俺は野生のタブンネを餌付けしている。
最初はオレン、オボンの実を与え警戒心を解かせ、今では近づき、撫でても逃げなくなった。
今、持って行くのはたっぷりの砂糖と油でまろやかになったポフィンだ。
ガサゴソッ・・・タブンネが現れた。
俺は、持ってきたポフィンをタブンネに与える。
「ミィミッ♪」
匂いと味が気に入ったようだ。更に、飲み物も与える。とっても甘~いミックスオレ。
初めて飲む味に驚き一気に飲み干す。これも気に入ったようだ。
「明日も、またくるよ」と言い家に帰る。
そして、毎日タブンネにとても甘い食事を与え続けた。結果、出来上がったのは・・・醜く肥え太った桃色贅肉屑肉豚野郎であった。
顔、手足はむくみ、腹は大きく出て弛み、地面にその贅肉が着き足を隠し、贅肉の為か尻尾が陥没している。
鳴き声もなんと醜いことだろう。「ミィミィ」が「グフィ・・・ブフィ・・・」と変貌していた。
こんな醜くなったタブンネの生活を観察する為に後をつける。
奴は住処へ帰るが、他のタブンネ達から引っぱたかれ、タックルを喰らう。仲間から嫌われているように見える。
住処から文字通り転げながら追い出される豚。俺は、偶然通りかかったかのように、そいつの前に立つ。
こみ上げる笑いを抑えながら「どうしたんだい?」と声をかける。タブンネは「ブフフィィ・・・」と弱っているような鳴き声を発した。
俺は「うん、じゃあウチに来るといいよ」とタブンネを家へと招待した。
「ただいまー。面白いサンドバッグ持ってきたぞー」帰るなり、開口一番そう言った。
「ブヒィッ!?」タブンネは、この場にいる人とポケモンの多さに驚いている。
驚くタブンネに俺は説明した。「ここは、俺の経営する格闘ジム。人もポケモンもここで鍛えているのさ」
「おー!これは殴り甲斐ありそうだなw」と空手王。その後ろでエビワラーがシャドーボクシングを始めた。
俺はタブンネを置きその場を立ち去る。
「好きに使っていいぞ。後、いらねぇサンドバッグは食肉業者に引き取って貰え。運動して霜降りになってるから殺すなよ」
置き去りにされた桃色贅肉屑肉豚野郎は格闘ポケモン達に囲まれサンドバッグ生活を送るのだった。
「あいつ、太りすぎて食肉につかえねーから。永久サンドバッグ確定だな」
~終わり~
最終更新:2014年06月20日 21:47