ある日のこと、北風と太陽が力比べをしています。
「冷たい風を吹かせるオレが強いんだ!」
「日差しを与える私のほうが強いですよ」
2人とも自分の力には自信を持っており、折れません。
そこで北風が自分の力を見せてやると言い出しました。
「あそこにタブンネがいるだろ。あいつにオレの力をみせてやる!」
そう言うと北風はタブンネに風をおもいきり吹き付けました。
「きゅ、急に寒くなってきたミィ。はやくお家に帰るミィ」
タブンネはガクガク震えながら歩いています。
「これからが本番だぜ!」
北風はさらに冷たく、強い風を吹き付けました。
するとタブンネは体が動かなくなり、カチコチに凍ってしまいました。
「どうだ!あっという間にカチコチだぜ!」
北風は太陽にいばります。
「すごいパワーですね。でもこういうやり方もあるんですよ」
そう言うと太陽は凍ったタブンネに日差しを与えました。
しばらくするとタブンネはこおりから解放され、また元気に歩き出しました。
「今度はあったかくなったミィ。変な天気だミィ」
それを見た北風は
「おいおい、そんなんじゃオレに勝てないぞ?」
と太陽を挑発しますが、太陽は少しずつ日差しを強くします。
それにともないタブンネの足がゆっくりになります。
「今度は暑くなったミィ、み、水が飲みたいミィ」
タブンネは汗をかき、ハアハアいいながら家に帰ります。
が、強い日差しにやられ、とうとう倒れてしまいました。
「どうですか太陽さん、こういうやり方もあるんですよ」
「じわじわ苦しめるやり方か…恐ろしいぜ」
「でもあなたのパワーはすごいですよ。この勝負引き分けでどうでしょう」
「オレもそう思ってたんだ。これからも仲良くやろうぜ、太陽!!」
こうしてお互いを認め合った北風と太陽は
いつまでも仲良くしていたそうです。
一方タブンネは凍傷、日射病、脱水症状に加え
激しい寒暖の差で風邪をひいてしまい苦しんでいましたとさ。
(タブンネ以外は)めでたし めでたし
最終更新:2014年10月07日 22:20