本文内容
ドデスカンドデンッ!!
ダダスカントダンッ!!
チャララァ~ラ~ラ~ラ↓~♪
チャララァ~ラ~ラ~ラ↑~♪
(さあ…いつものように、ター○ネー○ーのメロディーで !!)
バンッ!!
バーの扉を荒々しく開け入って来た妖怪がいた。
無機質な瞳で、テレビのモニターを見る…。
「……George!!」
そう、そいつはあの光の球体とともに現われた全裸の妖怪だった。
バーの空気が張り詰める…。
そんな中、マスターのnanakiは顔色一つ変える事なく、その妖怪(全裸)に向かって
言い放つ。
「お客さん、ウチはヌーディストお断りだよ…」
その言葉が聞こえているのかいないのか、その妖怪(全裸)は、黙って
TVのモニターの前へと歩み寄る。
「……George!!」
nanakiの表情が一瞬曇る。
店内の妖怪客は、誰一人口を開かない…。
「ご注文は? 何も飲まないんだったら帰んな…」
「お、おいマスター…ヘタに刺激しない方がいいぜ!!」
どう見ても普通ではない妖怪(全裸)に不安を覚えたyou-chanは
関わりをもたない方が得策と判断しnanakiを止める。
すると、モニターから視線を外した妖怪(全裸)は静かにカウンターに向き直り
こう言った…。
「……服……服をよこせ……」
一方その頃…。
ここはメガロポリス「怪」の中心地から、数キロ離れた場所にある旧市街地。
今、ここに住む妖怪はほとんど無く、ただ瓦礫の山と無数の屍が転がる
まさに「あの世」である…。
その古びた倉庫街に漆黒のバイクが一台、薄っすらと不気味な妖気を
発しながらとまっていた。
倉庫の中から話し声がする…若い少女のモノだ。
「なぜ…こんな事をするの…?」
「…………」
「…ごめんなさい……」
無機質なパイプが張り巡らされた天井から、時折水滴がピタピタと
床に落ちる…全身黒一色のライダースーツに身を包み
地獄の鬼を想わせるデザインのヘルメットを被った鬼神と
一人の少女の妖怪shionがそこにいた…。
「…でも…この数日間、あなたを見ていて…何だかとても悲しそう…」
「…………」
shionの言葉は鬼神の耳に入っているのであろうか?
ここへ来て、もう2時間になろうとしていた。
「私、思ったの…あなたは悪い妖怪じゃないって…」
「…………」
「だってあの時…妖怪ポリスから逃げていた時…急に飛び出して来た
猫又を避けて通ったでしょ!?」
「…………」
その時、倉庫の外が急に明るくなったかと思うと、聞き覚えのある声が
旧市街地に響き渡った。
「
鬼神ライダー!! お前は完全に包囲されている…無駄な抵抗はやめて
おとなしく少女を解放しろ!!!!」
妖怪ポリス特殊高機動武隊「AKATHUKI」の隊長Akathukiである。
「隊長…突入準備OKです!! …いきますか!?」
「まて…もう少し様子を見る…」
倉庫の中から返事は無い…ただ漆黒の闇だけがそこにあるだけだ…。
「どうした鬼神ライダー!! 臆したか?!!! お前の力を見せてみろ!!!!」
フシュルルゥ~~ッ!!
鬼神の口から吐き出された妖気が、ヘルメットの隙間から噴出される。
「…乗れ…」
一言shionに言うと、鬼神はshionの腕を掴みバイクに乗せた。
「…教えた通りにやればいい…」
「え…?」
「いくぞ…ショーの始まりだ…」
ヴゥオオオン ヴゥオオオォーン!!!!
バイクのエンジン音が唸る…それと同時に叫ぶAkathuki。
「対ショック付喪神防壁用意 !! 総員、戦闘配置!! 鬼神の言霊攻撃に備えよ!!!!」
けたたましい音をたて、鬼神のバイクが倉庫の中から姿を現した。
鬼神の後ろにはshionが乗っている…。
「いいか!! 少女に傷一つつけるな!!」
「了解 !!!!」
ヴァアアアン ヴァアアアァーン!!!!
いぃ~くぅ~ずぉ~ッ…
「えっ? あ、はいっ!!」
こおォ~ええェ~があァ~
小ぃ~せェ~ぞォ~ッ!!!!
「はっ、はいっ!!!!」
shionが今出せるだけの精一杯の大声で叫ぶ。
鬼神のバイクが走り出す、迎え撃つAkathuki!!!!
バオオォ――――ンッ!!!!
古庫裏婆が
こっこくり…
咥えているのは
えている…
ラーメン!!!!!!!!
えっ…と… めェん!!!!
ドゴオオォ――――ンッ!!!!
「ぐはッ…ウブっ…ど、どうしたッ…何がおこった!!!?」
「はッはい…ゴホっ…付喪神防壁がッ…」
「!!!?」
Akathukiが正気を取り戻したときには、すでに鬼神の姿はそこに無かった…。
「ま、まさか気のせいか? …たしかに少女も一緒に言霊アタックを
使っていたように見えたが…!?」
そう言うとAkathukiは、鬼神の消え去ったであろう方角を見つめた。
そう…メガロポリス「怪」のメインタワーを…。
もう、ゴメンなんて言いません(笑)
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最終更新:2016年08月05日 16:17