ミィミィマン

  • ミィミィマン1

「おりゃあ!」ブヂィッ!
「ミギャアアァァアアアア!!」
森の中で一人の男がタブンネの群を襲い、そのフワフワした尻尾を根元から引きちぎっていた。群のほとんどのタブンネは逃げる間もなく尾ナシンネとなり、尻からだらしなく血を流しながらそこら中に倒れていた。
「フフフ、お前が最後か…喜べ!お前の尻尾を以て私のコレクションは1000個目となる!貴重な瞬間に出会えて良かったな!!」
「ミィ…そんなのやだミィ…」ガクブル
群の最後の尾有りタブンネが大きな岩を背にして男の言葉にガクガクと震えていた。
「誰か助けてミィー!!」
タブンネの必死の叫びが森中に木霊する。しかしその声に答えるものは誰もいない。
「ハハッ助けなんてこねえよ、諦めて俺のコレクションに加わりな!」
「ミィーーーーーーー!!!!!」
男がタブンネの尻尾に飛びかかろうとしたその時!

「やめるミィ!!」
「何!?」
突如、草むらの向こうから声が響き、男が驚いて動きを止めていると、一匹のタブンネがトテトテと飛び出してきた。
「なんだお前!?」
男がそう思ったのも無理は無い、飛び出してきたタブンネは羽の飾りをつけたマントを羽織り、自信満々の顔で男の前に立ち塞がったからだ。
「ミィは正義の味方ミィミィマン!この世でタブンネちゃんを虐める奴はミィが許さないミィ!さあ覚悟す…」ガスゥッ!!
「ミブォオ!!」
ミィミィマンと名乗ったタブンネが前口上を言い終わらないうちに、男の重いパンチがそのブクブクした腹にめり込んだ。
「ミィガアアアァァアァアア…痛いミィ!卑怯だミィ!」ジタバタ
パンチを喰らって立ち上がれないミィミィマンを尻目に、男はミィミィマンがやられているうちに逃げようとした先程のタブンネを捕まえ、白くてフワフワした尻尾を力いっぱい引っこ抜いた。

「ミビャアアァァァァァアアアア!!!」ドサッ
最後のタブンネが尻尾を失い、見事群全員尾ナシンネとなると、男は満足そうな顔でミィミィマンに蹴りを数発入れた後帰っていった。
男がいなくなって十数分後、比較的傷が浅かったミィミィマンが立ち上がり、未だ倒れている尾ナシンネの方へ歩み寄っていき、話しかけた。
「助けられなくってごめんミィ………お詫びにこれをあげるミィ、きっと尻尾の代わりになるミィ♪」
つホイップクリーム
「要らないミィーーーーーーー!!!!!」




  • ミィミィマン2

「タブンネ短篇集「ミィミィマン2」
本業の方ではさっぱり収入のないミィミィマン、このままでは餓死するミィと一念発起して、なにやら怪しい物を作り始めた。
そして三日後
「できたミィ!はかせるおむつミィミィマン!性能もネーミングもバッチリミィ!大儲け間違いなしだミィ!!」
そう言ってミィミィマンは自信作のおむつを持って売り込みにへといった。
「こんなにいいおむつは他とないミィ!是非ともそちらで販売して欲しいミィ!!」
「しかしね、おむつは何処も飽和状態で、今更新製品なんて…しかもそんなに目新しくないし………」
「頼むミィ!このままでは飢え死にミィ!売れなかったら全責任を取るミィ!」
「今日の飯代にも困ってる奴がどう責任取るんだよ…わかった。少量だが販売しよう」
「ほ、本当かミィ!?」
「ああ、その代わりこちらの方ですこしばかり手直しさせてもらうよ、いいね?」
「それでもいいミィ!!ありがとうミィ!!」
「あっそ、じゃあ今日はこれで」
「バイバイミィ!」トテトテトテ
こうして見事売り込みに成功したミィミィマンは意気揚々とアジトへ戻っていった。

その後、発売された「はかせるおむつミィミィマン」は他を圧倒する格安さで大ヒット、
ミィミィマンは報酬として山のようなきのみを手に入れた。
「まさかこんなに売れるとは思わなかったミィ、ミィには発明の才能があるミィ」
「アイディア以外は全て我々が用意したんだがね、はいこれ君が考えたおむつ」
「ミィの持っていったのと全然違うミィ、一体何で作られてるんだミィ?」
「タブンネの尻尾だよ」
「ミギャアアアアァァァァアアア!!!」
最終更新:2014年10月07日 22:17