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 下を見るけど視界が悪いから全然下着が見つかんない……
 そしたら美優がいきなり見の前にでてきて、私は腕ごと抱きしめられた!
『ふぎゅっ!』
「久しぶり!サキちゃん♪」
 美優は頭を私の胸にうめる……やっぱり苦しい……

「……会いたかったよ……ぐすっ……」

 !…… 

 美優は私の胸で泣き始めた……しばらく私がサキになってあげなかったから寂しかったのかも……
 私は美優の手を解き、頭をなでなでしてあげた……

「ぐすっ…ぐすっ……あっ!」
 美優は急に胸から顔を離して目をゴシゴシとふいた。

「ごめんね……私……お姉ちゃんなんだから泣いちゃダメだよね!はい、これ下着♪」
 見つかんないと思ったら美優が持ってたんだ……

 私はショーツを受け取り、股が濡れてるのがばれないようにすぐに身に付ける。
 マスクしてるからすごく大変……
 でもブラジャーを渡してくれない……私は胸に手を当ててブラジャーを貰おうとした。
「ブラジャー?つけなくてもだいじょぶ!あとでわかるよ♪」

 ブラジャーなしなの?……なんか落ち着かないよぉ…… 

 もじもじしている私を見ながら、美優は部屋の隅に置いてある紙の手さげ袋を持ってきた。
 たぶんあの中に今日着る服が入ってるんだと思う……
「今日のテーマはメイドさんじゃなくて私服のサキちゃん♪って感じでいこうと思うの!」

 ……私服?

 私が首をかしげると美優はニコニコしながら袋の中から服を取り出し、それを床に並べた。

 袋の中には目があれで色がよくわかんないけど、白のニーソックスに白のスカート、白いカーディガン、
 そしてたぶんピンク(?)のキャミソールが入ってた。

「はい!足上げてね♪」
 美優の肩に手を置いてニーソックスを右足、左足と履かせてもらった。
 長さは膝の上あたりまである。この前みたいなフリルはついてないみたい……
「次はスカート履こうね♪」
 続いてスカート。これにはちょっと控え目なフリフリがついてて、内側にレースがついてる。
 丈は……かなり短い……階段とかでショーツが見えちゃうぐらいの長さ……

 ちょっとこれ……恥かしい……短すぎだよぉ……

 マスクの中で顔が真っ赤になった……もちろん美優には見えてない……
 それに美優はさっきからテンションが上がってきてる……

「次は……これこれ!ピンクのキャミソ~♪サキちゃん!バンザイして♪」
 言われたとおりにバンザイする。美優は上からキャミソールを着せた。
 キャミソールはニット状の生地で胸がちょうど隠れるくらい。お腹もちゃんと隠れるからちょっと安心した……
 肩ひもはなくて胸の谷間のところのひもをちょうちょ結びで縛って落ちないようにしてる。
 今ブラジャーをつけなかった意味がわかった。これだと肩が見えちゃうからだ……
 肌タイ着てるけど……やっぱりノーブラで服着るとそわそわする……

 なんか……着せ替え人形みたい……さっきからされるがまま……
 それに……ずっとドキドキしてる……暑いよぉ……

 サキになってから胸のドキドキが止まらない……
 そのうえ服着たから肌タイがうっすらと汗ばみ始めてきちゃった……

「これが最後だよ♪そのままにしててね♪」
 美優はカーディガンの袖に右腕、左腕と私の手を通す。
 袖の長さが肘までぐらいで丈も短いショートカーディガン。ボタンが無くて前が全部開いてるデザイン。
 胸が大きな人なら似合うかもしれないけど……

「はい!サキちゃん私服バージョン完成♪ほらほら、鏡見て!すっごくかわいいよ♪」
 そういって美優はあらためて私を鏡の前に立たせる。
 美優は相変わらず絶好調だ……

 鏡に映ったサキは、ピンクと白の元気一杯な女の子って感じに着飾っていた。
 かわいいと思うけど自分じゃこのカッコはできないと思う……

 ピンクだ……スカート短い……見えちゃうよぉ……
 胸も見えそう……恥かしい……あぅぅ!
 私じゃないみたい……また感じちゃう……

 それもそのはず……私はもう……サキなんだから……

 鏡の中の私(サキ)を見てたら美優がグイグイ手を引っ張る。なんだろ?
「サキちゃん!今日はお外で写真撮ろ♪」

 お外?……
 え!そんなの聞いてない!

『やらよほ!』(やだよお!)
 美優の手を振り払い首を横にふる。こんなカッコで外に出たくない!

 美優は優しく微笑みながらサキの口に指を当てた。
「しゃべっちゃダ~メ♪今なら人いないからだいじょぶだよ!それに誰が入ってるかわかんないし♪」

 こんな早くに私を呼んだ理由がわかった……外で撮影会するためだ……
 だからメイド服じゃなくてこの服装なんだ……
 美優の部屋で撮影会するならいいけど……外はいや……
 たしかに顔は見えないけど……いくらなんでも恥かしすぎるよぉ……

 私はイヤイヤした。

 そしたら美優は意地悪そうな顔をした……何か企んでる……
「じゃあサキちゃんの秘密……ばらしちゃおっかな~?」

 ドキッ!

 心臓が止まった気がした。
今となっては美優の握っている私の秘密は2つもある……
 部室での居残り練習のこと……それに着ぐるみを着て感じちゃうこと……

 ずるい!……そんな手使うなんて……

 秘密だけはばらされたくない……私は首を横にふった。
「じゃあお外に出てくれるのね!?」
 美優がまた飛びっきりの笑顔で私を見る……私は渋々頷いた。
「ありがと♪あ!カメラ忘れてた!ちょっと待っててね♪」
 美優は急いでデジカメを取りに行った。

 美優……ずるいよ……でも……外に出なくちゃいけないんだ……どうしよ……
 心臓がバクバク鳴ってる……体も……震えてる……
 それに……また……濡れてきちゃった……

 時計を見る……5時半になってる。行くんだったら早くしたほうがいいかも…… 

「よし、準備完了!行こっ!サキちゃん♪」
 美優は肩からさげたポーチにデジカメを入れ、私の手を引っ張って一緒に玄関に向かった。

 美優に私が履いてきたスニーカーを履かせてもらう。ちょうど白だから服に合ってるかも……
 肌タイを着てるからなんか違和感がある……少しきつい……

 美優はそ~とドアを開け、頭を出して周りの様子を伺っている……さすがに近所の人に見られるのは嫌みたい。

(今ならだいじょぶ……さっ行こ♪)
 美優は小声で合図し、一緒に外に出てドアをバタンと閉めた。
 そして美優は鍵をかけた。外はさっきより明るくなってきていた。

 ほんとに……着ぐるみのまま外に出ちゃった……鍵もかけちゃったし……
 ……あぅぅ!……だめだよ……こんなことで……感じちゃ……

 心臓が破裂しそう……落ち着こうとしても全然だめだった……


(サキちゃん!こっちこっち!見つかっちゃうよ!)
 美優がいない!周りを見回すともう階段のところにいる!

 待って!独りにしないで!

 あわてて美優のもとへ駆け寄る。マスクをかぶってるからかなり走りにくい。
 やっとの思いで美優に追いついた。ちょっとしか走ってないのに体中が汗だらけ……それにすごく疲れる……
『ふぅ…ふぅ…ふぅ……』
(ごめんね!私もちょっと焦っちゃってて……階段おりて裏口から出れば、ほとんど人がこない通りに出るから急いでいっちゃお♪)

 そっか……着ぐるみの私と一緒じゃかなりはずかしいよね……
 急がなくっちゃ!

 私は美優に手を借りてなんとか階段をおりて一緒に裏口から出た。美優の部屋は2階だったから助かった……
 そして私たちは下町みたいな懐かしい雰囲気の細い通りに出た。

「サキちゃん!こっちこっち♪」

 へ?

 カシャ!

 振り向いたらカメラのフラッシュが目に飛び込んできた。もう撮影会は始まっちゃったみたい……
「う~ん……フラッシュいらないかも……目が光っちゃうし……」
 さっき撮った写真を見ながら美優は一人で考え込んでる。なんか私はおいてけぼり……
 気付いてもらえるように美優の肩を指で突いてみた。
「ん?……あっ!ごめんね!再開しよ♪じゃあその郵便ポストの横に立って!俯き加減で手は後ろに……OK!かわいい♪」

 その後も電柱とか街灯、色んなものと一緒に私の……サキの写真を撮っていく……

「ふふ♪やっぱり写真は外で撮らないとね!」
 美優は相変わらずハイテンションだ。

 美優……私といるときより……楽しそう……
 サキのほうが好きなのかな……ちょっと寂しい……はぅっ!……
 でも……私がサキだもん!頑張ってあげよ!

 やっぱり美優の笑ってる顔を見れるのが私には嬉しかった。
 着ぐるみのサキ……中に入ってる私……私を妹のサキとして扱っている美優……
 そのことを思い出すたびに……私はサキの中で感じちゃった……

「えっと次は……右足をそこの段差にかけて左手は腰!右手は力を抜いておろしてね♪」

 左手は腰で右足をかける……この段差ちょっと高いかも……あ!

 私はとっさに足を下した。
 こんなに足上げたらショーツが見えちゃう……
「あれ?どうかしたの?サキちゃん。」
 美優が不思議そうな顔で私を見る。
 私は俯きながらスカートを指さした。マスクの中で顔が真っ赤にしながら……
「スカート?……あっ!ごめんね!見えちゃうよね……ほんとに…ごめんね……」
 急に泣きだしそうなる美優……手からカメラを下してしまった……

 どうしよ……美優が泣いちゃう……でも恥かしいよぉ……
 見えちゃうけど……やってあげよ!

 私は着ぐるみに覆われてることをいいことに、開きなおって美優に言われたとおりのポーズをとった!
「……え?撮っていいの……でもショーツが……」
 美優はおどおどしながら聞いてきた。私は右手で胸をポンと叩き元気よく頷いてみせた。
 そしたら美優の笑顔が戻った。そしてカメラを構える。
「……ありがと♪じゃあ撮るよ!はい、チーズ!」

 カシャ!

 私は急いで足を段差から外した。やっぱりすごく恥かしい……一気に汗かいちゃった……

ちょっと……疲れてきちゃった……

 今でも心臓がドキドキし続けてる……やっぱり着ぐるみを着てると予想以上に疲れた。
 私がうなだれていると美優が心配そうな顔をして下から覗き込む。
「だいじょぶ?疲れちゃった?」
 一瞬頷きそうになったけどもうちょっと頑張ってあげようと思った。
 首を大きく横にふり元気一杯!のポーズをしてみせた。
 やっぱりサキになると大胆になっちゃう……

「ほんと!じゃあ公園いこ!公園で撮ったら終わりにしてあげるからね♪」

 ……誰もいないといいけど……もう少しだし!頑張っちゃお!

 そして私たちは歩いてすぐのところにある公園まで向かった。
 後でこの選択を後悔するとも知らずに……

 誰とも会わずに公園に着いた。ちょっと運がよすぎかも……

 公園はブランコとかジャングルジムとか子供の遊具がいくつかあって比較的にちっちゃい感じ。
 公園の真ん中には時計が立ってて、もう6時になってる。

 美優は公園を見渡しながらまずどれにしようか迷っていた。
「う~ん……なにがいっかなぁ……鉄棒にしよっ!サキちゃん!鉄棒につかまって♪」
 美優は一番高い鉄棒をポケットティッシュで拭いてから私を鉄棒につかまらせた。 

 鉄棒なんて久しぶり……小学校以来かも……
 この高さなら……私が回ってもだいじょぶそお……

 小学校の頃、鉄棒がすごく得意だったからちょっと回ってみたくなってきちゃった……
 そのことに気付いたのか、美優はこんな提案をしてきた。
「サキちゃん……ちょっと回ってみて♪」

 え?……でもウィッグとかマスクとか取れちゃうんじゃ……

 私はサキの髪を引っ張った。
「ふふ♪だいじょぶ!ウィッグはマジックテープで止まってるし、スクもちゃんと固定してあるから!だから回ってみて♪」
 私は元気よく頷き、手を突っ張って腰を鉄棒に当てて体を支える。
 そしたら美優がシャッターをきった。
「あっ!ごめんね!そのまま続けて♪適当に撮っちゃうから!」

 ちょっと……落ち着かないかも……
 でも……やってみよ!連続前回り!

 私は反動をつけて回り始めた!

最終更新:2014年11月28日 23:06