ミィミィバーガー

ある男にタマゴの時から家族のように可愛がられているタブンネがいた
飼い主はタブンネ命というくらい溺愛していて同じベッドで眠り同じテーブルでご飯を食べる
ついでにお風呂も一緒、さすがにトイレは別
時間が許す限り毎日いっぱいタブンネと遊び、
手を繋いで散歩に行ったり、買い物に行って美味しいものを買ってやったり
公園で日が暮れるまでボールで遊んであげたりしていた

タブンネもそんな飼い主が大好きでミィミィと可愛い声で鳴きながら仕事に行こうとする飼い主を引き留めたり
抱きついて頬擦りしたりして「ご主人様のたまごうむ!」などと夢見るほどに甘えまくっていた
しかしそんな暮らしにも終わりという物が来る
河原で遊んでいたらタブンネが川で溺れて死んでしまったのだ
男は自殺も考えるほどに嘆き悲しんだ
家族の説得で自殺は思い止まった男だったがとんでもないことを言い出した
「俺はタブンネちゃんとひとつになって生きていく!」
男はタブンネの死体を切り分け、毎日それだけを食べて過ごした
肉は最初のうちは生のまま食べていたが、悪くなってくるとミンチにされ焼いて食べた
内蔵は煮込んでスープにしてダシも残さず食べた
骨は焼いて粉にしてから前述のミンチに混ぜて食べた
耳や皮は揚げてパリバリにして食べた
一週間もするとタブンネの死体は跡形もなくなった
男は完全にタブンネと一つになったのである

「その時に食べたタブンネちゃんの肉が美味しかったから、この商売を始めました
タブンネちゃんはどこを食べても美味しいので丸ごとミンチにすると最高です」
と、業界一の人気を誇るファーストフード店「ミィミィバーガー」の社長は語る
最終更新:2014年08月14日 17:39