ここは日本、と言っても我々の日本とは違うパラレルワールドの日本である
そしてそこには食べ物や妖精などが意思をもち住んでいた、舞台はそこの一角のパン工場から始まる
「ジャムおじさん、今日もパトロールから戻りました」
空から工場の下に舞い降り扉くぐる影、顔がアンパンの僕らのヒーローアンパンマンがパトロールから帰ってきたのだ
「ああ、アンパンマンお帰り」
「アン」
優しそうなおじいさんのジャムおじさんと名犬チーズが出迎える
「あれ、ジャムおじさん何かあったんですか?悩んでるようですが」
「んーわかってしまったか」
アンパンマンは長年の付き合いからすぐさま悩みを見抜いた
「実は、先月頃から北の綺麗な湧水が出る山から不気味な生物が湧いて来とるんだ」
「不気味な生物?」
「ああ、その個体、タブンネというらしいがものすごい数でなピンクの肥満のだらしない体に潰れたような汚い顔、さらに体から悪質な脂を出して水を汚しているんだ」
「それじゃあパンを焼くための水が汚染されるんじゃ」
「ああ、このままではみんなに美味しいパンを提供できなくなってしまう」
「ならなぜもっと早く僕に言ってくれなかったんですか!」
「しかし・・お前をあんなおぞましい悪臭集団の元に送るのは・・」
「大丈夫です僕はみんなの笑顔がみたいですから」
「そうか・・・頼んだぞアンパンマン」
「アン」
「じゃあ行ってきます!」
北の綺麗な湧水が流れる川の上流
そこに千匹は下らないタブンネの集団がひしめいていた
奴らは自らの脂で水が濁るのを楽しんだり糞尿垂れ流しながら追いかけっこしたりと下劣の限りを尽くしていた
いずれも下品な顔をし涎を垂らしながら遊んでいたが
「やめるんだ!タブンネ!」
アンパンマンがアンキックで不意打ち一匹のタブンネを砕く
「ミギャァ!!」
粉みじんになった仲間を見て周りのタブンネは一斉に鼻から息をブヒブヒ吐き全身の脂肪をブルブル震わせる
その姿は見るものを悪寒させるとても気持ち悪い光景だった
もしこれが常人だったら吐き気を催していただろうが彼は正義のために来たのだ
その心が吐き気に勝ったのだ
「君たちは川を汚しているのがわからないのか」
「はっだからなんだってんだよミィ」
「ミィたちの脂肪駅でこんなどぶ色で美しいじゃないかミヒヒ」
「みっひゃひゃ・・ミガァァァ!」
卑しく笑うタブンネにアンパンマンは電光石火のスピードでアンパンチを放つ
その勢いは凄まじく縦一列のタブンネを貫通し一気に50匹以上駆逐する
その後もジャイアントスイングで一気に倒すがこのスイングがまずかった
ここは水場水が舞い上がってしまい顔にかかってしまったのだ
「うっ顔がふやけて力が出ないよ」
さらにこの水は脂で濁っており汚い汚水と化していたので数倍弱ってしまったのだ
タブンネ共は下品な笑いを浮かべながらアンパンマンを囲んでいく
絶体絶命かと思われたがその時
「ハーヒフーヘホー!どけどけ!」
バイキンUFOに乗ったアンパンマンの宿敵、いつもアンパンマンに悪戯をするバイキンマンがタブンネを蹴散らしたのだ
「やいやいやいアンパンマン、おまえを倒すのはこの俺様だ!だからこんな汚らしい油野郎に負けるんじゃない」
そういってバイキンUFOの手に持っている風呂敷をアンパンマンに投げる
「こ、これは」
そう、それはジャムおじさんが焼いた新しい顔だった
「あとは自分で何とかしな!バ~イバイキ~ン!」
「バイキンマン・・・よし!」
アンパンマンは古い顔を外し胴体の上に新しい顔を乗せる
「元気100倍!アンパンマン!!」
その瞬間まばゆい光がアンパンマンを包む
「行くぞ!元気100倍!アーンパーンチ!」
アンパンマンを包む光がこぶしに集まりそのこぶしを神速で体ごと突っ込む
それによりアンパンマンは一本の巨大な光の矢となったのだ
「「「「「「ミギャー!」」」」」」
その巨大な光の矢は次々とタブンネを消し去りついには全ひきを一瞬で消滅させたのだ
こうして水は元の輝きを取り戻し今日もジャムおじさんはみんなのために美味しいパンを焼き続けるのだった」
終わり
最終更新:2015年02月11日 01:47