Schultz(詳細・ネタバレ編)
- ヒューム♂、1b(茶髪)、通常配置無し
- シュルツ流軍学の第一人者。
- フルネームはGunther Schultz。
「アルタナの神兵」で解禁となった新ジョブ「学者」。登場するNPC、そして学者の道が開かれた冒険者達(プレイヤー)も共に「シュルツ流軍学」を学んでいくことになり、その第一人者とされるのがこのシュルツである。バストゥークにその名を歴史に残す伝説の名参謀・グンサーシュルツと同姓同名の彼は、一体何者か。それは学者の路を進む冒険者に明らかになっていき、大きな衝撃を与えることになる。
混沌の世を飄々と渡り歩く天才軍学士
Schultz :混沌の世にはワラをもつかむ思いで人びとは自分を救ってくれる力にすがるもの。 それは、ある時は優秀なカリスマ的指導者かもしれないしある時は絶大な威力を誇る兵器かもしれない。けれど、この戦争を本当に終わらせることができるのは軍学を修めた私たちの知識と行動しかない。そう私は本気で信じているんです。いつか君にも、きっとわかる日が来るでしょう。おっと、いけない。残念ながら、悠長に講釈している時間はないんでした……。シュルツ流軍学は「知行合一」。実践を重んじます。君自身が戦いの中で研鑚してはじめて血となり肉となる学問です。<PC Name>。強大なグリモアの魔力に弄されることなく自身が進むべき道を見極めなさい。
これが、新たな門下生となった冒険者に初対面となるシュルツ「先生」が投げかけた極意である。時はクリスタル大戦、獣人と人間がお互い手を組み連合を成し、そしてヴァナ・ディールの主導権を決する為に勃発した歴史的戦乱の時代であった。そんな時代に「学者」は軍師として、戦場でその知識を用いて兵の指揮をしていた、そんな時代。
冒険者をはじめ、全ての学者達の先生にあたるこのシュルツは、どこか浮世離れした風変わりな人物だったようだ。「過去のバストゥークの英雄と同姓同名であられ、百年に一度の不世出の天才」といわれながらも、常に一箇所に留まらず、時には何処にいるか門下生達の誰一人分からないときもあるようだった。「行方不明」になったシュルツの居場所を「推理」し、当てた門下生
Nicolausに至っては、その出来事がまるで武勇伝のように語れる有様である。
学者とは特別な本「グリモア」を用いて「陣」を使う特殊な技能を持っているが、シュルツは今も「陣」を研究し続けている様子である。そのうちのひとつは、ヴァナ・ディールとは異なった時間が流れる異空間へつながるものもあるようだ。この時
Nicolausは三週間失踪していたシュルツの書斎に「陣」を見つけ、それから「先生は自分の部屋を出ていない」と推理し、呼びかけただけだったという。
Nicolaus先輩からのヒントをもとに、冒険者はシュルツと再会することに成功する(学者AFクエスト1)。その時シュルツは、血盟軍の軍師にしてやられたと笑い、パシュハウ沼から(無事ではあるが)動けない状態にあると語った。
そしてその場を去る冒険者をパシュハウの丘から見送るシュルツに、背後から語りかける声があった。
??? :してやられたな、シュルツ。
Schultz :予測どおりですよ。彼は探究心がひと一倍強い生徒でしたから。思った以上に、早かったですけれどね。今回の計略にしても満点をあげたいぐらいです。……ま 時に優秀すぎるのは命取りにもなりますけれど。
??? :手駒から指し手と対等な扱いを要求されても、対局にさしつかえよう。それとも……それも計算のうちか?
Schultz :さてね……すでに手は打ってあります。結果がどう出るかは、まだ未知数ですがね。
??? :ほぅ、それは楽しみだな。
この影は何を意味しているのか……。
「連続魔道士失踪事件」、そして血塗られたグリモア(AFクエスト)
アルタナ連合軍の魔道士が謎の失踪を起こす珍事件が多発するようになった事を憂いた冒険者の良き先輩学者・
Erleneは、その捜査を冒険者に頼む。その際捜査に合流したのは各国の軍師達Machudiaux、Lena、Nalkuku、と、兄弟子
Ulbrecht。しかし同様に捜査会議に参加するはずだった同門下生のFhen Lakrifhelが現れなかった。その事を不審に思った一行は、彼女も失踪事件に巻き込まれた可能性を考え、その足取りを追う事にした。
ソロムグ原野〔S〕までその足取りを追った一行は、手分けしてそこでFhenの行方を探る手がかりを探すことにした。一人捜査を続けた冒険者は、そこで奇妙な魔方陣に引きずり込まれることになってしまう。
そこで目にしたのは、既に帰らぬ人になってしまったMachudiauxと、
Ulbrecht。
そこで明らかになったのは、「連続魔道士失踪事件」の犯人は
Ulbrechtだったこと。そして他の学者の先輩達は既に彼の手に掛かって殺され、そしてこの異空間に証拠隠滅の為に隠されていた事だった(「隠すには、もってこいの場所」)。そして
Ulbrechtはグリモアの真実について冒険者に語りだした。
グリモアは本来、魔道士の血を吸わせる事によって、より魔道書としての本来の力を発揮するのだという。より効率的に、より高性能に、を求める
Ulbrechtがこれに着目するのは時間の問題であり、彼は最初血盟軍の獣人魔道士の血でこれを試した。しかしグリモアに書かれた魔文字を、人語を理解できない獣人(ヤグード、オーク、クゥダフ)の血を吸わせたところで効果はなかったようだ。そこで
Ulbrechtは次に施療院に忍び込み、負傷した魔道士の傷口にグリモアを浸してみたら、その魔文字が紅く輝きだしたという。彼の推理通り、文字が理解できる魔道士の血によりグリモアが覚醒したのだった。
全ての頁を同様に覚醒させるために、
Ulbrechtは罪を重ね、事件について学者が捜査に駆り出されると知り、更に参加したのだった(新たな血を得るのと、事実隠蔽の為)。その場で冒険者を葬ることは不可能だったが、ゆくゆくはグリモアの贄として、そして証拠隠滅の為に再び
Ulbrechtと接触するのは容易に想像がつく。
Ulbrechtの正体を知り動揺する
Erleneだが、冒険者と共に真実を追うことを決意し、助けてくれることになった。彼女は、シュルツの関与を疑う。そして冒険者が手に入れた、シュルツが
Ulbrechtに宛てた封書の解読に協力してくれた。
「密に魔を宿せし生血を糧とし真の戦術魔道大典は育まれん。其が名は『真紅のグリモア』と云ふ。然れども、其が血 塵界の魔に穢れしままなればただ大典を濡らし、徒に魔文字を滲ますのみ。汝、真の大典を欲さんと願うならば『退魔の秘石』が溶け出でし源泉を見出し、其が穢れを濯ぐ要あり」
これこそが血塗られた「真紅のグリモア」を生み出す手掛かりであり、
Ulbrechtを見つけるヒントになるのではないかと推理した
Erleneは、その居場所が「ルホッツ銀山」に
Ulbrechtがいると分析した。
冒険者が見つけた魔方陣の中に居た
Ulbrechtは、冒険者を葬り去ろうと戦いを挑んでくる。やがて追い詰められた彼は、真紅のグリモアを使おうと手にするが、逆にその魔力に取り込まれていく。本から生まれた赤黒い渦に体ごと沈んでいく
Ulbrechtと冒険者の前に現れたのは、シュルツだった。
Schultz :己を知ることは、軍学の基礎中の基礎ですよ。生兵法は、大ケガのもと」……そう教えましたね? ウルブレヒト。人は己が至らぬを知るときそこに進歩が生まれ、発展するものなのです。たとえ、全知なるものが存在し手に入れることができたとしても君は人として終わっていたでしょう。ふぅ……それにしてもグリモアの叡智の魅力に抗えず、自らもその頁となる……。ある意味、君は夢をかなえたのかもしれませんね。
Ulbrecht :せ、先生……僕は……僕は、あなたに近づきたかったんだ。たとえ、その正体がなんであ……
そして
Ulbrechtは真紅のグリモアに完全に飲み込まれてしまった。地面に落ちた真紅のグリモアを手にし、シュルツは冒険者に「数年後か、あるいは数十年後かに相まみえましょう」と言い残し、黒い霧と共に消えていった……。
最初で最後の課題(学者限界突破クエスト『グリモアを継ぐもの』)
現代のザルカバードで冒険者を待っていたシュルツ。その姿は20年まえと変わらず、そして冒険者に「それにしても懐かしい。20年ぶり……かな?おっと、失敬。君には、昨日のことのように思えているのかもしれませんね……。」と、冒険者が(「アルタナの神兵」でのイベントにより)過去と現代を行き来できる存在であることに気付いている素振りを見せる。そして、冒険者へ「シュルツ流軍学の師として君に最初で最後の試練」を与えると語り、「いやね「グリモアを継ぐもの」としてまた最後の高弟として、君が相応しいかどうか師として見定めたい」と言い残す。
「偉大な学者の証」を見つけ出し、ズヴァール城・王の間へ向かうのがその課題。それを無事に終わらせた冒険者に、シュルツは「ここからが、本試験」と語り、自ら冒険者の成長を見定める為に対峙する。
その手には、真紅のグリモア。
戦闘スペック:Gunther&Crimson Grimoire
シュルツ(本体):連環計 / 黒のグリモア / 白のグリモア / アスピル / ウォータIII / エアロIII / ケアルIV / サンダーIII / シェルIII / ストーンIII / プロテスIV / リジェネ /
真紅のグリモア:エアロII / サンダーIII / シェルIII
BC突入時
Schultz :算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るをいわんや算なきに於いてをや……。はたして、君には一分の勝算でもあるのかな?
戦闘開始時
Gunther :さて、と。それではお手並み拝見といきますかね。
被ダメージ時
Gunther :ふふ、やりますね……。
連環計使用時
Gunther :そろそろ締めといきましょうか。
魔法使用時
Gunther :この魔法はどう防ぎますか?
戦闘終了時
Gunther :残念ながらここまでですね。
GuntherのHPを7~8割減らすとイベントが始まり、クエスト及び学者、そしてシュルツ関連のクエストの一連の終焉とも言えるイベントが始まる。そこではシュルツの正体及び学者達のその後等が語られている。
グンサー・シュルツの真実、そして学者のその後
学者習得クエストで始まり、AFクエスト、そして限界突破クエストを通して語られていく、シュルツの物語。多くの人生に影響を与え、時には狂わせ、彼はどこからきて何処へいくのか。ここでは最後の「種明かし」としてなされる最後の彼とのやりとりをまとめてみた。
Schultz :でも、ふふふ……君と私は似ているのかもしれませんね。お互い、訳ありという点で……。おそらく、察しのよい君のことだから気づいてはいるでしょうがすでに、私は人間をやめて久しい身。そう、いまを遡ること200年ほど前……
200年前の英雄・シュルツ流軍学の開祖グンサー・シュルツ(まとめ)
生没年:天晶暦664~701。第二共和軍団参謀長。
画家を志すが生計を立てることは叶わず、やむなく戦争画家として従軍。その時に戯れに描いた敵の行軍予想図がことごとく的中し、参謀部がスカウト。以後、クゥダフ討伐やガルカ傭兵の乱、バルクルム紛争などを勝利に導き、名声を得る。特に歴史にその名を残すきっかけとなった天晶暦691年勃発の「コンシュタット会戦」ではサンドリアの狼王
Raigegue R D'Oraguilleの猛攻を退ける、鮮やかな策略を見せ付けた。
ウィンダス連邦のかつての大魔元帥ルンゴナンゴの遺した魔道書を基盤に、、魔法と用兵術を組み合わせた軍学書「グリモア」を作り出した。その研究はシュルツ流軍学として後進に受け継がれ、クリスタル大戦時の学者達へと続いていった。
戦線を離脱した彼はそのまま退役、その時の経験を元に「シュルツの戦略論」を執筆。その後カザムに渡り隠居し、静かに絵を描きつつひっそりと余生を過ごしたとされている。最後は病死したと記されている。
「二人のシュルツ」の関係
結論をいうと、200年前のシュルツとこの「シュルツ二世」は同一人物である。片眼を負傷した後も病床にありながら第二次コンシュタット会戦で勝利をもたらし、戦後「シュルツの戦略論」を書き上げ隠居した彼は静かに好きな絵を描きながら死を待つのみの生活だった。
しかし病の床に伏せたシュルツは計らずも後悔の念に駆られた。「まだ、試していない戦術。設計図だけの兵器。理論はできている新戦術魔法。すべてが私の死とともに潰えてしまうことに……。」そんなシュルツの心を感じ取り、現れたのは悪魔……
Count Bifronsだった。
Schultz :彼は、私の戦術に並々ならぬ関心があったようです。 以後、彼に与えられた魔物の肉で不老不死となった私は、この世を遊戯盤として彼の要求に応え、数々の対局を繰り広げてきました。
その後のヴァナ・ディールの歴史は、二人にとってはチェスの遊びのようなものにすぎないのかもしれない。
Schultz その後、世界で起きた数多の戦争や紛争で、私と彼の対局の影響を受けていないものの方が、少ないぐらいです。先の大戦とて、そうでした。私は人間側。彼は獣人側を選びました。ただ、明らかに私の方が駒落ちで、不利な対局。そこで私が用意した新手。それが、君の手にしている「グリモア」とそれを用いる門下生、軍学者の投入だったのです。
その後、「学者」と門下生がたどった末路
クリスタル大戦時にグリモアの改良も相まって、軍師としてその地位を高めた学者達だったが、「連続魔道士失踪事件」がもとでジュノ大公国から危険分子の烙印を押される。大戦後、各国は一斉にグリモアを禁書とし、門下生への弾圧および焚書が始まった。「国外に追放された軍師……いわれなき罪で捕縛され、獄死した参謀……一時期流行した学者狩りで暴徒に殺された史家……受難の時を経て軍学者……特にグリモアを用いる我が門下を継ぐ者は表向き絶えてしまいました……。」
Erleneも、当時は重要参考人としてジュノへ赴く場面もあったが……。
事実上、シュルツの門下生はクリスタル大戦後、根絶やしになったと言え、シュルツ自身も冒険者を「最後の門下生」と語っている。もちろん、これは歴史として残っている部分であり、名前を変える等して弾圧を逃れた「先輩」も居る可能性も無い訳ではないが、現在では不明である。なお、この一連についてシュルツはこう語っている。
Schultz : いずれにしても我が門下生の非運を想うといまにも私の胸は張り裂けそうです……と、言いたいところですがとうに私の流すべき涙は涸れてしまいました。この眼窩で動く義眼には必要ありませんからね。心とて同じこと……まがい物なのです。
そんな彼だが、冒険者に何かしら似通った好奇心、飽くなき追求心を感じ取っているらしく、それなりに特別な存在と思っているようだ。だからこそ、これら全てを最後に語っていると思われる。
Schultz :知的好奇心は学者の宝。大切にすることです。ただし、私のように限度を越えぬよう……。
Schultz :我々の軍学の旨は「知行合一」いつの日か、またヴァナ・ディールに軍学が必要とされる日が必ず訪れるでしょう。そのとき君は私と同じ陣営につくのでしょうか?それとも……。ふふふ、楽しみですね……。というわけで、此度の対局はお預けとしましょう。来たるべき新たな戦が始まる、その日まで……。
最終更新:2008年07月24日 17:57