2Gクオリティイラスト 制作過程

著者:06期生 辻井 剛 ――――

はじめに

 役に立つかどうかは甚だ疑問だが、
この項では、私のイラストの制作過程を紹介する。
部員から「異色」の烙印を押された"2Gクオリティ"(という名の私クオリティ)。
そのイラストが、制作過程でどのように色を載せていくのか?
それを紹介する。
 2Gクオリティのテーマは、
「密集」「感性」「実験」「エフェクト」「合成」、そして「挑戦」である。


1.レイアウト・下描き

基本、2Gクオリティは最初から完成図を考えて描かない。
2Gクオリティは「描きながら考える」が大事である。
この時点で考えておくのは、「絵のテーマ」「大まかな人の配置・ポージング」
だけである。

 まずは人を描く。

大雑把に構成を決めて、人のアタリを描く。
 普段は手を抜いて、パースなど気にせずノリで描くが、
今回は、「人物パースの描き方~「テキトー」の中身~」を
少し参考にしてみた。
携帯を利用したボックスパース法だが、思った以上に描きやすかった。

 次に、モンスターを描く。

ここで考えるのは、「いかに空白を埋めるか」である。
2Gクオリティの特徴の一つは密集
とにかく密度が高くなるように絵を埋めていく。それが一つのポイントである。
ちなみに、この時点でどんなモンスターを描くかは、ほとんど決めていない
なんとなく、右手の赴くままに、空白を埋めていき、
そうして生まれた線を基に、モンスターを作っていく。
それこそが、2Gクオリティ流モンスターの作り方なのである。
 ちなみに、モンスターを描く際、人の線が消える恐れがある場合は、
裏に返して、トレース台で透かしてモンスターを描き、
取り込み時に反転させて使用している。(今回の例でもそうした)

 大体の位置やポーズが決まったら、細かく描き込んでいく。

(この時、「なんかダメだな」と思ったらとにかく消す。
 下描きの線も描き直す。実際、このイラストでも相当消しゴムを使用した。)

 人を描く時は、大体のテーマを決めて、場合によっては
ネットで参考になる画像を見たりする。(今回はサイバー系にした)
 モンスターを描く時は、とにかく何も考えずに、
右手の赴くまま、感性に任せて描き込んでいく。
ポイントは無心になる事。以上。

 ちなみに、下描き時に背景の事はほとんど考えていない。


2.取り込み・着色

 フォトショで取り込み、2枚を合わせる。
(この時点でモンスターの位置や大きさを少し変更)

パスで清書をし、色を塗っていく。

色塗りは全部説明すると面倒(ry
 私の塗りはあまり参考にならないと思うので、割愛)
 (もっと上手い人に塗りを聞こう!)

私は基本、彩度を高めに設定して色塗りをしている。
色の選択は、一度塗ってから「色相・彩度」
再設定して、色を決めている。
(絵の上手い人いわく、↑この方法はあまりお勧めできないらしい)

 2つを合わせ、いよいよここからが
2Gクオリティの本領発揮である。


3.背景作り・エフェクト

ここでようやく、背景の構成を考える。

 「サイバー的なものをテーマにしてるから、
  サイバー的な背景にしよう!!」 

  以上。

まず、小物作り。
パソコンのウィンドウっぽいものを作り、
(背景はご愛嬌)

前景に配置。

次に、とある実験
私はこのイラストを作る際、偶然にも
ブラシ作りの方法を見つけた。
というわけで、ブラシ作りをしてみる。(←この精神が大事)
まずはブラシの元となる画像を作り、

画像を選択し、「編集」→「ブラシを定義」
これで、オリジナルブラシの出来上がりである。
続いて、作ったブラシを選び、右側の項目でブラシのパラメータを設定。
(分散系のパラメータを設定する)

こうして、このような画像が出来た。

これを背景に配置する。
(ついでに地面となる部分を塗りつぶし)

続いて、もう一つブラシを作る。
(今度は動画用紙型)

再び乱塗りする。

今度は、水色に塗った地面に合成する。
(ついでに、
  • 先ほど作った背景を再調整。
  • 地面を半透明化。
  • 白背景に少しだけ色を付けておいた。)

次は、背景にちょっとだけ色合いをつける。
まずは素材作り。
簡易背景素材制作法【ドット】を使用し、
ノイズ背景を作成。
(画像がでかすぎて処理がおかしくなったが、
 まぁこれはこれで面白いので、このまま続行)(←この精神が大事)

この画像に、
「フィルタ」→「表現手法」→「押し出し」
エフェクトを使う。

このような画像が出来るので、
右下の部分のみを使い、
背景に「焼き込みカラー合成

(見やすくするために、一時的に
 地面・背景を非表示化)


 ここからは箇条書きで進めて行く。

  • 背景の色合いを微調整
  • モンスターの絵をコピーし、
 その絵をぼかし(移動)でぼかし、「スクリーン合成

  • 真ん中が寂しかったので、歪みパーツを作成。
 (作り方は割愛)
  • さらにもう一体モンスターをコピーし、
 ノイズをかけ、「フィルタ」→「ピクセレート」→「水晶」
 この後、ぼかし(移動)をかけ、「ソフトライト合成

  • これが2Gクオリティの真骨頂。全体エフェクト
 「フィルタ」→「描画」→「ファイバー」
 でこのような素材を作り、

 「ソフトライト合成をする。

 全体的にフィルタをかけるのは、私がよく使う手である。(過去絵参照)


 これで、完成である!!

 このイラストの制作時間 10時間くらい
  下書き・レイアウト 2時間
  取り込み・着色 8時間


 場合によっては、「色相・彩度」「トーンカーブ」「明るさ・コントラスト」等で
色合いを微調整する。(今回は未使用)
また、「レンズフィルタ」で全体的に色を付けることもある。


ここまで描いておいてなんだが、
ぶっちゃけた話、2Gクオリティは
「行き当たりばったり手抜き作成法」である。
正直、真剣に作画クオリティを上げたい人にはお勧めできない

 だが、私のこだわりとして、
 『常に前回の自分よりもいい物を仕上げる』『新しいテクニックは可能な限り使用する』
 という事だけは毎回考えているし、自慢出来る事だと思っている。

 常に新しい事に挑戦し、
 常に前の自分よりもいい物を仕上げたい
 という気持ちだけは、皆に持っていてもらいたいと思う。


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最終更新:2009年11月05日 10:19
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