「ミィミィ!」
庭の側にタブンネが立っている。
木に実るオボンが取りたいらしく、ぴょんぴょんと腹を揺らして跳ねている。横には母を応援する子タブンネ。
俺は害は無いだろうと思って家に入った。
しばらく経ち、また庭を覗いてみた。
短足デヴのタブンネが取れるわけもなく、ぜえぜえと息を切らして寝そべっている。
「ミッミッ!」
おなかすいた!
子タブンネにポカポカ殴られ、母タブンネは申し訳なさそうにミィミィと鳴いた。
疲れが癒えたのか、母タブンネが立ち上がり、今度は木に体当たりをし始めた!
誰の木だと思ってやがる。糞豚が調子に乗りやがって。みてろ。
「ミッミッ!」
ようやく落ちてきたオボンを拾おうとする母タブンネの前に立ちはだかる。
「ミッミッ! ミィィ、ミィィィ!」よっぽどオボンが大事なのか、必死に目を見開いて唸っている。
「ここは俺の庭だ。食い物がほしけりゃ他あたれ」
俺の言葉を聞いて、母タブンネは土下座をした。土下座なんてどこで覚えたんだ。
「ミィミィ……ミィ」
オボンがそんなに欲しいのか。頭を地に擦りつけ物欲しそうに鳴き続ける。
「駄目だ、消えろ」
母タブンネが立ち上がり、子供を抱いて見せた。
「ミッ!」
「お前のガキなんて知るか、いい加減にしろ」
それを聞くと、母タブンネの目の色が変わった。子供を置き、姿勢を低くした。突進する気だ。
「ミィィィィィィ!」
鈍い豚の突進を避ける。母タブンネは勢い余って転倒した。母タブンネに馬乗りになり、石を拾って
頭に叩きつけた。
「ミギッ!」
気絶したようだ。白目を剥いて泡を吹いている。子供の方を見ると、先ほどのオボンを貪り食っていた。
母の危機なんてどうでもいいというわけか。
強盗と薄情な子供にはきついお灸を据えてやらないとな。
いくつかオボンを子タブンネに渡して、それを食っている間に家から下剤と瞬間接着剤を持ってきた。
オボンにかじりついている子タブンネを掴み上げ、ケツに瞬間接着剤のチューブを突っ込む。
「ミヒッ!?」
そして注入。あっという間に肛門が塞がれた。次に気持ち悪そうに尻を振る子タブンネの背中に接着剤を塗り、
母タブンネの背中に張りつけた。最後に下剤を飲ませて完成だ。
母タブンネに水をかけて起こす。タイミングよく子タブンネの腹が鳴り出した。
くいと子タブンネがケツを突き出し、プルプル震える。
「ミィィ……ミ? ミィィィィィ!」
排泄が出来ない不快感のせいか、子タブンネが泣いている。
「ミィミ? ミィ!」
母タブンネが子供を見つけようとくるくる回っている。思わず笑ってしまった。
「ミィィィィ! ミィィィィ!」
泣き声は止まらず、母タブンネの表情には焦りが色濃くなってきた。
「うるさいから外へいってくれないか。オボンやるから」
腐ったオボンを差し出す。
母タブンネは奪うようにオボンを取ると、庭から出ていった。あのオボンは誰が食べるんだろうか。
数日後、近所にタブンネ親子の死骸が転がっていた。ガキは口から糞を出している。
ぼさぼさの毛並みと隈の浮いた目からして、母親の方はストレスで死んだのだろう。
傍には腐ったオボンが転がっていた。
最終更新:2014年07月19日 09:35