(私はタブンネ。今まで幸せに暮らしてきたの。子供もたくさん産んだし、未来はきっとバラ色になると思ってたの。
…でも、ある日一人の少年と出会ってから、私達の運命は壊れていったの。
その少年はどういうわけか私達の群れに現れ、ポケモンを使って私達の群れを…)
「ハッ!」
気がつくと私は薄暗い部屋にいた。…よかった、みんなもけがをしてるけど生きてる。助かったんだ!
耳を澄ますと、この部屋の隣、その隣からも「ミィミィ」と元気はないけどみんなの声が聞こえる。よかった…みんな無事で…。
だけど、ここはいったい…?
「ガチャ」
部屋の中に誰かが入ってきた…だけども私は怖くて振り向くことはできなかったの…。
???「よし。第一グループは準備オーケーだ。これより始める。」
…!?この声は人間? だとしたらここは…
???「ん?こいつらが例の親タブンネか。ひいふう…4匹か…。」
???「4匹でこれほどの子を産むなんてさすがタブンネちゃんマジ害獣。」
明かりがつけられて急いであたりを見渡すと…
子供達は透明な壁に挟まれ私達とは別の部屋にいた。
ミィミィ!ミィィィ!「たすけて!ママぁ!」と必死に叫んでいる。
???「ったく、ミィミィうるせーんだよ糞豚共!まあいい、お前達からは大量のエネルギーを入手できる。ククク…。」
???「じゃあ早速始めようか!」
そう男の人が言うと突然、私達を蹴ったり殴ったりしてきたの。
ミギャア!ミグゥ!「痛い!やめて!」私達は叫んだけれど男の人は暴力をやめない。
子供達もミィィ!「やめてー!」と叫んでいる。
私達を暴力から助けてよ!神様!私は願った。
すると願いが叶ったのか、男の人は暴力をやめた。
やった!みんな酷いけがをしたけど助かったんだ!ありがとう!神様!
すると男の人の肩に白くて耳の先がピンク色をした生き物がみえたの。
「あなたが…神様…。」私は質問をした。するとその生き物は、
「神じゃないよ。ただ、たまには人間以外の生き物の願いを叶えてもいいかなって思っただけさ。」って言ったの。
ああ、なんてやさしい方なの。奇跡って本当にあるんだ…。
???「なんだ、お前会長に殺されたと思ってたんだが…生きてたのか。」
え!こんなやさしい方を!?人間って酷い…。
QB「僕が死んでも僕達インキュベーターに変わりはいくらでもいる。それと、ここにはエネルギーが満ち溢れている。しばらくはここに居させてもらうよ。」
QB「あ、そうだ。君さ、どうせ願うならもっといい願いがあったと思うんだけど…まあ、いいや。」
え!どういうことなの!私がそう思った時には既にインキュベーター?さんはどこかにいっちゃた…。
???「邪魔が入ったな、まさか、お前なにか願ったみたいだな。だが、俺もそろそろやめようと思っていた。なぜなら…」
???「これからもっとお前達に酷いことをするからだ!」
男の人がそう言うと、焼けた鉄板が部屋に入ってきたの!
???「さてと、次はこの鉄板でお前達に絶望を与えてやる!」
すると、男の人が私以外の3匹を鉄板の上に…やめて!!!
「ミギャァァァアアア!!!!!」みんなは凄い悲鳴をあげていた。
???「ククク…。タブンネの踊り焼きだw逃げようったって無駄だ。」
その鉄板はかなりの高温らしく、みんなはすぐに声をあげなくなった。みんな…死んじゃったの…。
???「よし、あとは皮を剥いで…これで完成だ!」
???「どれどれ、試食だ。おおおおお!!!美味い!!!最高だ!!!」
目の前でみんなが食べられていく…。
子供達は叫びすぎて声が枯れ、部屋にはジュウゥゥゥ、と鉄板でみんなが焼けていく音しか聞こえない…。
???「ふふ…ミィアドレナリンは憎しみでも分泌される。この意味が分かるかい?そこのタブンネさん?」
え?私にはよく分からなかった。
???「つまり、こいつらはお前を恨み、憎んでいたんだよ!」
???「お前とお前の子が一人のトレーナーに出逢い、そいつによってお前達の幸せな暮らしは一転、絶望の地獄へと変わった。」
???「こいつらはその原因を作ったお前を憎んだんだ!!!」
そんな…私…みんなになんて謝れば…。
???「みんなに謝りたい気持ちでいっぱいだろう?ならせめて子供達にむかって土下座しろ。」
???「ただし、普通の土下座じゃない。焼き土下座だ。」
???「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなら、たとえ鉄板の上でも土下座が出来るはず…。」
…そうだよね。…私、みんなに本当に申し訳ないことをしちゃった。ちゃんとみんなに謝らなきゃ…。
私は男の人に鉄板の上へ乗せてもらうと、土下座を始めた。
凄く熱かったけど、次第に意識が遠のいて、楽になった。
???「どうやら終わったみたいだな。子供達もショックで気絶していやがる。」
???「これでかなりのエネルギーがとれた。絶望発電は効果が高いな。」
???「さて、せっかくだから全部食べちまおう。」
QB(やっぱこうなっちゃったか。あんな願いじゃ助かるわけがないよ。)
QB(それにしても凄いエネルギー量だ。もしかしたらこっちのほうが効率がいいかも…。)
俺(そういえばあのタブンネはどうなったんだろう?)
俺はふと思い出した。
あれから1年がたった。俺達は一流のポケモンブリーダーになり、ブリーダー生活を満喫している。
今の生活は最高に幸せだ。
‐完‐
最終更新:2014年08月15日 13:44