【効果音:バタンと扉を大きく開く音】
村野「部長が集まれって言ってるで~!」
【立ち絵:村野(元気)】
その時、ドアが勢いよく開けられた
綾はあわてて後ろを向く
村野「なんや、お取り込み中かいな」
村野さんは不機嫌そうに眉間に眉を寄せた
徹「なに言ってんですか」
出来るだけ平静を保つ、しかし神経は彼女の持つビデオカメラに集中していた
あることないこと言われたら非常に面倒だ、被害は最小に抑えなければ
綾「あ、それじゃ私先に行ってるから」
綾はそそくさとその場を去っていった
ホッとした様な惜しいような・・・・
村野「そういえば徹君もうだいじょうぶなん?倒れたってきいたで」
徹「倒れたなんて大げさな、部屋で休んでただけですよ」
村野「ふーん・・・・・とにかくロビーに集まったほうがええで」
徹「あ、はい」
汗臭い服を着替え、村野の後を追うように部屋をでた
【効果音:着替えの音】
【画像:ロビー】
【音楽:合宿所(なごみ)】
ロビーに行くと、ミス研の顔が勢ぞろいだった
【立ち絵:部長(元気、めがね)】
部長「徹君、大丈夫かい?」
部長が言うと皆がこちらに顔を向ける
【画像:机に座っている五人】
徹「あ、はいスッカリよくなりました」
部長「そうかい、よかった。そこに掛けてくれ」
ひとつだけあいてる席に座る、隣には長野先輩がいた
長野先輩も来てたのか、珍しいな
【効果音:椅子を引く音】
部長の話に興味は無いらしく、暇そうに空間を見つめている
部長「それじゃあ、明日からの日程を説明します」
部長が全員に紙を渡す
そこには島の地図らしきものが載っていた
【画像:島の地図】
部長「日程としては四日後までは各自島を調べる、その後二日で情報交換、
以降はまとめとしたいと思います。意見は?」
誰も手を上げない
部長「探索の際は必ずトランシーバーを持つこと、
暗くなったら帰る、一人では出歩かない、出歩く際には誰かに理由と場所を告げること、
質問が無ければ次に移ります」
やはり誰も手を上げない
部長「それじゃ、一応グループを作ります。探索の際は必ずペアの人と出るように、
とりあえず僕と深町さん、長野と村町さん、徹君と綾さんで異存は?
- っと、すみません最後に一年生の徹君と綾さんが調べるのは
隣の保養施設、管理棟、研究所のみにしてください」
徹「僕と綾は殆ど移動が無いですね」
部長「うん、すまないんだけど危ないからね、僕たちは去年も来てるからさ」
徹「そうですか・・・でも、危ないって崖でもあるんですか?」
一瞬、部長が目を伏せたのを僕は見逃さなかった
部長「ああ、森とかもあるし迷ったら危ないしね」
徹「そうですか・・・・」
なんなのだろう、何かあったのかな?
部長「それじゃあ、夕飯が出来るまで解散です」
【音楽:合宿所(明るい)】
深町「食事を作るのは女性が担当です」
台所にいる深町先輩の元に綾と村野が集まる
【立ち絵:女性三人】
徹「綾も料理するの・・?」
恐る恐る綾にたずねる
綾「徹君には私が男の子に見えるわけ?」
【効果音:ピキンと割れる音
【音楽:無音】
瞬間、時が止まったような感覚に襲われた
【効果音:ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・】
たしか今日は胃腸薬を持ってきていないはずだ・・・・
綾のドジは料理を絡ませると効果が倍増する
昔、綾が作った酢豚は次元を三つか四つ飛び越えた形をしていた
綾が「形は悪いけど、美味しい筈だから」という説得力があるのか無いのかよくわからない言葉に乗せられ、食べてしまったのが間違いだった
口に入れた途端に電池のような風味と「隠し味にブロム水素酸でも使ってるのか?」というような苦酸っぱさと味に襲われた。
ちなみにその後三日間舌がしびれて味がしなかった
【立ち絵:綾(困っている)】
綾「徹君、なに固まってるの?」
徹「へ、へぇ、綾はどんな料理を作るつもりなんだい?」
返答次第では僕は今夜にでも姿を眩ませなければならない
綾「残念だけど、私は深町先輩の手伝いだけよ。」
徹「それは残念だなぁ」
【効果音:パンパカパーン】
心の中で花が咲き乱れる
綾「そんなに残念?そうねぇ、帰ったら徹君に手作りのお料理ご馳走しちゃおうかしら」
【効果音:どーん】
花の命は短かった
【音楽:合宿所(なごみ)】
ロビーに戻ると長野先輩と長谷川部長が話していた
【立ち絵:部長(めがね無し、長野(普通)】
徹「長野先輩、お久しぶりです」
長野「ああ、徹か」
長野先輩はあまり部活に来ない幽霊部員だった、
というより運動部を掛け持ちしていて忙しいらしい、
体育会系のがっしりした体のこの人がなぜこんな部に所属しているのだろう
性格は静かで、とても口数の少ない人だ
部長「徹君、昼間はいったいどうしたんだい?」
長谷川部長が珍しく眼鏡をはずしている
徹「はぁ、なんだか軽い日射病だったみたいで」
部長「大丈夫かい?明日の探索は休んでもいいんだよ?」
徹「いえ、ホントにもう大丈夫ですから」
部長「そうかい、でも無理はしないでくれよ・・・、そういえば無線機のほうはどうだった?」
徹「あ、直りましたけど古いらしくてあんまり調子よくないみたいです」
長野「そんなものもって来てたのか?」
長野先輩が意外そうに部長に聞く
部長「一応、使わなければ関係ないけどな」
徹「え、去年はもって来てなかったんですか?」
それならどうやって船を呼んだのだろう
部長「ああ、去年は一週間後に来てくれと言ったんだ、期間があまり無かったから」
徹「へえ、そうなんですか、そういえば去年って・・・・・・」
村野「夕御飯できたでー!」
【立ち絵:村野(元気)】
綾「男子も運ぶの手伝ってくださーい!」
【立ち絵:綾(元気)】
と、突然に台所から綾と村野の声がとんできた
長野「?やたら早いな」
長谷川部長と長野先輩が台所へと向かう
去年のことを聞きそびれてしまった
まあ、あとで聞けばいいか
台所へ行くと鉄板が二枚とごちゃごちゃした鉄の棒があった
綾「それを外に運んでください」
綾が野菜やら肉やらの乗った皿を持っていた
なるほど、準備が早いわけだ。どうやらバーベキューか焼肉らしい
女性陣の言うとおり鉄板を外に持っていく
【効果音:鉄の動く音】
道具はそれほど多くなく、二、三回往復すると終わりだった
それを長野先輩がテキパキと組み立てると、あっという間にバーベキューの台が出来てしまった
徹「慣れた手つきですねぇ」
僕は感心して声をあげた
長野「ああ、親父とよくいろんなとこに行くからな」
そう言うと、鉄の円筒に木を入れて燃やし始めた
【効果音:火が燃える】
長野「少し時間がかかるかな」
長谷川部長がが野菜の乗った皿をもう一つの台の上に置く
部長「だな、温まるまで女子の手伝いでもしよう」
僕と長野先輩は台所へ向かった
台所へ行くと皿を持ってパタパタと走っている村野と皿に肉を盛り付けている深町先輩が目に入った
綾は奥でペットボトルが入った袋を持ち上げようと頑張っていた
【立ち絵:綾(困り)】
綾の手から袋をひったくり、もう片方でもう一つ袋を持つ
綾「徹君、力持ちね」
徹「伊達に実家が剣道場じゃありません」
綾は意外そうに驚いた後何か微笑み、僕の後をついて来た
【効果音:肉の焼ける音】
【音楽:合宿所(明るい)】
全員が揃い、肉を焼いているといつの間にかグループが出来ていた
最初はいちゃつく部長を忌々しげに村野と見ていた僕も今では綾と肉をつついている
村野も長野先輩と以外に仲がいいらしく、なにやら雑談をしていた
【立ち絵:綾(皿、箸持ち)】
鉄板の上を見ると少し冷めかけている野菜や肉が残っていた
ひときり目立ついびつな形のタマネギはやはり綾が切ったのだろう
人気が無いらしくあちこちに残っている
最終更新:2006年09月15日 22:25