企画21 | 兄妹をテーマとした普通のADV
平日選択イベント5
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匿名ユーザー
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平日選択イベント5
『くっ……』
『腕を放して! このままではあなたも落ちてしまうわ!』
『絶対に、放すもんか!!』
乙女
「…………」
「…………」
一也
「……おい、乙女」
「……おい、乙女」
乙女
「え、何?」
「え、何?」
一也
「アニメばっか見てないで、さっさと飯食えよ」
「アニメばっか見てないで、さっさと飯食えよ」
乙女
「はーい」
「はーい」
なんてことはない、普通の夕食。
今日は乙女が作るのが面倒ということで、ラーメンの出前を取っていた。
そして、特に食事中特に見たいテレビ番組があったわけでもなく、適当にアニメを見ていただけなのだが……。
『あ、後少しだ……!』
崖から落ちそうになったヒロインを、主人公が引っ張り上げようとしている。
最近のアニメには珍しく鍛え上げられた体をしている主人公だ。
『ぐあっ!』
しかしもうちょっとで助けられそうな所で、どこからか飛んできたナイフが主人公の腕に突き刺さり、手を放してしまう。
『きゃあああああああああああっ!』
落下していくヒロイン。
主人公が、ヒロインの名前を悲痛な声で叫びながら、来週への引きとなった。
主人公が、ヒロインの名前を悲痛な声で叫びながら、来週への引きとなった。
……お約束な展開のように見えるが、中々面白そうだなこのアニメ。
乙女
「……ふーん」
「……ふーん」
一也
「どうした?」
「どうした?」
乙女
「お兄ちゃんには無理そうだよね、私を引っ張り上げること」
「お兄ちゃんには無理そうだよね、私を引っ張り上げること」
一也
「……そりゃな。人一人引っ張り上げるってのは、相当力がいるもんだぞ?」
「……そりゃな。人一人引っ張り上げるってのは、相当力がいるもんだぞ?」
ランボーみたいな体してないと無理だろ。
乙女
「でも、もうちょっと鍛えたら? 最近まるで運動してないでしょ」
「でも、もうちょっと鍛えたら? 最近まるで運動してないでしょ」
一也
「俺は頭脳労働派なんだよ」
「俺は頭脳労働派なんだよ」
乙女
「やだなーインテリ気取っちゃってもう。そういう台詞からは知性のかけらも感じられないよ」
「やだなーインテリ気取っちゃってもう。そういう台詞からは知性のかけらも感じられないよ」
一也
「……そうかい」
「……そうかい」
確かに、「俺は頭脳労働派なんだよ」とか吐く人間は、頭が良さそうには見えないかもしれないが。
一也
「でもさー、お前体重何キロだよ? それによっても、引っ張り上げられるかは変わってくると思うぞ」
「でもさー、お前体重何キロだよ? それによっても、引っ張り上げられるかは変わってくると思うぞ」
乙女
「……!」
「……!」
乙女の動きがぴたりと止まる。
一也
「……乙女?」
「……乙女?」
乙女
「太ってる?」
「太ってる?」
一也
「え?」
「え?」
乙女
「私、太ってきてるかな?」
「私、太ってきてるかな?」
一也
「え、そ、そう言われてもな……」
「え、そ、そう言われてもな……」
選択肢A
1:大丈夫、気にするな +0
2:むしろもっと食べたほうがいい +1
1:大丈夫、気にするな +0
2:むしろもっと食べたほうがいい +1
選択肢A
1番選択
1番選択
一也
「別に、気にするなよ」
「別に、気にするなよ」
乙女
「やっぱ太ってるんだ……」
「やっぱ太ってるんだ……」
一也
「いや、別にそういう意味じゃ」
「いや、別にそういう意味じゃ」
乙女
「……残りのラーメン上げる」
「……残りのラーメン上げる」
一也
「だからそういう意味じゃないって」
「だからそういう意味じゃないって」
乙女
「じゃあ、どういう意味」
「じゃあ、どういう意味」
一也
「そんな太ってないから、気にするなってことだ!」
「そんな太ってないから、気にするなってことだ!」
乙女
「そう……?」
「そう……?」
選択肢A
2番選択後
2番選択後
一也
「むしろ、お前細すぎだから食べたほうがいいぞ」
「むしろ、お前細すぎだから食べたほうがいいぞ」
乙女
「そ、そうかな?」
「そ、そうかな?」
一也
「ああ、その方が健康的でいいと思うぞ、俺はな」
「ああ、その方が健康的でいいと思うぞ、俺はな」
乙女
「それなら、良かった……。実は最近、ちょっと気にしてたんだよね」
「それなら、良かった……。実は最近、ちょっと気にしてたんだよね」
一也
「ま、お前の場合太っても胸に還元されないからな……」
「ま、お前の場合太っても胸に還元されないからな……」
乙女
「今何か言った?」
「今何か言った?」
一也
「キリストとアッラーと釈迦に誓って何もいってませんよ?」
「キリストとアッラーと釈迦に誓って何もいってませんよ?」
乙女
「……ふーーーーーーーん」
「……ふーーーーーーーん」
選択肢A
合流
合流
一也
「ま、まあ、あれだ。そもそも崖に行かなけりゃ落ちないんだから、そんな心配は不要だよな」
「ま、まあ、あれだ。そもそも崖に行かなけりゃ落ちないんだから、そんな心配は不要だよな」
乙女
「でもさ」
「でもさ」
一也
「ん?」
「ん?」
乙女
「自分を犠牲にしなくちゃ家族を助けられないかもしれないって事態は、いつ遭遇してもおかしくないよね」
「自分を犠牲にしなくちゃ家族を助けられないかもしれないって事態は、いつ遭遇してもおかしくないよね」
一也
「あー……そりゃまあ、わからんが」
「あー……そりゃまあ、わからんが」
誰だって、いつどんな事故にあうか、どんな病気になるかなんてわからない。
自分や家族は大丈夫だなんて、いつも思ってしまうけど。
乙女
「ここで問題です」
「ここで問題です」
一也
「あん?」
「あん?」
乙女
「お兄ちゃんと私が事故にあいました」
「お兄ちゃんと私が事故にあいました」
一也
「どんな事故だ?」
「どんな事故だ?」
乙女
「どんな事故でもいいよ」
「どんな事故でもいいよ」
一也
「いや、そこは重要だろ」
「いや、そこは重要だろ」
乙女
「全然重要じゃないよっ。あーもう、じゃあトラックにはね飛ばされたってことでいいよ!」
「全然重要じゃないよっ。あーもう、じゃあトラックにはね飛ばされたってことでいいよ!」
一也
「二人揃ってかよ。そりゃ心中じゃないか?」
「二人揃ってかよ。そりゃ心中じゃないか?」
乙女
「事故なの! もうっ、全然話が進まないよ!」
「事故なの! もうっ、全然話が進まないよ!」
一也
「悪かった、続けてくれ」
「悪かった、続けてくれ」
どうしてもちゃちゃを入れたくなってしまう。
乙女
「それでね、私とお兄ちゃんって、同じB型じゃない」
「それでね、私とお兄ちゃんって、同じB型じゃない」
一也
「ああ」
「ああ」
乙女
「運び込まれた先の病院では偶然B型の血が足りてなくて、ちょうど一人だけ助けられるかどうかってくらいの量しかなかったの」
「運び込まれた先の病院では偶然B型の血が足りてなくて、ちょうど一人だけ助けられるかどうかってくらいの量しかなかったの」
一也
「それで?」
「それで?」
乙女
「そういう場合、お兄ちゃんは私に血を譲ってくれる?」
「そういう場合、お兄ちゃんは私に血を譲ってくれる?」
一也
「んな仮定の話持ち出されても、困るんだがな……」
「んな仮定の話持ち出されても、困るんだがな……」
乙女
「仮定なんだから、適当に答えてもいいよ」
「仮定なんだから、適当に答えてもいいよ」
一也
「そうだな……」
「そうだな……」
選択肢B
1:譲るだろうな +0
2:その時になってみないとわからん +1
1:譲るだろうな +0
2:その時になってみないとわからん +1
選択肢B
1番選択後
1番選択後
一也
「譲るかな」
「譲るかな」
乙女
「……え?」
「……え?」
一也
「別に、それが普通だろうし」
「別に、それが普通だろうし」
乙女
「そうなの?」
「そうなの?」
一也
「……ん? そうなのって言われれば、別にそうでもないか……」
「……ん? そうなのって言われれば、別にそうでもないか……」
乙女
「もう、どっち?」
「もう、どっち?」
一也
「知るかよ。さっきは、それが普通かなって思った。ただそれだけだ」
「知るかよ。さっきは、それが普通かなって思った。ただそれだけだ」
乙女
「……普通、ねー」
「……普通、ねー」
一也
「何だよ」
「何だよ」
乙女
「別に、そういう考えなんだなーって思って」
「別に、そういう考えなんだなーって思って」
一也
「……わかわかんねえな」
「……わかわかんねえな」
全く、最近乙女の考えてることが全然わからん。
選択肢B
2版選択後
2版選択後
一也
「その時にならないと、わかんねえよ」
「その時にならないと、わかんねえよ」
乙女
「もう、少しはのってくれてもいいじゃん」
「もう、少しはのってくれてもいいじゃん」
一也
「んなこと言われてもな。事故に合った後だっつーんなら、死ぬ程痛いんだろうし、必死に、俺を助けてくれ! って叫ぶかもしれないし」
「んなこと言われてもな。事故に合った後だっつーんなら、死ぬ程痛いんだろうし、必死に、俺を助けてくれ! って叫ぶかもしれないし」
乙女
「薄情だなー」
「薄情だなー」
一也
「もしかしたら、医者が助かる見込みが高い方を勝手に選ぶかもしれない」
「もしかしたら、医者が助かる見込みが高い方を勝手に選ぶかもしれない」
乙女
「むう」
「むう」
一也
「そもそも、お前の意思がどうかわかんねえだろ」
「そもそも、お前の意思がどうかわかんねえだろ」
乙女
「え?」
「え?」
一也
「もしかしたら、両方『自分を助けてくれ』って言った場合……。それとも、まあ……逆の場合もあるかもしれないし」
「もしかしたら、両方『自分を助けてくれ』って言った場合……。それとも、まあ……逆の場合もあるかもしれないし」
親がいれば親に輸血してもらえばいいんだろうが。
今は旅行中、急に連絡は取れない。
乙女
「私は……たぶん……」
「私は……たぶん……」
一也
「たぶん?」
「たぶん?」
乙女
「…………んー…………その時にならないと、わかんないね」
「…………んー…………その時にならないと、わかんないね」
一也
「そう来るだろうと思ったよ」
「そう来るだろうと思ったよ」
家族だからこそ。
考えたってわからないんだと思う。
考えたってわからないんだと思う。
多分その時になったら、考えるよりも先に行動に出る。
それが本当の家族だと思うから。
それが本当の家族だと思うから。