タブンネの躾け方

「まいどあり~5000円だよ~」
巷で可愛いと有名なタブンネを買ってみた。
「ミッミッ!」
愛らしい声で鳴くタブンネ、確かに可愛い、人気なのもうなずける。
今俺が住んでいる町ではタブンネブームが起きている、そのためタブンネを飼う人が増えている。
こうして俺はタブンネを家に連れて帰った。
まず俺は家に帰るとタブンネ専用の小屋を作ってやった。
「ミッミィ!」
しかしタブンネは小屋が気に入らなかったのか文句を言ってきた。
「悪いな、このくらいの小屋しか作れないんだ」
俺はそう言ってタブンネを小屋に押し込んだ。
「ミッミッミッミッミッ!」
小屋の中でタブンネが騒ぎ始めた、なのでオレンの実を与えてやった。
「ミッ!」
するとタブンネの目の色が変わりオレンの実にかぶりついた。
「ミィィィィ!」
タブンネは何とオレンの実を少しかじった後、床に叩きつけてしまった。
「ミッ!ミッ!」
オレンのみが気に入らないらしく、オボンの実を要求しているようだった。
しかし家にオボンはない、なのでオレンのみで我慢するようにタブンネに言った。
「ミィィィィィッ!!!」
タブンネは逆上し、小屋から出てきてしまった、そして庭の草むらに隠れて行った。
どうしてもタブンネが草むらから出てこないので今日はあきらめることにした。

次の日…
「タブンネ~飯だぞ~」
俺は朝なのでタブンネに朝食を与えてやることにした。
「ミィィィ♪」
タブンネは昨日の態度とは裏腹に綺麗な笑顔でこっちにやってきた。
朝食はバナナ、一応これでも大サービスだ。
「ミッミッ♪」
タブンネは喜んでバナナを食べ始めた、どうやらコイツはバナナが大好物のようだ。
「ミィ!」
もう一本!と言っているように鳴いた、しかしさっきの1本が最後だった。
「ミッ!」
タブンネは俺のポケモンが食べている餌を指した、どうやらそれをよこせ!とでも言いたいのだろうか。
「さすがに無理だろ…」
そう呟いているとタブンネは俺のポケモンたちに向かってとっしんしていった。
「ミィィィィ!」
タブンネは飼っているポッポに向かって体当たりを仕掛けた。
「ピィィィ!」
ポッポはタブンネの体当たりによろけてしまい、タブンネはその隙にポッポが食べている餌をたいらげた。
「ミガッ!」
しかしタブンネはその味が気に入らないとわかると、餌を皿ごと床に叩きつけ餌をぐちゃぐちゃにした。
「ごめんなポッポ、あとで焼き鳥を買ってやるから」
俺はポッポに謝罪した。
そして俺は暴れるタブンネを何とか取り押さえ、小屋に戻した。
「念のためカギをかけておこう」
小屋に鍵もかけておいた、これなら逃げ出す心配もないだろう。

昼ごろ、俺はタブンネとポッポで散歩に出かけた。
「ミィィ!ミィィィィ!」
タブンネには首輪をつけて行くことにした、こうでもしないと絶対に人様に迷惑をかけるからである。
喧しい声で鳴くタブンネ、しかも足もとで俺の脚をポカポカと殴っている。
「やめろって言ってるだろ!」
俺はついにキレた、タブンネの手足をロープで縛りつけ、引きずりまして散歩させることにした。
「ミガガガガガ…」
アスファルトに背中が擦れて痛みを訴えているのだろうか、でも俺はそれを無視してタブンネを引きずった。
しかもコイツなんか重いぞ、体重32㎏とか絶対嘘だろ。
こうして町内の散歩が終わり、タブンネを小屋に戻した。
ついでに首輪と手足のロープをほどいてやり、夕飯の焼き鳥を小屋に置いておいた。
タブンネの世話で疲れた俺は早めに寝ることにした。
「ミッミッミッミッ!」
庭から甲高い声が聞こえるせいでまともに寝付けない、なので俺はパソコンでタブンネの躾の仕方について調べることにした。

「タブンネの躾の仕方教えろ(444)」
俺はこんなスレを見つけた、このスレならいい方法が…そう思った俺は早速スレを見ることにした。
111名無しさん、君に決めた!:2011/03/25(金) 14:07:57.92 ID:???0
タブンネにはでんきショック療法がオヌヌメ
113:名無しさん、君に決めた!:2011/03/25(金)15:37:25.36ID:???0
 >>111詳しく
118:名無しさん、君に決めた!:11/03/26(土) 14:07:57.92 ID:???0
 >>113タブンネが悪さをするたびに電厨らででんきショック、するとタブンネは反抗心が無くなる
マジオヌヌメ、これで10匹ほどの豚を調教して来た。
121:名無しさん、君に決めた!:2011/03/26(土) 15:09:57.96 ID:???0
 >>118サンクス、今度やってみるわ。

「なるほど…でんきショック療法か…」
しかし俺はデンチュラを持っていないし捕まえられない、残念ながら没。

デンチュラじゃなくてもエモンガさんでも代用できるらしいが生憎俺の手持ちはポッポ、マメパト、ムックルそしてあの堕ブンネしかいない。
とてもじゃないが捕獲は無理な話である。
他にもこんなレスを見つけた。
266 :名無しさん、君に決めた!:2011/03/26(土) 10:03:55.30 ID:???0
ズルズキン先生の楽しいサンドバッグエクササイズでタブンネちゃんはとっても素直になるよ!
288 :名無しさん、君に決めた!:2011/03/26(土) 17:35:16.42 ID:???O
 >>266タブンネが嬉しい悲鳴をあげた件

なるほどズルズキンか…でもタブンネ1匹まともに育てられない俺にズルズキンを育て上げるのは無理な話だろう…
そんな中、俺でもできそうな方法が書いてあった。
399:名無しさん、君に決めた!:2011/03/27(日) 00:52:13.74 ID:???O
糞豚のしつけ方ぁ?そんなんドッコラーさんのマッハパンチ見せればすべての糞豚はひれ伏すよ。
401:名無しさん、君に決めた!:2011/03/27(日) 01:01:25.24 ID:???0
 >>399タブンネ雑魚杉ワロスwww

ドッコラーくらいなら捕獲できそうだ…明日ドッコラーをゲットしに行こう…


次の日の朝…
タブンネが一晩中泣き続けたせいでまともに寝られなかった…
俺は歯を磨いて顔を洗って鳥ポケ達に餌をやった。
その後小屋で未だに鳴き続けているタブンネにオレンを投げつけてやった。
「ミッミィ!」
するとタブンネがオレンを投げ返してきた、我儘ってレベルじゃねーぞ!
つかその体力はどこから出てくんだよ…
俺は怒るタブンネを無視して近所の草むらに向かった。
「この草むらにドッコラーが…」
俺は眠い目をこすりながらドッコラーの出現を待った。
ガサガサッ!
あ! やせいの ドッコラーが あらわれた!
俺は鳥ポケ達と一生懸命戦い、そして…
やったー! やせいの ドッコラーを つかまえたぞー!
こうしてタブンネしつけ用のドッコラーを手に入れることが出来た。
これでようやく糞生意気なタブンネも静かになるだろう…
俺は希望を胸に家へと帰った。

「おーいタブンネぇー!飯だぞー!」
俺は小屋の外でタブンネを呼んだ。
しかしタブンネの返事はない…
「おい!タブンネ!」
しびれを切らした俺は小屋の中を見てみた。
「ミィミィッ…♪」
タブンネは幸せそうな姿で眠っていたではないか!まあ寝顔は可愛いんだが…
つか臭ェ!どういうことだこの匂い!
匂いに絶句した俺は小屋の中を見渡してみると無数の糞尿が転がっていた。
においの原因はこれか…トイレも付けてやったのに…
俺は落胆した、こいつは完璧な堕ブンネだ。
しょうがないので俺はタブンネを起こしてやった。
「ミィィィィィ!」
寝起きが悪いのかタブンネは俺に噛みついてきた。
「痛っ!」
どうしようもないなコイツ。
「オラ!飯だつってんだろうが!」
俺は噛みつかれた手を振りほどいてタブンネを呼んだ。
するとタブンネの目つきが変わった。
「ミィミッ♪」
小屋の鉄格子を破って小屋から出てくるタブンネ、飯の事になるとパワーアップするようだ。
「ホレ、オレンのみ」
俺はタブンネの前にオレンのみを置いた。
「ミッ!」
タブンネはオレンのみを蹴飛ばした、なので早速ドッコラーさんに協力してもらった。

「ヘイ!カモン!ドッコラー!」
タブンネの前にモンスタボールを投げつける、そして逞しいドッコラーが姿を現した。
「ミィ?ミィミミ?ミッ!」
タブンネはドッコラーを見まわした、そして自分よりレベルが低いことを確認するとドッコラーに向かって突進をして来た。
なので早速俺はドッコラーにマッハパンチを命じた。
シュッ!バコッ!
「ミギャッ!」
ドッコラーのマッハパンチはタブンネの顔面にクリーンヒット、ナイスドッコラー。
「ミィミィ!」
情けない声を上げるタブンネ、お前それでもLV30か?ドッコラーのLVは10くらいなんだが…
「もちろんオレンのみを食べてくれるよね?タブンネちゃん?」
倒れているタブンネに俺は綺麗な笑顔で催促した。
「ミィ!ミィミッミッ!」
タブンネは頭をコクコクと下げ土下座までし始めた、お前それどこで覚えた?
少し疑問もあったが、何とかオレンを食べてくれてよかった。
その日のタブンネの顔は屈辱に満ちていた。

そして、その日から堕ブンネを厳しく躾けることにした。
とりあえずタブンネはドッコラーを見せるだけで何でも言うことを聞いてくれるようになったため、しつけはとても簡単だった。
たまに反抗したときにはドッコラーさんの顔面パンチが炸裂する。
さらに俺の鳥ポケ達もしつけに協力してくれたからみるみるLVが上がって行った。
そして数年後…
「おはよう、タブンネ」
「ミッミッ!」
朝の挨拶を元気良くするタブンネ、可愛らしい姿だ。
厳しいしつけの結果、元堕ブンネは近所でタブンネの優等生と呼ばれるほどに成長した。
後で分かったことだがタブンネというポケモンはトレーナーの技量によって態度を変えるポケモンらしい。
なので近所では興味本位で買ってみたトレーナーがタブンネを逃がしたり、育成を放棄する事がたびたび起きた。
俺のタブンネは厳しく躾けてやったから素直で優しい子になってくれた、頑張ったかいがあったものだ。
たまにタブンネに昔のことを話してやるとタブンネは顔面クリムガンになって床にのた打ち回る。
どうやらタブンネにとって昔の事は黒歴史らしい。

ピンポーン。
「何だ、手紙か?」
俺がタブンネさんを少しからかっている時に家のチャイムが鳴った。
家のドアを開けるとそこにはポケセンの職員が立っていた。
「なんか用っすか?」
俺が用件を聞くとポケセンの職員はこう質問して来た。
「あなたのタブンネをポケモンセンターで働かせてみませんか?」
どうやらポケセンで働くタブンネの勧誘のようだ。
「ミッ!ミッ!」
タブンネはやる気満々だ、どうやら人の役に立ちたいらしい。
あの堕ブンネだった子がここまで献身的になったなんて…その優しさに心打たれた俺はタブンネがポケセンで働くことを許可した。
「ミィィィ♪ミッミッ!」
タブンネは大喜び、頑張るからね!と言っているようであった。
「では明日の朝迎えに来ますので」
そう言ってポケセンの職員は俺の家から去って行った。
どうやら出発は明日の朝だそうだ。

明日旅立つタブンネのために俺はタブンネの送別パーティを開いた。
最後の日ぐらい贅沢をさせてやろう、そう思った俺は豪華な料理を食べきれないくらいに作った。
「ミィミィ!」
可愛らしい笑顔でピザやポテトにかぶりつくタブンネ、いつもは厳しい食事制限をしていたが、今日は無しだ。
「ケーキもあるぞ!」
「ミィィィ♪」
タブンネはとても幸せな表情でケーキにもかぶりつく、さらに100個くらいあるオボンのみも平らげてしまった。
カビゴンかこいつは?
そしてタブンネは用意していた料理を全て食い終わるとそのまま寝てしまった。
「ミィミッ…♪」
タブンネの寝顔は最高に幸せそうだった。

そして別れの朝…
ポケセンの職員が家までタブンネを迎えに来た、いよいよタブンネとも別れの時だ。
「預かったタブンネは二度と飼い主が引き取りに来ることはできません、宜しいですか?」
職員はそう言った、どうやらそういう約束らしい。
「頑張れよ、タブンネ!」
「ミッ!」
俺はタブンネと固い握手を交わした。
「ではそろそろお時間です」
タブンネは車に乗せられ、そして車のエンジンがかかった。
「元気でな!しっかりやれよー!」
「ミィィィィィィ!」
タブンネに泣きながら最後の挨拶をすると、タブンネも泣きながら手を振った。
そして車は出発し、車の姿は見えなくなった。
「行っちまったな…アイツ…」
少しその場で立ち止まったあと、俺は家に戻った。
昼ごろ俺は居間でテレビを見ながら飯を食べていると、ふと大事なことを思い出してしまった。
「あ、アイツの特性ぶきようだった…」
俺は冷や汗をかき、箸をポロンと落とした。

我が家からタブンネが居なくなって、数ヵ月後…
散歩をしていた俺はポケセンの前を通りかかった、するととてつもない悲鳴が聞こえてきた。
「ミィィィィィ!!!」
ポケセンから一匹のタブンネが逃げ出してきた、そしてその後スーツ姿の男がタブンネを追いかけた。
「ミッミィ!ミィミィ!」
逃げてきたタブンネが俺の足元にしがみ付いてきた、どうやらとても怯えているらしい。
しかもこのタブンネとても弱っており、目にはものすごいクマができていた。
そしてスーツ姿の男がやって来て、タブンネをロープで縛り上げた。
「こぉんの糞豚がァ!次逃げたらタダじゃおかんぞ!」
「ミィィィィ!ミッミッ!」
そして男とタブンネはポケセンの中に入って行った。
あれはいったい何だったのだろうか…もしかしたらポケセンはとてつもなくハードな職場なのかもしれない…
最終更新:2014年08月11日 23:05