とある牧場で飼われているタブンネ達は春先になると卵を産み、多くの赤ちゃんタブンネを孵します
今日はそこで飼われているひと組のタブンネ親子を紹介しましょう
6匹の赤ちゃんタブンネを甲斐甲斐しくお世話をするお母さんタブンネ、とっても幸せそうですね
「ミィ、ミィィ」「チィチィ♪」
おやおや、お乳の時間のようですね、
寝そべったお母さんタブンネの胸からお腹に赤ちゃんタブンネ達が吸いついています
「ミィ?」
そこにやって来たのは牧場のおじさん、
おじさんは赤ちゃんタブンネ達を次から次へとタブンネのお腹からプツプツと引き剥がしていきます
「ミィィ!」「チィー!チィー!ヂィー!ヂィー!」
母タブンネは声を荒げて抗議をします
しかしおじさんは気にせずに乳首がある場所に管の付いたカップのような物をくっ付けて行きます
そして管が繋がれた大きな箱のような機械の電源を入れました
すると母タブンネのお乳から白いミルクが絞り出されていきます
そうです、この機械は搾乳機でこの♀タブンネはミルクを絞られる為に飼われているのです
「ヒィッ!」「キピィ!」「ウワワワワ!」「ヒィァァァァァアァァァァァァーーーーーーー!!!」「ミィー!!!」
搾乳機を着け終わるとおじさんは太さがマーブルチョコの筒ほどもある大きな注射器で
赤ちゃんタブンネ達に栄養剤を注射していきます
この栄養剤は赤ちゃんタブンネ注射一本で5日間は何も食べなくても生きていられるという便利な代物です
なぜこんな事をするのかというと、母タブンネは赤ちゃんタブンネが死んでしまうとミルクを出さなくなってしまうので
授乳期間いっぱい、最低でも2週間は赤ちゃんタブンネに生きていて貰わないと困るからです
それに理由はもう一つ、母タブンネは赤ちゃんタブンネの「チィチィ」という乳をせがむ甘え声を聞くと
無意識のうちに母乳を分泌するという身体の作りになっているからです
栄養剤注射ではお腹が膨れないので、赤ちゃんタブンネ達は一日中乳をせがむ声で鳴き続け
つまりは自然界のタブンネではあり得ない程大量に乳を作り出せる事になります
「ミィィ!ミィィ!」
母タブンネは必死に搾乳機のカップを外そうとしますが、肉がうにーっと引っ張られるばかりで取れそうにありません
カップの吸着力はとても強く無理して取ろうとすれば腹の肉ごと取れてしまうような代物なのです
牧場が赤ちゃんタブンネのお乳をせがむ悲痛な鳴き声に包まれたまま夜を迎えました
「チィチィ・・・」「ミィ・・・」キリキリ
本来なら赤ちゃんタブンネ達はおねむの時間ですが、お腹が空きすぎて眠る事が出来ないようです
半透明な搾乳機のカップごしに乳を飲もうとを必死にペロペロ嘗める子、母タブンネのお腹をまさぐって新しい乳首が無いか探す子、
自分の手指をチュパチュパとしゃぶり、遂には手の部分の毛が全部抜けてしまった子様々です
母タブンネはただ泣いています、歯ぎしりして泣く事しか出来ないのです
泣いている赤ちゃんタブンネたちを抱きしめてあげたくても、胸とお腹の搾乳機が邪魔をして出来ないのです
そんな毎日が続いて3ヵ月後、お乳が出なくなると母タブンネのお腹から搾乳機のカップが取り外されました
この頃になると親子ともボロボロの見るに堪えない姿になってしまっています
母タブンネは過剰に分泌されたお乳にカルシウムを取られ毛並みはボサボサ、
歯も脆くなって食事の時に砕けてしまい今はもう奥歯が8本しか残ってません
全身の骨も足で自重を支えられなくなり寝たきりになってしまっています
一方赤ちゃんタブンネはストレスで部分ハゲが出来ているぐらいですが
本来は赤ちゃんから子タブンネへと成長して立って歩けているはずの月齢なのに未だハイハイの赤ちゃんタブンネのままです
あの栄養剤には糖質やビタミンだけでタンパク質など成長に必要な成分が一切入っていなかったからです
「チィィ…」「チィィ…」「フィィ…」
赤ちゃんタブンネ達は横たわる母タブンネに這い寄って、その黒く変色した乳首に3か月ぶりに吸いつきます
しかしもうお乳は出ません、吸おうが噛もうが、一滴も出ないのです
「どうしておちちをくれないの… ぼくたちずっとがまんしてたんだよ…」
そう思っているのか、赤ちゃんタブンネ達は絶望の涙をぽとぽとと母タブンネのお腹に落としていきます
しかしそれでも吸いつかずにはいられないのです、それほど待ち望んでいたのです
用済みになったタブンネ親子は番犬のムーランドやウインディの餌になります
赤ちゃんタブンネ達は、犬ポケ達に食われるその瞬間になっても、お乳に吸いついたまま食べられるのです
ちなみにタブンネミルクは食肉用タブンネの胃袋を洗った袋に酵母と共に詰められ、発酵させてチーズになります
その味わいは口に入れると濃いうま味と共に舌にとろける極上品ですのでぜひ皆さんもお試しあれ
最終更新:2014年08月27日 18:47