タブンネ収穫祭

トレーナーとして旅に出ていた俺は、家業を継ぐために生まれ故郷の村に帰ってきた。
それから少し経った頃、俺の住む農村にタブンネ数匹が住み着き始めた。
最初は害も無く、可愛い見た目もあってタブンネ達は村のアイドル的存在になった。
寂しさを紛らわすためか、跡取りが居ない年寄りには特に可愛いがられた。

話は変わるが、当時タブンネの繁殖力は凄まじさは余り知られていなかった。
野生のタブンネは鈍足・非力・低脳のため肉食ポケモンに狩られたり、生き残ったとしても今度は他の草食ポケモンに
餌を奪われてしまい餓死する者が多かった。
そのため、野生のタブンネは広域に生息するが、個体数としてはそれ程多くなく前例が少なかったのだ。

タブンネの繁殖力の凄まじさを知っていた俺は、村人に餌をやらない様に警告したが、タブンネを可愛がる幸せそうな
お年寄りを見ているとあまり強く言うことも出来なかった・・・これが間違いだったと気付くのは間も無くの事だ。
タブンネの数は増えていったが、村人達もあげられる餌にも限界があった・・・そして図々しさを増してくタブンネ達。
充分な餌を貰えない事に怒ったタブンネ達は喚き散らし、農作物を荒らしはじめた。
それだけに留まらず、家の中に押しかけ食べ物を食い荒らす者まで現れはじめ、食料が見つからなかった場合は
腹癒せに糞尿を撒き散らしていった。
すっかり害獣となったタブンネ達、そして最大の悲劇が起こった・・・・・・

俺は近所に住む老夫婦からコンバインの調子が悪いと連絡を受け、整備に向かった。
老夫婦の家が目前まで迫った時、タブンネの群れが家から飛び出してくるのが見えた。
家を荒らされたのだろう・・・心配になった俺は急いで老夫婦の家に駆け込んだ。
そこには血まみれになり、倒れている爺さん婆さんの姿があった。
急いで医者を呼び、治療をしてもらったが数日後、爺さんは息を引き取った・・・
残された婆さんが気の毒だ。タブンネに夫を殺され、家を破壊され、畑も農作物も荒らされ・・・全てを奪われたのだ。

すすり泣く婆さんの姿を見て、俺はタブンネに復讐することを誓った。


俺はポケモントレーナーとしての実力はそれなりにあったが、繁殖したタブンネの数は200匹を超えていた。
脆弱なタブンネでも俺一人では荷が重過ぎる。現に繁殖したタブンネ共は数の力で元々村の近辺に住んでいた
ポケモン達を追い出すほどの力を得ていた。
それに対し、村人は老人が過半数を占めている。力での対抗は難しいだろう。
こうして悩んでる間にもタブンネ共は悪事を働き、村が食い物にされている・・・・・・
そんな中、俺はタブンネ虐待愛好会という団体の存在を知った。
HPで愛好会の活動内容を見てみるとタブンネを殴る蹴るだけでなくミキサーに入れて殺したり、耳と両手を切り取ったり等、
正気を疑う様な残虐な内容だった。

残虐な内容・・・と、以前の俺ならそう思っただろう。今は何故か、気分が高揚している。
藁にも縋る思いで、虐待愛好会にコンタクトを取ってみると瞬間で返事が返ってきた。全力で協力してくれる・・・と。

後日、村にタブンネ虐待愛好会員を村に招いた。会長を含め構成員13人と小規模な団体だったが、誰を見ても
異様な雰囲気を身に纏っている。会長曰く「精鋭揃い」という言葉を充分に裏付けていた。
当時無名のこの団体が後に全世界へ名を馳せる事になる。


問題の作戦についてだが、タブンネ共を誘き出し、毒餌で動けなくした後に「秘密兵器」で一網打尽にするという
至ってシンプルな方法だ。毒餌作りには人手が必要だが虐待愛好会指示の下、村人総出でタブンネ駆除の準備を急ピッチで行なった。

そして作戦当日・・・
まずは普通の餌を使ってタブンネを誘導し、散らばっていた群れを一まとめにしていった。
低脳なタブンネ共はこちらの思惑通りに広い畑に誘導することが出来た。
「ミィミィ♪」と嬉しそうな鳴き声で餌を頬張る姿に殺意を覚える・・・
最後の晩餐になるんだ、毒入りだけど精々味わって食うんだな、糞豚共が。

一匹のタブンネが苦しみだしたのを皮切りに、次々と倒れるタブンネ達。
毒が全身に回ったんだろう、痺れて動けなくなったようだ。中には呼吸が出来ないのか真っ青になってる者も見られる。
畑一面を埋め尽くすように苦しみ、倒れているタブンネ共。
実に素晴らしい光景だが、リフレッシュで解毒されてしまうとよろしくない、一気に決めようか。
俺は用意した「秘密兵器」に乗り込んだ。

「さあ、タブンネ収穫祭の始まりだ」


「秘密兵器」とは農業機械であるコンバイン、しかも大型の物を改造したタブンネ収穫機だ。
会長の「農家らしくコンバインを使ってタブンネを狩り・・・いや、刈りましょう」と、鶴の一声で作られた。
「さあ、刈り入れスタートだ!」俺はコンバインを発進させ動けないタブンネ共を刈り取っていった。
「「「グギャアアアアアァァァァアアァァァーーー!!!!」」」
「「「ウバアアアアアアアアァァァァァァァーーー!!!!」」」
「「「ミギャアアアアアアァァァァァァァァーーー!!!!」」」
鳴り止まぬ悲鳴が心地よい、そして悲鳴とは対照的に村人からは興奮の叫び声が鳴り止まない。

コンバインは稲の刈り入れと脱穀・選別を同時に行うことができる物だ。
虐待愛好会に改造された今でもこの特性は残っているようで、
コンバインによって刈られたタブンネは例外なく耳と尻尾と腕を綺麗に切り落とされ、全身をズタズタに切り裂かれ、血まみれに。
どのような仕組みなのかは知らんが、虐待愛好会の謎の技術による奇跡の発明品だ。
たまに目が潰れる者、手足が落とされダルマランネになる者も見られた。
畑のタブンネを刈り終える頃には選別された耳と尻尾と腕、そして今にも死にそうな糞タブンネ共の山が残された。

村人達は死にかけのタブンネ共を見て同情するかと思いきや、嬉々として暴行を加え始めた。
殴る蹴るだけではない。鉈や鍬でメッタ打ちにする者、草刈に使う鎌で切りつける者、草刈に使う刈払機を使う者までいた。
皆、思い思いの方法でタブンネの命を刈り取っていく。
タブンネ共を見てみると命を奪われる恐怖に涙を流し、ガタガタ震えたり、発狂し汚い叫び声を上げだした。
俺は近くに転がっているタブンネに蹴りを数発ぶち込むと「ミィミィ・・・」と弱々しい声を上げ命乞いを始めやがった。
その姿にキレた俺は自分の頭程度の大きさの石を掴み、タブンネの顔面に何度も叩き付け絶命させた。

畑に集めたタブンネ共が全て死ぬのに時間はかからなかった。

「ミイィィィィ!!」
間抜けな声のする方を見ると引率係のタブンネが数匹と子タブンネが数十匹が顔を真っ青にして立っていた。
大量の餌がもらえると聞いて、書き共を連れて来たのだろう、探す手間が省けたという物だ。
俺が歩み寄ると、恐怖のあまり呆けていたタブンネが我に返ったのか一斉に逃げ始めたが、愛好会員のポケモンに退路を断たれ
成す術もなく捕らえられていく害獣共。まだ殺しはしない、俺は子タブンネという次世代のゴミ共を全て引き取った。
こいつらには村の役に立ってもらう事にする。

まずは後夜祭だ。虐待愛好会からタブンネを使った料理が振舞われた。
タブンネの肉は食べたことが無かったが、実に美味い。これを味わってしまったら他の肉など食えないだろう。
俺はタブンネ共を如何にして有効利用するかを考えつつ、勝利のタブ肉に舌鼓を打った。

捕らえた子タブンネ共には隷属の証として脱穀機を改造した機械に通し、耳と尻尾をもぎ取った。
そして数ヵ月後、成長したガキ共は俺の監視下で強制労働をさせていた。
こいつらの親が荒らした畑の耕し、撒き散らした糞尿の片付け。それだけに留まらず畑仕事もさせていた。
もちろん農作物を摘み食い出来ないように一本残らず歯を抜き取り、顎を砕いた上で口を縫い付けている。
反抗的な豚には暴行を加えた後に、麻薬を打ち込みシャブンネにしてやるとおとなしくなった。
ボロ雑巾のように扱き使われるタブンネ共の姿は村人の癒しとなった。

ポケモンにこんな扱いをすれば普通は外部から苦情が寄せられるだろう。
しかし、タブンネが村を荒らしていた頃に撮影した動画をアップしたのだが、予想以上に反響が大きく
タブンネのマイナスイメージを全国に植えつけることに成功し、空前のタブンネ虐待ブームが巻き起こった。



小さな農村で調子に乗ったおバカなタブンネ達の所為で関係の無いタブンネ達が虐待され、野生から姿を消していきましたとさ。


おしまい
最終更新:2014年08月25日 01:34