市川線(いちかわせん)とは、千葉県松戸市の
松戸駅から市川市の
市川駅を結ぶ
関東鉄道の鉄道路線。路線記号で使用されるラインカラーは黄色。路線記号は
KI(
Kantetsu
Ichikawa)
| 路線名 |
関東鉄道 市川線 |
| 起点 |
松戸駅 |
| 終点 |
市川駅 |
| 路線記号 |
KI |
| 駅数 |
8駅 |
| 所在地 |
千葉県 |
| 開業 |
1903年2月17日 |
| 所有者 |
関東鉄道 |
| 運営者 |
関東鉄道 |
| 車両基地 |
岩井車両管区 |
| 路線長 |
6.7km |
| 軌間 |
1067mm (3ft,6in) |
| 線路数 |
全線複線 |
| 電化方式 |
直流1500V 架空電車線方式 |
| 閉塞方式 |
自動閉塞式 |
| 保安装置 |
D-ATS-P |
| 最高速度 |
95km/h |
概要
松戸より市川まで東葛地域中部の江戸川左岸を南北に結ぶ路線であり、主に沿線に広がる住宅地や学校からの通勤・通学路線として機能している。関鉄の大幹線である
越名線と松戸駅から分かれて南下し市川を結び、総武線、京成本線、北総線、常磐線などの放射路線と接続する東京近郊における環状路線としての機能も有する。
当初松戸以北の越名線と一体の路線として建設されたが、1909年に千住線本所 - 松戸間が開業すると松戸以南における本線の地位をそちらに譲り、以後は支線として分離されたのが市川線である。
東京圏における数少ない環状路線の一つということもあり、終日にわたって混みやすい傾向があるが、路線の中間地点に当たる矢切・国府台地区への需要も多い。また、新矢切駅においては接続する北総線の高額運賃を嫌ってJR線または越名線から市川線へ乗り継いで利用する場合も見られている。
歴史
関東鉄道が総野鉄道として発起された際の深川から行徳、市川、松戸、流山、野田、岩井、境、古河を経て越名へ至る路線の一部であり、越名線とともに関鉄の創業路線の一部を形成するとともに初期の歴史に深い関わりを持つ路線である。
元々、関鉄は葛生で産出された石灰石を主に野田の醤油や流山の味醂など沿線の産物を東京へ直接輸送する目的で発起された路線であり、1899年(明治32年)の暮れに松戸 - 野田(現 野田市)間が開業させた後、北は佐野鉄道との接続点である越名を目指した一方、南側は総武鉄道と市川駅で連絡の後、一定の業績を示したのち東京近郊の製塩業の一大拠点である行徳を経由して深川への延長を予定していた。このうち北への延伸線は大河である利根川を渡りさらに湖沼や低湿地を避けながら敷設するルートとなることから工事に手間取ったものも、市川までならばほぼ下総台地上を南下するのみであった南側は比較的工事が容易であるととともに陸軍施設が多く所在した国府台を経由し軍事輸送にも利することから軍部の支持も受け、1903年に古河延伸に先駆けて市川 - 松戸間が延伸されることとなった。市川以南は行徳、深川への延伸が予定されていたものも、私鉄である総武鉄道と接続したことで東京方面への直結は一応の実現を見たことから深川方面へは全通後に着工することとなった。
しかし、行徳経由の当初計画線ではかなりの遠回りになることから鉄道国有法当初案で総野鉄道が買収私鉄に指定されたのを機に、都心への接続は深川から松戸間を短絡する形で建設されることとなり、1909年にこの区間が開通して以降残った市川 - 流山間は支線へと変貌した。
支線化した同区間はしばらくローカル線的存在となっていたが、関東大震災を経て東京都市圏の郊外化が進み江戸川を越えて市川、松戸附近まで達するようになったのを機に徐々に都市近郊路線としての色を帯びていくようになり、1926年には電化、1930年代には関東鉄道が筑波線の開業に合わせて開発分譲した江戸川台住宅地に次ぐ分譲住宅地として国府台の陸軍施設北側一帯を国府台住宅地の開発・分譲を開始し、おおよそ1km間隔に新駅を設置して駅数を増やすなど取り残された汽車鉄道から都市鉄道への脱皮が図られることとなった。
国府台住宅地そのものは、不況と戦時体制の波に揉まれて戦前のうちは国府台駅近辺の入居が多少進んだのみに留まり一度は失敗したが、当時設置された新駅はそのまま現在まで受け継がれており、この際の梃入れが今日の形となる土台となった。
終戦後、関東鉄道は国府台の陸軍用地跡に教育機関の誘致を行い、東京医科歯科大学や千葉商科大学などの誘致に成功。文教地区としての色彩が強くなるとともに東京都市圏の一層の膨張が追い風となって沿線の市街化が進み今日のような路線となった。
年表
- 1903年(明治36年)2月17日 総野鉄道が市川 - 松戸間を開業。開業時点でのこの区間の途中駅は国府台駅のみ。
- 1908年(明治41年) 国府台 - 松戸間に矢切駅を設置。
- 1909年(明治42年) 本所 - 松戸間の開業に伴い越名線から分離。
運行形態
臨時列車として特急が運転されることがあるのを除けば、基本的には線内完結の普通列車のみの運行であり、種別も各駅に停まる普通を主体としたダイヤが組まれている。なお、早朝にわずかながら越名線から直通する運用もある。
また、特急列車は定期運転としては設定されていないが、過去には臨時列車やイベント列車として運転されたこともある。
線内を走る列車は4両編成の列車が充当されており、毎時5 - 6本(10 - 12分間隔)の運転で、ワンマン運転は行われていない。
駅一覧
全駅千葉県内に存在。定期列車は全列車が各駅に停車する。
正式な乗り換え駅ではないが、市川本町駅からは京成本線の京成国府台駅も利用可能。
| 駅番号 |
駅名 |
距離程 |
駅間距離 |
接続路線 |
所在地 |
| KI-01 |
松戸駅 |
0.0 |
|
関東鉄道:越名線(KA-12) 東日本旅客鉄道:常磐線(快速) (上野東京ライン) (JJ 06)・ 常磐線(各駅停車)(JL 22) 新京成電鉄:新京成線(SL01) |
松戸市 |
| KI-02 |
戸定ヶ丘駅 |
0.7 |
0.7 |
|
|
| KI-03 |
矢切駅 |
2.2 |
1.5 |
|
|
| KI-04 |
新矢切駅 |
3.1 |
0.9 |
北総鉄道:北総線(HS02) |
|
| KI-05 |
国府台駅 |
4.1 |
1.0 |
|
市川市 |
| KI-06 |
学園台駅 |
4.9 |
0.8 |
|
|
| KI-07 |
市川本町駅 |
5.7 |
0.8 |
|
|
| KI-08 |
市川駅 |
6.7 |
1.0 |
東日本旅客鉄道:総武線(快速)(JO 24)・ 総武線(各駅停車)(JB 27) |
|
最終更新:2024年10月30日 16:49