タブンネそうめん

とあるオフィスを「オフィスの癒し」と銘打って闊歩しているタブンネがいました
実は部長のポケモンで、飼い主に溺愛されて会社にまで連れてこられているだけなのですが
幸い邪魔やイタズラもせずオフィス内をただうろうろしたり、
お弁当を食べてると物欲しそうにじぃっと見ていたりするだけなのでした
ある時期、タブンネが半月ほど来ない時期があったと思ったら
背中に赤ちゃんタブンネを背負って戻ってきました、会社に来なかった理由はタブンネなりの産休だったのです
「ミッミッミッミッ!」
産んだ赤ちゃんタブンネを社員たちに見せたいらしく、
赤ちゃんをだっこしてドヤ顔で社員一人一人に見せつけていきます
OLに「かわい~い!」などと誉められると「ミィ~ン!」ととろけた笑顔で嬉しそうな声で鳴きます
しかし赤ちゃんタブンネをずっとだっこし続けるのは疲れるらしく、
ちょうどいい台を見つけると赤ちゃんタブンネをちょこんと起きました
「チィチィ♪」
台に乗った赤ちゃんタブンネは足をパタパタと動かし、その拍子に台にあった隙間に足を突っ込んでしまいました。 その時…
ガガガガガガガガガバキガガガペキガガ!!
「チィィィィーッ??!!ビーッ!ビィーッ!!!」
「ミィーッ!?!」
なんと、台の隙間に赤ちゃんタブンネが引き込まれていくではありませんか
母タブンネが赤ちゃんをのせた台はよりにもよってシュレッダーだったのです
しかも安全装置のない旧式でしかもかなりのパワーがある凶悪なやつです
「ミワーッ!ミワーッ!」「ギュヂィィィィィィィィ」
母タブンネが小さな手を掴んで何とか引っ張り出そうとしますが、
シュレッダーは赤ちゃんタブンネを容赦無く飲み込んでいきます。事態に気づいた社員たちも集まって慌てています
そして赤ちゃんタブンネは股から胸へとガリガリと飲み込まれていき「ぢーっ!ぢーっ!ヂャァァァァァ!!!」と断末魔を残して気を失ってしまいましたた
社員の一人がコンセントを抜くことに気づいてシュレッダーは停止しましたが
タブンネが赤ちゃんタブンネを引き抜こうとすると、プチプチという千切れる音がして
母タブンネが赤ちゃんタブンネを抱き寄せた時には、肩から下が完全に無くなっていて、完全に息絶えていました

「ミィィ…ミイッ!?ミッ……ウッウッウミィィィィィィィィィ!!!ビウギャァァァァァアア!!!」
母タブンネは赤ちゃんタブンネを抱いた一瞬安堵の表情を見せましたが
赤ちゃんタブンネの胴体が無いことに気づくと凄まじい声で絶叫しました
部長が何とかタブンネをなだめている間、社員がシュレッダーの中を開けておそるおそる調べました
「キャァァァァァァァ!!!」
中が見えた瞬間、OLたちが悲鳴をあげました
シュレッダーの中には、骨ごとうどんのように細切りにされた血漬けの赤ちゃんタブンネの胴体が…


「その状況で私だけが『塩辛みたいでおいしそうだな』と思ったことが成功のきっかけでした」
と、後に商品開発課に移り大ヒット商品「タブンネそうめん」を産み出した男は
骨抜き機能、毛剃り機能などの改造を施されてそうめん製造機となったあのシュレッダーくんと共にしみじみと語る
最終更新:2014年08月15日 13:56