ユッグ

作品名:クトゥルフ神話
用語分類:種族分類
別呼称:ユッギャ、〈這いずるもの〉(スリザリング)、地を穿つもの

クトゥルフ神話に登場する用語。
イソグサとゾス=オモムグの従者であり、二柱の封印を解くために暗躍する妖蛆。
人間へ富と禁忌の知識を与える代わりに二柱の復活へ働かせる




詳細

来歴

  • 妖蛆の王ウブに召喚された粘液まみれの蟲
    • 人類誕生以前からイソグサ、ゾス=オモムグの奉仕種族であり、人間の従者を指導する立場にある。
 精神を堅固に保ちながら、私はゾスの鍵の力を呼び起こして、闇黒にして悪臭漂う巣穴
より〈這いずるもの〉、蟲たちの父その御方、不朽かつ腐朽なるウブを召喚した。恐るべ
きユッギャ──我が神の足下にて粘液まみれでのたくり這いまわる、忌まわしき人類以前
の従者の指導者にして父祖なるものを。
  • 世界中で暗躍し、時には教団をも設立した
    • ムー大陸水没時やソロモン王の神殿建設時などに立ち会ったとされる。
      • 最後はアメリカ西部のハッブルス・フィールドで暗躍していた。
「それは途方もなく古い伝承なのだよ、ジェイコブ君。我々の地元にある埋葬所ハッブル
ズ・フィールドは、蜂の巣のように入り組んだ恐怖の、ただのひとつに過ぎないのだ。ウ
ブの子ら、蛆と腐敗の主は多くの伝承が裏付けているように、世界中で活動しておる。

(中略)

魔神たるウブは、ついにソロモン王を誘惑して忠誠を得た。彼の莫大な富と魔法の力はよ
く知られているが、その真の源泉は思いもよらぬものだったのだ。その見返りに、ソロモ
ンはウブの教団をエルサレムの神殿そのものに設立し、ヨシュア王の改革の熱狂がその忌
まわしき伽藍全てを一掃するまで、そこに残っていたのだよ」

形容

  • 腐敗した白みがかかったゼリーの如く巨大な蛆
    • 頭部には三重の列を成す牙が生えている。
    • 有毒ガスを蓄えた袋をいくつか持つ。
 父なるウブは、腐敗し白みがかったゼリーの巨大でぬめ光る塊のようだった。ぷるぷる
と震えるずんぐりした胴体は支えを持たず、膨れ上がった丸い頭部にはピンク色に縁取ら
れた、堅固な牙が三重の列をなして並ぶ、胸のむかつくような孔が開いていた。

奉仕種族

  • 人間に囁き欲望を満たす代わりにイソグサ、ゾス=オモムグの解放を手伝わせる
    • 知識欲、金銭欲、権力などに対する執念を持つ者を堕落させ買収する。
「《わけても地球の地殻の奥底なる不吉の深淵に棲む手先どもこそは、富の約を通じて忌
まわしき奉仕へと人を誘うものなり。世のあらゆる鉱石と財宝、金の鉱脈と計り知れぬ値
なる宝石の山は、まさしく彼らが支払いに当てるものなるが故に。それらの裡、記述者の
時に〈大地の妖蛆〉ともその名を記すユッグをばもっとも恐るるべきものなるは、今日の
世に誇らしげにそびえ立つる富貴の者のあまたがその富を成したる秘密こそは、巨大にし
て忌まわしく、白い粘液に塗れしユッグどもによりて、(以下略)》」

弱点

  • 松明程度の火で灰になる
    • 毒ガスの袋が熱で破裂するか火で消毒される。
    • 高速で燃焼して灰の山に変わる。
 そうこうする内に、融解した膿疱が生じてその不浄さを吐き出すかのように泡立ち、吐
き気を催させる破裂音が鳴り始めた。浄化と滅却の炎が瞬く間にそいつの油光りする姿を
覆いつくし、有毒なガスを隠した袋体のひとつひとつが内側からはじけ、固まった灰の崩れゆく山へと速やかに縮退していった。


元ネタ?

北欧神話の主神オーディンの二つ名もユッグであり、同じく「恐ろしきもの」を意味する。


関連項目

ユッグを讃える賛歌。

関連タグ


リンク

最終更新:2019年06月08日 10:05