企画21 | 兄妹をテーマとした普通のADV
平日選択イベント7
最終更新:
匿名ユーザー
-
view
平日選択イベント7
一也
「はあ」
「はあ」
学校からの帰り道、俺はとぼとぼと歩きながら一つ溜息をついた。
一也
「進路くらい、好きに決めさせてほしいね」
「進路くらい、好きに決めさせてほしいね」
途中、自販機で買ったコーラをごくりと飲み干しながら、学校での出来事を思い返す。
教師
「なあ、浅井」
「なあ、浅井」
一也
「なんですか?」
「なんですか?」
教師
「お前、ちゃんとやればもっと上に行けるんだぞ? 地元の国立じゃもったいないだろ」
「お前、ちゃんとやればもっと上に行けるんだぞ? 地元の国立じゃもったいないだろ」
一也
「……買い被り過ぎですし、そこまで家に余裕がないですよ」
「……買い被り過ぎですし、そこまで家に余裕がないですよ」
というのは嘘で、実際俺の家は恵まれている方だ。
父さんや母さんも、大学は行きたい所に行けばいいと言ってくれている。
父さんや母さんも、大学は行きたい所に行けばいいと言ってくれている。
しかし東京の方を目指したりするならば、流石にいつものペースで勉強していたら無理だろうし。
何より……。
教師
「……まあいい、このことはご両親も交えてまた話をしよう」
「……まあいい、このことはご両親も交えてまた話をしよう」
一也
「勘弁してくださいよ」
「勘弁してくださいよ」
……何より、わざわざ東京に行くなんて面倒だ。
俺は家から出る気はないんだよ。
俺は家から出る気はないんだよ。
一也
「はあ」
「はあ」
二度目の溜息。
まあそんな感じで、俺は教師に進路変更を迫られているわけだ。
教師なら生徒の行く道を応援して欲しいもんだがね。
教師なら生徒の行く道を応援して欲しいもんだがね。
俺は公園の入り口辺り、適当に目がついたゴミ箱に缶を放り投げる。
カン、といい音がして、空き缶はゴミ箱から弾かれ道に転がった。
一也
「……見なかったことにしよう」
「……見なかったことにしよう」
俺は目を背け、そのまま歩き出す。
誰か親切な人が入れてくれることに期待……。
誰か親切な人が入れてくれることに期待……。
?
「こらっ!」
「こらっ!」
一也
「……ん? いてっ!」
「……ん? いてっ!」
誰かの怒声に振り返った瞬間、何かが額に当たる。
一也
「何しやがるっ!」
「何しやがるっ!」
額を押さえながらそちらを向くと、そこには少し気まずそうな顔をした乙女の姿。
そして俺の足元に転がる缶。
……どうやら、乙女が缶を投擲したらしい。
乙女
「ご、ごめん。まさか当たるとは……」
「ご、ごめん。まさか当たるとは……」
一也
「当たるとは、じゃねえよ! 下手したらデコ切れてたぞ?」
「当たるとは、じゃねえよ! 下手したらデコ切れてたぞ?」
乙女
「ま、まあ切れなかったんだからいいでしょ。お兄ちゃんがポイ捨てするからいけないんだよ」
「ま、まあ切れなかったんだからいいでしょ。お兄ちゃんがポイ捨てするからいけないんだよ」
一也
「ポイ捨てじゃねえよ、あくまで外れただけだ」
「ポイ捨てじゃねえよ、あくまで外れただけだ」
乙女
「その後入れなおさなかったらポイ捨てと同じでしょ!」
「その後入れなおさなかったらポイ捨てと同じでしょ!」
一也
「……そうだけど」
「……そうだけど」
乙女は落ちている缶を拾って俺に突きつける。
乙女
「ほら、そこに入れにいく!」
「ほら、そこに入れにいく!」
一也
「……はいはい」
「……はいはい」
俺としてはまだ缶を投げつけてきたことに文句を言いたかったが、下手に口論しても鬱陶しいことにしかならない。
一也
「入れてきたぞ」
「入れてきたぞ」
乙女
「最初からそうすればいいんだよ」
「最初からそうすればいいんだよ」
その通りなのだけれど、こいつに言われるだけで憎らしく感じるなあ。
一也
「……ま、どうでもいいか」
「……ま、どうでもいいか」
乙女
「あ、何無視しようとしてるのさ」
「あ、何無視しようとしてるのさ」
一也
「うるさいな、俺には考え事があるんだよ」
「うるさいな、俺には考え事があるんだよ」
乙女
「お兄ちゃんに考え事? どんな? ねえ、聞かせてよ」
「お兄ちゃんに考え事? どんな? ねえ、聞かせてよ」
あー、鬱陶しい。
……乙女に進路の相談なんかしても意味ないってわかってるけど、どうするか。
選択肢A
1:俺が家を出るって言ったらどうする? +0
2:お前、進路のことちゃんと考えてるか? +2
1:俺が家を出るって言ったらどうする? +0
2:お前、進路のことちゃんと考えてるか? +2
;選択肢A
;1番選択後
;1番選択後
一也
「あのさ、乙女」
「あのさ、乙女」
乙女
「何?」
「何?」
一也
「俺が家を出るって言ったらどうする?」
「俺が家を出るって言ったらどうする?」
乙女
「……え? それは、高校卒業した後ってこと?」
「……え? それは、高校卒業した後ってこと?」
一也
「そう」
「そう」
乙女
「別に、いーんじゃないの? お兄ちゃんの好きにしたらいいと思うよ」
「別に、いーんじゃないの? お兄ちゃんの好きにしたらいいと思うよ」
一也
「……ま、そう言うよなあ」
「……ま、そう言うよなあ」
乙女
「あ、お兄ちゃんが出て行ったら、壁壊してお兄ちゃんの部屋も私の部屋にしてもらおうかな?」
「あ、お兄ちゃんが出て行ったら、壁壊してお兄ちゃんの部屋も私の部屋にしてもらおうかな?」
一也
「……お前な」
「……お前な」
乙女
「なーにその顔? あ、もしかして引きとめて欲しかったとか?」
「なーにその顔? あ、もしかして引きとめて欲しかったとか?」
ぷぷぷ、と小憎らしい顔で笑う乙女。
俺は胸に燻る苛立ちを抑えながら言い返す。
一也
「絶対出て行ってやらねーよ。その内にお前を追い出してやる」
「絶対出て行ってやらねーよ。その内にお前を追い出してやる」
乙女
「それこそあり得ないね~、私も家出たくないし」
「それこそあり得ないね~、私も家出たくないし」
一也
「……いいか? 俺は長男なんだ」
「……いいか? 俺は長男なんだ」
乙女
「それが?」
「それが?」
一也
「長男だから家を継ぐ。お前は結婚して家を出て行く」
「長男だから家を継ぐ。お前は結婚して家を出て行く」
乙女
「……」
「……」
一也
「わかるか?」
「わかるか?」
乙女
「……じゃあ結婚しなければよくない?」
「……じゃあ結婚しなければよくない?」
一也
「しないってわけにゃいかねーだろ」
「しないってわけにゃいかねーだろ」
乙女
「そんなことはないと思うけど」
「そんなことはないと思うけど」
一也
「……まあそうだな。でも俺が結婚してもお前は家に居座るのか?」
「……まあそうだな。でも俺が結婚してもお前は家に居座るのか?」
乙女
「あー、それは……」
「あー、それは……」
そこまで神経が図太くはないだろう。
乙女
「あ、そうだ。解決策見つけた」
「あ、そうだ。解決策見つけた」
一也
「なんだ?」
「なんだ?」
乙女
「お兄ちゃんと私が結婚すれば何も問題はない! なんて」
「お兄ちゃんと私が結婚すれば何も問題はない! なんて」
一也
「お前な」
「お前な」
乙女
「……」
「……」
一也
「……、自分の言ったこともう一回繰り返してみ?」
「……、自分の言ったこともう一回繰り返してみ?」
乙女
「…………ごめん、私も言ってから後悔した」
「…………ごめん、私も言ってから後悔した」
こうして、二人でげんなりしながら帰宅した。
;平日選択イベント7終了 ポイント+0
選択肢A
2番選択後
2番選択後
一也
「お前、進路のことちゃんと考えてるか?」
「お前、進路のことちゃんと考えてるか?」
乙女
「は? いや、まだ一年生だし……」
「は? いや、まだ一年生だし……」
一也
「高校生活なんてな、あっという間だぞ」
「高校生活なんてな、あっという間だぞ」
乙女
「経験者は語る、ってやつ?」
「経験者は語る、ってやつ?」
一也
「そういうことだ」
「そういうことだ」
乙女
「そう言われてもなあ……。私は勉強出来るほうじゃないし」
「そう言われてもなあ……。私は勉強出来るほうじゃないし」
一也
「毎日少しずつでもやれば伸びると思うぞ」
「毎日少しずつでもやれば伸びると思うぞ」
乙女
「お兄ちゃんはいいよね、そう言えるだけの実力があってさ。それ以外とりえがないけど」
「お兄ちゃんはいいよね、そう言えるだけの実力があってさ。それ以外とりえがないけど」
一也
「……お前の言う通りだよ」
「……お前の言う通りだよ」
乙女
「ちょ、どうしたの? いつもならそこで怒るところじゃない」
「ちょ、どうしたの? いつもならそこで怒るところじゃない」
一也
「勉強が出来て、いい大学行けても、絶対に幸せになれるわけじゃないだろうし」
「勉強が出来て、いい大学行けても、絶対に幸せになれるわけじゃないだろうし」
乙女
「……贅沢な悩み抱えてるんだね」
「……贅沢な悩み抱えてるんだね」
一也
「贅沢か、確かに贅沢だよな」
「贅沢か、確かに贅沢だよな」
乙女
「そうだよ」
「そうだよ」
限られた選択しかできない人だって、少なからずいるわけだしな……。
乙女
「お兄ちゃん頭だけはいいし、いつもぐうたらしてる時間使って考えればいいじゃない」
「お兄ちゃん頭だけはいいし、いつもぐうたらしてる時間使って考えればいいじゃない」
一也
「……そうだなあ」
「……そうだなあ」
乙女
「そうそう! 私いいコト言った!」
「そうそう! 私いいコト言った!」
満足げに頷く乙女を横目で見ながら苦笑する。
ま、こいつは要領はいいし、将来を心配することはないだろう。
一也
「ま、お前が三年生になったら、俺がみっちりと勉強教えてやるよ」
「ま、お前が三年生になったら、俺がみっちりと勉強教えてやるよ」
乙女
「……うげー、今からげんなりさせないでよ」
「……うげー、今からげんなりさせないでよ」
一也
「心配するな、お前なら少しやればどこにだって行けるから」
「心配するな、お前なら少しやればどこにだって行けるから」
乙女
「え、そうかな?」
「え、そうかな?」
一也
「……ああ、俺が保証しといてやるよ」
「……ああ、俺が保証しといてやるよ」
乙女
「お兄ちゃんに保証してもらっても全然安心できないけど……一応お礼言っとくよ、先払いでね」
「お兄ちゃんに保証してもらっても全然安心できないけど……一応お礼言っとくよ、先払いでね」
一也
「本来なら家庭教師の金をもらうところなんだがな」
「本来なら家庭教師の金をもらうところなんだがな」
乙女
「家族なんだからそんなのいらないでしょ」
「家族なんだからそんなのいらないでしょ」
一也
「……あーあ、妹だからって甘えやがってよ」
「……あーあ、妹だからって甘えやがってよ」
そんなこんなで、憎まれ口をたたきあいながら帰宅した。
平日選択イベント7終了
- 2ポイント