存在についての詳細
エジソンの僕
それは確かに女であったが、
それは確かに人間ではないようにも見えた。
それは、ひどく、鉄の匂いがした。
空間さえねじ曲げて、
神が、認識する場所ならどこにでも。
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キネトロープ(Kinetoscope) |
姿は、フィルムと回転板を身に纏った
華やかなようでどこか不気味な女。
- 過去を再現させる映写
- 見せる対象の過去を見せつける。
- 対象は目を逸らすことはできず、キネトロープの術中にはまることになる。
その身に纏ったものを、女は見せる。
その身に纏うフィルムと回転板。
そこには映るだろう。
メモリーが。
そこには蘇るだろう。
メモリーが。
耐えきれない現実と共に、
耐えきれない過去と共に、
見せる。見せつける。目を逸らせない。
- 見ている“耐えられない過去”を無限に増やして対象を滅ぼす
王の瞳に映り込むのは、何か。
それは炎だ。
それは熱だ。
炎。女は白きものではなかったが。
炎。映り込むそれは、白きものと同じく。
炎。王を狙い、襲い来るもの。
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バルブガール(Valve=girl) |
- 頭部が白熱電球の少女
- 体のあちこちにも電球が付き、感情に合わせて何かしらのアクションを取る。
顔面が白熱電球。他にも体のあちこちに
大きな電球がくっついている。
感情に応じて顔の電球が光。
何か思い付くと頭部の帽子風電球が光る。
激怒すると激しい赤色に発光する。
- 恐怖を思い出す光を浴びせる
- 光速で浴びせて対象の恐怖や“耐えられない過去”を想起させる。
その身に灯るものを、女は見せる。
その身に灯る白熱電球の光。
それはテラスだろう。
恐怖を、長い長い影としながら。
それは呼び起こすだろう。
恐怖を、メモリーに繋ぎながら。
耐えきれない現実と共に、
耐えきれない過去と共に、
刻みつける、影を際限なく伸ばして。
何の力もない少年では、
光は、避けられない――
『人間には必要なのよ。
現実を忘れるくらいの明るい光が』
『これで何も怖くないわね。
光があれば、いいんでしょう?』
『光、希望、あればいいんでしょう?
あなたたちは、嬉しいんでしょう?』
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フォノグラフ(Phonograph) |
- 四腕の発声器の女
- もっとも手がかけられた個体であるためエゴが強い。
- 主人の興味を失なうこと、逆に不興を買って憎まれ、触ってもらえなくなることを恐れている。
4つの腕を有し(うち2つは旧式の機械腕)、
顔面と肩には発声器がある。
(中略)
3従者の中で最も手が掛けられているため自意識が発達しており、
誰が姉か妹かを常に明確すべきと主張しているが、
他の姉妹はエゴが薄いため反応は薄い。
- かつて交わした言葉を再生する
- 聴かされた者は過去の日常と今の現実に耐えきれない。
その身に備わるものを、女は動かす。
その身に備わる蓄音機。発声器。
そこには響くだろう。
メモリーが。
そこには蘇るだろう。
メモリーが。
姿を映すことなく、
ただ、声、言葉のみを響かせて。
耐えきれない現実と共に、
耐えきれない過去と共に、
聞かせる。聞かせて、決して逃さない。
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元ネタ
エジソンの発明品
蓄音機(1877年)⇒改良型蓄音機(1888年)、白熱、電球(1879年)、のぞき眼鏡式映写機キネトスコープ(1891年)の擬人化。
関連項目
《機姉妹》がマンハッタンへの道を塞ぐ住民に与えたアイテム。
関連タグ
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最終更新:2024年12月01日 20:07