ポケモンセンターの地下に存在するエネルギー供給施設
ここではポケモンセンターのスタッフになれなかったタブンネ達が、日夜ポケモンセンター運営のためのエネルギーを生み出している
センター内で華やかに活躍するタブンネ達とは違い、ここのタブンネ達には肉体を酷使する作業が待っている
今回は特別に施設を見せていただける運びとなったので、その一部を記していこうと思う
一つ目の部屋では、大量のタブンネ達が三輪車に乗ってキコキコとペダルを漕いでいた
「ここではタブンネ達が三輪車に乗り発電する、タブ三輪車発電が行われています」
「ミッミッ!」「タェブネェ!」「ミフゥゥ!」「ミミミィ!」どのタブンネも真剣な表情で三輪車を漕ぎ続けている
自転車じゃないのは足が届かないからだろうか・・・
「ここのタブンネは厳選漏れした中でも能力の低い♂を採用しています」
確かにタブンネ達を見ると、どのタブンネも太っていたり、貧相な体つきをしていた
「タブンネの耳には速度が一定以下になると爆発する爆弾が付いていて、少しでも気を抜い」「グビャアァァ!!」
どうやら気を抜いたタブンネが爆発したようだ、首から上が吹き飛び、頭蓋骨がむき出しになっている
「と、このようになります・・・稀に再生して生き延びる個体がいるのが凄いところですね」
二つ目に案内された部屋にはいくつもの巨大なタービンが存在し、
各タービンから数本飛び出た突起を、一つのタービン辺り数十匹のタブンネ達がガラガラと押してタービンを回していた
「ここではタブンネ達がタービンを回し電気を生み出す、タブ力発電が行われています」
タービンを回しているタブンネ達は、皆気骨のある凛々しい顔をしていた
スタッフからは落ちたと言えど、流石に優秀な個体が揃っているようだ
「比較的能力に優れた♂の個体を採用しており、ポケモンセンターのメイン動力を担っ」「ミギャァァァ!!」
作業員の話の途中で、一匹のタブンネが足を滑らせたのかばたりと倒れた
その後もそのタブンネは中々起き上がることが出来ない・・・どうやら足が折れているようだ、「ミギャガァァァ!!」と悲鳴を上げながらのた打ち回っている
「ああなると当分使い物になりません・・・彼の特性はいやしのこころの用ですし、回復エネルギー生成の部屋に配置転換されます」
従業員の説明の後、怪我をしたタブンネはリヤカーで運ばれていった
三つ目の部屋に着くと、培養液で満たされたカプセルにタブンネ達が入れられていた・・・どれも生きているようだ
「ここは当施設でも最新鋭の科学力を導入した、タブンネ回復エネルギー生成装置です」
見たところ♀のタブンネと子供のタブンネが目立つ・・・親子だろうか?
「ここでは主に母親タブンネとその子供のタブンネ、先ほどのタブンネのようにリタイアした個体が用いられます」
「母親タブンネとその子供を採用する理由ですが・・・おっと、ちょうどセンター内の回復装置が使われるようなので、モニターに映し出されるそちらの様子と合わせてご覧ください」
ジョーイ「あなたの ポケモンを やすませて あげますか?」
トレーナー「はい、お願いします」
ジョーイ「それでは おあずかり いたします!」
ジョーイさんの返答の後、子供のタブンネ達が入れられているカプセルが発光した
「チイィィィィ!!」「ピィアアアアアア!!」「ギュエェェェ!!」「グギャヨォォォォ!!」大量の子タブンネ達が悲鳴を上げ、
その様子を見た母親タブンネ達が「ミィミィィィィィ!!」と口から血を流しつつ叫んでいる
テンテンテテテン♪
ジョーイ「おまちどおさま! おあずかりした ポケモンは みんな げんきに なりました!」
ジョーイ「また いつでも ごりよう くださいませ!」
「タブンネ達のエネルギーを吸い出し、回復エネルギーに生成して回復装置を作動させます」
先ほどエネルギーを吸われた子タブンネ達は疲労困憊といった様子で、どの個体も目の焦点が定まっていなかった
「母親タブンネと子タブンネをメインに採用しているのは、交互に吸い出すことでお互いのエネルギーをさらに引き出す為です」
作業員の説明を聞いていると今度は母親タブンネのカプセルが発光し、母親タブンネ達が「グビャアアアアアアア!!」とおぞましい悲鳴を上げた
子タブンネ達は震えながらもその様子をしっかりと見つつ、「チチィ!」「ミッミッ!!」と各々エールを送っている
「子タブンネが吸い出されているときには母親タブンネが、母親タブンネが吸い出されているときには子タブンネが懸命に励まします」
「子タブンネは母親に甘えたい一心で、母親タブンネは我が子を抱きしめたい一心でこの苦行を耐えてくれるのです」
母親タブンネの吸い出しが終わるころには、子タブンネも大分元気になっていた・・・凄まじい生命力だ
「エネルギーの吸い出しは一日に約500回ほど行われ、それが終わるころには親子共々朽ち果てていますね」
親子の再会を夢見るカプセルのタブンネ達、その夢が叶うことはなさそうだ
以上が今回見学した施設の一部である
私たちが気軽に利用するポケモンセンターは、このようなタブンネ達の努力によって成り立っていたのだ
ありがとうタブンネ!
最終更新:2014年09月29日 18:13