キリリリリリ!キリリリリリ!
エルレイドとキルリアの家に聞きなれない携帯の着信音が鳴り響く
キリキザンが昨日泊まりに来て忘れて行った物だ
キルリア「あれ?キリキザンさんが忘れて行ったのかな?」
キルリアが携帯を取る。兄のエルレイドがかけてきたのだ
エルレイド「あー、キルリアか、良かった。これからキリキザンが携帯取りに行くからさ、渡しといてくれよ」
キルリア「テレポートでお兄ちゃんが渡してあげればいいじゃない」
エルレイド「ちょっと僕にしかできない仕事があってね(いやしのはどう)それで直接行くってさ」
電話の後、10分ほどでキリキザンがやって来た
キリキザン「いやぁ、ゴメンゴメン、うっかりしてたぜ」
キルリア「いえいえ、・・・少し疲れてるようですね、飲み物をお持ちしましょう」
キリキザン「あっどうも」
キリキザンは家に上がってジュースを御馳走になった、すると奥の部屋からミッミッという泣き声が聞こえてきた
気になって覗いてみると、そこには楽しそうに遊ぶ逃げ出したと言われていた子タブンネ姉弟がいた
キリキザン「あ゙ーっ!て、てめえ見ないと思ってたらこんな所に居やがったのか!
さあ来い!競技に参加してもらうぞ!」
幼女タブンネ「そんなの嫌だミィ!エルレイドさんが助けてくれたんだミィ!
お前なんか弟のキルリアさんがやっつけてくれるミィ!」
弟タブンネ「そーだミィ!そーだミィ!」
キリキザン「エルレイド?あいつがねぇ…」
キルリア「ちょっと待って下さい!」
キリキザン「何だ?」
キルリア「小さい方は今日の晩御飯にするって言ってたから置いてってください」
弟タブンネ「ミィィィィィィィィィ?!」
キリキザンは幼女タブンネを引きずって会場に戻ったが、既に閉会式も終わっており
会場にはうつろな顔でわが子の残骸を掃除する親タブンネと、子タブンネの魂を集めているミカルゲが居るのみであった
キリキザン「もう終わっちゃってたか… 最後の競技見たかったなぁ」
ミカルゲ「あとでDVDを作るらしいから安心するみょん。ところでその子タブンネはどうしたみょん?」
キリキザン「競技に参加しそびれちゃってな… そうだ、いい事がある、
ちょっとムンナの所へ行こうぜ、その魂を持ってきてな」
ミカルゲとキリキザンは幼女タブンネを連れてムンナの所へ行った
その日の夜、エルレイドの家にミカルゲとキリキザンが夕食をごちそうになりに来ていた
食卓には弟タブンネの生きたままオーブンにぶち込んだと思われる凄い形相の丸焼きがデン!と乗っかっている
キルリア「す、凄い美人のミカルゲさんですね!ささ、おひとつどうぞどうぞ」
ミカルゲ「うふふ、ありがとうだみょん」
キリキザン「おまえら不定形の美的感覚はよくわからんよ…」
エルレイド「そんな事より姉の方はどうなってんだ!」
キリキザン「ああ、子タブンネ共の魂をあいつの夢の世界に閉じ込めた後、元園長の家の前に放してやった」
エルレイド「なんだ、逃がしてやったのか、つまらないな」
ミカルゲ「そんなことないみょん、なにしろあれだけ苦しんで死んだ子タブンネの魂が
成仏も転生もできず夢の世界であの運動会の事を思い出し続けるんだみょん」
エルレイド「するとどうなる?」
キリキザン「そうすると、あの子タブンネが眠るたびにだな、あらゆる子タブンネの視点で運動会に参加することになる」
エルレイド「それは面白い、でも僕はあいつをタブンネ食いタブンネに仕立て上げるつもりだったんだけどね」
数ヵ月後、元園長に保護され、一緒に暮らす幼女タブンネがいた
しかし眼には大きな隈ができ、げっそりとやせこけて死んだような目つきをしていた
幼女タブンネ「眠いミィ…眠りたくないミィ… 眠ったら、また・・・」
『さあ、始まりましたタブンネ大運動会、最初の種目はタブンネ騎馬競争ズル』
眠るたびに夢の中で繰り返されるタブンネ運動会、幼女タブンネはそろそろ百回近くになる運動会に参加する事になる
最終更新:2014年06月18日 03:31