俺はタブンネのつがいとベトベトンを飼っている
ベトベトンは長年飼育しているのだがタブンネは最近捕獲したばかりだ
しかしタブンネは先輩であるはずのベトベトンに対して尊大な態度をとる事が多い
「こんなきたないのよりわたしたちのほうがかわいいからえらい!」
などと考えているにちがいない、
一週間もしないうちにタブンネは10個も卵を産み、それが一斉に孵化してベビータブンネが生まれた
母タブンネは媚びるようにベビータブンネを見せつけてきて非常にウザい
俺はこっそりとベビータブンネをつまみあげてバケツに集めた、
母親タブンネはいなくなったベビーを探している
そして俺はベトベトンを呼びつけた
「さあ、ベトベトン、おやつの時間だぞ」
ベトベトンの前にバケツの中のベビータブンネをぶちまける
ベビーたちは何が起こったかわからないようだったが
母親がいないと気づくと不安げな表情になりミィミィと鳴き出した
ベトベトンは鳴き声に反応するかのように普段あまり動かさない体をぬるりとタブンネの方向に向け、
一気にのし掛かった
「ピイピイ!ピイピイ!」とのし掛かられたタブンネたちが苦しそうな鳴き声を上げる
部屋の中に酸っぱい臭いが漂ってきた、
ベトベトンがのしかかったまま消化液を出してタブンネ達を溶かしているのだ
「ミィィィィィィィ!ミィィィィィ!!」
ベビータブンネ達が皮膚を溶かされ泣き叫んでいる
ベトベトンの体の下でタブンネたちがもがき苦しむ様子が
ベトベトンの体表がタブンネの形にボコボコと動く事からよくわかる
子供の声を聞いて母タブンネが駆けつけてきた
母タブンネは怒り狂いベトベトンに向かって突進を食らわせたが
レベルの差がありすぎてベトベトンにはほとんど効き目がなかった
やがてベトベトンは食事が終わったらしく、ぬるりと立ち上がった
そして母タブンネをぎろりと睨み付けると、
毛皮や骨などの消化できなかった部分で作ったダストシュートをまるで唾でも吐き出すように母タブンネにぶちかました
俺はピンク色のダストシュートを初めて見た
ベビーの骨と皮と汚物にまみれながら母タブンネはすがるように俺を見つめている
我が子を奪った醜い怪物を罰してくれるのを期待しているのだろう
「美味しかったか?ベトベトン、食後にオボンの実を剥いてやるぞ」
タブンネが絶望した表情でベトベトンを撫でる俺を見つめている
何の事はない、新鮮なベビータブンネをベトベトンにたらふく食わせてやりたくてわざわざつがいで捕まえたのだから
その後タブンネ達は美味しいベビーをたくさん産んでくれた
産んでは食べられ、産んでは食べられ、その繰り返し
タブンネの絶望はいかばかりか
そして、ある日
タブンネの口元が真っ赤に染まっていた、
そして足元には首を食い千切られたベビータブンネの残骸…
ベトベトンに食わせるくらいなら、自分で食べてしまおうと言う事なのか
タブンネの精神は完全に崩壊していた、こいつはもう駄目だろう
「たまには、デカいのを食わせてみるかな」
ベトベトンは母タブンネをぎろりと睨み付けた
最終更新:2014年06月18日 22:34