下水道なめてると痛い目みる

僕は今、下水道にいる。何故かって? 住民にここの下水道何か変な臭いすると依頼され今、その原因を相棒のゲッコウガと探っているんだが……

「駄目だ。変な臭いはするけど比較的綺麗だし……いったいなんなのよ。やんなっちゃう。」

僕はゲッコウガと一緒にぶつぶつ文句を言いながら歩いていると、鼻の良いゲッコウガが何か違和感を感じた。

(師よ、少しづつだが臭いがキツくなっていく。)

ゲッコウガの違和感は正しかった。道の突き当たりに扉があり、そこから異常な程の腐乱臭がする。ゲッコウガなんてもう吐きそうだ。
恐る恐る扉をあけると僕とゲッコウガは驚愕した。

「……! な…なんなんだよ、これ……」

扉を開けた先には夥しい血の量とクチャクチャバリバリという音と共に黒い物体がよってたかって何かを貪っている。

「ひ……ひぃ!」

あまりの恐ろしさに思わず声が出てしまい、黒い物体が一斉に振り向いた。

「ミグルルル……ゥミィ~……」

物体の正体はタブンネだ。たぶんね

黒く汚れてはいるが微かにピンクと白の毛が証拠だ。だが目は血走り、体にはあちこちに蛆がうじゃうじゃいる。
更にタブンネ達の側にはあちこちを食い荒らされている数匹のタブンネが絶望の表情に満ちた顔で横たわっていた。

「ミィヒヒヒ……ミキャキャキャ!」

明らかに頭逝っちゃってる笑い声をあげながら襲い掛かってって来る怪物ども。

「ゲッコウガ、ここはひとまず引くぞ!」

(師よ、戦わないのか!?)

「今は多勢に無勢だ。部が悪いから応援を呼ぶ。いくぞ!」

(御意!)

僕らは一目散に逃げだし、T字路に差し掛かった時、全方向から怪物ンネの大軍が押し寄せてきた。

「ミ~ヒッヒッ ミヒッミヒッミヒヒ」

狂った声を出しながら僕を掴んで噛みついた。

「……ぐっ! てめっ!この! はなしやがれ!」

僕が怪物ンネを払い除けたとき、触られた所と噛まれた所が蛆にまみれているのを僕はキレた。

僕はキレた。人生で初めてポケモンに憎悪を抱いた。そりゃ噛まれて体蛆だらけになったらそりゃ激怒ぷんぷん丸でしょ。

「うふふ……殺りたくなってきちゃった。ていうか絶対に殺る!ゲッコウガ、水鉄砲だ!」

ゲッコウガはゴォッと口から勢いよく水を吐き出す。威力は低いがこんな状態の奴触れたくない。
怪物ンネに勢い良く水が掛かり少し後ずさりする。何故か綺麗サッパリととれたが、所々毛が抜け落ち腐ってる部分もあった。
あれ? これってゾンビ? ゾンビなの? うーむよくわからん。

「ゲッコウガ、奴等にみずしゅりけん!」

ゲッコウガは僕の指示どうり水で出来た手裏剣を怪物ンネ改めゾンビンネに向かって投げた。

ミギャ! ミグゥ!? ミギ!

おお貫通する貫通する。ゾンビンネ共の首が鮮血を散らし、短い断末魔をあげながら飛んでいく。

そして僕も人間というのは怒りが増すともの凄い力が出るもんで、僕はどこからか風魔手裏剣を取り出し思いっきりなげた。

「ミギャアァァァァ!!!」

「ミギイィィィィ!!!」

こちらは体を横に真っ二つにし、絶叫をあげながらも辛うじて生きてはいるがやがてミ”ブフォ! と情けない声で血を吐いて出血多量で息絶えた。
そしてあっという間にゾンビンネは最初に見た数匹になった。

「さ~て……あんたらは僕を怒らせたんだ。その報いを受けて貰わないとな。おっと、僕は倍返しじゃないよ。百倍返しだ!ゲッコウガ、あれを。」

(めったに怒らない師が本当に怒ってる……相当参ってる様だ……)

そして、僕のバッグの中から取り出したのは小さなアイアンメイデンだった。
しばらく見ないうちにわかったんだ…自分の文章力の低さに。
みんなレベル高ぇ。じゃあ書くなよって言わないで。

今、僕は悪臭とゾンビンネの姿とか囲まれたり噛まれたり精神的に追い詰められてちょっと病んじゃってる

ゾンビンネが僕に向かってきたが元々緩慢なタブンネなので動きはトロい。
僕はとっさに避け、ゾンビンネはアイアンメイデンに自ら突っ込み無様な姿で張り付いてるところを尻目にぼくはアイアンメイデンのふた的なものを閉めた。

ミィ? ミギギギ… ゥミィ~

「このアイアンメイデンは特別製でさ、このレバーを引けば・・・ゲッコウガ、頼むよ。」 

(御意・・・!) ガチャ

ミガアアアアアアア!

その話を無視して一匹が突っ込んできたところを僕は蹴飛ばしアイアンメイデンのふた的なものをあけた。
すると、全身穴だらけになり血まみれになり、無惨な姿で串刺しになんているゾンビンネが。

「こうなるわけさ。」

(久々に見たがこれはキツイ…)

ミ? ミィ・・・ ミ! ミイイイイ!

するとゾンビンネどもは恐怖したのか一斉に逃げ出した。
いや違う。正気に戻ったらしい。…今頃?
だが僕はまだ正気に戻っていない。まだ狂人のままだ。

「逃がさんよ。ゲッコウガまきびしだ。」

(御意!)

まきびしは通常は交代で出てきた相手にダメージを与える技だが今は別だ。
タブンネどもにまきびしが突き刺さりタブンネどもはバランスを崩した。
ぼくは狂気に満ちた顔でこういった。

「さぁ~て…次はどれを殺ろうかな。」

残っているタブンネ共は……3匹か。時間が経つにつれ、僕の精神も落ち着いてきた。
よくよく考えてみると我ながら愚かなことをしたものだ。
悪いのはこんなことをした奴らだ。こいつらに罪は無いし見逃してやろうかな。
僕はまきびしが刺さってもがいているタブンネたちのまきびしをぬいてやる。

(師よ、何故見逃す!? こやつらは師に危害を加えた連中だ! それでも本当に逃がすのか!?)

ゲッコウガは納得がいかないらしいが、自分の心情を述べたら渋々だが納得してくれた。
タブンネに背を向けた瞬間

ミ”イ”ィ”ィ”ィ”ィ”ィ”!!!

と雄叫びみたいな声を聞き、まさかと思い振り向いた瞬間僕に衝撃が走った。
「うわぁ!」と、情けない声を出し、下水にダイブしてしまった。
何で? まだ怪我は癒えてないはず!
……タブンネを侮っていた。3体の内、僕にタックルした奴は特性再生力、しかも並外れて再生速度が速い。
再び僕は怒った。

「ゲッコウガ、ちょっと鞄取って……」

(何をするつもりだ?)

といいつつ、期待した表情でゲッコウガは鞄をなげた。
僕はそれを受け取り、日本刀を取り出した。何故日本刀が入ってるなんて聞いてはいけない。僕はやったぜみたいな表情でったっている奴の後ろにいる1体のタブンネの首を瞬く間にはね、ゲッコウガはもう1体を大きい水手裏剣をなげ、一刀両断した。
信じられないという表情で宙を舞う首と一刀両断された体を目の当たりにし、再び恐怖心に駆られたタブンネ。土下座のようなフォームで命を乞うタブンネに僕はため息混じりにいってやった。

「お前は心身ともに汚れ切ってる。とことん苦しめてやる。そう言えば噂によるとタブンネは首の骨を折られても死なないらしいな。全身の骨を全部折ったらどうなるだろう?」

そう言い放ち、タブンネを絶望に陥れられた様な表情が堪らない。どうやら僕は目覚めてしまったようだ。

僕はじたばた暴れるタブンネをゲッコウガに押さえてもらい、両手と腕の骨を一気に折った。
バキベキボキベキ!
凄い音がしてタブンネの両腕はグニャグニャになってしまった。

ミッキャアァァァァァ!!!!
耳をつんざくような轟音で喚くタブンネを無視し、ゲッコウガにも思いっきり圧力をかけてもらい、足、骨盤、肋骨、脊椎、背骨、を全て押し潰した。

ミギャアアァァァアァアガガガガヴォエエエ!!

狂ったような声を出し、血と何か塊を吐いた。圧縮されて飛び出た内蔵だ。
それでも生きている。こいつはゴキブリ以上かもな。
ヒューヒューとかすれた呼吸をしているゴキンネの頭をつかみ思いっきり捻った。
ゴキリ小気味よい音をだしヴィグェゲェゲゲゲェェ!ともう未知の生物みたいな声をあげている。ていうか噂は本当か。流石ゴキンネ。生命力だけはずば抜けている。
僕らは全身グニャグニャのゴキンネをほったらかしにし、地上へでたらいきなり
「な……何があったんですか!?」と聞かれ、僕は事情を説明した。
どうやらタブンネ愛護団体の仕業らしい。
なんかまた腹が立ってきた。別にゴキンネのことなんざどうでもいい。僕をこんな目に合わせた愛護団体がにくいのだ。
その後、愛護団体とタブンネの数が減ったとさ。

(終わり)
最終更新:2014年06月29日 13:33