タダシキック

小屋の中で飼育されてるタブンネさん
中はいつも清潔で、食べたい時に食べ、寝たい時に寝るというお気楽な生活をしている
小屋の中には手のひら大の押しボタンが置かれ、
おなかがすいた時にそれを押すと「ピンポーン」という音がしてすぐに飼い主が食べ物を持ってきてくれる
1日に12回も鳴らした事もあるという
ある日、小腹がすいたタブンネさんがいつものようにボタンを押すと・・・

デデーン♪「タブンネ タダシキック」

スピーカーからの聞いた事の無い声と音に困惑するタブンネ
キョロキョロ小屋の中を見回していると、サワムラーが扉を開けて入って来た
サワムラーはタブンネの後ろに回ると・・・
「バシィ!」
「ミヒッ・・・」お尻に強烈な回し蹴りを喰らわせ、部屋を出て行った
お尻を押さえてゴロゴロと転げ回るタブンネ、突然の事で何が何だかわからない
何かの間違いだと思い、もう一度ボタンを押すタブンネ

デデーン♪「タブンネ タダシキック」

もう一度サワムラーが扉を開けて入ってくる
タブンネは恐れおののいて逃げようとするが、頭を押さえつけられ、尻に強力なキックを食らってしまった
心なしかさっきより強くなってる気がする

10時間後、空腹が我慢できなくなったタブンネは恐る恐るボタンに手を着けた

デデーン♪「タブンネ タダシキック」

「ミヒィ!」スピーカーの音に思わず悲鳴をあげてしまうタブンネ
もちろんサワムラーが入って来た
「ヒィィ!」必死な顔でその場から逃れようとするが、サワムラーの猫だましに驚いて転んでしまう
そして掴まって壁に両手をつける体制にさせられ・・・
「バシン!」またも強烈な回し蹴りを叩きこまれてしまった

もう押すもんかと決意するタブンネ、しかしボタンを押す以外に食料を得る方法を知らない
そして、48時間後・・・
空腹に耐えきれず立てなくなり、床にごろんと寝転がるタブンネ
もう限界だ、ボタンを押そう、もしかして直ってるかもしれない
ボタンにズリズリと這い寄り、木箱によじ登ってなんとかボタンを押す

デデーン♪「タブンネ タダシキック」

「ミィィィィィィィィィィ!!!!」タブンネの慟哭の中、サワムラーが扉を開けて入って来た・・・
最終更新:2014年07月02日 01:41