安物物件分岐1(wrong end)

1に分岐

私は我慢して聞いてたがうんざりだった。ただでさえ踏んだり蹴ったりの状態なのにそんな非科学的なことを言ってきたあげく私の部屋の選び方に対して文句を言ってるようにしか聞こえなかった。

「ふざけないで!!」

私はそう言いライブキャスターを切った。その後何度も連絡して来たが無視して家に帰った。

そして就寝時間になった。いつもは寝る時間だったが、私はこの時眠る気にはなれなかった。

「(また、あの夢をみるかもしれない。)」

本当は眠りたくて仕方なかったが、その夜はコーヒーを飲んで眠れないようにした。その後私はまたライブキャスターを見た。電話の履歴が三個ありメールの履歴が一個あった。
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宛先 hiunice-1225@○☆+.ne.jp

件名 サヤカへ

いきなりあんなことを言ってしまってごめん。
でもあれは本当なんだ。
俺はお前のことを本気で心配してるんだ。だから、落ち着いたら連絡をくれ。
キョウスケより

ーENDー
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私は熱くなってあのような行動を取った自分に後悔した。思えば幼い頃から私に色々助言をしてもらっていた。

「(謝ろう…!)」

私はそう思いライブキャスターで連絡をとろうとしたとき電気のブレーカーが落ちた…。

「……え?」

私は驚いたが、ライブキャスターの電波を見て更に驚いた。さっきまでは5だったのに圏外になっていた。

私は更なる事態に驚いたが、冷静になりブレーカーの方を見に行こうとしたとき子供部屋みたいな部屋のドアが開いていることに気がついた。

「なっ…!?」

夢の中にいたタブンネ達がいた。サファイアの目が真っ赤な真紅のルビーになっているタブンネ、腹が血まみれになっているタブンネ、両耳がないタブンネなど夢の中で様々な方法で痛めつけられたタブンネがいた。

私は逃げようとしたが、無理だった。

「(体が動かない…!?)」

まるで金縛りにあったかのように声も出ず体を動かすことも出来なかった。タブンネ達は『ミ"イィ…!!ミ"イ…!!』と鳴きながら近づいて来た。

「(動いてよ…!動いてよ…!)」

私は必死に動こうとしたが、出来なかった。そしてタブンネ達は私を浮かしベランダを開けた。

「(まさかまさかまさかまさか!?)」

私は予想出来てしまった。タブンネ達は私を落とすつもりなんだ…!!ましては私の部屋は5階だ。落ちたら絶対…死!!

「(いやだいやだ!!離して離して!!)」

私の願いは虚しく誰も届かないで私は



落とされた。



私は様々なことが頭に浮かんで来た。ああ…これが走馬灯なんだな。その中で一番後悔するなかで浮かんだのはキョウスケとの電話のやりとりだった。あの時にあんな行動を取らなければ…。そう思ったが、もう後の祭りだった。そして地面に着く寸前最後に見えた光景は




不気味な笑顔で笑っているタブンネ達の顔だった。

その夜、駐車場に一つの赤い花が咲いた。

ーーー

翌朝、新聞やニュースでそのマンションの自殺について記事に出たり報道された。…それだけではなかった。20代の男がそれを知ったとき突然発狂を起こし自分の家で飛び降り自殺したことについても報道された。自殺現場にあったライブキャスターにあるメールの下書きに「俺も後を追い一緒にいてやるよ。」と遺書が書かれていた。また目撃者情報によると自殺者の女の名前をずっと呼びながら飛び降りたという。

警察は何か関連性があると思い捜査したが、結局自殺という結果で終わった。

《wrong end》
最終更新:2015年02月20日 17:22