(´^ω^)腐れ開発チームのようです('A`)

ここはとある研究施設

('A`)「Are you ready?」

( ^ω^)「うん!」

(*'A`)「GO!」

(*゚ω゚)「イヤッッホォォォオオォオウ!」ポチッ、トナ

現在俺らは無駄に高いテンションで実験をしている真っ最中だ
何の実験かって?決まってんじゃん

対バ○ドのだよ。言わせんな恥ずかしい

「ミギッ……ミッ!ミィヤァァァァァ!」グジュグジュ

( ^ω^)「発生まで1.76、侵食0.27だお」

('A`)「総合平均は?」

( ^ω^)「大体1.6、0.2位だおね」

( 'A`)「着弾からのタイムラグが大きいな。駄目だ、コレは凍結しよう」

ここはTEAM R-TYPE。通称「腐れ開発チーム」
バカみたいに増えた「バイド」っつう化け物を打倒すべく立ち上げられた、対バイド戦力開発の為の組織のはずだ

俺らが今実験してたのは、奴等特有の高い融合捕食性を薬品で抑えた物を、「再生力」特性を持ったタブンネの肉で包んだ弾丸だ
被験者もタブンネだ。ハツカネズミより簡単に増えるしな

まぁ詳しい構造は省くが、「再生力」で捕喰された所を自動修復、弾丸自体がダメになるのを防ぎつつ、
敵に打ち込んだ時に薬莢内で融合捕喰性を促進する薬品と混じらせ、敵を内部から捕喰、巨大な敵を小さい弾丸サイズまでに縮める物だ

だけどそれ理論上の話だ。弾丸自体は上手く作れたが、打ち込んでからのタイムラグが大きい
それに敵はたくさんいるしな。普通に波動砲撃った方が効くだろう
第一、さっきの実験に使った生物、タブンネ一匹飲み込むのに0.2秒となると、ボスサイズでは最低10秒。即効性に欠ける

('A`)「どうしたもんか」

俺は今回の実験資料を机に投げ出して、背もたれに倒れかかった
自分の考えたプロジェクトがボツとなると、早急に次の案を出さなけりゃいけない

申し遅れたが俺はドクオ。一応この腐れ開発チームの研究開発班の一員だ
さっきの「ω」はブーン。俺の同僚でサボり魔

( ^ω^)「タブンネレーション完★成!」

いや、食いしん坊だ

奴はいつも兵器開発そっちのけ食い物の開発をしててな、まぁ評判は良いから文句は無いんだがな
だけどそろそろ俺も結果を出さないとブーンに追い越されるんだ

('A`)「ええいままよ」

考えてても変わらん、とりあえずは実験だ。材料を取りに保管庫へ足を運ぶ
扉が開くと間髪入れずに「ミィミィ」と大音量の抗議の声が聞こえてきた。檻に纏めて入れられているタブンネだ
何を隠そうコイツ等タブンネは、俺がさっきの試作品を作る段階で犠牲になったタブンネの原料。つまるところの親なんだ
さっき試し撃ちの被検体の親もいる

生命力が高く頑丈で低燃費、しかし鈍足で目立つ姿で弱い。それが売で被検体に選ばれたんだ、ありがたく思って欲しいもんだよ

抗議の大合唱を無視して俺は次の被検体を選出する。と言っても檻の奴を選ぶ訳じゃない
タブンネ同士でタマゴを作らせ、それを壁に設置したポケットに落とさせる様に部下が仕付けてさせててな
まぁニワトリのセルフ版って所だ

落ちたタマゴはクッションの坂を通って孵化台に運ばれ、孵化次第、部下達が雌雄、特性別に四つに分ける
タマゴを隠すものは何も無いし、雌の限界だけ見定めれば安定して研究材料を得られる優れものだ
使い物にならなくなったタブンネもミィアドレナリン?が分泌されて食用肉として旨くなってる。正に一石二鳥だな

とりあえず仲間外れにされているママンネとベビンネを五匹頂戴することにした。ママンネは過酷な環境で閉経してしまっているみたいだ。テラヨワス
ベビンネは「癒しの心」持ちが四匹、「再生力」持ちが一匹だ。全体の需要は再生力持ちが殆ど。癒しの心持ちは殆どが食用に回されるてる。大穴狙いの研究だ

('A`)「美味いの出来たぞ」

(*^ω^)「わーい!」

仕込み段階が過ぎたママンネはブーンに渡して、ベビンネ達は観察用ケージに放り込んだ
再生力持ちの一匹が他の四匹の下敷きになって負傷したが気にしなーい。知らんぷりして蓋を閉め、観察機器のスイッチを入れた


他の実験に使うベビンネを取りに行って戻ってくると、面白い結果が出ていた

タブンネは「癒しの波動」という対ポケモン用の回復促進波動を出せるのは周知の事実
だが、これがバイドにとっては有害になるのは余り知られて……んな事だろうと思ったって?でしょうな

兎も角、戻ってきて計器を確認すると、例の波動が観測されていたんだ
だが癒しの波動を打つまでも無く、再生力タブンネなら赤ん坊でも直ぐに治るし、何よりベビンネに癒しの波動が打てるとは思えない
だから俺は観測結果とケージ内のカメラを照らし合わせて見たんだ

問題の所は、俺がケージから離れて直ぐの事だった
固まっていたベビンネ達は、俺が居なくなると直ぐに大声で鳴き始めた。出せ出せとでも言いたいんだろう
だがこれまた直ぐに抗議を止め、負傷している再生力ベビンネを心配する様に癒しの心ベビンネが取り囲んだ
同じ屋根の下に生まれたからか、殺して食おうとは思いもしないようだ。脳内花畑め

『ミィ!ミッミ!』
『ミィ…』『ミッミッ』

大丈夫だ、と再生力ベビンネは元気アピールをするが、癒しの心ベビンネは手から癒しの波動を出そうとしたり、舐めたりしようとしている
此処で波動が観測されていた。いや、正確には心配そうに取り囲んでから、微量だが断続的に出ていたんだ
やがて再生力ベビンネの怪我が治ると、波動も観測されなくなった
どうやら「癒しの心」とは、怪我や身体に異常が出た仲間を想い、癒しの波動に近い波動を、さながら電磁波の様に照射して状態異常等を癒す物みたいだ

('A`)「よッし」

しかもこれが従来の波動とは違って、断続的な供給が出来るのが強みだ
他の波動、例えば癒しの波動。これは短時間に集中して強力に照射される。波動砲に使われる従来の大体がこのタイプになる
つまり波動砲は一点バースト式で、Mr.タカハシでも無い限り断続的な射撃は困難だ
だが、もしこれの出力を実用段階まで上げることに成功したら、大きな進歩だ

もし波動砲を断続的に発射する事に成功すれば、光線状に発射し続けて凪ぎ払う事が、
際の果てには火炎放射機の如く一帯を「奴等」にとっての地獄に出来るかもしれない

(*'A`)ニヤニヤ

( ^ω^)「キメェ」

老ママンネの焼肉セット一式を手に持ってやってきたブーンに言われた

兎も角、このプロジェクトが上手く進めば、バイド対策は大幅に躍進する筈だった

筈だった

一月、半年かも知れん。とにかく実験に実験を重ねた数十日後

(;'A`)「うーむ」

( ^ω^)「ドックンどうしたのん」

('A`;)「関係無いだろ」

俺は再び頭を抱えていた

あの後、癒しの心持ちのタブンネの波動出力を高める様に生物科学班に依頼し、俺は波動砲の設計に入った
構造としては、デカイ大樽に「癒しの心」子タブンネを五匹、「再生力」大人タブンネを一匹と、最低限の生命維持装置を付けたものだ
底面に装置を、大人タブンネを中央に置き、ベビンネの五角形で包囲する感じだ

あとは先端に、ちょいと改造した波動砲の砲身を付けて完成という、シンプルな物だ
フォースに使うエネルギーの一部を中央の大人タブンネに肩代わりさせて(再生力の範囲を越えない程度に)傷付け、
それによって回りの子タブンネから「癒したい」波動が出され、それが断続的に波動砲に供給される
最初のボタンだけ押せば、タブンネが生きてる限り後は操縦するだけで良い波動砲となる訳だ
色々作って試したが、結局このシンプルな形が一番波動の出力効率が高かったんだ
生物科学班にも「限界」と言わしめる程に「癒しの心」の出力を高めたタブンネを産み出して貰い、実験は最終段階まで進んでいた

(;'A`)「全ッ然足りねぇ」

だが問題が発生した。出力がしょっぱいんだコレが
タブンネ一匹自体の出せる波動が微弱なのは解る。その為に波動供給の場所には純粋且つ成長した子タブンネを使ってる
「癒しの心」の波動はもっと少ない為、数も大樽に可能な限り詰め込み、五匹に増やした

それでもタブンネだって生物。火炎放射とはいかなくても、レーザー光線型の運営位はやってのけるだろうと思った

だが実際に発射してみれば、確かに出力は安定しているが、圧倒的に全体量が少ないんだ
二、三回のフォース接触で漸く一発分の波動エネルギーしか出ないって何なのさ

(;'A`)「クソ!」

「ミッ!」

思わず近くにいた実験用タブンネを殴ってしまう。今初めて壁パンする奴の気持ちが解った

単純に失敗なら凍結すれば済む話だが、中途半端に成功してしまった上に、大々的に今回のプロジェクトを発表してしまっていたんだ
「⊿プロジェクト」と名付けたこれを投げ出す事も出来ず、俺は頭を抱えていた

とにもかくにも、これをどうにか実用段階まで改良する必要がある
戦闘機一機に積む必要が有るため、サイズはこれが限界だ。となると根本的な変更をしないとどうにもならない

背もたれに体を預け、くるくると椅子を回して思案していると、巨大な棚が目に入った

そこには機器類や実験器具、機械の部品や今までの没になった試作品、つまり失敗作が押し込んである
ヒントを求めて俺は棚を開けてみた

(;゚A゚)「臭ッ!?」

半端じゃない腐臭が出てきた。臭いの元は、失敗作の上に置かれた缶詰めだった
この棚はブーンと共同で使ってるんだが、失敗した食料をまんま入れていたみたいだ。勘弁してくれよ全く
開けた棚からしばらく離れ、また近づく。臭いが溜まっていたからか、さっきよりは弱い腐臭がまだ出ている
缶詰めを退けて適当な失敗作を手にとって見る。俺がここに所属したてで作った奴だ

('A`)「懐かしーなぁ」

SFの影響を受けて、波動エネルギーをチャージして、破砕性と貫通力の強い強力な波動を放つ仕様の物だ
自信満々だったが、殲滅戦においてチャージ前提は論外、と一蹴されたのは今でも鮮明に覚えている

もし今回のにこれを組み込んだら、と一瞬考えたが、若干チャージ速度が早くなるだけ、どの道駄目だ

('A`)「……!」

その時、俺のミニマム脳みそに電流が走った

(*^ω^)「くっせwww何これwww缶詰くっせぇwwwテラゴメスwww」

('A`)「ブーン」

( ^ω^)「お?」

('A`)「恩にきる」

( ^ω^)「え」

先程爆発した腐臭に誘き寄せられたブーンに礼を良い、失敗作を持って自分のデスクに向かった

簡単な話だった。出力がしょっぱいなら溜めれば良い。撃たずにひたすらエネルギーを備蓄する
溜めに溜め、最後に塊にして発射して、爆発させる

(*'A`)「ボムだ!」

俺は思わず叫んでたよ

そうと決まれば後は簡単だ。大樽波動砲の先端の砲身を取り外し、単発用の頑丈な奴に取り替える
膨大な波動を備蓄する媒体が必要になったが、それはタブンネが役に立った
元々波動を使えるからか、波動に対する体のキャパシティがかなり高くてな、大樽と砲身の間にバスケットボール大の詰め物が追加されるだけで済んだ
後は出力を調整して、完成だ

早速俺は実験場に駆け込んだ

結果としては、大成功だった

発動までそれなりに準備を要するが、敵はおろか敵の攻撃弾まで纏めて消し飛ばすトンデモパワーだ
更に、爆弾を発射出来る程チャージされると、余剰分は機体やフォースに回される
だからかフォースが強化されるという予想外の結果も残した

波動砲というより副兵装になったが、結果としては満足だ
材料もタブンネ数匹とその他諸々だけで量産も簡単で、「⊿ウェポン」と名付けられたこれは直ちに全機に搭載された

因みに俺の立場が上がったかと言うとそうでも無く、特別ボーナスが出た位で、今でもあの薄汚い研究室に篭ってるよ

( ^ω^)「焼肉をー、食べるーよジュージュートレイーン♪」

「ヂィィィ…」「ミギギ……」

どっちかと言うと「安価、旨い、保存が効く」がウリのブーン作タブンネレーションの方が評価を貰っていたよ

やっぱりこの開発チームはちょいとおかしいと思った開発だった
最終更新:2014年08月13日 13:00