰を推し進めると、並の男の倍以上の大きさがある剛直が驚くほどあっさりと細い腰にヌ"ル"ル"ル"ル"ッと入っていってしまい、最後にグチュッと鳴って押し出された白濁液が周囲の床に飛び散った。

『ンア"ア"ッッ♥♥!!!!』

 先程よりも大きく、まるで折れんばかりに仰け反るあやねの背中。挿入されただけで逝ってしまったようだった。

『ああッ……ああぁっ…………♥』

 カメラが正面に回ってまるで痴呆のように惚けたあやねの顔を余すところなく映す。その表情は待ち望んでいたものを得たような幸福感に包まれていた。

『のの、熱くて、キツくて、でも柔らかくて締め付けてきて……とってもキモチイイ♥』同じく快楽の溜め息をつくぱん太郎。『あやねちゃんのオマンコもどんどんボクのチンコに馴染んでって……最高だよ♥』

『わ、私もぉ…………♥ なんで……なんで……こんな……アソコが裂けそうなぐらい、でっかいの入れられてるのにぃ…………♥! なんで、なんで、こんなに気持ち好いの……ああっ♥!』

 ぱん太郎が腰を動かし始め、パン、パン、パンと肉が打ち合う音が風呂場に鳴り響き出した。

『あ、あ、あ、あ♥!』

 抽送が始まると途端に力が入らなくなったのか、上半身を床に突っ伏し、うっとりと目を閉じながら快感に喘ぐあやね。

『ふふ、さっきまでたっぷりやってたから、夢中になるのもすぐだね♥ ボクのチンコに慣れちゃったら、もう、行人クンの粗末なチンコじゃ満足できなくなるよ♥』

『そんな、そんな……あぁ、あぁ……あぁ、あぁ♥!』

 ぱん太郎の腰の遣い方は多彩で、軽快に責めた後に深め浅めにしたり、腰が密着するほど突き入れてぐりぐりと回したり、高さや角度を調整して突き擦る部分を変えたり、かと思えば挿れたまましばらく止まってその間に両手で少女のからだを優しげに愛撫したりと、周りをウロウロしながら撮影するちかげの存在すら意識できなくなったかのようにあやねはただただぱん太郎の腰遣いを感じて喘ぎ悶えるだけとなった。

 小柄な少女のからだを巨躯の男が求める様は脅迫めいた印象すらある絵面だったが、これだけ体格が違ってもセックスが可能だというのは人体の不思議を感じずにはいられない。

『あぁ、あぁ、あぁ……♥!』

『あやねちゃん、あやねちゃん……♥』

 二人の交わりは徐々に熱を帯びてゆき、ぱん太郎が抽送を速めるとそれに応じてあやねの嬌声も騰がる。

 

 パン パン パン パン!

 

『さっき、なんでこんなに気持ち好いのって言ってたでしょ』腰を動かしながら口も動かすぱん太郎。『ボクもあやねちゃんのオマンコ最高だって言った。キミの運命の相手は本当はボクなんだよ♥』

『あぁ、ああ、あはあぁ♥!』

 

 パン パン パン パン!

 

『あやねちゃん、ナカに出すよ、いいでしょ?』

 しばらく返事をしなかったあやねだったが、その間も喘ぎは止まらず、ぱん太郎も射精に向かう激しさに転じたピストン運動を緩めなかった。

『い、言わないとダメ?、あっ、あ、ああっ♥! ああっ♥! ああっ♥!』

 逃げない、嫌がらない、拒まない──それどころか手足を踏ん張り、恍惚の表情を浮かべながらぱん太郎のラストスパートをしっかりと受け止める姿勢。

 それが答えのようであった。

『わかったよ♥』

 ぱん太郎はあやねの腰を掴んでいたのを離し、彼女に覆い被さるようにして同じ四つん這いの体勢を取り、彼女の手に手を重ねた。

 

 パンパンパンパンパンパンパンパン!

 

『あっあっあっあっ♥!!』

 まるでぱん太郎という巨体の檻の中にあやねが閉じ込められたかのような格好になった二人。体格差の大きいぱん太郎と少女たちがこの姿勢を取るとこうなるのだ。あやねに逃げ場はなかった。だが、彼女に逃げたいという表情も無い。ちかげが正面に回ってイク寸前のだらしない顔やさざ波に翻弄されているような揺れ方の薄い乳房などを映してももはや気にする余裕もなく、嬉悦の涙を流しながらひっきりなしに喘ぎ声を上げ、ぱん太郎の体重に崩されまいと出来るだけ両脚を踏ん張らせ、尻を掲げて激しい抽送を受け止め続ける。あるのは絶頂へと向かって衝き昇ってゆく快感だけ──

『のッ、イクッ、イクッッ♥♥!!!!』

 ぱん太郎が野太く叫ぶと共に腰の打ち付けが止まり、ググッと前のめりになるように押し込まれた。

『私も、私もぉ♥────』

 その言葉は最後まで続かなかった。

 

『────~~~~~~~ッッッッ♥♥♥♥!!!!!!!!』

 

 声にならない声を張り上げるあやね。双眸は恍惚にまみれギュッと閉じられる。

『のッ──オオッ…………♥!』

『アアッ……アアッ…………♥♥!!』

 二人の全身が強く震える。同時絶頂したのだ。画面が沈むように下へ移ってあやねのからだの真下を映したかと思うと、奥の方で塊状の粘液が瀑布のようにボトボト、ボトボトと零れ落ち、白い水溜りを作っているところを映した。

『しっかり種付けられちゃってますの、あやねさんも♥』

と、どこか嬉しそうなちかげの声がしたかと思うと、カメラがまた移動して今度は斜め上から画面全体を使って繋がった二人を捉える。膣内射精はまだ続いていて、緩やかだが短く鋭い突き入れでぱん太郎の腰がグッ──グッ──と何度も押し込まれた。

『のォ"~……行人クンを押しのけて……キミたちに種付けするの……最ッ高……ッ♥!!』

 凄まじい射精が胎奥に叩きつけられるのを感じまくっているのか、

『アッ……アアッ……アアッ……アアッ……♥♥!!』

と、あやねの艶声は収まらず、焦点を失った眼でだらしなく舌を覗かせ、ぱん太郎の精液注入の動きに合わせてからだを震わせ続けていた。

 その二人の姿は紛れもなく生殖性交絶頂の只中にいるオスとメスであり、どちらも肉悦という幸せの極地にある表情であった──

 

 

 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×

 

 

 射精が終わるとぱん太郎は手近にあった腰掛けに座り、両脚を開いて白濁で汚れた肉棒を指差し、『掃除して』と、あやねに命じた。膣奥でたっぷりと中出しされて大量の白濁をゴポゴポとアソコから溢れさせている少女は、足腰が痺れているのか這うようにのろのろと何とか大男の脚の間に潜り込むと、いまだ天を衝くように硬度を保ったままの逞しい大魔羅を握ってもたれ掛かるように頬をつけ、快感の引いていない目つきで白濁まみれの肉茎に舌を這わせ始めた。

 ──数分後、

『……ほら、綺麗にしたわよ……』

 ようやく唇を離したあやねは、少し前まで己の胎内を掻き回していた肉塊を心奪われたように見つめていたが、無意識だったのだろう、数秒してから視線を切り落として立ち上がった。

『これから行人クンのところに行くんだっけ?』

『え、ええ……。すずの代わりに行人様の御夕飯を作ることになってるから……』

 そう答えながらあやねはぱん太郎にたっぷりと子種を注がれた下腹に手を当て、嘆く仕草のわりには今ひとつ悲愴感のない軽い吐息をついた。

『──また、こんなに中で出して…………漏れないように締め続けるのも大変なのよ……?』

 あやねの方はまだ掃除していないため、股間じゅうに白濁がこびりつき、閉じ切っていない秘裂からタラタラと垂れ落ちており、内股から膝にかけても夥しい量の精液が流れた痕跡が残っていた。

『あやねちゃんがオマンコにボクのせーえき溜め込みながら行人クンと過ごすと思うと、とってもコーフンするね♥』

『……んもう…………!』

 自分も躰を洗おうとしたのか、怒りを見せながらもあやねが温泉へ向いた時、突然、ぱん太郎は彼女の腕を掴みぐいっと引き寄せた。

『あっ……!』と、ぱん太郎の膝上に尻餅をつくあやね。『だ、ダメよ、もう……!』

 からだをよじらせて離れようとするが、その抵抗は弱々しいものだった。まだ完全に力が入らないのかもしれない。

『行人様のところに……行けなくなっちゃうわ…………』

『あやねちゃん、こんなに綺麗で女らしいのに。男として慾情しないなんて、行人クンは絶対おかしいよ』

と、ぱん太郎はあやねのからだをまさぐりながら言った。

『あ、あ、ダメよ……♥』と、また息が上ずってきてしまうあやね。『い、行人様は……貴方と違って……すごく、真面目だから……あっ……あっ……♥ だ、だめ……まだ……からだが敏感で…………♥!』

 まるであやねの股から生えてきているかのように長大な肉根がにょっきりと伸びていたのだが、やがてぱん太郎はあやねの両腿を手で抑えながら腰を動かし、素股を始めた。白濁まみれの秘裂の媚肉を割りながら往来する赤黒い大淫棒は瞬く間にまた淫液で穢れてしまう。

『あっ……あんっ……ああっ……♥! せ、せっかく掃除したのにぃ……♥!』

 そう言いながらもあやねは早くもぱん太郎の動きに合わせてからだをくねらせ始めていた。ぱん太郎の太く固く長い剛直は素股でも女の秘部をたっぷり擦り上げ、傘の広いカリが陰核を存分に引っ掻く。挿入されていなくとも女は十分すぎるほど感じてしまうのだ。

『あぁ……だめ……だめぇ……♥ ま、また……ほ、欲しくなってきちゃう…………♥』

 肉棒の先端が見え隠れしていなければ本当に交わっているかのような二人の動きであった。

『あっ……あっ…………♥』

 あやねの睫毛が再びとろんと垂れ下がる。先ほどのぱん太郎の言葉通りならこの日だけで十回以上やっているというのに、あやねもまだやり足りないというのだろうか。だが、ちかげは理解できた。これが若さというものなのか、ぱん太郎に抱かれると体力が続く限り愛慾の泥沼温泉に浸かっていたい気分になってしまうのだ。疲れ果てるまでぱん太郎の逞しい巨根でオマンコを責め続けて欲しくなるのだ。

 どれだけ中出しされようが構わないと思ってしまうぐらいに──。

 ただ、男というのは通常、性欲に振り回されているくせに、女の方から何度も求められるようになると、途端に弱り出すらしい。並の男は何発か出しただけで音を上げてしまうし、射精量も減り、勃起も維持できなくなるという。

 だが、ぱん太郎はまったく違っていた。何人もの相手に求め続けられようが、最後の一人まで快楽失神させてもケロリとしているし、何回放とうがその巨根は雄大然と天を衝いており、濃厚な精液と強靭な射精力が衰えることはない。ぱん太郎しか男を知らないちかげは彼以下というのがどの程度かいまいち想像出来なかったが。

 映像のぱん太郎はあやねの胴を持ち上げて反転させ対面座位にすると、余裕を湛えた微笑を浮かべながら、

『……もう一度だけ、する?』

と、あやねの目の中を覗きながら訊いた。

『キミがお願いするなら……行人クンのところ行く前に、最後に──』

 再び大剛根の先っぽを淫腔の入り口に当て、ズブブチュブチュブチュッと一気に挿入してしまう。

『ンアアアアッッ♥♥!!!!』

 挿れられた時の快感だけで逝ってしまったのだろう、ぱん太郎の肩を掴みながら折れんばかりに背中を仰け反らせて嬉悦を発し、全身を震わせるあやね。根元まで深々と埋まったぱん太郎の極太肉棒は彼女の子宮に口づけしているに違いなかった。

『──ココに、また、ボクのとびきり熱くて濃い子種をドクドク注ぎ込んでから……行かせてあげるよ♥』

 此処と言った時、ぱん太郎──いや二人の意識の重点は、結合した性器の最奥──子供を宿す場所にあるのは間違いなかった。ぱん太郎と熱っぽく見つめ合うあやねは、目に見えそうなほどの淫気が籠もった喘ぎをハァハァと漏らしながら唇同士が触れんばかりに近づけ、言葉を発しようとした。

『──おねが────』

 その時、動画の画面外からガラガラと戸が開くような音がした。それに反応したかのようにカメラがぐるりと後ろに回り、柱が数本並んでいるだけの仕切りのない脱衣場を通って風呂場に入って来る人影が映った。誰かと思えば、つい今しがた名前が出た少女──すずであった。

『ちょっと早いけど、ご飯の用意ができたよー』

 ニコニコとしながらそう告げる青リボンの少女。この日の召番は彼女だったのだ。しかもぱん太郎の手回しによりすずただ一人で、あやねと入れ替わりで夜は伽番になる、いや、なった──と、動画内の笑顔のすずを眺めながらちかげは思い出した。

 だが、あやねとぱん太郎が繋がっているところを見たすずは、『あっ……』と、表情を驚きに変えた。『もしかして、まだやってた? あやねの声が聞こえなくなったから、終わったと思ったんだけど……』

『…………お……終わったわよ………………』

 ぱん太郎とじっと見つめ合った後で気恥ずかしそうにそう答えたあやねは、まるで名残惜しいかのようにゆっくりとした動作で腰を持ち上げた。

『んっ……んっ……♥!』

 大量の白濁を掻き出しながら陰肉を引っ張り拡げ、最後、ヌポッと姿を現す大傘亀頭。

『じゃあ、あやねとちかげちゃんも食べてかない?』

 あやねはフラつきながらも空いている風呂桶と手ぬぐいを拾い上げ、

『いえ……私は遠慮するわ…………』と、首を振った。『これから貴方の家に行くんだし。感謝しなさいよ、貴方は梅梅の赤ちゃんの子守で泊まりになるってことにしてあげるんだから』

 そうして温泉から湯を汲み、躰を洗い始める。ぱん太郎が命じた通りアソコは表面を拭くだけで済ませているようであった。

『あ、そうだったね……ありがとう、あやね。……あやねは、まだ……行人のこと……諦めてないの……?』

 振り返ったあやねはぱん太郎を一瞬ちらりと見て、すぐ恥ずかしそうに目を逸らした。『あ、当たり前でしょ……千載一遇の、ちゃんす……なんだから…………。好敵手(らいばる)が一人もいなくなったのなら、もう……行人様は私のモノ同然じゃない…………』

『……そっか……そ、そうだよね…………』

 どことなく歯切れの悪い呟きを残し、すずは浴場を後にした。あやねも掛かり湯を浴びると脱衣場に向かったが、ぱん太郎の脇を通り過ぎよう時、

『ね、ねえ……』

と、立ち止まった。

『ん? なに』

『そ、その──』

 頬を赤らめて恥ずかしそうに言い淀むあやねに、躰を折り曲げて耳を貸すぱん太郎。

 カメラのマイクに入らないほどの小声で二人はやり取りしていたが、やがてあやねは顔を紅潮させたまま小走りで脱衣場へ逃げて行った。

『あやねさん、いま何て言ってましたの?』と、ぱん太郎にカメラが向けられながらちかげの声がする。

『のふふ……』

 ぱん太郎は得意げに唇の片端を吊り上げた。

『後でまた来ていいか、だってさ』

『まあ……行人さんと二人きりの夜を過ごせる絶好の機会なのに♥』

『ボクもそう返したんだけどね。らいばるがいなければ焦る必要もないから、まずは女磨きを優先させたいんだって♥』

『ぱん太郎様の種を仕込まれちゃうぐらい中出しされまくっても……ですの?』

『うん、これからもボクは孕ませるつもりで遠慮なく種付けしまくるけどいいの、とも聞いたんだけど』これ以上ないぐらいのニヤケ顔になるぱん太郎。『──行人クンが見惚れるぐらいの女になるためだから我慢するわって、頷いてた♥』

 青袴の巫女服を身に纏ったあやねが機嫌良さそうに鼻唄を歌いながら白リボンを結び、最後流し目を送るようにぱん太郎を一瞥してから風呂場を出て行くところで動画は終わった。

 この後、実際にあやねがとんぼ返りして来たかどうか、ちかげは確かめていない。いつものようにちゃっかり加わりたかった反面、この日は何だか邪魔する気が引け、夕食も断って帰宅したのだ。食事はすずと二人きりになった筈だから、大方、座位で繋がりながら口移しで食べたりしたのだろう。ちかげもやったことがあるが、半分も箸が進まないうちに食欲より情慾が勝ってしまい、膳をどかしてその場で盛り始めてしまったものだ。すずも我慢できるとは思えなかった。家に帰った行人が今日は梅梅のところでご飯食べてるのかな、などと彼女のことを思っているさなか、当のすずはぱん太郎の肉棒と精液を味わっていたのかもしれない。上の口でも、下の口でも。すずの卵子がぱん太郎の精子に食べられて、行人を差し置いてすずとぱん太郎の子供が出来ていたのかもしれない──

 ただ、妙な確信はあった。あやねは恋しているはずの少年との逢瀬をそこそこに切り上げてしまい、その足で屋敷に舞い戻ったに違いない──と。そして、あの広い屋敷で三人きり、すずと共に夜通しぱん太郎の肉奴隷になり果て、昼に続いてさらに何十発も膣内射精されたのだろうと。口ではどうこう言い訳したかもしれないが、からだは正直な気持ちを抑え切れず快楽のままにオマンコを締め付けながら、孕ませる意志が籠められたぱん太郎の中出しを嬉々として子供が宿る場所で受け止めたのだろうと……。

(……やっぱり、ぱん太郎様もあやねさんが戻ると確信してたから、あの日の召番はすずちゃん一人に…………?)

 そうして、今や行人にとってはわずかに残された希望とも言えるすずとあやねをいっぺんに抱く──。ちかげが飛び入り参加しなかったのは、何となくそれを察したからだ。

 だとしたら悪知恵が働くと言うか何と言うか……と、ちかげは内心いよいよぱん太郎の変貌ぶりに驚いてしまうのだった。のんのん言っていた言葉遣いも最近では普通の喋り方になってきているし、ハーレムを作るためならこんなにも変われるものなのだろうか、男というのは。何十人もの女を夢中にさせている凄さといい、女に対しての執着が突き抜け過ぎていて感心すら覚えてしまうのが本音だった。肉体関係からとは言え特別な感情を抱いてしまった弱みだろうか、それとも男を知らないだけなのか。(行人さんも少し見習ってほしいぐらいですの)と、ちかげは思うのであった──もう手遅れだったが。

 まだ妖怪になる齢ではなかった筈なのに人変化が出来たり、処女でもアソコがグショグショに濡れるほど異様に感度が跳ね上がるあの“花”、無尽蔵の精力も。今のぱん太郎は謎や不思議が多すぎる。昔はこんな存在ではなかった。一体何があったのだろうか。

(まあ、でも……それはいいですの、もう)

 ちかげは軽く嘆息しながら頭を振った。以前は探りを入れようともしたが、ぱん太郎とのセックスがまるで自分の中身丸ごと塗り替えられてしまったかと思うぐらい衝撃的過ぎて、今ではどうでも良くなっていた。彼の変わりぶりに訝しみを覚えた女は他にもいるが、皆なその秘密を暴くよりも抱かれることを選んだのだ。

 それほどの肉体的歓喜と充足感を味わわせてくれる男。

 そして、この藍蘭島には女のからだを悦ばせてくれる存在がぱん太郎しかいない──。

(それよりも、行人さんがまだ無事だと信じてる二人……きっとあの夜も徹底的にぱん太郎様の存在を刻み付けられちゃったんでしょうね……行人さんの事なんか頭から消えて……♥)

 それは想像に難くない。この二人だけは──と、未だ行人に信じられているすずとあやねは、もはや岬の家に置いてきた彼のことなど毛ほども考えていない表情になって、ぱん太郎という男を知ってしまったからだは淫らにメス化し、子象のような行人のアレとはまるで違う逞しい巨根での膣奥種付けを代わる代わる感じまくり逝きまくって、取り合うように舐めしゃぶり回して、舌を絡めて唾液を混ぜ合わせながらのディープキスを何度も何度もして──そんな姿が目に浮かぶようであった。

(行人さんは何も知らなくて……想像もできないでしょうね。すずちゃんも、あやねさんも、ぱん太郎様と何十回も性交してるだなんて……。中出しされる快感にすら目覚めちゃってて、もう全然拒みもしなくなって……。子宮の奥までぱん太郎様の体液に支配されちゃうぐらい、あの二人もたっぷり注がれてるなんて…………♥)

 すずはもう完全にぱん太郎に染められて心身を開き、どんな言い付けでも笑顔で従い、臆面なくぱん太郎様好き愛してると言葉にし、積極的に種付けセックスを求めるようになっている。ぱん太郎といるだけでアソコが濡れるようになり、あの巨根をローション無しで挿入されても苦にならなくなったそうだ。従順で汁気も多い少女なので最早どこでも盛り放題であり、屋敷で召番の仕事をしている時も突然後ろから抱きつかれて着衣のまま行為を始め、あっという間に燃え上がることも多かった。そうして胎奥にぱん太郎の子種をたっぷりと注がれて、また仕事に戻ったり、行人が待っている家に帰ったりするのだ。その家でも定期的にぱん太郎の方から訪れ、行人とすずの思い出が詰まった空間で愛慾にまみれた行為を繰り返しているようだ。ある時など行人が帰宅するギリギリまで彼の蒲団を使ってセックスしていて、すずの胎奥に最後の種付け射精を終えたぱん太郎が夕陽に染まる縁側から抜け出して裏に回った直後、少年が玄関を開けて帰って来たのだ。すずは淫液まみれになった行人の蒲団を手早く押入れに仕舞い、まさに出したてのぱん太郎の子種を胎内に熱く感じながら、焦りを何とか顔に出さないようにしながら行人を出迎えたという。その夜は来客用の蒲団を取り出して誤魔化したらしい。

 行人もすずの裸を見たり意図せず触ってしまったりしたことは何度もあるらしいが、そんな性行為未満など比較にならないほど、すずの魅力的な肢体はぱん太郎に味わい尽くされ、開発が進んでいた。ゆきのよりも性に奥手だった少女が生殖行為とその意味を知り、性愛の悦びを心身共に刻み込まれていた。まだ口では強がっているあやねがマシに見えるぐらいに。

 だが、遠くない未来、あやねも同じ道を辿る気がする。ちかげはそう思わずにはいられなかった。

 何故なら、それはすずに限った話ではなく、ぱん太郎と肉体関係を結んだ藍蘭島の女たちが悉(ことごと)く流されている終着の姿だから──。

「そういえば……今日の伽番もすずちゃんとあやねさんでしたっけ♥」

 行人にとって悲しいほどの偶然であった。ちかげは彼の姿が消えた森を見やった。今日の巡回コースを逸れずに進めば“屋敷”のある小山の麓を通り掛かることになる。まさか行人が屋敷に立ち寄る筈もないだろうが、防風林から顔を覗かせる高い茅葺き屋根を眺めるぐらいはするだろう。

 

 その時、その屋根の下では、すずとあやねがぱん太郎に抱かれている真っ最中なのだ…………。

 

 そうとは知らずに行人はただ遠くから眺めるだけで、今日もアイツは飽きもせずに女を連れ込んでいるのかな、ひょっとして今──などと考えるかもしれない。場合によっては屋敷から漏れ出た甲高い嬌声が彼の所まで届き、やはりと確証を得るかもしれない。だが、まさかその声の主がすずかあやねのどちらかか、或いはその両方だとは夢にも思わないだろう。やっぱりヤッてるのか、今日の相手は誰なんだ、などと行人が苦々しげに考えている中、少年が夢にも思っていない──悪夢は見ているが──すずとあやねがトロトロになるまで蕩けたオマンコの奥までぱん太郎の巨根を突き入れられ、あの病みつきになる凄まじい種付け射精を子宮に浴びまくっているのだ。我を忘れるほどの快楽に奮えながら行人のものではない孕まし棒を精一杯締め付け、からだの境界が無くなってまるでぱん太郎と一つになったような感覚が生まれるほど腰を密着させ、極上の生殖快楽に無我夢中になっていることだろう。

 距離にすれば百メートル、いや五十メートルも離れていない場所で、この二人だけは昔と変わらないと少年が想っている青リボンの少女と白リボンの少女が、別の男の子種を子宮に注がれまくりながら肉慾を解き放った爛れたセックスに没(おぼ)れているという事実────。

 だが、屋敷の中で実際に何が行われているのか確かめに踏み入る理由など少年にはなく、溜め息をつくか肩をすくめるか──いつもそうして通り過ぎてゆくだけだった。丘下の道で巡回中の行人と出遭ったという報告は度々あって、中には親切心から屋敷に立ち寄って休んでいないかと誘う娘もいるのだが、行人は曖昧な愛想笑いをしながらやんわり断って去って行くのだ。

「あやねさんが戻ったかどうか確かめてみたいですし、どれだけ骨抜きにされてるかも見たいですし……やっぱり、今日はお邪魔してみましょうか♥」

 ちかげは楽しげにそう呟きながらアイフォンの電源を切り、行人が歩いて行った道を辿り始めた。そして間もなく、屋敷の中では彼女の想像した通りの胸焼けするほどに淫らな情事が行われていて、あの日のあやねの行動もこれまた予想通りであったのが確認できた。すずもあやねもすぐ近くまで行人が来ていたなど知る由もなく、また知ってもさほど気にしないだろう享楽の極地といった表情でぱん太郎の肉奴隷となっており、ぱん太郎の子種をその胎(はら)に溜める一方の精液貯蔵庫となっていたのだ。

 すずと共に全身白濁まみれになったあやねは完全に理性が剥げ落ち、「あぁ、あぁ、いい、いい♥! 最高よ、貴方のチンポ最高♥! また出るの? 出るの? いいわ、来て、来て、ええ、いいから、中で射精して、ええ、孕んでもいいからあ♥!」などと無我夢中で叫びながら自ら腰を振っていた。皮肉なことに以前より瑞々しさが増したあやねの全身の肌は精液でテラテラとぬめり光りながら、胸の薄さなど気にならない美しさすら感じられた。ぱん太郎とのセックスが呼び水になったのは明白であった。

(あやねさんといいすずちゃんといい、他の女性たちといい……皆んな前より綺麗に女らしくなっていってるのに、行人さんも残念なことですの…………)

と微苦笑するちかげ。そんなことを思いながらも、彼女も程なくして思考が止まった。ぱん太郎の精液人形の一体となって快楽絶頂の坩堝の中に叩き込まれたからだ。

 行人は明日からも子宮の隅々までぱん太郎の精子が行き渡ったすずとあやねに信頼の笑顔を送りながら、この藍蘭島で暮らしてゆくのだろう────。

 

                      (つづく?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終更新:2020年07月21日 21:49