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転院

父さんと一緒に、新しい地へ。周りは、前のところよりもちょっと都会っぽいかも。
 敷地に入ってみると、中庭も前より整った感じで、木は少なめ。人はあんまりいなかった。
 いろいろ見てみたかったけど、とりあえず全部スルーして院内へ。医者が出てきて挨拶。担当医は少し遅れるらしくて、部屋に通された。
 父さんに散歩したいってねだったら、困ったみたいだけど笑ってOKしてくれた。父さん待機、私出陣。

 中庭へ。若い人が多いなーと思ったけど、たぶん前のとこより外来が多いんだろう。ベンチに高校生くらいの数人がいたから、話しかけようか迷った。かなり迷った。で、道の真ん中で挙動不審にあたふたしてたら、うしろから声かけられた。「やあっ!」って
 びっくりして「うひゃー!」とか言いながら見てみると、女の子。だいぶ小さくて、背は私よりちょっと高いくらいしかない。なんか凛々しい子だった。
「何してるの?」
「あ、えーっと・・・」
「あそこにいるの、お見舞いの人たちだよ。待合でうるさかった」
「そうなの」
「私、時々来るから知ってるんだ。多分あんたには合わないよ」
「うん」
「入院の人? 言いたくなかったらいいけど」
「ううん、そうだよ。今日移ってきたばっかり」
「あー、あんたが・・・」
「?」
「いや。私○○。よろしく」
「えっと・・・」
「入院患者じゃないけどさ、ちょくちょく来てるから。友達になろうよ」
「うん・・・うん!」
「ふふっ。良かったら、軽く案内しようか」
「ううん、医者を待ってるの。昔、世話になった人なの」
「ふーん・・・」
「ところで・・・多分、私のほうが年上だと思うんだけど。18歳だし」
「え? あーいや・・・そんな気はしてた」
「嘘」
「ホントだってww ちなみに私、16だから」
「大人っぽいねww」
「よく言われる」


16 名前: ◆mvWX.t4SVk[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 19:57:33.71 ID:nKfrmjUo
 それからしばらく、その子と喋ってた。見た目は確かに高1だけど、やっぱり性格はサバサバしてて大人っぽかった。
 ちなみに、
「あ、そうだ。好きな果物なに?」
「・・・ぷっ
「なんで笑うww」
「あっはっは! なにその質問ww」
「いいじゃんww それで?」
「うーん。あんまり果物は食べないからなぁ」
「むー。あ、じゃあ、その飲んでるの何?」
「リプトンのレモン。どした?」

 命名、れもんちゃん?

「ううん。じゃあ、私の好きな果物なんだと思う?」
「みかん」
「!?」
「当たった?」
「う、うん」
「やった!」
 何者なんだこの子。


 向こうは姉と一緒に来てたらしく、そこまででお別れとなった。ちょっと怖い印象だったけど、優しいし、年下とは思えない子だったww
 そして私は主治医のもとへ

17 名前: ◆mvWX.t4SVk[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 19:58:56.11 ID:nKfrmjUo
 父さんも交えて、三人で話した。まあ事務的なこととか、挨拶みたいなのだけだったから省略。父さんは物腰柔らかい人だし、向こうも仕事だから、特に面白い話もなし。

 他の医者も交えたりして長いこと喋って、父さんが帰ると、私は病室に通された。ここが私の城かー、なんて思う間もなく、主治医登場。先に言うと、この男、いい歳してかなり傍若無人。
医「よう」
私「よう」
 軽く挨拶すると、勧めもしないのに椅子に座って、私に「まあベッド入れ」とか言い出す。とりあえずその通りに。
医「案外元気そうだな」
私「ん」
医「第一声で『出てけ』って言われなかったのは嬉しいな」
私「出てけ。急に入ってきて」
医「ハハハ」
私「というか、忙しかったんじゃないの? 初日から待たせるし」
医「だから、引継ぎの仕事をここでしてやろうと。ついでに患者とのコミュニケーションな」
私「私がついでか」

 それから主治医は、ほんとにカルテとか取り出して眺め始めた。しかもぶつくさ言いながら。
医「うわ。あー・・・あーあー」
私「うるさいな、長旅で疲れてるんだから、静かに本読ませろ! しかも私のだろそれ。うわとか言うな!」
医「かーっ。なんだあの医者。無難なことばっかしやがって・・・」
私「だから本人の前で言うな! それに、悪い人じゃなかったって」
医「俺のみかんを預けてんのに、現状維持が精一杯かよ、へっ」
私「誰が俺のだ」
医「・・・」
私「なに。人の顔じっと見て」
医「お前、しばらく見ない間に丸くなったな」
私「なっ!?」
医「あっ、違う!違う!太ったとかじゃ」
 とりあえず叩いた。

18 名前: ◆mvWX.t4SVk[sage] 投稿日:2010/02/15(月) 19:59:49.47 ID:nKfrmjUo
私「で、言い訳は?」
医「昔だったらグーパンチだろう? 無闇にイライラしてないし」
私「昔のことは忘れた」
医「ふーん。大人っぽくなったな」
私「なっ・・・えぁ・・・」
医「嘘だ」
 グーパンチ(弱)

医「しかしまぁ、せっかく俺んとこ来たんだ。治す気でやるぞ」
私「ん。信頼はしてやる」
医「よしよし、飯の好き嫌いも言うなよ」
私「もともと言わん!」
医「あと・・・んー? あー、あれだ」
私「何」
医「他人とやたら面会するの無しだから」
私「えっ! でも姉・・・」
医「そうそいつ。しばらくお預けな」
私「でもさ、姉だけは・・・」
医「ダメ」
私「むーっ。姉いないと治んない!」
医「フフッ、こいつめ、なかなか言いやがるww 何も、ずっとなんて言ってないだろう。しばらく様子見だ。聞けば、前のとこでは結構やりたい放題だったらしいな?」
私「うん、まあ・・・でも・・・」
医「分かってる。折を見て許してやるから、我慢しろ」
私「ん」 医「いい子だ」
私「頭触るな」
医「急にご機嫌斜めだなww 本投げつけられないだけマシか」
私「・・・」
医「じゃあな。とりあえず今日は、ゆっくり休め」
私「ん」
 初日は、こんな感じでしたー。他にも知り合った人いるけど、メインはたぶんこの二人くらい
最終更新:2010年02月24日 17:27