ピンクチョッキ豚・タブンネちゃん視点

私タブンネ♪お天気が良いからお花を摘みにお散歩中なの♪
トコトコ歩いてたら向こうでお兄さんがオボンのみを持ってタブンネにおいでおいでしてるの。
うふふ、タブンネにプレゼントしてくれるのね♪優しくされるの大好きよ。
タブンネはにっこり笑顔を作ってお兄さんに手を差し出したの。
「タブンネにちょうだぁい♪」

でもお兄さんはタブンネにきのみをくれるどころかお腹を思いっきり蹴り上げたの!
痛いよ…どうして!?
タブンネなんにも悪いことしてないのに!
やめて、やめて!

タブンネは自慢のサファイアの瞳に真珠の涙をいっぱい浮かべてお兄さんをすがるように見つめたの。
キラキラ輝く涙を見たらお兄さんはきっとタブンネに謝ってくれるはず!

お兄さんは相変わらず怖い笑顔でタブンネを見下ろしてる…怖いよぅ。
イヤ!お兄さんはタブンネ自慢のピンクの体にイタズラしようとしてるみたい!
やめてぇぇ!

お兄さんはエーフィさんとカメックスさんを出してタブンネに攻撃させたの!
あれ?エーフィさんの念力で身体が動かなくなっちゃった!イヤ!助けて!
必死にもがいてるのに、追い打ちをかけるようにカメックスさんは大量のお水をタブンネにかけるの…
いやぁ、苦しいよぅ!溺れちゃう!
お水の勢いが激しくてタブンネは息ができなくて…
何とか息を吸おうとしたらお口にお水がいっぱい入ってきたの!
苦しい!!いやぁあぁぁ!!!
タブンネが咳き込むといっぱい笑い声が聞こえたの…
くすん…ひどいよう…どうしてこんなことするの…?

痛くて苦しくて意識が飛んじゃいそうになった頃やっとお水が止まったの…
でも相変わらず身体は動かない…くすんくすん。

お兄さんはまた怖い笑みを浮かべながらタブンネに向かってくるの。
そしたらお兄さんはタブンネのこと臭いって言って笑ったの!!
そんな、ひどすぎるよ!!
タブンネ臭くないし清潔にしてるんだよ!?
いつも丁寧に、時間をかけて綺麗に毛繕いしてるの!!
素敵な恋をする為にいつも身だしなみに気を遣ってるの…なのに……

タブンネは心がズキズキ痛んで大きな声で泣いたの。
でもお兄さん達はタブンネを見て更に大笑いするの。なんてひどいの…
そしたら今度はカメックスさんがいっぱいの泡をタブンネの向けて撃ってきたの!
もうやめてぇぇ!!!

…タブンネは優しい種族なの。
傷ついたポケモンさんを見たら癒しの波動で治療してあげるの。
いつも笑顔でニコニコして、皆を和ませてあげてるの。
でもタブンネだって傷つけられたら怒るんだから!!
もう許さない!
タブンネは始めて怒ったの。必死に威嚇もしたの。
…どんなに怒ってても、感情に出すとタブンネの心もちくちくするの。

なのにどんなにタブンネが怒ってもお兄さんたちは笑うばかり…
どうしてタブンネこんな目にあわなきゃならないの…?
幸せに暮らしてただけなのに…どうして今こんなにひどいことされてるの?
苦しくて辛くて悲しくて、タブンネのサファイアの瞳からはどんどん真珠の涙がポロポロこぼれていくの。

気付いたらタブンネの目の前にはリザードンさんがいて、タブンネに向かって火を吹いてきたの!!
うぅ、怖いよ…もうタブンネを解放してぇぇ!!
タブンネはひたすらリザードンさんの火炎放射から逃げ惑うことになっちゃったの…
イヤ、大切な身体が…ピンクの自慢の毛が燃えちゃうぅぅ!!

…どれくらい逃げ回ったかなぁ。タブンネのビショビショだった身体はいつの間にかホカホカに乾いていて、リザードンさんは攻撃を止めていたの。
きっと疲れたのね。
でもタブンネも疲れて息が上がって苦しいの…
そのままタブンネは地面に倒れ込んだの。身体が汚れるのはイヤだったけどもう立ってるのも限界で…
なのにお兄さんはまたタブンネを見て体力が無いって笑うの。
ぜーんぶお兄さんのせいなのに…

タブンネはもう反撃する力が無いからただお兄さんをぼぅっと見ていたの。
そしたらお兄さんはタブンネにナイフを突きつけてきたの!
きゃあぁぁ!!やめて、怖い!!いやあああああ!!!
でも叫ぶ気力も無くて…
声も上げずにいたらお兄さんはかわいくアピールをしたら助けてあげるって言ったの!
タブンネ、もうひどいことされなくていいの?助かるの?
うふふ♪タブンネ元気が出てきたよ♪
かわいくするのなんてタブンネのオハコなんだから!
見てて、とーっても可愛くアピールしてみせるわ♪

いつの間にか首から上だけは動くようになっていたからタブンネは必死に皆にアピールしたの。
どう、かわいいでしょ♪もういじめる気も無くなっちゃうはず!

でもお兄さんはまた笑うばっかり…
最初からタブンネを助けるつもりは無いって言い放ったの…

そしてお兄さんはタブンネ自慢のピンクの身体にナイフをくっつけたの。
冷たいって思った瞬間、お兄さんはタブンネの身体にナイフを立てたの!!
イヤあぁあぁぁぁあぁあぁぁあぁあぁぁ!!!!!!!
お兄さんはどんどんタブンネのの身体からピンクの毛を切り取っていくの!
やめて、お願いだからやめて!!
いっぱい手入れしてきたの!大切なカラダなのぉ…!
時々ナイフがタブンネの皮膚にぶつかって鋭い痛みが走るの…
きっと切れて血がにじんでいるのね…
でもタブンネは大切な身体を諦められないから必死に叫んで暴れようとしたの。
でも身体は動かなくて…
怖くて、痛くてでもタブンネは叫び続けたの!
その度にお兄さんに平手打ちされて…身体からはどんどんピンクの毛が削り取られていくよ。
やめてよ…やめて…くすんくすん。

お兄さんがタブンネから削り取ったピンクの毛皮を無理矢理剝したところで、タブンネの記憶はぷっつり途切れたの…

誰か…助けて……

おわり
最終更新:2015年02月20日 17:45