育児の限界…そして

俺は我慢に我慢を重ねて育ててきてやった。
しかしこのつけあがり、学習もしない下等な馬鹿はもうたくさんだ。

「チィチィー!」
あれだけ躾けてまともにしてやろうとしたのにもう便を垂れ流しながらエサをねだりに来た。
このクソベビ……いやベビンネの種族自体が頭が悪く協調性がない自分よがりの馬鹿という事がよくわかった。
「おい、ベビクソ……」「チィ!」
「あまり人間様をなめるな!このゴミカス以下のゲロクズが!!」
俺は急いで鉄板入りのブーツに履き替え蹴り上げるように蹴りを放つ。
「ヂギャアアアアアアア!!」
ベキバキボキと小気味のいい音を立てくねくねダンスのように変な体制になり吹っ飛ぶベビンネ。
普通に動いてくるときは常にムカつきの対象にしかならないがこう馬鹿みたいに吹っ飛ぶと良い笑いものになる。

「ヂ……ギャ……」
まだ動けるらしい。
流石に俺をにらんでくるかと思ったが……。

「ヂ……」「ん?」
「ヂィィン……」
なんと。なんとこのゴミ俺に媚びてきやがったのだ。
普通生物ならここまでされたら生存本能で俺に敵対をするはず。
それなら俺も男としてこいつを認め寛大な慈悲の心で救ってやろうと思った……だが。
こいつはそれすらせず他人によりそり自分では何の努力もせず、ただ、ただ媚びてその場を何とかしよう。
そんな下種以下の下等な考えに至ったのだ。


「く、くそがぁ!」
俺は壁に立てかけておいた棍を握りしめる。

俺はこれでも棒術の心得があり大会で優勝経験もある。
大会では自分よりも一回り大きい相手にもひるまず、勇気を持ち相手の力による打撃を受け流し。
そして一瞬のスキを突き相手の急所に打撃を与え倒す、どんな屈強な相手にも立ち向かう勇気をもって戦ったのだ。
勇気とは力、何事にも恐れず立ち向かうことはどんな才能にも勝るのだ。

俺の手持ちのとの格闘ポケモンの手合わせの時も同じだ。
人よりはるかに強靭な力を持つ格闘ポケモン。そのポケモンにもその強さに敬意を示しその力を恐れず信頼し手合わせをしたのだ。
何も武術は暴力の為に生まれたものではない……。
互いの実力を認め合い。友情を深め合い更なる高みに昇華する為にもあるものだ。
そこにはトレーナーとポケモンの関係を超えた熱い友情が確かにそこにあった……。

だからこそ俺はベビンネの面倒もみてやった、しかしこいつは学習しない、いう事きかないの協調性がないどころか……。
事もあろうか俺との信頼を裏切り媚びたのだ、媚びたら屑だ人もポケモンも人任せにせず、まっすぐとこの大地に立つ必要がある。
なのに俺との信頼を裏切り媚に入ったこいつはもうドブ以下の廃残物だ。

ベビンネは尚も未だにチィチィ媚び続けている…不快だ、不愉快だ……。
俺は棒の上段と下段で相手の上半身と下半身に同時に打撃を放ち相手の動きを封じる。
バキッ!バキッ!。と心地の良い感触が手元に伝わる。
「ヂギャアアア……アガ」
その五月蠅く不快な悲鳴が響き渡る前に俺は体制を立て直し…。
喉にめがけて突きを放つ!

ゴキンという心地よい音と衝撃と共にベビンネが沈黙する。
当然の報いだ……人との協調性を持たずさらにその人に寄りすがり生きていこうなど下種の考えをする奴には当然の末路だ。


「ミッ!ミミッ―!!」
ベビンネの五月蠅い悲鳴を聞きつけたのかママンネが血相を変えてそのノロい足で走ってきた。
ポテポテポテポテとウスノロい、本当にこいつらは俺をイラつかせる事しかできないのか。

「おい、どうしたそんなに慌てて。」
ノロい足につきやってやる義理もないので俺が走っている途中のママンネに話しかける。

「ミィ!ミミィ!ミーーーーーーー!!!!」
手をバタバタさせるだけてつたえる意思があるのかこの低能……。
まあ。大方この棒の先でぶら下がっているベビンネだったもののことだろ。

「こいつのことだろ」「ミィミィ!」
俺が低く氷のように冷たい声で言うと、ママンネはぶんぶんと顔の贅肉を揺らしながら上下に振る。
正直気持ちが悪い……ベビンネ以上にこのママンネも憎悪の対象だ。

「なら自分で見てみろよ…おら!」
俺は遠心力を利用してベビンネをママンネに剛速球のように飛ばす。
いきなりの打撃にママンネが壁まで吹っ飛び叩きつけられる。
ベビンネよりも自分の体が傷ついたことに涙し何で!どうして!わからない!とミィミィ文句をいう。
「自分がどうしてこんなことされるのかわからない?」
「ミィミィ」
また顔の贅肉を揺らし上下に振るう。
「なら今その体に叩きこんでやるよ!」「ミギャアアア!!」
俺は根の先っちょを両手で持ち遠心力の力で体を一回転させスイングを叩きこむ!
叩きこまれたママンネはベキといい音を立てながら反対側の壁まで吹き飛んでいく。


俺はそこで終わらない。
壁についている間に根を自由自在に操り全身を打撃で打ちのめしていく。
インパクトの瞬間に力を込め打撃が伝わりやすくした俺の一撃は容易くママンネを粉みじんにする。

「さてと……お前はどうだ?」
俺はボロボロになったママンネを見下すとママンネは……。
「ミィ・・・ン」

やはり……やはり俺との信頼を裏切り媚に走ったのだ!
俺は台を利用して空高く舞い上がりその重量を生かして根を叩きつける。

ビジャアアアア!

飛び散る肉と液体……。
そして静かになる静寂の時。
俺をストレスで縛っていたものはすべて消えた、やはり愛玩ポケモンはマリルやプリンなど正統派ポケモンのほうがいい。

あえてママンネやベビンネを家に置いておいたのは他の人と違うことをやってみたかったからだ。
友人や親兄弟には普通のポケモンにしておきなさい、きっとストレスがたまると反対されたが……その通りであった。
自分に奴らは可愛い可愛いと暗示を無理やりかけてかってみたが……下種は下種、やはり無理があった。

俺は風呂場に清掃道具を取りに行きながらこれから迎え入れる可愛いポケモンのことを考え。
ネガティブな思考を吹き飛ばし清掃に掛るのであった。

(終わり)
最終更新:2015年02月11日 15:21