「ありがとうございました!」
イッシュの地を踏みしめてからもう何日過ぎただろうか、
ここジョインアベニューでカフェを開かせてもらい、今日も大盛況で忙しい日々を送っている。
代表はまだ若い少年で当初は不安だったが、彼の常軌を逸した活躍により現在は連日たくさんの客が訪れるイッシュの名物商店街となった。
おかけで飼いポケにも手伝ってもらわないと間に合わない程だ。
「よっお疲れ。ジュースくれや」
「先輩!お疲れ様です。みましたよドレディアちゃんのミュージカルホドモエ公演!うちのチュリネも見てバッタバッタ跳ねてましたよ!」
レジ係のチュリネが先輩に笑顔で葉をふり、先輩も笑顔で応えた。この子は先輩に紹介してもらったブリーダーから貰った子だ。
先輩は僕が初日に見たあの庭先でチュリネ贔屓してたあの男性。今は隣のテナントで道場してる。
ちなみに同期なのに先輩と呼ぶのは歳上だからってのと…あとで説明するよ。
「お前んとこのチュリネはブリーダーが言うにうちのドレディアの妹になるらしいからいい子だぜぇ!?!なっネイティオ!」
まったくドレディアにベタ惚れなんだから。隣で頭ワシワシされてるネイティオも無表情にうなずいてる。似た者同士…
うちのチュリネも綺麗に育つといいな、子供達にダンスを披露してる先輩のドレディアを見てると思うよ。
見とれていると僕のポケモンでありウェイトレスしてる♀エーフィが服の裾を引っ張ってきた
「どうしたエーフィ。え、肉が足りない?おーいサンドパン!肉だしてくれ!」
同じく僕のサンドパン♂は厨房係り。ジュースしぼってるから無理とジェスチャーしてるな、僕が出してくるか。
厨房の奥にある裏口を開けるときらびやかなネオンと対照的な白塗りの建物に繋がってる。
そこをカードキーとナンバー入力で解放し、そこの一室のドアノブに手をかけた。
電球だけの薄暗い部屋の真ん中の処理台には皮を部分部分で剥かれ肉を削がれたタブンネが横たわっている。
僕は四角い肉切り包丁で太股部の肉をゆっくり、薄く、切りとっていく。
「ン…ンッ…ブミ……」
刃を入れる度にタブンネの体が微動するけど、生きてるんだよこれ。四肢関節はずしてあるからうごけないけど。
苦しめると肉が旨くなる特殊なアドレナリンの分泌がある、そう僕は先輩から教えてもらった。
さらにチュリネを紹介してもらった事もあって彼を先輩と呼びはじめたんだ。
「ミッミッーミィーー!」
隣にある檻で喚くのは卵メーカーだ。ちなみにこの肉タブはこいつの旦那だったかな?
「うるせえぞバカ!ブッ殺されたくなかったら卵産め!」
手元にあった肉叩き棒を檻にぶち当てると♀タブは壁に身を寄せ震えて出した。
虐待初心者は暴言から入るのが基本らしく、だから僕は食材タブの前では口調を荒くするよう意識してるんだよ。
ジョインアベニューの店舗の半分は収容所等から派遣されたタブンネが無償の労働力になっている。。この白の建物はそんなタブンネ達を管理収容してる所だ。
表には出ないけど、うちなら食材、先輩の道場ならサンドバッグ、マーケットのセット品の仕分けしてるのもタブンネだ。
木の実屋の実を育ててるのもタブンネってね。もちろん収穫は人間だよ?やつらは肥やし撒きや労働。
仕事ミスしたやつはうちや先輩のとこに回されてくるんだけど、正直まわってきすぎ。おかけで食材には困らないけど。
数が多すぎる時は回収業者に処分を依頼する時もあったよ。
少し回想していいかな?
あの日、ポケセンでナースンネに挨拶された時に沸いた感情、あれは憎悪だった。
カフェを始めてから初の休み、僕はまたマンションの裏側に住み着いた親子タブを見つけたんだ。
そしてそれを虐めてた男性<マンション管理人兼アベニュー人事部長>その人だった。
部長は嬉々として、親を半殺しにしてそれの子が必死に涙を流しながら立ち向かってくるところをバーナーでチリチリ炙りながら、その行動の美しさを語ってくれた。
一度遠出したが帰りが大変だったようで、建物裏に環境作ってわざと住み着くように仕向けるようにしたらしくさっそくかかってたとこだった。と
その時に僕も部長の虐待に同行したんだ。
見学だけだったけど、子のいじらしい姿で加虐心に完全に火がついた僕はその後独自に相棒ポケモン達とタブンネを潰してまわった。
弱いくせに経験値がたくさん得られ、今ではうちのポケモン達はレベル50越え。
カモネギのように絶滅の心配は無く、さらにリアクションが楽しい、食えばおいしいと文字通り捨てるとこなし。
たしかにうざったらしいし、不愉快な部分もあるが、今ではそれがたまらなく心地良いんだよ。
収容所や関連施設には連日たくさんのタブンネが運ばれ様々な分野にまわされては消耗してるがそれでも数が減らないのは笑うしかないね。
初めはうちも労動力として使ってたんだけど、運んでる料理をつまみ食いしたり、調理されたベビ焼きを前に泣きながらお客様に文句いったり、皿洗いさせると総入れ換えになったりした。
あの時は先輩に
つまみ食い→指を全部落とす。
ベビ料理をお客様に文句→そいつのまだ生きてるチビを全部ミキサーかけてそいつに食わせる。
皿割ったやつ→割れた皿を山のように敷き詰めた箱に一日監禁。
と、先輩に処置してもらったのはいい思い出。
ミスばっかするからもう手伝いは僕のポケモンだけにし、虐待に慣れた今では食材になってもらってる。
だからカフェよりメニューが食堂寄りになっちゃったけど、安く提供できるのと旨味の乗ったタブ肉で客足が増えたと、上層から評価いただいてる。
回想はここまで。必要な分の肉をそぎおとし、卵ポケットから一つと、みっちり詰まったベビ檻から一匹持ち出し厨房へ戻る。
ベビを取り出す際に檻をガンガン叩くと糞と小便もらしながら怯るので取り出しやすいんだ。
叩くのは例のアドレナリンのためだよほんとだよ?泣き顔や小便撒き散らす姿がみたいからじゃないよ。
さっきとは別の檻で「ミッミィィ」と悲しい声をあげてる奴がいるが、この卵の親かな?
卵にベビ掴んだままパンチ寸止めしたらまた鳴いた。そうみたい。
今のパンチでベビが「ヂィーヂィー」騒いだから顔面を壁に叩きつけ黙らせるとまた違う檻から叫びが上がった。
「親子丼10食あがり!エーフィ、三番様から七番様テーブルまで二つずつよろしく!ベビ焼きは八番様で!はいベビ焼き三つ追加、ありがとうございます!」
こんな感じの日々過ごしてるんだ。
……………
9時を回った辺りだ。派手な電灯も最低限だけとなり、僕は生ゴミをタブ舎の餌入れにぶちこんでに帰り支度しているところ。
ああもちろん、ベビの残骸や卵殻はそれぞれのママンネにあげたよ、優しいでしょ?
壁に叩きつけてグチャったベビ頭を餌入れに入れたときは凄い顔してたね。明日はあのママンネ肉ですき焼き定食出そうかな?
明日の日替わりメニューを考えてると一足先に終わらせた先輩が僕を待っててくれていた。
「なあ、これからフィッシングいかねえか?なんでも開店初期からずっと生き残ってるヌシンネってのがいんだとよ」
「へえ、なんか怖いすね」
「青じゃなくヘドロのような色した目らしいぜ。どうだ?」
「すみません先輩、せっかくお誘いいただいたところ申し訳ないんすが、「アレ」のしつけがまだ済んでなくて」
「アレか!そうか、ならしかたねえな。じゃあ俺はいってくるわ、釣ったらポイント3倍だぜ!」
「健闘をお祈りします。お疲れ様でした!」
エーフィ、サンドパン、チュリネそれぞれもリビングにでっころがってTV観たり、おもちゃで遊んだり、風呂の準備したりと、
それぞれの時間過ごす中僕は一袋だけ分だけ持ち帰った生ゴミを持ち奥の部屋へ。
「ただいま」
部屋の隅で重りに繋がった鎖を両足をつけられているタブンネ。アレことあのナースンネだよ。
僕がイッシュにつくまえに病院で不祥事を起こしたタブンネがいたらしく、それから医療関係におけるタブンネの立場がかなり厳しさを増したんだって。
それでナースンネにも監視に近い厳しい目が向けられてて、ついに先日ミスしてしまったと。
なんでも保育器の卵を勝手に触って割ってしまったとか。
よくわかんないが、まあ因縁のこいつが手に入ったんだからいいよ。
ジョーイさんは残念がってたけど後任のラッキーが優秀らしく今は何もなかったような顔で仕事してるって。
それでこいつは仕事にプライドもってたらしくクビを認めてないようで、見てよあのくすんだ色のナースキャップ。
僕は情けで持ち込んでやったら、ああして抱きかかえてるんだ。笑えるだろ?
けど笑えないな。糞がシート(一番小さい安物)からはみ出してるじゃねえか…ポケリンガルの
スイッチを入れてやるからいいわけしてみろ。
元ナースンネ「違うんですミィ!うんちしたら硬くてころがって…」
顔赤くしてんじゃねえよボケが気持ちわるい。罰だな
俺は別に硬くもない糞を生ゴミ袋にいれもみこんだ。袋ごしでよ?
「餌だ、食え」
生ゴミはタブ骨、野菜の芯や皮、実のへた。
実際今日使ったばっかの新鮮物だし、これは生ゴミとは言えないよね。
だから今までナースンネも食えてたんだろうが、今晩は糞をつめられてる分食指が進まないようだ。
元ナースンネ「うんち食べられないミブボッ!」
台詞が終わらないうちに腹に蹴りをかますとミゲェェと胃液を吐き出した。よかったなドリンクついて。
「店ランク最高の俺の料理が食えねえってか。じゃあこれどうしようかな?」
ナースキャップを奪い取り強く握りしめると瞬時に顔色が変わった。
元ナースンネ「ミィヤー!食べますミィ!だからそれだけはやめてくだミィ!!」
ゴミ袋にかぶりつき嗚咽しながら生ゴミ糞を食う。その瞳から美しい涙が溢れていた。
食い終えて、ゲロも舐めきったのを確認してから俺は部屋を後にする。
エーフィとチュリネが風呂から上がったようでリンスのいい匂いに糞とゲロ臭に汚染された俺の鼻が癒されていく。
ちなみに元ナースンネは風呂なんかいれてやってないよ。つやつやのエーフィ達見せて差別を感じさせるのも基本だからね。
元ナースンネ「ミィは…悪いことしてないミィ…どうして…」
返してやったシワだらけのナースキャップを抱きしめ泣きながらの訴えに、僕は答えた。
「さあ?」
お盆嫌いだからタブ虐める 終
最終更新:2015年08月24日 20:15