この話はとある私立のK総合大学の図書館から始まる。
図書館に常設されたパソコンを使ってチャットをする男。
男の名は岳田アキラ 芸術学部4年。
チャットは着ぐるみについてのもの。
卒業作品のネタを収集するため、何気に検索していてこのチャットの巡り合った。
チャットの参加者は女性限定となっていたが、アキラは女性になりすまし、チャットに参加していた、HNは”あき”。
チャットの中では、着ぐるみのバイトの話や見た目の可愛いさについて話しあわれていた。
たわいもない会話が続いている。
そんなアキラと1つ席を挟んで、衝立で仕切られたパソコンでチャットをしている陽野アサミ。
アサミはこの大学の経済学部の3年。
いつもならバイトに明けくれているのだが、試験前ということもあり図書館で勉強していたが、勉強は長く続かずチャットにハマってた。
それは着ぐるみのチャット、HNは”みさ”。
勉強もソコソコにチャットにハマっているアサミの前には海山ノリコがいた。
ノリコは同大学理工学部2年。
分厚いレンズを通して、パソコンと向き合っている。
普段から研究レポートの作成や資料探しで図書館にいることが多いが、今はあるチャットにはまり込んでいる。
そのチャットはいうまでもないだろう。
HNは”りこ”。
そんなノリコの隣りで並んでパソコンに向かっているのは畑田ミナコ。
同大学法学部4年 ミナコもまた図書館の常連である。
そして彼女もパソコンに集中している。
それはチャット、HNは”なみ”。
そしてその並びの一番端に陣取り、少し怠そうにパソコンを見ている人物が、同大学芸術学部4年の湯村サオリ。
卒業作品のネタ探しに来たものの、気分が乗らないのでボンヤリとチャットを眺めてはたまにキツめのコメントをする。
HNは”りさ”。
十数人がチャットに参加していたが、内5人は同じ場所ですぐ近くに相手がいることも知らずにチャットをしていた。
まさか同じ場所で向い合わせまたは隣り合わせでチャットしているとはつゆ知らず、それを繰り返していた。
同じ場所での奇妙なチャットは、それからしばらく続いた。
当初、なんとなくだったアキラだったが、突然アキラの関心を引く話題になった。
それは本物そっくりなリアルな着ぐるみを着てみたいと言い出した娘が出てきた。
それまではゆるキャラ的な可愛いものが主だった。
言い出したのは”りさ”。
アキラは過去に課題で造った恐竜の頭から体まで創り上げ、着ぐるみにしてしまったのだ。
それを人に、それも女の子に着せてみたいという思いがあり、俄然チャットへの喰いつきがよくなった。
そしていつしか場は盛り上がり、着ぐるみを着てオフ会をしようということになった。
ただ、やり取りしている中で恥ずかしいのでお互い顔を見られたくないという意見も出たが、そこはアキラが顔まで覆ってしまう全身タイツ、ゼンタイを着てみてはということに一同が賛同。
各自がネットで、着ぐるみとゼンタイを購入してオフ会をすることが決まった。
着ぐるみは同じモノにならないように事前打ち合わせをした。
男であることを思い出しアキラは少し焦ったが、普段から声が高く細身で女性に間違えられることもあったことから、顔が見えなければゼンタイの中に胸の膨らみがあれば、十分乗り切れると考えた。
アキラはチャットの中で、自分と同じなりすましではと思っていた男どもは案の定、不参加であった。
まぁ実のところ真相は分からないのだが。
参加は”あき” ”みさ” ”りこ” ”なみ” ”りさ”の5人。
そしてこのオフ会は自ら手を挙げアキラが仕切ることになった。
元々裕福な家庭のアキラは親の別荘での開催を5人に提案した。
それに対して彼女たちの反応もよく全員一致で開催の運びとなった。
ネットでも簡単に着ぐるみが買える時代になり各自、着ぐるみを持ち寄りアキラの別荘に集まることになった。
アキラは願望を実行に移すべく、リアルな恐竜の着ぐるみも用意していた。
この恐竜は肉食で、同じ学部の同学年の女子、湯村サオリをイメージして造った。
ただし、サオリは気が強くドSと呼ぶに相応しい人物。
アキラは何度かお願いしてみたが、思い通りにこの恐竜の着ぐるみを着てくれることはなかった。
別荘に5人が集まったが、皆恥ずかしいという思いから顔が分からない様に帽子を深く被ったり、サングラスをしたり、バイクで来てヘルメットを被ったままの者もいた。
彼女たちを出迎えるアキラも”あき”になりきり、ゼンタイの下に女性の体になれる女体の生皮を着る。
女体の生皮は両腕と首から上以外を完全にワンピースのシリコンの皮で覆ってしまい、表面上女体にしてしまおうというもの。
女性らしい胸の膨らみが出た上に黒のゼンタイを着る。
黒いゼンタイで全身を覆ってしまうことで、外観のシルエットでしか人を判断できなくなった。
さらに、イベントなどでよく見かけるゴリラの着ぐるみを着る。
出迎える時は、着ぐるみを着ているという理由から声を出すことを少しでも回避できる。
”あき”がゴリラの着ぐるみを着て、準備できた時、別荘のチャイムが鳴った。
ゴリラの頭を被り、スケッチブックを持って玄関へ向かう。
そして予め書いてあった”オフ会にようこそ!”のページを開き、玄関の戸を内側から開く。
そこに立っていたのは、小柄な女性。
ニット帽を深く被り、茶髪の長い髪が揺れていた。
サングラスをしているので、表情まではハッキリと分からないが、ゴリラの着ぐるみに少し驚いたものの、スケッチブックの文字を見て「”みさ”です。よろしくお願いします」と挨拶した。
ゴリラは何も話さずに、少女のように小柄な”みさ”を別荘へと招き入れ、部屋と案内する。
”みさ”は大きくお辞儀すると部屋へと入っていった。
50畳はあろかという大きなリビングにソファとテーブルが置いてある。
そのソファにゴリラは腰を下ろした。
”みさ”は中々可愛いのではないかと、想像を膨らませる。
次に誰か来る気配もないまま、”みさ”が入った部屋の扉が開いた。
中から出て来たのは、リス。
着ぐるみが大きいのか、かなりダボダボであった。
ヒョコッと可愛い仕草で動くリスは、ゴリラの前に来て会釈しようとして、頭が半分取れそうになった。
頭が取れそうになった着ぐるみの隙間からは、ピンクの中身が見えた。
その時、再びチャイムが鳴った。
ソファから立ち上がり、スケッチブックを持って玄関へ向かうゴリラ。
扉を開けると、そこにはヘルメットを被り、黒い革のライダースーツに身を包んだ女が立っていた。
「わ!ビックリさせんなよ!」
驚きビクついたが、すぐにスケッチブックをみてそう返してきた。
ライダースーツの女は「えーと、”りさ”でーす」とフルフェイスのヘルメットのシールドを上げて自己紹介した。
アキラはどこかで聞いたような声のような気はしたが、ゼンタイと着ぐるみを着た状態での声なので、それほど気にせずに”りさ”を部屋へと案内した。
続けてチャイムが鳴る。
ソファに目をやると、大きなソファに小さなリスが大人しく座っていた。
再びスケッチブックを持って玄関へと走る。
扉を開けると、そこには黒髪のツインテールにマスクをしメガネを掛けた女の子が下を向いて立っていた。
恥ずかしいのか顔を上げないので、肩を叩くとこちらを見て、ビックリし「ヒャあ」と声を上げたが、すぐにスケッチブックに気付いてくれた。
ツインテールのメガネっ娘は、小さな声で「”りこ”です。今日はよろしくお願いします」と挨拶をした。
そして、ライダースーツの女が着替えている隣りの部屋へと案内した。
ライダースーツの女は、トラの着ぐるみを着て部屋から出てきた。
着ぐるみを着ているにもかかわらず、ソファのリスに話しかけている。
そうこうしているうちに、メガネっ娘もピンクのウサギの着ぐるみを着て出てきた。
すぐにトラに絡まれている。
再び、チャイムが鳴った。
最後だから”なみ”、スケッチブックには予め”なみ”さん、いらっしゃいませ!と書いておいた。
扉を開けると、やはりのリアクション。
ゴリラに驚き、スケッチブックで安堵して、会釈し「”なみ”です」と言ってお辞儀をした。
顔を隠そうともせず、普通にメガネをかけてやって来たようだった。
部屋の奥で、リス、ウサギがトラに絡まれているのを見ると、「すいません、遅くなりまして」と言い続けて、「どこで着替えてたら、いいですか?」と尋ねてきた。
そんな”なみ”はなんとなく楽しそうな表情をしていた。
部屋へ案内し、彼女の着替えを待つ。
しばらくして出てきたのは、ゆるキャラの要素がほぼない、なんともリアルな熊。
さすがのゴリラも少しビビったが、大きさ的には小さいので子熊のようであった。
全員がリビングのテーブルへと集まる。
着ぐるみ達がテーブルを囲み、ぺこりと挨拶する。
さて、話そうとするが着ぐるみが邪魔をして上手く話せない上、話す声が聞こえない。
そこでゴリラがスケッチブックに「話したい人から挙手で着ぐるみの頭を外そうと」書いて周りに見せる。
他の着ぐるみたちも大きく頷く。
まず始めに手を挙げたのはトラ。
着ぐるみの頭を外すと、現れたのは豹柄ののっぺらぼう。
そして、「”りさ”です。よろしく!」と挨拶したが、聞こえていないようで周りの着ぐるみ達の反応がない。
大きな頭を傾げている面々を見て、”りさ”は立ち上がり、全員の着ぐるみの頭を外して回った。
テーブルを囲んでいる光景はなんとも奇妙なものになった。
着ぐるみを着て、頭はゼンタイののっぺらぼうの集団が集結しているのだから。
体はゴリラ、頭は真っ黒ののっぺらぼう、”あき”が声色を変えて「”あき”です。今日は集まってくれて、ありがとう」と挨拶をした。
「じゃあ、自己紹介しましょうか!」トラの体に豹柄頭の”りさ”が仕切りだす。
「じゃあ、私から」
「私は”りさ”、どちらかと言えば気が強いかなぁ」
「それじゃあ、次は 」といって、見回す。
「そこのメガネしてる赤い貴女!」といって指を指す。
どうやら、”りさ”には色がしっかりと見えているようだった。
赤い色ゼンタイの上からメガネをかけ、ウサギを着ている彼女。
突然の指名に立ち上がり緊張気味に「”りこ”です。K大学理工学部に通ってます」と。
「え!私もK大!」と思わず声を挙げたのは、ピンクのゼンタイにリスを着ている小柄な”みさ”。
「私も!」と続く茶色のゼンタイに子熊の着ぐるみの”なみ”。
「え!同じ大学なの?」
「どこかで出会ったりしてるのかなぁ?」
と3人は盛り上がり始めた。
”あき”と”りさ”も同じ大学であったが、会話に乗り遅れたこともあり言い出せずじまいになってしまった。
全員の自己紹介も終わり、雑談が始まるが明らかな3人の結束に浮いてしまっている2人。
会話に入れない”りさ”が切り出す。
「リアルな着ぐるみは?」と”あき”に向かって強めの口調。
彼女たちの会話を楽しんでいたアキラは、不意を突かれ、地声が出そうになったが、慌てて声色を変え「あ!そうね、持ってくるね」
そう言って席を立った。
アキラも正直驚きだった。
3人が全員同じ大学の学生だったことに。
そして、不機嫌な”りさ”は若い娘たちに嫉妬したおばさんではないかと、疑い始めた。
自作の肉食恐竜の着ぐるみを持って4人が待つリビングへと戻る。
全員、ゼンタイ越しでもよく見えているようで、口々に「凄い!」「リアル!」「怖っ!」等の感想。
着てみたい人を募ると1人が手を挙げた、それは”りさ”。
浮いてしまって、注目もされていないことから手を挙げたことは明らかだった。
トラの着ぐるみを脱ぎ捨てゼンタイ姿になると、均整の取れた体に大きな胸と引き締まったお尻が目を引く。
女性から見ても素晴らしいプロポーションなので、周りからも声が上がった。
おばさんかもと思ったアキラは心の中で、少し申し訳ない気持ちになっていた。
恐竜の着ぐるみのファスナーは脚の股の所にあり、それを開き頭から入っていく。
恐竜の着ぐるみの中は詰め物があるため、”りさ”の大きな胸がつかえて中々入っていかないが、”あき”が手伝い、なんとか恐竜の中へと収まった。
恐竜から突き出た豹柄の足を、恐竜の脚へと入れていく。
股のファスナーを左脚から右脚にかけて閉めていき完成。
ファスナーは恐竜の皮膚に、隠れて見えなくなった。
”あき”は恐竜の首の付け根辺りに顔を近づけ、何か呟くと恐竜から離れた。
じっとしていた恐竜だったが、頭を大きく振ると、大きく口が開き鳴き声を挙げた。
実は恐竜の着ぐるみには仕掛けがあり、恐竜の短い左の前脚を動かすと口が開き、右の前脚を動かすと鳴き声を出すことができるようになっていたのだ。
威嚇しながら3人に襲いかかる恐竜。
座っいた3人もキャーキャーいいながら、立ち上がりリビングを逃げ惑う。
”りさ”は恐竜になりきり、塊で逃げる3人を鳴き声を挙げ、頭を振りながら追っていく。
しかし、恐竜を後ろから見ていると恐竜の怖さはなく、中身が女性であることが判るような歩き方をしていた。
その内、逃げ回っていたリスが滑って転倒、恐竜に捕まってしまった。
リスは着ぐるみの頭を被せられて、恐竜の尖った歯の並ぶ口に挟まれた。
それを逃げ回っていた他の2人が、自分の携帯のカメラに収める。
リスを離し、「私も外から見て見たい!」そう言って体を揺らす肉食恐竜。
「捕まった人が次は恐竜、よろしく!」と言って、脱がせてと”あき”に迫る。
あまりの迫力に”あき”は恐竜を脱がせた。
ファスナーを開けると、少しの時間ではあったが、3人を追いかけ走り回ったせいで、中からは湿った熱気が噴き出してきた。
1人では着ることも脱ぐことも難しいこの恐竜の着ぐるみを脚から脱がせるのを”あき”は手伝った。
中から出てきた豹柄のゼンタイは、所々汗が滲んでいた。
そして、タイツ越しではあったが、豹柄でわかりにくくはあったが、”りさ”の乳首はくっきりと勃起し恐竜の着ぐるみの中で、彼女が興奮状態であることを想像させた。
次に恐竜の着ぐるみを着るのは、捕まったリス。
リスの着ぐるみをみんなに剥がされ、ピンクのゼンタイ姿にされた”みさ”。
140cmほどの小柄で幼児体形かと思いきや、出るとこは出て締まるところは締まった女性らしい体型をしていた。
そして周りからの無言の圧力に屈したのか、それとも自らで進んでかは、ゼンタイを着ているので表情は分からないが、”みさ”は恐竜の着ぐるみへと頭を入れていく。
中まで完全に入ってしまうと、身長の低い”みさ”は足までも恐竜の胴体の中へと収まってしまった。
”あき”は恐竜の脚を着ぐるみの中へと強引に押し込み、ファスナーを閉めた。
”みさ”は抵抗する間も無くファスナーを閉められたことで両脚の自由を奪われた。
それだけでなく、恐竜の短い腕では既に両腕の自由も奪わている。
そんな恐竜の着ぐるみでも、なんとか立ち上がろうとして前脚を必死に動かしたことで、鳴き声を挙げ、口を大きく開けた。
しかし、ほぼ身動きが取れず床を這い回る肉食恐竜から恐怖を感じることはなかった。
それどころか、見た目に反して可愛らしい動きしかできないことに”りさ”のS心を燻ってしまった。
床で這いずり蠢いている恐竜を放置したまま、他の3人に提案を始める”りさ”。
「こんなのはどうかしら?普段やっているチャットでゲームをやるの。人狼ゲーム!」
「今日、帰りにくじ引きをして、狼を決めるの」
「チャットで色々情報を引き出しながら、次回集まった時、狼と思う娘を指名して1番票が多かった人が着ぐるみを着て、この娘みたいにみんなに弄られるの」と言って、床を這い回る恐竜の体を触り始めた。
他の2人も一緒になり、触り始める。
くすぐったいのか恐竜は激しく抵抗したが、手足が使えない状態では、その抵抗もたかが知れていた。
気後れし参加が遅れた”あき”も一緒に恐竜を弄る。
かなり執拗に攻めたため、恐竜からは激しい息遣いが聞こえてきた。
攻めていた2人は「いいね!」と笑顔。
そのうちの1人は「ちょっと着ぐるみの中へ入りたいかも!?」と言って床に転がっている恐竜を見た。
こうして、恐竜の中で苦しそうにしている”みさ”を差し置いて、次回のオフ会での人狼ゲームの開催が決定した。
その後、恐竜の着ぐるみから出された”みさ”も含め、狼のくじ引きをした後、解散となった。
ウサギの着ぐるみ”りこ”と子熊の着ぐるみの”なみ”は早々と帰ってしまった。
次に企画立案した”りさ”がトラの着ぐるみから、ライダースーツ姿で別荘を後にした。
最後に恐竜の着ぐるみに閉じ込められていた”みさ”はふらふらした足取りで家路についた。
心配になって声をかけたが、本人は嫌な顔一つせず、むしろ嬉しそうな口調で「次のオフ会楽しみにしてます」と言葉を残して帰っていった。
みんなが帰り、着ぐるみもゼンタイも脱いでアキラに戻り後片付けをして別荘を出たところで声をかけられた。
「アキラ!」
振り返るとライダースーツに身を包み、ヘルメットをとった湯村サオリが立っていた。
「どうした?こんなところで!」少し動揺したが、平静を装い答える。
自分が女性を装い、女の子たちと着ぐるみオフ会をしていたことは知られたくない。
「何してるの?あんたこそこんなところで」
少し嫌味混じりに質問してくるサオリ。
「ああ、ここ俺んちの別荘なんだ」
「知ってるわよ!あんた気づかないの?」
少し間が空く。
アキラにはサオリの言っている意味がさっぱり分からなかった。
しびれを切らせたサオリが「この格好どう?」
「どう?っていわれても」
気を使い「格好いいよ!」と答えた。
だいぶ、鈍いアキラにしびれを切らせたサオリがヘルメットを被り、シールドを上げ「”りさ”でーす」と。
「あ!」と言って固まるアキラ。
「え!なんで?」
「もしかして?」と言って言葉に詰まるアキラに、「何かしら”あき”さん!」
シールドの中の目はアキラを見てにやけていた。
今思えば大学の図書館でチャットが終わって帰る時、話しかけることはなかったが、サオリにはよく見かけていた。
「どうして?」といいかけたアキラの言葉を遮って、サオリが話し始める。
「声よ!声!始めは分からなかったけど、なんか変だなぁと思って。動きを見ていると、男っぽい一面があちらこちらに出ていたし」
「それにトドメはあの恐竜の着ぐるみ!私も協力したからね」と笑みを浮かべるサオリ。
「もしかして、私に恐竜の着ぐるみを着て欲しいなら、直接言えばいいのに」と。
おそらく、断わられると思い、サオリにお願いすることはなかった。
「もう一度、着てあげようか、今から」
サオリの言葉に生唾を飲み込み、頷くアキラ。
そして、2人は別荘へと戻った。
「どうする?オフ会で着ていた豹柄のゼンタイを着て、恐竜の着ぐるみを着たらいい?」
サオリの質問に、モジモジしながら箱を出してきたアキラ。
「これを着てみてくれないか?」
「いいわよ!」軽く引き受けるサオリ。
アキラから箱を受け取り、別荘の一室へと消えるサオリ。
しばらくして、箱を開けたのだろう、部屋から顔を出してアキラに訪ねてきた。
「これ着るの?」
顔だけ出しているサオリの肩が見えるが、肌が見えていることから今は裸のようだ。
少し間をおいて「ダメなら別にいい!」ちょっと冷たく返す。
最近はサオリの扱いにも慣れ、冷たく言いすてるように言うと、こちらの要望が通ることが分かっていた。
「これって裸で着るの?」
いつも強気なサオリの声に少し弱気な感じになっていた。
「できれば」また冷たく返す。
「分かった」扉が閉まる。
かなりの時間が経過して、再び扉が開く。
「これって、これでいいの?」
アキラがサオリに渡したものは、ネックエントリータイプのラバースーツ、それもマスクもついていて、装着すると肌の露出が一切なくなってしまうもの。
ある程度まで着ていたので、最後の仕上げまで手伝った。
マスクで顔が隠れてしまう時は、いつも強気で可愛げのないサオリの見せる不安げな表情が可愛く見えた。
マスクを被せたサオリの視界は奪われ、外界と接することができるのは、呼吸用の鼻の穴だけになってしまった。
「これじゃあ、見えないよ!」と弱気なサオリに、「大丈夫、手伝うから」と声をかける。
そして恐竜の着ぐるみを準備し、先ほどと同じ様に着せていくが、ラバースーツの滑りが悪く中々着せることができなかった。
アキラは恐竜の着ぐるみの詰め物に仕掛けを施していた。
それは空気を抜いたり入れたりして、膨らませたり萎ませたりできる仕掛け。
一旦、空気を抜いてからサオリを恐竜の着ぐるみ中へと押し込んでいく。
恐竜の中に収まってから、詰め物を膨らませる。
そしてファスナーを閉めて完成。
周りは見えないが、オフ会の時の様に、腕を動かし鳴き声と口を広げて、リビングを歩く。
今は自分の希望を叶えてくれたサオリに感謝の意を込め、アキラはハグをし、恐竜の首元の覗き穴に向けて「ありがとう!サオリ」と呟いた。
サオリも何か言葉を返したが、ハッキリとは聞き取れなかったが、アキラには「好き」と言ったように聞こえた。
そしてそれを確認しようと思った。
視界が奪われたまま、恐竜の着ぐるみで動き回るサオリをリビングに置いて、アキラは別荘の一室へと消えていった。
その後まもなく、アキラを求めて動き回っていた恐竜はリビングのテーブルにつまづいて転倒し、自力では起き上がることができず、寝っ転がっていた。
アキラはしばらくして部屋から出てきた、その姿は着ぐるみの中のサオリと同じ全身肌の露出の全くないラバースーツを纏っていた。
ただ、違うのは目のところに細かい穴が開いており視界が確保できている点。
リビングのテーブルの横で寝っ転がっている恐竜を見つけると近づいて、股の部分のファスナーを開ける。
サオリを解放し、アキラが代わりに着ぐるみに入るのかと思わせたが、次にとった行動は恐竜の手首をビニールテープで拘束し始めた。
続いて詰め物の空気を抜く。
詰め物は萎んだが、手が拘束され着ぐるみから抜け出せないサオリ。
その背後に別の詰め物が入ってきた。
それはアキラ、詰め物がなくなったことでこの恐竜の着ぐるみには2人で入ることができる。
アキラは手を伸ばし、股のファスナーを内側から閉める。
背中側に入ってきた温かい詰め物に動揺したサオリだったが、すぐにアキラであることを理解し、それを受け入れた。
そして、アキラの手がサオリの胸へと伸びる。
抵抗しようとしたが、サオリの両手は恐竜の着ぐるみにシッカリと拘束されていて動かすことができない。
それにラバーに覆われた体をなぞる指の気持ち良さも手伝って体はそれを受け入れた。
アキラの指が、サオリの大きな乳房の先端まで伸びてきて、軽くその先端をなぞる。
固く勃起した先端から、サオリの全身に衝撃が走り、体がビクつく。
2度、3度と繰り返す、衝撃。
サオリの体は抵抗することなく、アキラに体を預け声が漏れ始めていた。
左手は大きな乳房を揉み乳首を摘む。
同時に右手は股へと伸びていき、ラバースーツ越しでも分かるほどハッキリと線が入っていた。
その股の線をなぞりながら、力を加えていく。
線の割れ目はゆっくりとアキラの指を受け入れて中へと飲み込んでいく。
そして、抑えようとしているがサオリの喘ぎ声は大きくなっていった。
着ぐるみの中で密着している2人。
アキラのペニスもサオリの喘ぐ声で興奮を掻き立てられ、大きくなる。
恐竜の着ぐるみ越しにサオリの手を拘束してあったはずであったが、右手だけがいつの間にか外れて、背後のアキラのペニスに。
アキラの手の動きに合わせて、サオリの手の動きも早くなる。
そして、ほぼ同時に2人とも逝ってしまった。
最後は着ぐるみの中で大きく声を挙げたサオリ。
そのサオリを優しく愛撫するアキラ。
2人は呼吸のし難い着ぐるみから、出ようとはせず抱きつくアキラにサオリは身を任せていた。
しかし、さすがに苦しくなってきたのか、アキラはファスナーを開け外へ。
そして、着ぐるみ越しに拘束したサオリの拘束を解いた。
だが、逝ってしまいぐったりしてしまったサオリは自力では着ぐるみから出られず、アキラが出してやった。
アキラはサオリに声をかける。
「先にシャワー浴びてこいよ」
しかし、マスクで視界を奪われたサオリは上体を起こし手探りで何か、いやアキラを探しているようだった。
その手がアキラを見つけると、ギュッと抱きついてきた。
いつもは気の強いサオリを愛おしく感じたアキラは、全身黒いゴムに覆われたサオリをお姫様抱っこし、ベッドへと連れていった。
その後、2人はラバースーツを脱ぎ捨て、生まれたままの姿で交わった、何度も、何度も。
最終更新:2017年01月26日 14:03