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pipipipipipipi!

【効果音:アラーム】

あ、朝か・・・。

【音楽:暗め】

どうやら綾の部屋で寝てしまったようだ。
ぼんやりした頭がはっきりすると同時に昨日のことがフラッシュバックする。
部長の生首が鮮明に頭に浮かんだ。
背筋が凍えた。
いったい、あいつはなんなんだ・・・。
なぜ、僕たちを殺そうとしたんだ。
あるいは、部長の生首は作り物で、僕たちを驚かせようとして・・・。
楽観的な考えをが浮かぶ。いや、それはない。
あの血の臭いは本物だ、そしてあの腐臭も。
そういえば、今日話をしてくれるんだっけ、いったい何が明かされるのか。
綾の顔をみる、綾はすっかり寝入っていた。
可愛らしい寝顔だ、と思い顔が赤くなる。可哀想だが起こさないといけない。
綾も聞いておかないといけないだろう。
徹「綾、起きて、綾」
綾「う・・・ん」
そう言えばまだ綾の手を握ったままだった。
すこし指を絡ませ、力強く握る。
僕が、守らなくちゃいけないかな。
言葉にするには曖昧だけど強い実感が僕の中にあった。

【場所:ロビー】

綾が着替えると一階に下りた。
僕は村野さんの隣に、綾は向こう側に座った。

【画像:四人で座っている】

最初に口を開いたのは長野先輩だった。
長野「昨日、お前等が見た鬼、あれは化け物だ」
突然、信じられない言葉を放った。
徹「まさか、冗談でしょう?もう二十一世紀ですよ、いまさら化け物だなんて」
すこし茶化したふうにいうと、長野先輩は真剣な顔に切り替えた。
どうやら、冗談ではないらしい。
長野「まず、しつこいようだが言っておく、あれは本物、正真正銘の化け物だ」
徹「化け物って、何を根拠に言ってるんですか?」
思わず質問する。
具体的に聞いておかなければならない、これはまじめな話だ。
長野「まず、簡単に言うとだな、俺がナイフで心臓を刺しても走って追っかけて来た」
さらりとそんな事を言う。
心臓を?殺す気だったのだろうか・・・とっさの判断でもすさまじい行動だ。
長野「それに、あいつは霧がでている何処にでも出現できる」
徹「それで、化け物と」
なるほど、確かに化け物だ、でっかいタコとか恐竜が出たなんてのよりずっと化け物らしい。
綾が口を開いた。
綾「なんであんなのがいるのに私たちを連れてきたんですか?」
その言葉はすこし敵意さえ感じさせた。
相変わらずのストライクボール発言、不安と恐怖が重なっているのだろう。
長野「供養なんだ・・・」
徹「供養?」
長野「昨日も言ったが一人死んだってのは、あいつと一緒に崖に心中させようとしたんだ」
崖から落ちた?心中?
長野「そいつは、部長の彼女だった、確かにあいつと一緒に崖から落ちた、しかしあの化け物はいまだに俺達の前に現れた」

【回想:薊の花】

ああ、あの薊はその人に手向けた物だったのか、少し乾燥してても新しい物だったな。
ガタンッ!
村野「うちが悪かったんや・・・くじで決めたのに・・・うちがビビッたから・・」
青ざめた村野さんがテーブルを叩く。
その手にはすでにビデオカメラは無かった、それだけで彼女の不安が判る。
長野「誰のせいでもない!俺だって怖かった」
すこし、気まずそうな顔をする長野先輩。
深町「馬鹿な女だったわ」

【画像:深町(にやり】

深町先輩がにたりと口を開いた。
深町「誰がおとりになるかくじで決めたのに村野さんをかばうんだもの、部長を置いていってくれたのは感謝するけどね」
長野「深町、お前!」
深町先輩?
深町先輩は唇をゆがませ笑みを浮かべていた。
あの、優しい先輩が、こんなはなしで笑った。
村野「いやや・・・死にとうない・・・」
場は完全に混乱していた、人間は追いつめられると、ボロボロと言葉をこぼすのだろうか。

【音楽:暗め】

長野先輩は黙り込み、村野さんは震え、深町先輩は知らん顔をしていた。
怒りがこみ上げてくる。
なぜ、乱れるのか。
まるで僕たち一年生にまとめろと言っているようじゃないか。
徹「いい加減にしろっ!」

【効果音:ガタン(音楽を止める】

思わず僕は怒鳴ってしまった。
あ、しまった・・・冷静でいなければならない僕が怒鳴ってしまった。
普段はクールを演じてたのに、なんて・・・冗談は通じ無そうだ。
全員が静かに僕を見る、少し恥ずかしくなってうつむいた。
しかし、綾を危険な目に遭わせたのは許せない。
徹「長野先輩、いつもらしく仕切ってくださいよ、皆さんも暗い顔しないでくださいって、はは」
おちゃらけて言う、ああ、恥ずかしかった。
何とかこれでまとまるだろう。
船が来るまで後三日、どうにかしなければならない。
それまで、綾を守らなければ。
長野「ああ、す、すまん、少し取り乱した」
長野先輩が少し、驚いたように言った。
村野さんも顔をあげた。
深町先輩は相変わらず知らん顔をしている。

【音楽:暗め】

長野「船を待つしか、ないな・・・なるべく外には出ないでここの中にいた方がいい」
それが、最前の手段だろう、君子危うきに近寄らずだってけか?
どうにか綾をなだめて三日待たせよう。
そこで、軽い食事をとり、解散となった。
綾を部屋に連れていくと僕は自分の部屋に戻った。

【場所:徹の部屋】

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最終更新:2006年09月16日 21:34