とある夏の昼下がり(黒バス×ポケモン)

(作者より)
ポケモン×黒子のバスケのSS、投下します。季節感無くてすみません。
黒子のバスケのキャラが普通にポケモン使ってます。あしからず。嫌な人は飛ばしてください。駄文ですが、よろしくお願いします。


暑い夏の昼下がり。秀徳高校の少々古い体育館で足元に狸の信楽焼を置き、ひたすら3Pシュートを打ち続ける緑髪の青年とそれを眺める黒髪の青年がいた。緑髪の青年の名前は緑間真太郎。彼は全中三連覇を誇る帝光中学校バスケットボール部の歴史の中でも特に最強と呼ばれた10年に一人の天才が5人同時にいた世代「キセキの世代」の一人で、正確無比の3Pシューターと恐れられている。黒髪の青年の名前は高尾和成。中学時代は無名の選手であったが、秀徳高校に入ってから本来の実力を発揮し緑間の相棒的ポジションになった実力者だ。二人とも現在、高校一年生にして秀徳高校バスケットボール部のレギュラー。チームを支えている。今日は部活は午後練だけだが、二人は自主的に朝から体育館で練習をしていたのだ。
暫くすると、一通り練習を終えたらしい緑間がボールを片付け始める。高尾も同様だ。
「む、すまないのだよ高尾。」
「いいって!俺も使ってたし!」
こんな会話をしつつ二人はボールを片付けていた。数分後、ようやく全てのボールを片付け終えた。その直後。
バリィン!!
ロッカールームの窓ガラスが盛大に割れる音がした。
「ロッカールームからだよな!?ま、まさか泥棒!?」
「バカめ、泥棒が盗むような金などあそこには無いのだよ!!とりあえずロッカールームに行くのだよ!ポケモンは持っているか?」
「真ちゃん、今日は俺、特にレベル高い一体しか持ってねぇよ?!」
「安心しろ、俺もだ。」
こうして、二人は手に掃除用具入れに入っていたモップを持ち、ポケットにモンスターボールをしのばせてロッカールームのドアを慎重に開けた。中からはミィミィという鳴き声が複数聞こえてくる。
「この声…タブンネだよな?」
「だろうな。しかも何体も居そうなのだよ。」
二人は室内を覗き込む。やはり、タブンネがいた。それも21体。とはいえ、大人のタブンネは一体だけで他はみんなようやく乳離れしたような子タブンネばかりだ。タブンネ達は緑間と高尾に見られていることなつゆ知らずに窓ガラスの側に設置されている冷凍庫を漁り、凍った木の実を大人タブンネが火炎放射で溶かし、子タブンネ達がそれらを頬張っていた。
「あー…あれ俺らのポケモンにあげる為の木の実なのに……しかも先輩がくれた珍しいカイスの実まで食っちまってるよ………真ちゃん、保健所読んで駆除してもらおうぜ。」
そう言ってロッカールームに入ろうとした高尾を緑間が牽制した。
「待つのだよ高尾。…最近タブンネが異常増殖してその害が出ていることは知っているな?」
「ああ、夏休み前に全校集会で言われた。」
「あと、タブンネ自己始末条例なる物が施行されたのは知っているか?タブンネを保健所に送らず自分達で始末しても罰金をとられないという条例なのだよ。」
「それ、テレビで聞いた。保健所の殺処分が追い付かないからだっていうよな。」
「やはり知っていたか。なら、ここで一つ提案だ。このタブンネ達、俺は〆て食べたいと思っているのだよ。こいつらをこのまま放っておけば、人に害を及ぼすだろう。かといって保健所は既に手一杯だ。」
「確かにそうだな。自力で〆て食べた方が社会の為になる。」
「それに、」
緑間は高尾の方を向き、至極真面目に言い放った。
「俺は市販で売っているタブンネ肉なる物を一度も口にしたことが無いのだよ。……食べてみたい。」
高尾は驚いて目を丸くした。
「え、マジで?」
「ああ、マジなのだよ。」
緑間の家庭はかなりのブルジョワ階級なのだ。
「なるほどなるほど。緑間はタブンネ肉食べたい訳だ。喜んで手伝うぜ!俺もタブンネ肉食いたいし!」
「なら、早速準備するのだよ。あのタブンネ達が寝ているうちにな。」
緑間がタブンネ達を指差します。見ると木の実を食い散らかしきったタブンネ達はその場で眠り込んでいました。図々しいものです。
「これは好都合だね、真ちゃん。」
「ああ。この分なら後始末を楽にする準備もできそうだ。…やるぞ。」
「へいへい!」
緑間はさっさと準備の為に用務員室に向かいました。高尾はぐっすりと眠っているタブンネ達をちらりと見て呟きます。
「せいぜい今のうちにしっかり寝とけよ糞豚ちゃん。……それが生涯最後の睡眠になるんだからさ♪」
タブンネ達は自分達を食べようとしている人間がいることも知らずに眠り続けています。これからこのタブンネ達はどうなるのでしょうか?

「うわ、窓ガラスの割れ方酷すぎっしょ!片付けねえと……」
「そうだな………まずはガラスをかき集めるのだよ」
体育館での準備を終えた緑間と高尾は、未だに眠り込んでいるタブンネ達を後目に割れたガラスの掃除を始めた。このまま放っておいては他の部員が来た時に危ないからである。
「うへえ、タブンネ達、ガラスの上に寝てるじゃん…怪我しねえの?」
「怪我しない訳がないのだよ。ほら、そこの子タブンネは足の肉球を切ってしまっている。」
「よっぽど疲れてたのかねえ…ま、どうせ俺らが食っちゃうんだけど。」
「……タブンネ達が起きたら作戦通りに始めるからな。構えておけ。」
緑間がそう言った矢先だった。
「ミィッ!!」
「おわっ!!?」
大人タブンネが目を覚ました。大人タブンネは辺りを見回すと、未だに眠っている子タブンネ達の前に立ち威嚇を始めた。
「ミフーッ、ミフーッ!!」
「落ち着いてくれよタブンネちゃん!俺達はガラスの処理をしてただけなんだって!!」
「そうなのだよ!俺達はお前に敵意は持ってないのだよ!!」
緑間と高尾は大人タブンネを宥めようとする。それでも大人タブンネは威嚇をやめない。
「ミフーッ!!ミィーーッ!!!」
そのうち、大人タブンネの威嚇に気づいた子タブンネ達が起きた。
「ミィ…ミィ?」
「ミッ!!ミッミッ!!」
大人タブンネが子タブンネ達に前に出ないように言っているのだろうが、子タブンネ達は聞かない。子タブンネの一匹が前に出ようとした瞬間に割れたガラスの一部を踏んでしまい、肉球を切ってしまった。
「ミー!ミー!」
痛みで泣いてしまう子タブンネ。それに気づいた高尾がその子タブンネを片手で持ち上げる。
「ミフー!!!」
大人タブンネはやはり威嚇するが、高尾は気にせずに
「おいおい、大丈夫かよ!?今傷薬塗ってやるからな!」
と言って肉球に傷薬を塗り始めた。見計らったように緑間も子タブンネ達を回収し始める。
「お前らも傷だらけなのだよ。ほら、高尾に傷薬を塗ってもらえ。俺はガラスを片付けるのだよ。」
回収した子タブンネを高尾に渡すと緑間はガラスをチリトリと箒で集め始めた。高尾は子タブンネの触角に触れないように傷薬を塗る。
そんな二人を見ていた大人タブンネの威嚇が緩む。
「タブンネちゃんも怪我してるじゃん!ほら、こっち来いよ!!」
高尾はそう言って手招きした。
「ミィ…ミィ…ミィ……!」
大人タブンネはよほど嬉しかったのか泣きべそをかきながら高尾に歩み寄り、傷薬を塗られていた。
「そういえば、お前達。」
ガラスを片付け終えた緑間が傷が癒えたタブンネ達に話かける。
「あっちの大きな部屋、冷やしてあるのだよ。ここでは暑い。そっちの部屋に行くのだよ。」
緑間が体育館への入り口を指差すと、タブンネ達は一目散にそっちへ走っていった。
そんなタブンネ達を見つめつつ、二人はニヤリと笑ったのだった。



「ミ"ィィィィィィィィアアアアアアアア!!!!!」
子タブンネ達は必死で触角を引っ張り、千切ろうとする。だが、力が入らず触角は千切れない。その様子を見て緑間が冷たく呟く。
「遅い」
そして息も絶え絶えに倒れている大人タブンネをいたぶるキングドラに命令をする。
「キングドラ、子タブンネ達の尻尾を全て燃やせ。針山に突き刺さっている子タブンネもだ。」
キングドラはそれを聞き目覚めるパワー炎を連続して放つ。放たれた目覚めるパワーは子タブンネ達の真っ白な尻尾に着弾し、燃え始めた。
「ミ"ャーーー!!!!!」
尻尾に火のついた子タブンネ達は熱さで走り回る。糞尿で足元が汚れるのも厭わずに。緑間はそれを快く思わない。
「……キングドラ、」
子タブンネ達が氷の針山に近づかないよう見張っているキングドラに緑間はさらに命令した。
「あの糞尿、凍らせてしまえ。子タブンネの足ごとで構わない。…凍らせたら、竜の波動で砕け。」
頷いたキングドラは瞬時に冷凍ビームを放ち、子タブンネ達の足元を凍らせる。そして竜の波動を放とうとした。その時。
「ミ…ミィィィィィィ!!!!!」
倒れていた大人タブンネがキングドラに突進をした。キングドラが軽く避けたため無様に転ぶが、緑間の目の前に辿り着いた。
「ミフーーーッ!!!!!」
それに気付いた大人タブンネは間髪入れずに緑間に突進を仕掛ける。だが、その直後。
「ムクホーク、電光石火!!」
ムクホークが緑間の間に割って入り、大人タブンネに電光石火を仕掛けたのだ。大人タブンネは再び盛大に吹っ飛んだ。
「危なかった!真ちゃん大丈夫?」
緑間の後ろには高尾が立っている。ムクホークは高尾のポケモンだったのだ。
「俺は無事なのだよ。」
「よかった!あと料理の準備出来たぜ!バーベキューでいい?」
「問題ないのだよ。」
どうやら高尾はタブンネ調理の準備をしてたようだ。
「さあて、糞豚ちゃん。」
吹っ飛んだ後に動けずにいる大人タブンネの頭を踏みつけ、高尾は笑いながら言う。
「俺のムクホークとあーそびーましょ♪」

「ムクホーク、こいつ仰向けで押さえつけて。」
高尾が命じると、ムクホークはその強靭な脚を器用に使ってうつ伏せの大人タブンネをひっくり返した。大人タブンネのぶよぶよの身体に爪が食い込み、血が出てくる。
「高尾、傷つけるのは程々にしておくのだよ。…あまりやりすぎると食べられる肉の量が減る。」
ムクホークと高尾を見ながら緑間はそう言う。それを聞いた子タブンネ達が小さく「ピヤッ」と叫ぶ。
「大丈夫大丈夫!食える肉の量を減らす気は全くないし、それにこの糞豚ちゃん、特性再生力みてえだし。」
大人タブンネについた傷が少しずつ治るのを見つけ、高尾は緑間にそう言って意地悪そうに笑うのだった。
「…ふん、なら好きにするのだよ。」
緑間はそれを言うと子タブンネ達の方へ向かっていった。
「よし!じゃ、好きにやっちゃいな、ムクホーク!!くれぐれも殺すんじゃねぇぞ?!」
高尾にそう言われたムクホークは、早速大人タブンネの指を啄んで食べ始める。ポキリ、グチャという小気味よい音と共に、
「ギャァァァァァァァァ!!!!!ミガァァァァァァァァァ!!!!!!」
という大人タブンネの叫び声がこだまする。まるでサイレンか何かのようなけたたましい叫びだ。
「うわー…うるせー………」
耳を指で押さえながら高尾が呟く。何も言いはしないが緑間も同じ事を思っているらしく、耳を手で塞いでいる。
「ムクホーク、ちょっとストップ!」
高尾の命令にムクホークが啄むのを止める。大人タブンネはゼエゼエと荒い呼吸をしていた。
「うるさいからさあ、糞豚ちゃんの声帯切ってくんね?」
「ミ"!?」
大人タブンネは高尾のその一言に戦慄し、一気に涙目になる。そして、
「ミィ…ミァア…ミィ………ミ?」
いきなり世間一般には可愛らしいと言われる声を出し始めた。高尾とムクホークに媚びているのだ。ムクホークはその様子を覚めた目つきで見つめ、高尾は眉間に皺を寄せて
「何それキモい」
そう言い放った。同時にムクホークが大人タブンネの喉を縦に切り裂いた。
「カッ…カァ……」
声帯を切られた大人タブンネは口をパクパクとさせている。叫びたくても叫べないのだ。
「声出なくなったな!ムクホーク、今度こそ好きにやっちゃって!!」
ムクホークは高尾に言われると再び指を啄んで食いちぎりはじめた。
「カッ…カッ………カァッ………」
大人タブンネは目を極限にまで見開き泣き叫ぶ。声帯を切られた為に声は出ないが。そんな大人タブンネを覗き込むようにしゃがんだ高尾がタブンネに語りかける。
「糞豚ちゃんは悪い子だね。真ちゃんに怪我させようとしたんだから。真ちゃんはね、秀徳のエースなの。必要とされてるんだよ。糞豚ちゃんとは大違いだね。だってお前、他の人にとっては害獣扱いで必要とされてないんだもんね。そんな糞豚ちゃんが真ちゃんを傷つけるなんて言語道断、おこがましいね。…大丈夫、糞豚ちゃんはこれから必要とされるよ。俺達の食べ物として。……極限まで痛めつけてからね。」
その言葉を聞いて涙を流す大人タブンネの右目に、指を食べ終えたムクホークが躊躇なく嘴を振り下ろす。
「ガァァァァァァァァァァァ」
潰れた叫びをあげる大人タブンネの右目が真っ赤に染まり、なおもムクホークの嘴でかき混ぜられる。
「まだ色んな場所あるし、沢山遊べるね、糞豚ちゃん!」
高尾は笑いながら言うのだった。

「…ふん、好きにするのだよ。」
緑間は高尾にそう告げた後、足元を氷漬けにされている子タブンネ達に近づいた。子タブンネ達は恐怖のあまりなのか何も叫ばずにただただ涙を流している。
「残念だったな、あのタブンネはもうお前達を助けられそうにはないのだよ。」
無表情かつ冷たい視線を、緑間は子タブンネ達に向ける。すると、
「ギャァァァァァァァァ!!!!!ミガァァァァァァァァァ!!!!!!」
そんなつんざくような叫び声が緑間の後方から聞こえてきた。
「……うるさいのだよ…………」
緑間は小さく呟き、手で耳を押さえる。大人タブンネの叫び声を聞いた子タブンネ達も耳を押さえる。
「チィ………!」
「ミィ…ミァ………」
涙をボロボロこぼしながら、そう子タブンネ達は鳴いていた。今まで自分達を守ってくれた大人タブンネが酷い目に遭っている事実を直視したくないのだろう。頭をブンブン振っている子タブンネもいた。
永遠に続くと思われたこの叫び声だったが、
「ムクホーク、ちょっとストップ!」
高尾のその命令と共に叫び声は止み、代わりに大人タブンネの荒い息遣いが聞こえるようになった。
「………やっと止まったか。」
緑間がそう言うと同時に、あまりのうるささに一瞬だけ別の場所へ避難していたらしいキングドラが現れた。キングドラが出てきたのに気付いた子タブンネ達は震え、
「ミィ、ミャ、ミィミ!」
「ミィ…ミァア、ミャ…」
などと言いながらお願いをするかのような仕草をする。まだ年も幼い子タブンネ達もやはりタブンネ。緑間とキングドラに媚びているのだ。キングドラは無表情でそれを見つめる。後ろで大人タブンネが同じように高尾とムクホークに媚びているのを確認した緑間は、
「…カエルの子はカエルとはよく言ったものなのだよ。気色悪い。」
と嫌悪を顕わにした。そして、キングドラに命令をする。
「キングドラ、竜の波動。」
瞬間、キングドラは竜の波動を子タブンネ達の足元目掛けて放った。氷が音をたてて砕け散ると同時に子タブンネ達の足も砕け、断面から鮮血が吹き出した。
「ミヂィィィィィィィィィ!!!!!」
「ミァァァ!!!!!ヂャァァァァ!!!!!!」
子タブンネ達は痛みで転げ回る。
「…足の肉が勿体無いが、仕方ないな。糞尿にまみれた足を食べるのはゴメンなのだよ。」
緑間がそんなことを言っているうちに、足の断面の傷がやや塞がった子タブンネと、塞がらずに血を流し続ける子タブンネが出てきた。
「なるほど、傷が塞がったのが再生力、塞がらないのが癒しの心か。なら、」
そう言うと、緑間は再生力子タブンネのうち一体を手に持ち、氷の針山にシュートした。子タブンネが首から針山に突き刺さる。
「ギガァァァァァァァァ!!!!」
子タブンネの悲鳴など気にも留めず、緑間は再生力子タブンネを手に持ってはシュートする。どの子タブンネも首から針山に突き刺さる。
「カッ、ガフッ、」
「ギャァァァ!!!ア、アア…」
氷の針山は真っ赤な血で染まっていき、
「再生力が8体、癒しの心が12体か…」
緑間がそう呟いた頃には、氷の針山は全体的に真っ赤に染まっていた。癒しの心の子タブンネ達も血が殆ど抜け、半死半生状態だ。
「真ちゃん、子タブンネ達の血抜き終わったの?」
様子を見た高尾が緑間にそう問いかける。大人タブンネはムクホークに任せているらしい。
「そうだな、とりあえず血抜きは終わったのだよ。」
緑間が答えると、高尾はニヤリと笑い、朗らかに言った。
「じゃ、始めようぜ、バーベキュー!」

キングドラとムクホークが再生力子タブンネ達を氷の針山から回収している間に、緑間と高尾は学校の物置に放置されていたかなり巨大なクーラーボックスを二つ持ってきた。
「なんでこんな物が学校の物置に放置されてるのだよ…!?」
「誰かの気まぐれじゃね?気にせず有り難く使わせてもらおうぜ、真ちゃん!」
そう言って高尾がクーラーボックスを開けると、丁度よくムクホークがクーラーボックスの中に再生力子タブンネ達を放り込む。
「ミッ」
「チギッ」
血液が無くなった再生力子タブンネは何も抵抗せずにボックスの中に入れられていく。床に転がっている癒しの心子タブンネ達も同様だ。ちなみに大人タブンネは足も潰されたらしく、動けずにその場に仰向けで寝転がったまま、
「カ…ガフ…カフゥ………!」
と媚びて鳴いていたが、緑間と高尾は全く無視してクーラーボックスに子タブンネを詰め込んでいた。
「よし、再生力子タブンネ達回収完了!氷も入れたよな?」
「勿論なのだよ高尾。…バーベキュー、始めるぞ。」
「おーよ!鉄板はこっちだぜ!!」
そう言って緑間は狸の信楽焼とクーラーボックスを、高尾はクーラーボックスのみを抱え外に出た。大人タブンネはムクホークが引きずり、キングドラが押して外へ運んでいった。

緑間と高尾は既に熱く焼けている鉄板の前にやってきた。
「じゃ、まずは癒しの心子タブンネ達の解体を始めましょうか!」
高尾はどこからともなく取り出した包丁を構える。
「おい、その包丁はどこから…」
「調理室から拝借しました?。真ちゃんは料理下手だし危ないからちょっと離れてろよ!」
緑間は渋々高尾から一歩離れる。高尾はクーラーボックスの中から適当に癒やしの心子タブンネを取り出し、鉄板の上に乗せた。
「チギャァァァァァァァァ!!!!!!」
子タブンネの叫びがこだまする。
「お、生きがいいね!でもうるさいから声帯切らせてもらうぜ!!」
高尾はそう言い、子タブンネの首を横に切る。
「カフ、カッ、」
声帯を切られた子タブンネは苦しげに呻くのみになる。
「よし、腹捌くか。」
高尾は至極冷静に子タブンネの腹に包丁を突き立て、そのまま引き裂いた。
「カッ、カッ、ガフッ、」
叫ぶこともままならない子タブンネは咳をするような呻き声をあげた。
「……タブンネの内臓はこうなっているのだな。」
緑間がしげしげと覗き込む。
「あ、真ちゃん、そこのバケツ取って。今から内臓入れるから。」
肋骨を切り取る高尾が指差す先には古ぼけたバケツが転がっていた。緑間はそれを高尾に手渡しながら聞く。
「……内臓は、食べないのか?」
「なんか変なの入ってると悪いから今回は食べないな。」
高尾は答えながらバケツを足元に置くと、子タブンネの内臓を一気に包丁で切り取って肋骨とバケツに入れた。血抜きを済ませているせいか血は出ない。子タブンネは
「ガァァァ、ガファァ」
と激しく呻いていた。
「このまま焼けば食べられるか?」
そう聞く緑間に、高尾は別の癒しの心タブンネを取り出して声帯を切りながら答える。
「ああ、食えるぜ!でもどんな菌持ってるかわかんねえし、もうちょっと焼いてからだな。」
そして、高尾は手に持った子タブンネを鉄板の上に下ろし、
「さて、悪くなる前にどんどん子タブンネ捌くか!」
と言いながら鉄板に置いた子タブンネの腹を捌いた。
「カァァァァ…」
という子タブンネのかすれた呻き声と、未だにムクホークやキングドラになぶられ続けている大人タブンネの
「ガァァァァァアアアアアア!!!!」
という潰れた悲鳴が重なり、何とも言えない響きとなる。
食事が始まろうとしていた。

最終更新:2014年06月29日 13:47