企画21 | 兄妹をテーマとした普通のADV
平日選択イベント2
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匿名ユーザー
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選択イベント2
乙女
「うぇっ、この味付け何入れたの~?」
「うぇっ、この味付け何入れたの~?」
一也
「…………」
「…………」
乙女
「ちゃんとジャガイモの芽は取ってよね。常識だよ常識!」
「ちゃんとジャガイモの芽は取ってよね。常識だよ常識!」
一也
「…………」
「…………」
乙女
「あーあ、せっかくの食材が台無しだね」
「あーあ、せっかくの食材が台無しだね」
一也
「…………」
「…………」
乙女
「シケたご飯だよ本当にもー。略してシケ飯。お兄ちゃんはシケ飯男だね」
「シケたご飯だよ本当にもー。略してシケ飯。お兄ちゃんはシケ飯男だね」
一也
「うるっせーな! ごちゃごちゃ言うならお前が作れよ!!」
「うるっせーな! ごちゃごちゃ言うならお前が作れよ!!」
いい加減我慢の限界だ!
確かに俺が作った食事がまずかったから、という負い目もあるので黙っていたが。
そもそもの原因はこいつだっていうのに!
そもそもの原因はこいつだっていうのに!
乙女
「だってお兄ちゃんが食事当番でしょ」
「だってお兄ちゃんが食事当番でしょ」
一也
「出前取ろうって言ったのに、お前が『お兄ちゃんが作ったご飯が食べたいな』とか抜かすからこうなったんだろうが!」
「出前取ろうって言ったのに、お前が『お兄ちゃんが作ったご飯が食べたいな』とか抜かすからこうなったんだろうが!」
乙女
「今は料理できるほうがモテるんだよ?」
「今は料理できるほうがモテるんだよ?」
一也
「料理できなきゃモテないってわけじゃねーだろうが!」
「料理できなきゃモテないってわけじゃねーだろうが!」
乙女
「やってもない内から諦める男の人って……」
「やってもない内から諦める男の人って……」
一也
「だからやった結果がこれなんだろうが! 散々文句垂れやがって!」
「だからやった結果がこれなんだろうが! 散々文句垂れやがって!」
乙女
「お兄ちゃんさっきからうるさい。エクステラメーションマーク幾つ出してるのさ」
「お兄ちゃんさっきからうるさい。エクステラメーションマーク幾つ出してるのさ」
一也
「怒鳴りたくもなるわ! 大体な。母さんだったら、人の作った物は文句言わずにきちんと食べてくれるぞ?」
「怒鳴りたくもなるわ! 大体な。母さんだったら、人の作った物は文句言わずにきちんと食べてくれるぞ?」
乙女
「え~?」
「え~?」
一也
「一年くらい前だったか。母さんが熱出して倒れた時があっただろ」
「一年くらい前だったか。母さんが熱出して倒れた時があっただろ」
乙女
「うん、あったねえ」
「うん、あったねえ」
一也
「あの時、今まで米も炊いたことのないような親父が卵粥作ったんだ」
「あの時、今まで米も炊いたことのないような親父が卵粥作ったんだ」
乙女
「あー、うん……」
「あー、うん……」
一也
「ちょっと味見させてもらったけど、凄くまずかった。……でも、母さんはそれを美味しいって言って食べてくれたんだぞ!?」
「ちょっと味見させてもらったけど、凄くまずかった。……でも、母さんはそれを美味しいって言って食べてくれたんだぞ!?」
乙女
「……ふーん」
「……ふーん」
一也
「お前も母さんのように器のでかい女になれよ!」
「お前も母さんのように器のでかい女になれよ!」
乙女
「お母さん、その後お粥三角コーナーに捨ててたよ」
「お母さん、その後お粥三角コーナーに捨ててたよ」
一也
「台無しだっ!!!」
「台無しだっ!!!」
夫婦の美談の裏にそんな現実があったなんて!
一也
「うぐぐ……」
「うぐぐ……」
乙女
「ま、いーや。私が作るから、お兄ちゃん待っててよ」
「ま、いーや。私が作るから、お兄ちゃん待っててよ」
作り直すなら最初からお前がやれといいたい。
一也
「ったく」
「ったく」
乙女は台所に消え、俺はソファにどかっと腰を降ろす。
乙女の奴め、ボロクソに言いやがって。
俺だってなあ、慣れない包丁握って怪我しながらも料理したんだぜ……?
頑張った結果がこれだよ! ってか?
本当に酷い妹だ。
本当に酷い妹だ。
選択肢A
1:俺にもプライドがある 点数+1
2:乙女の料理にも文句つけてやる 点数+0
1:俺にもプライドがある 点数+1
2:乙女の料理にも文句つけてやる 点数+0
;選択肢A
;1番選択後
;1番選択後
一也
「乙女、俺も手伝うぞ」
「乙女、俺も手伝うぞ」
俺にもプライドってもんがある。
このまま無駄飯ぐらいの役立たずと認識されるわけにはいかない!
乙女
「……えー? いや、お兄ちゃんは座って待っててよ」
「……えー? いや、お兄ちゃんは座って待っててよ」
しょりしょりとにんじんの皮を剥きながら乙女が返事をする。
一也
「手伝いくらいさせてくれよ」
「手伝いくらいさせてくれよ」
乙女
「駄目だよ~。お兄ちゃんって、シケ飯の錬金術師だもん」
「駄目だよ~。お兄ちゃんって、シケ飯の錬金術師だもん」
俺はいつの間にか国家錬金術師にされていたらしい。
一也
「……し、シケ飯の錬金術師?」
「……し、シケ飯の錬金術師?」
乙女
「どんな料理でもお兄ちゃんが作るとシケ飯になるって、民名書房に載ってた」
「どんな料理でもお兄ちゃんが作るとシケ飯になるって、民名書房に載ってた」
一也
「民名書房ってお前……」
「民名書房ってお前……」
流石に結構ヘコんできた。
なあ、そんなにまずかったか、俺の料理……?
乙女
「……もう、そんなに手伝いたいの?」
「……もう、そんなに手伝いたいの?」
一也
「あ、ああ。このまま役立たずで終われるか!」
「あ、ああ。このまま役立たずで終われるか!」
乙女
「仕方ないなあ。じゃあ、そこの鍋とって?」
「仕方ないなあ。じゃあ、そこの鍋とって?」
一也
「わかった!」
「わかった!」
乙女
「水半分くらい入れて?」
「水半分くらい入れて?」
一也
「OK」
「OK」
乙女
「コンロにセット」
「コンロにセット」
一也
「任せろ」
「任せろ」
乙女
「火をつける」
「火をつける」
一也
「スイッチオン!」
「スイッチオン!」
乙女
「はい、湯沸しご苦労様」
「はい、湯沸しご苦労様」
一也
「………………うん……」
「………………うん……」
結局、俺には何もするなということらしかった。
乙女
「お兄ちゃん」
「お兄ちゃん」
一也
「……なんだ?」
「……なんだ?」
乙女
「私はさ、料理は一人でする派だから」
「私はさ、料理は一人でする派だから」
一也
「そうなのか?」
「そうなのか?」
乙女
「そうなの。お母さんみたいに経験豊富ってわけじゃないし、まだまだ練習中なんだよ?」
「そうなの。お母さんみたいに経験豊富ってわけじゃないし、まだまだ練習中なんだよ?」
一也
「その割りに、美味いと思うけどな」
「その割りに、美味いと思うけどな」
乙女
「そう? ありがと。まあ、それはそれとしても……別にお兄ちゃんを役立たず扱いしたいわけじゃないよ」
「そう? ありがと。まあ、それはそれとしても……別にお兄ちゃんを役立たず扱いしたいわけじゃないよ」
一也
「嘘付けよ……」
「嘘付けよ……」
乙女
「さっきは散々貶したけど、そんなのはいつもの冗談でさ。ちゃんと努力したってのはわかってるから」
「さっきは散々貶したけど、そんなのはいつもの冗談でさ。ちゃんと努力したってのはわかってるから」
一也
「…………」
「…………」
乙女
「だから、待っててよ」
「だから、待っててよ」
一也
「わかったよ」
「わかったよ」
乙女
「まずかったのは本当だけどね」
「まずかったのは本当だけどね」
一也
「余計なことを!」
「余計なことを!」
妹に諭される兄ってのは、何なんだろうな……。
俺はリビングに戻り、テレビのスイッチをつける。
一也
「……あ」
「……あ」
そこで、ふと思い出した。
あいつが、かなりのビビリであることに。
もしかしたら、横に刃物を持つ人間が立つことが。
もしかしたら、横にいる人間を刃物で傷つけてしまうかもしれないことが。
もしかしたら、横にいる人間を刃物で傷つけてしまうかもしれないことが。
乙女には、耐えられないストレスとなるのかもしれない。
一也
「なあ、乙女」
「なあ、乙女」
乙女
「なーにー?」
「なーにー?」
一也
「……いや」
「……いや」
今聞くようなことではないか。
一也
「今日のメニューはなんだ?」
「今日のメニューはなんだ?」
乙女
「野菜炒めとソーセージ焼いたのと味噌汁ー」
「野菜炒めとソーセージ焼いたのと味噌汁ー」
どうやら簡素なメニューで済ませるらしい。
ま、俺はその簡素なものすら作れないのだけど。
そして、十数分後。
テーブルには、俺と乙女の料理が並べられることになった。
いや、正確には俺の前に乙女の料理が。
乙女の前に俺の料理が温めなおされて並んでいる。
乙女の前に俺の料理が温めなおされて並んでいる。
一也
「……あれ? それ捨てるんじゃなかったのか」
「……あれ? それ捨てるんじゃなかったのか」
乙女
「何で捨てるの?」
「何で捨てるの?」
一也
「失敗したからに決まってるだろ」
「失敗したからに決まってるだろ」
乙女
「だからって、食べ物を無駄に出来るわけないじゃん」
「だからって、食べ物を無駄に出来るわけないじゃん」
一也
「いや、でも」
「いや、でも」
乙女
「いいよ、お兄ちゃんは私が作ったのを食べて。私はお兄ちゃんが作ったのを食べるから」
「いいよ、お兄ちゃんは私が作ったのを食べて。私はお兄ちゃんが作ったのを食べるから」
一也
「それでいいのか……?」
「それでいいのか……?」
乙女
「いーんだよ。だって、作ってって言ったのは私じゃん」
「いーんだよ。だって、作ってって言ったのは私じゃん」
確かにそうなんだけど。
選択肢B
1:やっぱり食べなくていい +0
2:余計なことは言わない +1
1:やっぱり食べなくていい +0
2:余計なことは言わない +1
選択肢B
1番選択後
1番選択後
一也
「やっぱり無理して食べなくていいって」
「やっぱり無理して食べなくていいって」
乙女
「別に無理はしてないよ」
「別に無理はしてないよ」
一也
「いや、してるだろ? 俺が言うのもなんだけど食えたもんじゃないよ、それは」
「いや、してるだろ? 俺が言うのもなんだけど食えたもんじゃないよ、それは」
乙女
「私がいいって言ってるんだから、いいの!」
「私がいいって言ってるんだから、いいの!」
一也
「何でそこまで意地になるんだよ?」
「何でそこまで意地になるんだよ?」
乙女
「意地張ってるのはお兄ちゃんじゃないの?」
「意地張ってるのはお兄ちゃんじゃないの?」
一也
「……え?」
「……え?」
乙女
「私にまずいものを食べさせるかどうかよりも、また貶されるのが嫌だから止めてるんでしょ」
「私にまずいものを食べさせるかどうかよりも、また貶されるのが嫌だから止めてるんでしょ」
一也
「いや、それは」
「いや、それは」
乙女
「お兄ちゃん、私が言ってたこと聞いてなかったの?」
「お兄ちゃん、私が言ってたこと聞いてなかったの?」
一也
「き、聞いてたけど」
「き、聞いてたけど」
乙女
「嘘つき。もういいよ、さっさと食べちゃって」
「嘘つき。もういいよ、さっさと食べちゃって」
一也
「……わかった」
「……わかった」
それからは、一言も会話のない暗い食事が続くことになった。
明日には、機嫌なおしてくれるといいけどな……。
選択イベント2
終了
終了
選択肢B
2番選択後
2番選択後
一也
「…………」
「…………」
余計なことは言わないでおこう。
乙女は少し苦い顔をしながらも、パクパクと料理を食べてくれている。
しかし、腹を壊したりはしないだろうか?
一也
「なあ、やっぱりそれまずいだろ?」
「なあ、やっぱりそれまずいだろ?」
乙女
「ん? うん……まずいね」
「ん? うん……まずいね」
一也
「だったら……」
「だったら……」
乙女
「でも、初めてなんだから仕方ないよ。誰でも初めからうまくできるわけないし」
「でも、初めてなんだから仕方ないよ。誰でも初めからうまくできるわけないし」
一也
「そりゃそうかもしれないけど」
「そりゃそうかもしれないけど」
乙女
「私だって、そりゃ最初はへたくそだったよ。ご飯がべちょべちょだったり、お魚は生焼けだったり」
「私だって、そりゃ最初はへたくそだったよ。ご飯がべちょべちょだったり、お魚は生焼けだったり」
乙女
「でもさ、それでも頑張って料理してきたことが。こうして役に立ってる」
「でもさ、それでも頑張って料理してきたことが。こうして役に立ってる」
一也
「……ああ」
「……ああ」
乙女がいなければ、この一週間。
食事はカップラーメンかコンビニ弁当だけになっていただろうな。
食事はカップラーメンかコンビニ弁当だけになっていただろうな。
乙女
「料理ってさ、出来ないより出来た方がいいじゃない」
「料理ってさ、出来ないより出来た方がいいじゃない」
一也
「そうだな」
「そうだな」
乙女
「これからも、気が向いたらでいいから練習しようよ。失敗しても私が食べてあげるからさ」
「これからも、気が向いたらでいいから練習しようよ。失敗しても私が食べてあげるからさ」
一也
「前向きに検討してみるよ」
「前向きに検討してみるよ」
乙女
「うわ、政治家的発言だよ~」
「うわ、政治家的発言だよ~」
それからは、マズ飯をネタにして笑いあいつつ。
楽しい食事の時間が過ぎていくのだった。
楽しい食事の時間が過ぎていくのだった。
選択イベント2 終了
選択肢A
2番選択後
2番選択後
流石に、少しは言い返さないと気がすまない。
一也
「でも、この間は乙女も失敗してたよな?」
「でも、この間は乙女も失敗してたよな?」
乙女
「……う」
「……う」
乙女の包丁を握る手がピクリと止まる。
一也
「お前だってそれほどうまくもない癖に、良く人の料理に文句つけられるもんだな」
「お前だってそれほどうまくもない癖に、良く人の料理に文句つけられるもんだな」
乙女
「お、お兄ちゃんよりはマシでしょ!」
「お、お兄ちゃんよりはマシでしょ!」
乙女は包丁を置いて、俺を睨みつける。
一也
「おいおい、俺と比べても自慢にはならねえだろ」
「おいおい、俺と比べても自慢にはならねえだろ」
乙女
「……お、お兄ちゃんだって。マズ飯しか作れない癖に人に文句つける資格ないよ!」
「……お、お兄ちゃんだって。マズ飯しか作れない癖に人に文句つける資格ないよ!」
一也
「俺は食べる側だからいいんだよ」
「俺は食べる側だからいいんだよ」
乙女
「ふん! お兄ちゃんなんか消費するばっかりで生産することのない、役立たずだよ! このウンコ製造機!!」
「ふん! お兄ちゃんなんか消費するばっかりで生産することのない、役立たずだよ! このウンコ製造機!!」
一也
「な、お前そこまで俺は堕落しちゃいねえよ!」
「な、お前そこまで俺は堕落しちゃいねえよ!」
乙女
「今はそうじゃなくても、きっとそうなるよ。お兄ちゃんの将来なんてニート以外ありえないよ!」
「今はそうじゃなくても、きっとそうなるよ。お兄ちゃんの将来なんてニート以外ありえないよ!」
一也
「お、お前だってどうせ結婚も出来ずに家に寄生し続けるつもりだろうが!」
「お、お前だってどうせ結婚も出来ずに家に寄生し続けるつもりだろうが!」
乙女
「お兄ちゃんと一緒にしないでよ! 私は素敵な人を見つけて幸せになるんだから!」
「お兄ちゃんと一緒にしないでよ! 私は素敵な人を見つけて幸せになるんだから!」
一也
「お前をもらってくれる奇特な人間なんざ、いるわけねえだろ!」
「お前をもらってくれる奇特な人間なんざ、いるわけねえだろ!」
乙女
「……い、いるよ。絶対にいる!」
「……い、いるよ。絶対にいる!」
一也
「いないね。人を馬鹿にしてばかりの奴となんて、誰も付き合いたがらねえよ」
「いないね。人を馬鹿にしてばかりの奴となんて、誰も付き合いたがらねえよ」
乙女
「もう……もういいよ! お兄ちゃんの馬鹿っ!!」
「もう……もういいよ! お兄ちゃんの馬鹿っ!!」
乙女は、料理を途中で放り出して部屋から出て行く。
……そこで、やっと頭が冷えてきた。
なんだか最近、喧嘩が多いかもなあ。
冗談みたいな言い争いが常とは言え、そこからヒートアップしてしまうことも多い。
少しは反省しないといけないな。
俺は、結局カップラーメンの準備をしながら、そう考えていた。
選択イベント2 終了