ものの1時間足らずで20個以上もタマゴを産んだタブンネは虚ろな目をして
冷たいコンクリートの上にだらんと仰向けに寝そべっていた。
妖精♂ポケモン達も飽きて退屈そうに横になったり眠りだしたりした。
ただ、隣の檻のパパンネだけはずっと柵を掴みながら、
「タブンネェェェ!ゆるしておくれぇぇ」と叫んでいた。
男が部屋に入ってくると、妖精♂ポケモンをボールに戻し、
虚ろな表情のタブンネを笑顔で見つめ、
「タブンネちゃんいっぱいタマゴうんでくれたねぇ!若いとちがうのかなぁ~^^
パパもママももう、産む元気なくなっちゃったから、タブンネちゃんがかわりにがんばんないとね!
『やんや』なんて言ってるヒマないよぅ!今度は別のポケモンさんがお相手だぞ^^」
と声をかけた。
男の方をみて首をふるふるしながら「ふぇぇ~んえぇぇ~ん」と泣くタブンネ。
男はタマゴを取り出そうとしたのが分かるとタブンネは「ぁめ!」と言ってタマゴをとられまいと
鳴きながら必死にハイハイをした。
が、頑張りもむなしく、全て男に奪われてしまった。
「…ぶ…ぶーちゅさえ…ぶーちゅさえなければ………えぇぇぇ~んえぇぇぇ~ん」
とコンクリをたたき泣きじゃくるタブンネ。
男は親タブンネ達のほうにタマゴを抱えたまま向き直った。
「ほぉら^^おマゴちゃんたちだよ~!これからどうなんのかなぁ~^^」
と言ってタマゴを見せつけた。
すると2匹は男に向かって必死に土下座をして
「ちゃんと、ちゃんとタマゴを作るから、もうムスメははなしてやってください!」と言った。
無論、男はそんな申し出受けるはずもなく、
「キミらから産まれてくるタマゴじゃあ、遺伝技ひとっっっつもないんだよなぁ。
所詮野生のタブンネ同士だからしかたないけどね~。
それに比べお嬢ちゃんが産んだタマゴはすごいぞぉ!
キミらが頑張っても覚える事ができない技を覚えてるコたちばかりだ!
もう、パパは必要なさそうだね^^」
男はにやにやしながらタマゴをもって部屋を出た。
男は隣の部屋にはいった。
この間、火傷したケロイド子タブンネたちは処分され、きれいな水槽に戻っていた。
男は水槽にマグマッグを4匹いれ、その上に先ほどのタマゴをのせて準備OK!
タブンネ親子達のいる部屋に男は入り、まずはムスメの檻に、先ほどとは別の
妖精♂ポケモンを投入した。
「お嬢ちゃんはさっき覚えたばっかりだ!おまえら優しく教えてやれよ^^」
と言って妖精♂たちに命令した。
今度は親タブンネのほうに目をやる。
相変わらず耳を塞いでブルブルするママンネ。
叫びすぎて声を枯らしたパパンネが男を睨みつけている!
まずは役立たずのパパンネに踵落としを食らわせ、失神させる。
次に男は、ママンネの耳元で
「大人になったタブンネちゃんをしっかり見て応援してあげよう^^」
と言って、柵に備え付けられていた張り付け機械で手足を固定され、
ムスメタブンネのほう以外を向く事を出来なくした。
さらに「ちゃんとみなくちゃね^^」と目を強制的に開けさせられるゴーグルも装着。
ママンネはもはや理解不能な言葉を叫んで失禁していた。
精神崩壊までがんばろう^^
男は失神パパンネの手をメタグロスに踏ませ手先をぐちゃぐちゃにさせた。
そして腹にクレーンの先端部分を装着してマグマッグがうろうろする水槽の上につるされた。
パパンネのUFOキャッチャーのはじまりだ!
「パパンネちゃん!きこえるかい?!これからUFOキャッチャーをするよ!
パパはもうおじいちゃんになるんだから!ちゃぁ~んとキャッチするんだよ^^
かわいいお孫ちゃんを火傷させたら、タブンネちゃんおこっちゃうぞ!^^」
と言って男はクレーンをおろした。
「すたーーーーとん^^」
男はパパンネキャッチャーをリモコン操作した。
パパンネがぐーーーーっとタマゴに近くなる。
「おじいちゃんあとちょっと!^^」
といってタマゴに近づけるが、先ほど手をつぶされてしまったこととグラグラゆれるクレーンのせいで
うまく掴む事が出来ない。
それにマグマッグが移動しつづけるのでタマゴがコロコロ転がりますます難易度が上がる。
男は意地悪くパパンネを右へ左へブンブン動かす。
パパンネはそれでも必死になってタマゴをつかもうと腕を伸ばすが、
掴むどころか、自分の手まで火傷する始末だった。
「おじいちゃんいなるのに、なっさけないぞ~う!」
男は意地悪くパパンネを振り回し叫ぶ。
パパンネの手はつぶされた上、火傷もして、もはや感覚を失っていた。
さらに男が振り回す事で目を回してしまい、ただだらしなくぶらさがっているにすぎなかった。
が、マグマッグの熱でタマゴが孵りはじめ、水槽のあちこちで
「ミィ♪」「ミィ♪」「ミィ♪」「ミィ♪」「ミィ♪」と鳴き声が聞こえだしている。
パパンネは「ハッ!」と目を覚まし、首をふりなんとかせねば!と手を伸ばした。
男も
「お!おじいちゃん、かわいいベビちゃんたちの声で目ぇさめたねぇ^^」
とご満悦。
産まれたばかりのマゴンネちゃん’sはこの間と同様に、マグマッグのほのおのからだを感じ
「あちゅい!!」「あちゅいよぉ~たちゅけてぇ」「おちりヒリヒリしゅるよぅ」とミィミィ泣いている。
「おじいちゃん!いそげ~^^」
と男はブンブン振り回すのをやめゆっくりマゴンネちゃんのそばまでパパンネを寄せる。
パパンネの伸ばした手を、1匹にマゴンネが掴んだ!
男はゆっくりクレーンを引き上げる。
が、手の感覚が麻痺し、力の入らないパパンネはマゴンネをするりと落としてしまった。
2メートル弱の高さから思いっきり振り下ろされたマゴンネは落ちた衝撃で死亡した。
「あああああああああ!!」
と叫ぶパパンネに男は
「あ~あ、おじいちゃんのせいで死んじゃったねぇ。タブンネちゃんが一生懸命産んだ赤ちゃんなのにぃ!
そもそもパパとママのせいでタマゴを産まなくちゃいけなくなったのに、
その原因を作ったパパが子ども殺しちゃうなんて~!」と言い放った。
パパンネは泣きながらあたまをブンブンふり暴れだした。
「でも!泣いてる暇はないよ!ほら、ほかのベビちゃんたちもあちこち火傷して泣いてるぞ!」
水槽の至る所にいる20数匹のマゴンネ達がすでに火傷を負って泣いている。
だが、いずれもパパンネがキャッチすることできずに火傷が進行して死んだり、
パパンネがうまく掴めない事が原因で落とされたり、水槽に激突したりして
マゴンネちゃん'sは1匹残らず死んでいった。
男はマグマッグをボールに戻し、クレーンからパパンネを解放し、水槽の中にぼとりと落とした。
「我が子を火傷させて死なせてしまったばかりなのに、悲しいねぇ~。
でもこの間はどうすることもできなかったから仕方ないけど、
今回はあんなにそばにいたのに、1匹も助けられなかったね^^」
といい、パパンネに、
「今晩は死んじゃったお孫ちゃんたちと過ごさせてあげるね^^」
といって部屋をでた。
クレーン遊びをしている間に1時間が経過していた。
男はまたママンネとタブンネのいる部屋に入った。
タブンネはうつぶせになりガタガタ震えながら
「…もうやんやぁぁ……ぃたぃょぅ…こわぃょぅ…ふえぇぇぇん…」
と泣いていた。無理矢理掴まれた触覚が変に折れ曲がっている。
今度もまた、20個程のタマゴを産んでいた。
タブンネは男にタマゴを取られまいとなんとか自分の手の届く範囲にタマゴをおいていた。
おとなしいママンネの方をみるとどうやらショックで気を失っているようである。
男は妖精♂ポケモン達をボールに戻し、ママンネの拘束具を取り外した。
泡を吐き、だらしなく気を失っているママンネの耳元にズボンのポケットからだした
10センチ四方の小さな黒板を近づけ爪を立て、キィキィ音をだした。
人間でさえ不快に感じる音、聴力の優れたママンネには相当堪えたようで
悲鳴をあげながら目覚めた。
「おはようママ。タブンネちゃんががんばってるのに居眠りはいけないよ^^」
と言うと「アガガァァ」とうなり声をあげ藁の中にうずくまった。
ママンネの精神崩壊まであと一息だね^^
男はひとまずママンネを放置し、タブンネのほうの檻に入った。
芋虫状態のタブンネは短いお手てをいっぱいに伸ばしてタマゴを守っている。
(うつぶせでT字になってるような感じ)
「タブンネちゃん、タマゴおにいさんにくれるかな?^^」
と聞くと首をぶんぶんふり、
「め!おにいさん…ひどいことしゅるからやんや!!タブンネ、ママになるもん!」
といって必死だ!男は、
「そんながんばるタブンネちゃんみてたらおにいさん、タブンネちゃんに
いじわるしたくなっちゃったなぁ~^^」
と言ってタブンネの尻尾をむんずと掴んだ。
「こっちにお尻をむけるなんて無防備すぎるよ^^」
と、タブンネを檻の柵に拘束した。
「ゃぁぁぁぁぁん!!はなしてぇー!タブンネのタマゴとらないでェェェー!ぇぇ~ん!」
と泣き叫ぶタブンネ。そしてそのタブンネの声にハッとするママンネ。
男は檻から出て柵の隙間からメタグロスを出し、
「メタグロス!そのタマゴを木っ端みじんに踏みつぶせ!」と命じた。
メタグロスは迷い無くグッチャグッチャとたまごを踏みつぶしてゆく。
タブンネは
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!あかちゃん!!!!ああ~~~ん!」
と泣き叫んだ。
ママンネもその様子を見て「ミガガガガガァァアアア!」と絶叫した。
男はメタグロスをボールに戻し、
「次はぜぇぇっったい、タマゴ、くれるよね?^^」
と言ってタブンネの拘束をほどいた。
度重なるショックに頭をおかしくしたママンネは檻のなかをぐるぐる歩き出している。
ママンネの精神崩壊は秒読み段階だね♪^^
男は抵抗する事も忘れたママンネの尻尾を引きずり隣の部屋へ連れて行った。
透明な板の向こうにはボロボロのマゴンネちゃん'sとパパンネがいた。
パパンネは死んでしまった孫を抱っこしようにもうまく掴めず何度もポロポロ
落としては「ちくしょう!ちくしょう!」と泣きながら
自由に使えなくなった手を恨めしそうににらんでいる。
男はママンネと、水槽にいるパパンネにも聴こえるような大声で、
「せぇっかくパパからおじいちゃんになれたのに、不注意でみぃぃぃんな、
パパがころしちゃったの!ママもせっかくおばぁちゃんになってお孫ちゃん、
だっこできるとこだったのにねぇ~残念^^」
と言った。
ママンネはこの間の火傷して死んでいった我が子の姿を再び思い出し、
発狂しながら透明な板に頭をゴンゴン打ち出した。
頭を打っても脳内にうつし出されたあの映像が消えるわけじゃないのにね。
ほどなくしてママンネはその場に倒れた。
頭を打ち付ける力が強すぎて首の骨をポッキリいったようだ。
「パパァ!大変!ママショックで死んじゃったみたい!
パパが殺しちゃったお孫ちゃんたち見て、ショックでしんじゃったよぉ~どうすんの?^^」
というとパパンネは、板の向こうに倒れているママを見て水槽をバンバンたたいた。
グチャグチャになってる手が痛むのか
「ミビィィィィィィィィィーーーーーー!!」と叫んでいる。
パパンネがしっかりしないから、マゴンネといっしょにママンネも死んじゃったね^^
男はタブンネ部屋の様子を見に行った。
タブンネはハイハイをしてぐちゃぐちゃになったタマゴのそばまでいき、
柵に手をかけて身体を起こし、檻にもたれて座った。
泣きながら唯一覚えている「いやしのはどう」をタマゴにむかって放つ。
勿論、波動がひいても、ぐちゃぐちゃのタマゴはぐちゃぐちゃのまんま。
タブンネは
「…なんで…なんでタブンネはずぅっとひどいことされるの……」
とつぶやきながら眠りについた。
男は「大人の遊びは第二弾目に突入だよ^^」
と言って部屋をあとにした。
男は家の隣にある小屋に向かった。
防音設備の整ったその小屋はパパンネもママンネも知らない秘密のお部屋。
ここにはパパンネとママンネの生んだ♂タブンネだけが10匹ほど居る。
こいつらは皆、「ぶーちゅ」をはいたタブンネちゃんのお兄さんなわけだ。
兄タブンネたちは普段はおとなしいが、男が研究して作り上げた、
「♀タブンネフェロモン」を嗅ぐととたんに気性が荒くなり、
目の前の♀タブンネを見境無く襲うようになるように洗脳されている。
男はひとまず兄タブンネ達をボールに入れて小屋をでた。
眠っているタブンネを男が優しく起こす。
「タブンネちゃん、いっぱいタマゴ産んだから疲れたし、お腹もすいたね^^」
と言ってポフィンをお皿いっぱいに乗せてタブンネのそばに置いた。
男をにらみつけてはみるが、空腹には耐えられないタブンネ。
それに美味しいポフィンを食べているときだけがタブンネに残されたただ一つの幸せである。
タブンネはがつがつポフィンを頬張った。
そして男はごちそうさまをしたタブンネに
「毛並みがボサボサになっちゃったね!ブラッシングしてあげる^^」
そういって「♀タブンネフェロモン」のはいった霧吹きをタブンネにふりかけながら
ブラッシングをした。
「タブンネちゃんかわいくなったね^^」
といって男は手鏡をサッと出した。
タブンネはアノ、地獄のダイエットの日以来鏡を見ていない。
映し出された自分は「本物」の、ママそっくりだったが、
タブンネは自分が「タブンネ」であることを受け入れていたので取り乱す事はなかった。
そして今、タブンネの心の中には
「タブンネ」以外のポケモン達は、タブンネにひどい事をいっぱいするが、
「タブンネ」だけはタブンネの味方なんだという思いが強くある。
タブンネの心理も研究し尽くした男にとって、タブンネにどういう行動をとったら
どんな風に感じるかなんて赤児の手をひねるより簡単なことだ。
では、その味方だと思ってる「タブンネ」が、しかも実の兄が
タブンネに「ひどいこと」をしたらどうなるのか…
男はタブンネに、
「実はね、タブンネちゃんにはお兄さんがいるんだよ、会いたい?^^」
と聞いた。タブンネは、
「タブンネにおにいちゃんがいるの!?タブンネ、独りじゃないんだ!!
会いたい!いますぐおにいちゃんにあいたい!!!!」
と喜んでいる。男はそれは良かったといいながら、モンスターボールを10個程投げる。
出てきた兄ンネにタブンネはミィミィと
「おにいちゃん!タブンネ、おにいちゃんのいもうとだよ!!」
と声をかけた。兄ンネ達は声のほうを見たと同時に、すぐさま♀フェロモンを感じとり、
獲物を狙うような目でタブンネを見て、じりじりと近づいて行った。
兄ンネたちは我先にというようにタブンネに襲いかかる。
逃げる事のできないタブンネは
「なんで?!タブンネいもうとなのに!なんで?!おにいちゃんやんやぁぁぁ!!やんやぁぁぁ!
おにいちゃんひどいよぅぅぅ!」
「…いもうとなのに…いもうとなのに…うぅ…」
という叫びを最後に、タブンネは叫ぶ気力を失った。
男は兄ンネの興奮が、より長く続くように小屋のあちこちにフェロモンを散布して部屋を出た。
タブンネちゃん、やさしいおにいちゃんに大事にされてよかったね^^
「そろそろいいかな^^メタグロス、ごくろうさん♪」
そういってメタグロスをボールに戻す。
水槽の中にはマゴンネちゃん'sとママンネの特性ミックスジュースができあがった。
男はまひしながらもいやいやと首を振るパパンネをまたしてもクレーンの先端に装着して、
「パパ、美味しいジュースの中をすいすい泳ごう!^^」
といってパパンネUFOキャッチャーの時同様にリモコン操作した。
パパンネはジュースの中にバチャ!と浸かり手足をばたつかせてる。
ジュースに潜ったままのパパンネを右へ左へゆぅらゆら。
時折クレーンをひき上げると、パパンネは「ミバァ!」「ミボォ!」と息つぎをした。
「パパ!もっと泳いでスリムになろう^^」
そう言ってしばらくパパンネを泳がし遊んでいるとあっという間に2時間が経過した。
「時間だ!時間だ!^^」
男はドロドロベタベタのパパンネをひきあげ、クレーンから外し水槽のそとにべちゃりと放置した。
タブンネのいる部屋にいくと、兄ンネちゃんたちの
「ミッミッミッミッミッミッミッミッミッミッミッミッ!」
という激しい鳴き声が響き渡っている。どうやらかわいい妹ちゃんに満足したみたいだね^^
男が檻に入り、兄ンネ達を次々にボールに戻していくとようやくタブンネが見えてきた。
タブンネは仰向けで泣き疲れたように横たわり、
「…お…おにぃ…ちゃ……やぁ…やぁ…おに…ちゃ…き…ら…い…」
といっている。そしてその傍らには山積みになった50個ちかくのタマゴと
兄ンネの激しさで脱げたブーツが転がっていた。
タブンネの脚の付け根にはくっきりと紫の輪ができていた。
「タブンネちゃぁん!すごいね!すごいね!すごいね!
お兄ちゃんのおかげでいっぱいいっぱいタマゴできたね^^」
男はそういってボロボロのタブンネちゃんの頭に手をかけた。
するとタブンネは男の手にビクッと反応し、
「…みんな…やぁ…やぁ……タブンネ…ポケ…モン…さん…も…お…にい…ちゃ…も
…にん…げん…も…きらい…うぇぇぇぇぇぇぇぇん……」
と、なにもかもに絶望して泣いているではないか!かわいいね!すごくかわいい!
「もう立ち上がる元気もないみたいだから、その隙にタマゴもらっちゃうね^^」
そういって男がタマゴに手をかけてもタブンネはタマゴに見向きもしなかった。
「せっかくだいっきらいなぶーちゅが脱げたのに、タマゴいらないんだぁ~♪
タブンネちゃんがママになりたいなんて言ってたのは
やっぱりごっこあそびがしたかっただけみたいだね!そのほうが好都合だけど^^」
男は荷台にタマゴを積み上げ部屋を出て、研究室の保管箱タマゴを置くと、
水槽の部屋からパパンネを出した。
パパンネはゾンビのようにドロドロベタベタで異臭を放っている。
そしてそんな姿になったパパンネをタブンネの居る檻につっこんだ。
やっと親子水入らずだね^^
パパンネは自分が今どんな状態かもわかってないのに、ぼんやり横たわってる
タブンネちゃんに近づくから、タブンネちゃん怯えて失禁しちゃってる。
そして近くにあった「ぶーちゅ」をパパンネに投げつけて
「ち…ちかづかないでぇ!!!!こないでぇぇぇぇぇぇ!!」
と暴れだしちゃった。
「パパ、お嬢ちゃんに嫌われちゃったねぇ!!^^」と意地悪く男が言うと、
パパンネは麻痺して火傷してぐちゃぐちゃになったお手てを自分で噛みだしちゃったよ。
パパ、狂っちゃったみたい!
「じゃ、ここでタブンネちゃんに質問だよ^^
このパパといっしょにここを出て二人っきりで暮らすか、
大嫌いなチビミミのいるご主人様のお家に帰るか、どっちにする?選ぶのはタブンネちゃんだよ^^」
と男は質問した。するとタブンネは迷う事無く、
「お…おうちに…、ごしゅじんさまのおうちに…かえり…たい……」
と泣きながら男に訴えたのだ。狼狽えたのはまぎれもなくパパンネ!
血のつながった我が子が自分と暮らす事を拒否し、嫌いなはずの主人の元に帰ると言ったのだから。
男は、「じゃ、タブンネちゃんをここからだしてあげる^^」
そういって男はタブンネの手を引いて部屋を出た。
男はタブンネに先ほどふりかけた♂タブンネの気をひくフェロモンの
より濃厚なものを目一杯ふりかけて、
「オボンの実とポフィン、もっていきなさい^^」
といって食糧も渡して送り出した。タブンネは朧げな記憶を頼りに歩き出す。
するとタブンネのフェロモンを嗅ぎ付けた♂の野生タブンネがわらわらと草むらからあらわれ、
タブンネは次々と襲われた。
中にはつがいの♀タブンネが隣に居るにもかかわらずタブンネに襲いかかる♂タブンネもいた。
そして男の仕打ちを受け横たわるタブンネに、つがいを誘惑したと怒り狂った♀タブンネたちが、
次々とすてみタックルやおうふくビンタをくらわし、ひみつのちからでマヒさせたりした。
そうこうしてるうちに産まれてしまったタマゴを♀タブンネは踏みつぶし、
さらに「こいついいモンもってるじゃない!」
といって、男が渡してくれたポフィンやオボンの実も奪っていった。
タブンネはボロボロになりながらもたちあがり歩き出す、
するとまた別の草むらから♂タブンネがでてくる…を何度も繰り返しながらタブンネは
ようやくご主人の家の前にたどり着いた。
ご主人様やチビミミたちにいっぱいいっぱいあやまって、もう一度お部屋においてもらおう!
そう思っていたタブンネだったが、家には主人の声もポケモン達の声も聴こえない。
「…な…なんで・・・?!」
タブンネはその場にしゃがみこんでしまった。
主人はタブンネがいなくなったあの日、育て屋最後の仕事だったミルタンクを持ち主に返しに訪れた
ジョウト地方をいたく気に入り、そっちに引っ越してしまったのである。
勿論、そんなことをタブンネは知るはずも無い。
タブンネは最後の望みだった場所を失い、さらに野生のタブンネには嫌われたので森で暮らす事もできない。
途方にくれながら、じっと主が帰ってくるのを待つ事しか出来なかった。
一方役立たずのパパンネは、男の部屋を出て行った娘タブンネの後姿を窓から見てうちひしがれた。
パパンネに存在している意味はもはやない。事切れるまで、実験台となってもらおう^^
男は一畳ほどの狭くて真っ暗な「映画鑑賞部屋」にパパンネを放り込み、
録画しておいた「10匹の兄ンネがタブンネを襲っている一部始終」を大音量で流し続けた。
そうでなくてもちょっと狂い始めていたパパンネだから、1日もつかもたないか?
位だと思ったが予想外にパパンネは4日程生きていた。
さすが、生命力が強いだけあるタブンネだ。
男はタブンネが残していった50個ほどのタマゴを嬉しそうに眺めながら、
「タブンネはほぉ~んと飽きさせないポケモンだな~^^」
といってニヤニヤした。
最終更新:2014年08月15日 13:18