りんごの心臓(-しんぞう)は、粕谷紀子の漫画作品。週刊セブンティーン増刊1977年7月10日号掲載。カラー1・二色9の計10ページ。「カラーメルヘン」と冠されている
カーミーとアトアはいとこ同士。ある日、ふたりが喧嘩をしてしまったので、反省のため屋根裏部屋に入れられる。
「カーミーの意地悪ムシ!」 「へん、泣き虫」
カーミーは、箱詰めされたりんごを取り出し、かじりはじめる。そして、りんごが心臓のように脈打ち始めたのに気が付く。すぐさまアトアにも教え、ふたりは生き物の不思議さを知る。
「ほら聞こえるだろ?生きているんだね!」 「ほんとね、りんごが生きてるなんて!」
その後、ふたりはそのりんごの芯を農園に埋め、自分たちの周りのものが皆生きていることを喜び感動し、それまでのが嘘だったように、毎日手をつないで家の周りを駆けていた。
やがてふたりは成長し、恋人同士になる…
しかし、アトアが妊娠したと分かると、おとなたちは二人を引き離す。アトアはやがて泣くのをやめる。カーミーが遠い町で病死したと知ったときも。そしてアトアは、自分の身体から聞こえる鼓動に耳を澄ませながら、待ち続けた。
かつて二人が植えたりんごの木が花を咲かせる頃、アトアは小さな子どもを産む。アトアは赤ん坊を抱きしめ、その小さな胸から力強い鼓動を聞き、ただ涙を流す。
”…あなたはりんごの音を聞いたことがありますか? もしまだだったら、かじったりんごのしんを捨てないで、耳を押しあててごらんなさい きっと、あなたにも聞こえてくるでしょう”
(終わり)