会議室の中はクーラーでキンキンに冷えていた、一気に体温が下がっていく……
「今マスクとりますからね!」
上凪さんは私を椅子に座らせると同時にウィッグを取った。
そしてドライバーでマスクの固定パーツを外し、ガバッ!と私の頭からマスクを取り外した。
ゆでダコみたいに顔を赤くした私の顔が出てきた……
……涼しい……
大きく息を吸う……久しぶりにちゃんと空気を吸えた気がした……
だんだんと意識がはっきりしてくる……
まったりしてる私とは逆に、上凪さんはあわてて冷蔵庫から500mlのアクエリアスを取り出す。
そしてキャップを開けて私に手渡した。
「ありがとうございます。」
「一気に飲まずに舌でちょっところがしてから、少しづつ、ゆっくり飲んでくださいね。」
「はい、わかりました。」
上凪さんにいわれたと通りに、落ち着いてちょっとずつ飲んだ。
喉がからからだったからすごくおいしかった……全身に水分が染みわたってゆく感じがする……
ゆっくり飲んでたつもりだったのにあっという間に飲みほしちゃった……
私がアクエリアスを飲み終えると、上凪さんは私の前にしゃがみ込んでミトンの手袋を外す……肌タイの手がビッショリだった……
次にブーツを脱がしてもらう……手なんか比べものになんないくらいビッチョビチョ……
そして上凪さんが私の背中に手を回してふわふわスクール水着のチャックを腰まで下ろした。
最後に肌タイのチャックも腰まで下げてもらって、肌タイを頭から脱がせてもらう……
着ぐるみを脱ぐときの解放感はちょっと他では味わえない……
ふぅ~……きもちいい……
ぽ~っとしながら上凪さんに身をまかせてたら、肌タイから私の汗まみれの胸がプルン!とでてきた……
『あっ!』
私たちは一緒になって顔を赤くした……
私は手で胸を隠し、上凪さんは私から目を背けた……
「す、すみません!」
上凪さんは背を向けながら私ににタオルを手渡した。
「ごめんなさい!こんな恰好で着ちゃってて!」
私はあわてて空っぽになった肌タイの手を腰で縛り、タオルで体を拭いてバックの中のブラジャーとシャツを身に付けた。
そうだ……ノーブラだったの……忘れちゃってた……
見えないことをいいことに、ただきついからという理由でブラジャーをつけずにみんなの前に出てた……
思い返すと恥かしすぎて……またあそこが濡れてきちゃった……
もうにゅるにゅるでグチョグチョ……
うぅぅ……気持ち悪い……ティッシュ取り替えなきゃ……
私はバックからティッシュを取り出し、スリッパを履いてトイレに向かった。
トイレに入り、ドアを閉め、ショーツごと肌タイを膝まで下す……
ショーツと股が糸をひいて繋がった……
ティッシュは……奥の方に入っちゃってるみたい……
恐る恐るあそこに手を入れてゆっくりとティッシュを引き出す……
にゅるにゅるにゅる…… んん!……あぅっ!……んくぅっ!……
じゅるり!……ぽたっ…ぽたっ…ぽたっ…… あぁん!………ハァ…ハァ…ハァ……
愛液まみれのティッシュの塊が出てきた……床におつゆが垂れちゃったからあわてて拭いた。
そしてそれをトイレに流した。
ティッシュ……午後はいらないかも……擦られちゃうし……
私はアリスちゃん!思考でいけばみんなの前に出てもだいじょぶだと思った。
スクール水着の股の部分を見る……そこまでは染みでてないみたい……
私は用をすませてショーツと肌タイ、そして股をよく拭いてから、ショーツにティッシュを入れずにトイレを出た。
会議室に戻ると上凪さんがぽ~っとした顔をしながらアリスちゃんのマスクを自分の頭の上にもってきてた。
「あっ!す、すみません!」
「へ?」
なぜか私に謝る上凪さん……
顔を真っ赤にしながらあわててマスクをテーブルの上に置いた。
「ま、マスクの中が壊れてないかとか!そ、外から中が見えちゃあないかとか確認してて!それで○△□×!!」
すごくあたふたしてる……こんな上凪さんは今まで見たことない……
でも私の心配をしてくれてるみたいでちょっと嬉しかった。
「ありがとうございます。そこまでチェックしていただいちゃって……」
「い、いえいえ!……あっ!そうだ!お昼!お昼食べましょっか!」
私たちは腐らないように冷蔵庫に入れておいたお弁当を食べた。
冷たくて……ぼそぼそしちゃってて……あんまり美味しくなかった……
お昼を食べ終わった後はお互いの職場の話で盛り上がった。市役所も結構大変みたい……
そしてあっという間に時間は過ぎ、部屋の時計の針が12時45分をしめす……握手会の15分前になった。
お昼休みが1時間くらいあったから、私は体力をけっこう回復できた。
上凪さんは腕時計をちらりと見てから、私の顔を心配そうに見つめた……
「午後もいけそうですか?もし大変そうだったら岬さんと変わっていただいたほうが……」
確かにちょっときついかも……今の時間が一番蒸し暑い……
でもかおりんに迷惑かけたくない……濡らしちゃってたのがばれちゃうし……
それに……もう一回……アリスちゃんやってみたい……
「だいじょぶです!任せてください!」
私はちょっと強がってみせた。
「そうですか?……じゃあお願いしますね♪」
「はい♪」
私は椅子に座ってスリッパを脱ぎ、ブーツを履かせてもらった。
午前中の汗が中に溜まってる感じがする……ちょっとビチャッてしてて気持ち悪い……
次に腰で縛った肌タイの手を解いてシャツを脱ぎ、ふわふわスクール水着ごと着せてもらう……
肌タイも乾いてないから汗が冷たくなっててすごく不快感がある……
頭のフードを被せてもらう……また胸がドキドキしてきた……
「じゃあチャック上げますね。」
「はい……」
上凪さんが私の後ろに回って肌タイ、そしてスクール水着のチャックを上げた……
ブラジャーをつけてるから午前中よりもきつい……
そして私は顔以外アリスちゃんに覆われた……すぐに体から汗が噴き出てきた……
……暑いよぉ……
それに……相変わらずきつい……
なるべく鏡は見ないようにした。
まだ全身がアリスちゃんになってないから、私がコスプレしてるみたいですごく恥かしい……
だからといってマスクを被るとなると……きっと感じちゃう……
やだ……また頭がもやもやして……変な気持ちに……
上凪さんは窓から校庭を見てからマスクを手に取った。
「……つけちゃいましょっか?みんな集まってるようですし。」
「え!……もう……ですか……」
「ちょっと早く始めちゃいましょう!子供たちもうずうずしてます!」
「はい……」
気持ちの整理ができてないのに上凪さんは私の頭にアリスちゃんのマスクを被せた。
そしてパーツで固定してウィッグを被せる……
マスクの中も乾いてなくて、頭が挟まれるとスポンジから汗が染み出てきた……
うぅぅ……気持ち悪い……
……どおしよ……もう……アリスちゃんに……
あぅぅ!……あっ!だめだよ感じちゃ!……ティッシュつけてないんだから……
あそこがじわじわと濡れてくる……心臓がバクバクしっぱなし……
「そうだ!手袋つけるの忘れてました!」
上凪さんは、はっ!とした顔をして、私の足元に置いてあったミトンの手袋を拾った。
「手をだしていただけますか?…………あれっ?眞田さん?」
『……あっ!はい!なんですか!』
私はぼ~っとしてて全然上凪さんの話を聞いてなかった……
「あの、手袋を……」
『す、すみません!ちょっと考えごとしてて……』
私は手を差し出し、手袋をつけてもらった……これで完全装備のアリスちゃんになった……
手袋をつけ終わると、上凪さんが手を引っ張って私を立たせた。
「準備も出来ましたし、もう行っちゃいましょう!」
上凪さんはもう待ちきれない!って感じ……子供たちに早く会いたいみたい……
んくぅ!……まだ心の準備が……
……そうだ!あれでいこう!
『あの、ちょっと待っていただけますか?』
「え?……はい……」
私は鏡の前に立って自分の胸に手を置いた……
ふぅ~……私はもう……私じゃない……
私は……アリスちゃん!
『よし!』
胸で拳をギュッ!と握りしめ、私は自分を捨ててアリスちゃんになりきることにした。
そしたら胸のもやもや感がすーっと消えていった気がした。
そんな私を上凪さんは茫然と見ていた……
そして私たちは会議室を出て一階にある玄関へと向かった。
午前中と比べるとそうでもないけど、途中の階段はやっぱり大変だった。
衣装がきついし……見づらいし……
ちょっと動いただけなのにもう汗かいてきちゃった……
玄関に着くと校庭には子供たちとそのお母さん方がいっぱい集まってた。
子供たちはもう待ちきれないみたい……
校庭を見てたら上凪さんがひょこっと私の前に出てきた。
「すみません、さっき言い忘れてました……
握手をするときは子供と目線を同じにするようにしてみてください。
それと、写真を求められた時は基本的には決めポーズをすればだいじょぶです!」
私は大きく頷き、頑張るぞ!のポーズをしてみせた。
気持ちはすっかりアリスちゃんになってきてる。
「その調子です♪じゃあ行きましょっか!暑いですけど頑張ってくださいね!」
こうして二人で一緒に校庭へと走って行った。
外はやっぱりさっきよりも日差しが強くなってた……
校庭に入ると子供たちがアリスちゃんとなった私のもとに走ってきた。
アリスちゃんはやっぱりみんなの人気者だった。
「アリスちゃん!あくしゅ、あくしゅ!」
「ちがうよ!ぼくがさきだよ!」
「えー!あたしだよ!」
ど、どうしよ!どの子と握手すれば!
私はパニックになってた。こんな経験したことないし……
ピーーー!!
上凪さんは笛を大きく鳴らした。
その音に驚いてみんなが上凪さんの方を見る……
上凪さんはニコッと笑った。
「みんな喧嘩しちゃだ~め♪アリスちゃんが困っちゃうでしょ?
みんなが並んでくれたら握手会を始めます!だからきちんと一列に並んでね♪」
『はーい!』
みんな上凪さんの言葉にちゃんと従って、まっすぐ一列に並ぶ。
上凪さんは小さい子の扱いがすごく上手い……かなり慣れてるみたい……
子供たちが並ぶと、あ母さん方も子供と手をつないで一緒に並び、列が一列から二列になった。
「それではアリスちゃんとの握手会を始めま~す!」
いよいよ握手会が始まった。
1年生は約60人いる……一人ひとり握手してから写真を撮ってもらうとなると結構大変そう……
私はしゃがみ込み、まず一人目の子と握手をしようとした。
その子は早坂涼子(はやさかりょうこ)ちゃん。私のクラスの子で萌ちゃんと大の仲良し。
やっぱり衣装がきついからあそこにふわふわスクール水着が食い込んでくる……
はぅぅ!……ティッシュ入れてないのに……刺激されちゃう……
こんなのが……このあと何回もあるの……
そんなんかで涼子ちゃんと握手をした。
なんか不思議な感じだった……
いつも見慣れてる顔なのに……赤いサングラス越しに見ると、二人の間に大きな壁がある気がする……
それもそのはず……今の私は……アリスちゃんなんだから……
「ありがと!アリスちゃん♪」
涼子ちゃんはニッコリと笑った……なんか元気をもらえた気がした……
私はアリスちゃんとして元気に頷いた……
「あの……一枚よろしいでしょうか?しゃがんだままでけっこうですので。」
涼子ちゃんのお母さんがデジカメを片手に私に尋ねてきた。
私が頷くと涼子ちゃんは私の横に立ち、一緒に写真を撮ってもらった。
写真を撮り終わり立ち上がると、涼子ちゃんのお母さんが私に手を差し伸べた。
私は涼子ちゃんのお母さんとも握手した。
そしたら涼子ちゃんのお母さんが小声で思わぬことを言った!
(暑いけど頑張ってくださいね!眞田先生♪)
え!な、なんで知ってるの!
私は一気に現実に引き戻された……
着ぐるみを着て……そのうえこんな恥かしい恰好をしている自分に……
あぅぅ!……どおしよ……ばれちゃってる……私が……アリスちゃんになってるの……
んんっ!……や、やだ……恥かしいよぉ……
当たり前といえば当たり前だった。
1組担任のかおりんがいるのに、2組担任の私がいないのはおかしい……
それに背恰好を見れば私がアリスちゃんの中に入ってるのが簡単に想像できる……
んくぅ!……さっきまで……割り切れてたのに……
……また……はぅぅ!……感じちゃう……
始まった……ばっかりなのに……
あそこからじわじわとおつゆがでてくる……体もどんどんほてってくる……
「アリスちゃん、バイバーイ!」
涼子ちゃんはお母さんと手を繋ぎながらアリスちゃんになった私に手を振って校庭から出ていった。
私は体を小刻みに震わせながら涼子ちゃんに手を振った。
もやもやした気持ちがふっけれないまま握手会は続く……
そのたび立ったり座ったりするから……ふにゃふにゃになったあそこが……スクール水着で刺激されちゃう……
あぁん!……こんな調子じゃ……だめ!切り変えなきゃ!
今の私は……アリスちゃんだもん!
でもほとんどのお母さんに「眞田先生がんばってね♪」って言われちゃう……
そのたびに……着ぐるみを着てることを実感させられて……感じちゃう……
あそこがどんどん濡れてきちゃう……
んんっ!……やだ……染みでちゃうよぉ……
しかも体温が上がってるうえに、この日差しの中だからすごく暑い……全身汗まみれ……
でも午前中に比べればあんまり動いてないからそこまで疲れてない。
それにみんなと握手すると少しだけど元気がもらえた気がした……
順調に人が減っていく……
上凪さんは帰っていく子たちに元気に手を振っていた。
「今日お勉強したことを思い出して車にきをつけて帰ってね~!」
「はーい!」
みんなも元気に答える。
そんな子供たちの背中を見る上凪さんはちょっと寂しそうな顔をしてた……
握手会が始まってから1時間が過ぎようとしていた。
私は着ぐるみの中で感じちゃったり、あそこが擦られちゃったりでよけいに汗ビッショリ……
でも残すところあと一人となった。
その子はお母さんの後ろに隠れてて中々顔を見せてくれない……
お母さんが手を引っ張ってあげて私の前に連れてきてくれた。
……萌ちゃん……
その子は萌ちゃんだった……
私がしゃがみ込むと萌ちゃんは顔を赤くしてまたお母さんの後ろに隠れちゃった……
私は立ち上がって萌ちゃんのお母さんの方を向いた。
「先ほどはすみませんでした、うちの子がご迷惑をかけてしまって……」
萌ちゃんのお母さんは私に頭を下げる。
そ、そんないですよ!
私はあわててその頭を上げさせた。
「それと……もし迷惑じゃなかったら、この子のお願い聞いてもらえますか?」
お願い?
かなり気になる……私はとりあえず頷いた。
「すみません。」
そういうとお母さんは萌ちゃんを私の前に連れてきた。
「ほら、萌ちゃん。アリスちゃんに自分の口でお願いして。」
私はしゃがみ込んで萌ちゃんの顔を見つめる……萌ちゃんは今日の日差しのせいもあって顔が真っ赤だった。
萌ちゃんはモジモジしながらこんなお願いをしてきた。
「アリスちゃん……さっきみたいに……もえを……キュンキュンして……」
ふふ♪いいよ♪
私は大きく頷き、両手を広げた。
「あ、ありがと……」
萌ちゃんは恥かしがりながらも私の胸に頭を沈めた……
そんな萌ちゃんの頭を抱きかかえ優しくキュンキュンしてあげた……
汗臭いと思うけど……我慢してね……
「きもちい……まきちゃんせんせえの……おっぱいみたい……」
ゾクゾクッ!
え!……あっ!……あぁぁ……
そういわれた瞬間……私のあそこが一気に濡れていった……
体がビクビクと痙攣してる……
ちょっとだけだけど……いっちゃった……
キュンキュンを終えると、萌ちゃんのお母さんが私に丁寧に頭を下げた。
「どうもありがとうございました。」
「ありがと♪」
萌ちゃんもお母さんの真似をしてペコリとかわらしくお辞儀をした。
萌ちゃんはお母さんに手を引かれながら手を振って校庭を出ていく……
……はっ!バイバイしなくちゃ……
私は意識が薄れながらも立ち上がり、萌ちゃんに手を振った。
まだ体にさっきの余韻が残ってる……
萌ちゃんにも……ばれちゃったかな……私がアリスちゃんだってこと……あぁん!……
そう思うと……また感じちゃう……
だいじょぶだよね……顔見えてないし……
それにちっちゃい子はアリスちゃんはアリスちゃんだと思ってるもんね……
茫然と手を振っている私に上凪さんが声をかけてきた。
「握手会も終わりましたし……戻りましょっか?」
私は頷き、上凪さんと一緒に玄関に向かった。
こうしてみんなとの握手会が終わった。
会議室に戻ると教頭先生とかおりんが待っていた。
すると教頭先生が私たちに近寄ってきた。
「二人ともこんな暑い中お疲れ様。それと疲れてるところ悪いんだけど……眞田先生、一つお願いできるかしら?」
教頭先生のお願いって……なんだろ?
『はい……』
すると教頭先生はポケットからデジカメを取り出した。
「私の子供もアリスちゃんの大ファンなの。写真撮らせてもらっていいかしら?」
『え?……はい!喜んで!』
そして私はアリスちゃんの決めポーズをして教頭先生に写真を撮ってもらった。
教頭先生が記念に、と上凪さんとかおりんとも一緒に撮ってもらった。
「ごめんね、疲れてるのに無理言っちゃって……安全教室の分も撮っておいたから後でみんなに渡すわね。
二人は着替え終わったらそまま帰って体を休めてください、私と岬先生で後かたずけしておくから。
本当にお疲れ様でした。それじゃあ行きましょっか?岬先生。」
「あっ、はい!じゃあ二人ともお疲れ様です。」
『お疲れ様でした。』
二人が出て行ってから私は椅子に座り、上凪さんにマスクを脱がしてもらった。
「ふぅ~」
「今日はほんとにお疲れさまでした。」
私はブーツと手袋を脱がせてもらった。
すっごく蒸れてて……ビチャビチャだった……
続いて上凪さんはふわふわスクール水着と肌タイにのチャックを開け、私の上半身を出してタオルで体を拭いてくれた……
肌が久しぶりに外気に触れ、一気に体温が下がっていく……すごく気持ちがいい……
やっぱりこの感じはちょっとくせになりそう……
椅子の上で涼んでたら上凪さんが冷蔵庫から500mlのペットボトルを持ってきてくれた。
「すみません、なにからなにまでやってもらっちゃって……」
「いえいえ!」
私はキャップを開け、そのジュースを飲み始めた……
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……ぷはっ!おいしい!ピーチdeジュースだ!
私は嬉しくなってし上凪さんを見た。
「いつも練習のときに飲まれていたので……好きなのかなって……」
上凪さんは照れくさそうに笑ってる……私のために買ってくれてたんだ……
「ありがとうございます♪」
今日の疲れがちょっと緩和された。やっぱりピーチdeジュースはすごくおいしい!
私があっという間にピーチdeジュースを飲み終えると、上凪さんが下半身の肌タイもスクール水着ごと脱がそうとした……
……あっ!だめ!
私はあわててその手を止めた!
「あ、あとはだいじょぶです!自分でできますから!」
「え?」
上凪さんはポカンとしながら顔を真っ赤にした私を見た。
「じゃあ……お願いします。」
「はい!」
そして私にくるりと背中をむけて自分も着替え始めた。
私も上凪さんに背中をむけて胸に手を置き、大きく息をはいた。
ふぅ~危ない危ない……あそこを濡らしてるの見られちゃうとこだっだ……
そして私はスクール水着の股の部分を見る……
……やだ!ちょっとシミてる!
ど、どうしよ……さっき写真撮っちゃったし……
もしかしたら上凪さんにも……ばれちゃってるかも……
私はあわててスクール水着ごと肌タイを脱いで、下着姿のまま濡れてる部分をティッシュでゴシゴシと拭いた。
これでだいじょぶかなぁ……シミとかできちゃあないかなぁ……
不安になりながらも体をタオルで拭いて、替えの下着に着替えてから朝着てきた服を着た。
私が着てた着ぐるみのせいで、部屋が私の匂いで一杯になってた気がした……かなり恥かしい……
私が振り返ると、上凪さんはもう着替え終わってて婦警さんの服を綺麗に畳んでビニール袋に入れていた。
「あの……着替え終わりました。」
「はい!えっと……じゃあ私はブーツとマスクを片付けますので、ほかのをこの袋に入れてもらえますか?」
「はい、わかりました。」
私は上凪さんからビニール袋を受け取り、肌タイとスクール水着を畳んで手袋も一緒にその袋に入れた。
上凪さんはマスクとブーツの中をティッシュで拭いて一つづつ袋に入れてからダンボール箱に入れてた。
色々大変だったけど……久しぶりに着ぐるみ着れた……
ちょっと……寂しいなぁ……あぅぅ!……
アリスちゃんになってた時のことを思い出して……また感じちゃった……
アリスちゃんの着ぐるみと婦警さんの服をそれぞれダンボール箱に入れて部屋の中を二人で片付けた。
そして一人一個づつ箱を持って二人で学校を出て、上凪さんの車に箱を積みこんだ。
「今日は暑い中、本当にありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございました。」
二人で顔を見合わせて一緒になってくすくすと笑った。
「眞田さんのアリスちゃんすごく可愛かったですよ♪」
私は恥かしくて俯きながら顔を真っ赤にした……
あんなに元気に飛んだり跳ねたりしたことないし……
「そ、そうですか……実は……結構楽しかったです……」
またあそこが濡れてきちゃった……
顔を上げると上凪さんもほっぺを赤く染めていた。
そして上凪さんは私にとんでもないことをきいてきた!
「眞田さん……着ぐるみ着て……感じてたでしょ……」
ゾクゾクッ!
えっ!……どうして……そのことを……
驚いて声が出なかった……
上凪さんを直視したまま動けない……
上凪さんは顔を真っ赤にしながらこう言った……
「わかりますよ……私も……そうだから……」
「……え!!」
私はまたびっくりした!
「二人だけの秘密ですよ♪お互い暇な時はお茶でもしましょうね!それでは!」
「……あっ、はい!さようなら……」
上凪さんはすぐに車に乗り込み、サッとシートベルトをつけてそのまま車で学校を出て行った。
私はいまだに顔を真っ赤にしながら手を振った……
上凪さんも……そうなんだ……
やっぱり私だけじゃないんだ……着ぐるみ着て感じちゃうの……ふふ♪
同じ性癖を持ってる人に出会えてすごく嬉しくなった……ちょっと変だけど……
私はルンルン気分で自分のアパートに帰った。
部屋に入ると私はすぐにお風呂に入った。このときの為にあらかじめ沸かしておいた。
お風呂から出て下着を着て
テレビをかける……ちょうどうさみみライダーアリスちゃんがやってた。
みんなの前でこんなカッコして……恥かしかったなぁ……
大変だったけど……また……着てみたいかも……はぅぅ!……
そうだ!今日のこと美優に言ってみよ!最近全然連絡取れなかったし……
バックの中のケータイを取り出し、美優に電話をかけてみた……
「もしもし、美優?」
『あっ!先輩!おしさしぶりです♪』
「今テレビ見られる?」
『え?一応見れますけど……』
そういって美優にチャンネルを回させた。
『これ……うさみみライダーアリスちゃんですよね?これがどうかしたんですか?』
美優はアリスちゃんのことを知っているらしい……
「今日……私……アリスちゃんの……着ぐるみ着たの……」
自分で言っておいて顔が真っ赤になっちゃった……お風呂に入ったばっかりなのにまたあそこが濡れてきちゃう……
『え!なんで言ってくれなかったんですか!!ずるいですよ自分だけ!!!』
すごく怒ってる……電話越しにも美優の顔が想像できた。
「ご、ごめんね、ちょっと忙しかったから……」
『それに何で着れたんですか?教えてください!!』
「えっと、それは……」
……そうだ!ここは敢えて……ふふ♪
「ひ・み・つ♪」
<おしまい>
最終更新:2017年12月11日 16:31